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第15回 オトナの基本用語:その15
(オヤジ編)
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さあ、月曜日である。新しい週の始まりである。
午前中の会議はいかがだっただろうか。
本日は月末ということもあり
月曜日のバタバタ具合に
拍車がかかっているのではないだろうか。
ともあれ、がんばっていこうではありませんか。
今週もよろしくお願いいたします。
さて、例によって当コーナーには
たくさんメールが送られてきているのだけれど、
最近、ある種の言葉を
掲載しようか掲載すまいか少々迷っていた。
何かというと、
「こりゃ、オトナ語というよりオヤジ語じゃないかなあ」
と思われるような言葉についてである。
賢明な読者は先刻ご存じのように、
そもそも「オトナ語」に定義はないわけであって、
その意味で「オトナ語」も「オヤジ語」も
すでにいっしょくたになって掲載されてきている。
だから、「オヤジ語」を敬遠するというわけではない。
けれども、あんまり「オヤジ語」を続けて掲載すると、
たんなる「死語のコーナー」みたいになっちゃうので
少しずつ混ぜながら使ってきたというのが現状である。
で、なんでまたそんな話を
くどくどと書いているかというと、
最近「オヤジ語」っぽい言葉が
溜まってきてしまったのである。
つまり本日は、勝手ながら
「オヤジ語っぽいオトナ語」大放出デーとさせていただく。
くり返すが、「オトナ語」も「オヤジ語」も
定義は曖昧であり、境界は見えるようで見えない。
いつものように読んでもらっても、
まったく差し支えがない。
つまり、本日掲載される言葉の数々は、
「なんとなく古くからあるんだろうなあ」
くらいのつもりで読んでもらえれば幸いである。
以上を、本日の方針として説明させていただき、
いつもの挨拶に入らせていただきます。
モニターの前のみなさん、心でご唱和ください。
全国のオフィスでがんばる諸先輩方、
お世話になっております。
たとえあなたと私が初対面でも
お世話になっております。
たとえあなたが元気いっぱいでも
お疲れさまです。
たとえあなたと会ったのが深夜でも
おはようございます。
どなた様か存じませんが
お世話様です。
たとえいまが深夜2時でも
お先に失礼します。
社会に飛び交う謎めいたオトナ語を紹介する当コーナー、
「勤務中にすごくいいのを思いついたんですけど
どうしても思い出せないんです!」と、
すごく悔しそうなメールが届いたりもしています。
合い言葉は「なるはや? 午後イチ? ペンディング?」
謎めいたオトナ語を叡智の光で照らせ。
自販機のコーヒーカップから上る湯気を揺らす一陣の風、
それがすなわち「オトナ語の謎」!
お互いハッピーになるようセグメントしつつ、
病院立ち寄りのあとに役所立ち寄りしながら
手前どものにんげんが参上いたします。
はなはだしろうと考えではございますが、
流動的に、おしりまでご笑覧くださいませ。
(提供者:ぎも)
■無料で、タダで、という意味。
ウンチクを語るようで恐縮であるが、
漢字の「只(ただ)」という文字を
上下にばらすと「ロ」と「ハ」になるというのが
語源だといわれている。飲み会で披露しよう。
(提供者:ぎも)
■「あご」は食事を指し、「あし」は移動を意味する。
つまり、「あごあしつき」といえば
「食費も旅費も先方が手配して払ってくれる」
ということになる。
わりと知られていることなので
飲み会で披露しないほうがいいぞ。
(提供者:しのぶ)
■「あご」は食事、「あし」は移動、
それでは「まくら」は、なぁ〜に?
もったいつけるまでもなく宿泊を示す。
つまり、「あごあしまくらつき」ということは
「食費も旅費も宿泊費も先方が手配して払ってくれる」
ということになる。語源はともかく、
先方からそういうもてなしをうけることになったら
飲み会で自慢したほうがいいぞ。
(提供者:tairita)
■そもそもの話に立ち戻るならば、という意味。
「いや、そもそも論、価格を下げるのは無理でしょ?」
「というかだな、いまさら、
そもそも論やってる場合じゃないだろう」
新入社員にはなかなか使えない言葉である。
(提供者:ゆりっぺ)
■「おい、ここに、ぽんち絵入れといて」
などと言われて戸惑う若者続出。
書類などに添える、簡単な図を指す。
「ここのマンガ、ジャマだから削除して」
というのも同じ意味である。
それにしても「ぽんち絵」というのは
ものすごいインパクトであることよ。
キレ者と評判の女性上司も使ったりするのだろうか。
「村上クン、ここにぽんち絵入れてくれる?」
(提供者:Junko)
■覚えたつもりでいるのだが、
いざ遭遇すると不安になるというタイプの言葉。
この機会にしっかり覚えておこう。
「〜する努力を惜しまない」
あるいは、「喜んで〜する」という意味。
なんだか、政治家が使った言葉を
喜んで使いたがる上司っているよね。
(提供者:しまうま)
■要するに「儲かってるぞぉ」という意味だが、
語源は、売上などを示すグラフが
右へ行くにしたがって上昇することから。
儲かっているだけでなく、
時間の経過にしたがって成長してるところが
右肩上がりのポイントです。
どうも今日は、ちょっとしたウンチクを
得意気に語り続けているようで恐縮です。
(提供者:しまうま)
■どんどんどんどん上がり続けていって、
「おいおい天井がねえぞ、こりゃ」という意味。
賭け事などで「上限を設けないこと」としても
使われる言葉である。役立つだけの解説でゴメン。
(提供者:ともぞ)
■土曜日など、午前中だけ勤務すること。
もしくは、半日だけ休みをとること。
要するに「半休」のことなのだが
なぜ「どん」なのかはわからない。
村に住む「はん」という男ではない
ということだけはたしかである。
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※その後、多くの諸先輩方にご指摘いただき
「オランダ語で休日を意味する
zondag(ゾンターク)から転じた」説と
「正午に大砲をドンと鳴らす風習から」説の
ふたつが「どん」の語源であることを知りました。
となると、表記は「半ドン」が正しいのかな。
みなさまのお気遣いに感謝いたします。 |
(提供者:はなな)
■その場で賃金を現金支給すること。
使わない人はまったく使わないと思うが、
肉体労働や芸能活動において
現代でもふつうに残っている言葉である。
ちなみに、その場で現金支給された賃金を
後ろから走ってきた泥酔者に持ち去られた場合、
「とっぱらいだったがよっぱらいにかっぱらわれた」
という、趣深い表現になる。
(提供者:みずまる)
■これまた古くさいようでいて、
現代にしっかりと残っている言葉であり
ビジネス用語辞典にふつうに載っていておかしくない。
つまり、請求書などに記載される金額を
源泉徴収される10パーセントの所得税込み書くこと。
たとえば若手芸人チョンマゲ四姉妹のギャラが
「8000円」だったとすると、
実際に振り込まれる額は源泉徴収を引いて
「7200円」になってしまい、
チョンマゲ四姉妹はガッカリするわけであるが、
ギャラが「8ならび」だった場合、
額面「8888円」の手取り「8000円」になり、
チョンマゲ四姉妹は大喜びするわけである。
(提供者:無頼庵)
■「で、おいくら万円?」
書いているだけで脱力するフレーズであり、
いわば駄菓子屋のおばちゃんレベルであるが、
こういうことを言うオトナもいるということで
さっさとつぎに読み進んでほしい。
(提供者:ぱーる、どちゃく、村をんな、さぶ、すぎゃ)
■テレビCMなどで使われているので
周知かと思われたが、意外に戸惑う若者続出。
社会においてはしばしば「勉強」=「値引き」であり、
「もうちょい勉強してよ〜」は「まけてくれ」である。
とくに関西方面では、ふつうの言葉として通る。
(提供者:ぽんこ)
■予定調和で、何事もなく終わること。
どちらかというと
「なんだよ、けっきょくそれかよ」といった
ニュアンスで使われがちであるが、
火を噴くよりはシャンシャンのほうがマシであろう。
(提供者:あさみ、はっぴー、達矢、あきら、ささかず)
■紆余曲折あってわけがわからなくなった企画などを
いったんゼロに戻してやり直すという意味と、
いろんな意見をすべて反映させるわけにはいかないから
完全なものじゃないけれど、とりあえず形にして
勢いで出してしまいましょう的ニュアンス。
みなさんの投稿をガラガラポンすると
そのような意味になるらしいです。
(提供者:セイゴフッコ)
■もしもあのとき〜して「たら」、
もしもあのとき〜してい「れば」、
そういう、無意味な後悔を「たられば」と称す。
「『たられば』言っててもしかたないだろう?」
上司の常套句に、ときに本気で励まされたり。
(提供者:ひろすけ)
■「いの一番でやらさしてもらいまっさ!」
いったい我々は何時代に生きているのだろうか。
(提供者:マロ)
■「いやいや、なにをおっしゃいますやら!
今回の成功はもう、御社のおかげでして、
おんぶにだっこに肩車ですよ!」
いったい我々はどこまでへりくだるのだろうか。
(提供者:木尻透)
■「あいつは一匹狼だからなあ……」
気弱な上司がため息まじりにつぶやくとき、
そう表現された社員を褒めているわけではない。
「あいつは、協調性がなくて困るよ……」
そういう意味を含むのである。
(提供者:LuLu)
■広い意味での経理担当者。
実際の経理である場合もあるし、
飲み会などの幹事を指す場合もある。
経理の部署を指して「大蔵省」ということもある。
「ウチの大蔵大臣がなんていうかなあ」
という場合は、おおむね妻を指す。
(提供者:よ〜じ)
■取材相手や得意先に、朝となく夜となく
食い下がっていくことを指す。
「営業ってのはな、夜討ち朝駆けが基本でな」
などと説教に織り交ぜられることも。
(提供者:Cazy3)
■大きな意味では上司だが、
役員レベルを指すことが多い。
ある程度の年齢となったベテラン社員が
ぼやき混じりに会社を批判するとき多用。
複数の場合は「おエライさん方」となる。
(提供者:はなはなな)
■実際の数字にちょっと上乗せすること。
「ちょっと下駄をはかせとけ」
と言われて、下駄を探してはいけない。
(提供者:chicchi)
■やるまえからおおげさなことを言うこと。
「あの会社、風呂敷だけは広げるからなあ」
と言われて、風呂敷を探してはいけない。
(提供者:ぶっちゃー)
■たいして変わらないような変化、改善を指す。
「新商品つっても、もとのに毛が生えたようなもんだろ」
と言われて、毛を探してはいけない。
(提供者:KAORU)
■死んでもらいます、ということではなく、
お金絡みとか、相場絡みとか、
日々、気を抜けない世界なんですよ、
という意味で使われたりする。
「私どもはもう、切ったはったの世界ですから」
若手社員のみなさんはビビらないように。
(提供者:ショウコ、おうえる、ふかー)
■死んでもらいます、ということではなく、
関係者にことわりを入れておく、ということ。
「念のため、関連部署に仁義を切っておきます」
「渡辺本部長に仁義切っとかないとうるさいからな」
というふうにふつうに使われている。
若手社員のみなさんはビビらないように。
(提供者:K、あたま)
■このへんの言葉は、若い子もふつうに使うかも。
要するに、お歳をめした存在感のある女性社員のこと。
多くの場合、未婚であるが、それが条件ではなかろう。
(提供者:あけがた)
■お局さまがたくさんいらっしゃるような場所は
しばしばそのように呼ばれる。
お局さまにしても大奥にしても、
本人の耳に入らないような場所で使うくせに
いちおう敬意をはらっているあたりが興味深い。
(提供者:井久美)
■結婚して退社することであり、
なぜか女性にのみ適用される言葉。
「あの娘、寿退社だってさ!」と、
大奥のお局さまは吐き捨てているかもしれない。
(提供者:鼻炎猫)
■妻のこと。
当たり前じゃないか! と言うなかれ。
自分の妻のことを「ワイフ」というのは
絶対に当たり前ではないぞ。
悔しかったら言ってみろ。
(提供者:カトユタ)
■ピンチを救う、特別な手段といった意味合い。
人脈だったり、アイデアだったり、特別予算だったり。
「いや〜、あのときはどうなることかと思ったけど、
片桐部長のウルトラCでなんとかなったよ」
もとは体操用語だと思われるが、
ウルトラCが最高難度だったのは遙か昔である。
(提供者:normal)
■歳をとったオトナは
仕事をマラソンにたとえがちである。
「まずは順調だが、マラソンにたとえると
まだまだ10キロ地点といったところだからな」
同様に、歳をとったオトナは
仕事を富士登山にたとえることもある。
「富士登山でいうと六合目というところだ」
(提供者:ここみみ、kaka、mihoco、はむユミ、茅凪)
■報告レンジャー!
連絡レンジャー!
相談レンジャー!
3つそろって! ほうれんそう!
……新人研修などでいまだに説明されるという。
それが仕事において大切であることは理解するが
どうしても、その、つまり……ダジャレじゃん?
(提供者:いわねやま)
■なんにもしない専務のことだ。
説明させんな。
(提供者:Hajime)
■酒飲んでコミュニケーションをはかることだ。
説明させんなよ。
(提供者:佐野)
■などと言いながら、
親指と人差し指で輪をつくったり、
小指をたてたり、ゴルフのスイングをしたり。
「どうなのよ、最近こっちのほうは?」
そんなこと、自分でも言うようになっちゃうのかな?
本日はこのあたりで失礼させていただきます。
「オヤジ語っぽいオトナ語」大放出デーでした。
また、勝手ながら、本日より
「オトナ語の謎」は月曜日、水曜日、金曜日の
週3日更新とさせていただきます。
次回は水曜日になりますので、よろしくどうぞー。 |