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第20回 オトナの基本用語:その20 ■■■
なんともオトナっぽい現象を発見したのでご報告。
なんと、朝の通勤時間を利用して
当コーナーへ投稿してくださる方が
いらっしゃるのである。
まるで季節のうたを詠むがごとく、
車窓に流れる風景をしばし眺め、
ゆったりと思案し、
心の奥底にある記憶をひもとき、
ハッとひらめいて、携帯にてメールする。
電車のなかの手持ち無沙汰な時間をつぶすにおいて
少しでもお役に立てているならうれしく思います。
早いもので、第20回目を迎えました。
全国のオフィスでがんばる諸先輩方、
お世話になっております。
たとえあなたと私が初対面でも
お世話になっております。
たとえあなたが元気いっぱいでも
お疲れさまです。
たとえあなたと会ったのが深夜でも
おはようございます。
たとえいまが深夜の2時でも
お先に失礼します。
どなた様か存じませんが
お世話様です。
社会に飛び交う謎めいたオトナ語を紹介する当コーナー、
海外のビジネスマンが日本の喧噪を
懐かしく思い返しながら読んでいることでも有名です。
合い言葉は「なるはや? 午後イチ? ペンディング?」
謎めいたオトナ語を叡智の光で照らせ。
キヨスクでドリンク剤を飲み干すあなたに吹く一陣の風、
それがすなわち「オトナ語の謎」!
二度手間三度手間になることを視野に入れつつ、
ついでのときにインラインでコメントしながら
手前どものにんげんが参上いたします。
お願いばかりで恐縮ですが、
仕事抜きで、おしりまでご笑覧くださいませ。
(提供者:たまね)
■第一印象ではオヤジ語のように思える言葉でも
デキる人が凛として使うと、
思わずマネしたくなるようなオトナ語に
なりうるから不思議である。
たとえば社長第一秘書の小早川さんが
電話口でつぎのように言っていた。
「それではファクシミリを
ご送付させていただきますので──」
言葉は使う人によって価値を変える。
ちなみに、全国のオフィスに細々と残る
「ゼロックスする(コピーする)」は
あまりマネしたいとは思えないなあ。
(提供者:paqy、アリス)
■1年を半分に分けるのが半期。
それをさらに半分にすると四半期。
「第2四半期」とか「第3四半期」とかいう
妙な言い回しもあるから注意。
カタカナでいうところの「クオーター」。
略して書類に「1Q」などと書いてあっても
クイズじゃないぞ。
(提供者:sayaka)
■「ジャッジ」を「する」から「ジャッジする」!
なんじゃそれ、と突っ込む声も聞こえるが、
けっこう日常でさらっと使われている。
「そのあたりは現場でジャッジして……」
「まず、企画段階でジャッジすることになるかと」
「ジャッジ」を「する」から「ジャッジする」!
それがありならなんでもありじゃん、
などと言ってはいけない。
(提供者:suna)
■ざっくりとした見積もりのときなどに使う、
なんらかの「5」を意味する言葉。
仕事の種類や規模に応じて
5万円だったり50万円だったり5千万円だったり。
「どうがんばっても片手はいきそうですねえ」
「逆にいうと片手でおさまりますか?」
発音の際、相手に向けた手のひらは
もちろんパーの形になっている。
当然、同じ使い方で「両手」もあり。
(提供者:Cazy3)
■自分の周辺がせわしないことを示し、
その意味で以前紹介した
「バタバタする」や「とりこみ中」に似ているが、
こちらは、自社や自分の抱えたやっかいなこと、
といったニュアンスを含む。
「例のゴタゴタがやっと片づいたんで……」
(提供者:音十)
■おおむね「〜が悪い」と続く。
仕事がなかなか仕上がらない様子を意味する。
余裕のない局面で発せられることが多いが、
言葉としてはなかなか風情がある。
「ただいまお送りいたしました。
手離れが悪くて申しわけございません」
(提供者:マープ)
■提出する資料などにボリュームを持たせるために入れる
たいして意味のないデータなどを指す。
「このグラフ、去年のデータですよ?」
「にぎやかしに、あったほうがいいんだよ」
(提供者:(え))
■チェックが徹底していない様子。
ざるが水を通すように、
問題を素通りさせてしまうということ。
「なんだこれは! ざるだな!」
(提供者:erika)
■オヤジ系の上司が何かにつけて
口にする野菜の名前。
「しかしもへちまもないだろう!」
「税金だ、経費だ、へちまだ、言うけどな」
なんでまた、へちまがそういった
損な役回りを演じねばならないんだろうか。
(提供者:猛虎襲来)
■何かが却下されるときによく聞く言葉。
見えてこないものは、コンセプトだったり
具体的な数字だったりさまざま。
浜崎「いかがでしょうか?」
渡辺「う〜ん……企画の意図が見えてこないな」
(提供者:くらむぼん)
■何かが却下されるときによく聞く言葉。
つまり、ダメだということ。
浜崎「いかがでしょうか?」
渡辺「う〜ん……企画の意図が見えてこないな。
部分的には、いいんだけどね」
(提供者:MAMAMA)
■何かが却下されるときに、要求されたりする言葉。
かといって遊びすぎたりするとまた却下の原因に。
浜崎「いかがでしょうか?」
渡辺「う〜ん……企画の意図が見えてこないな。
部分的には、いいんだけどね……。
こう、遊びが足りないというか。」
(提供者:MAMAMA)
■何かが却下されるときに、
きちんとした根拠なく唐突に突きつけられる言葉。
そんなこと言われてもなあ。
浜崎「いかがでしょうか?」
渡辺「う〜ん……企画の意図が見えてこないな。
部分的には、いいんだけどね……。
こう、遊びが足りないというか。
ひとことで言うと、弱い」
(提供者:JIN)
■何かが却下されるとき、
そこに足りないものとして指摘されるもの。
けど、その指摘はじつは曖昧である。
浜崎「いかがでしょうか?」
渡辺「う〜ん……企画の意図が見えてこないな。
部分的には、いいんだけどね……。
こう、遊びが足りないというか。
ひとことで言うと、弱い。
もっと、軸になるものがないと。」
(提供者:フネ)
■浜崎「いかがでしょうか?」
渡辺「う〜ん……企画の意図が見えてこないな。
部分的には、いいんだけどね……。
こう、遊びが足りないというか。
ひとことで言うと、弱い。
もっと、軸になるものがないと。」
浜崎「そう思ってがんばってみたんですが……」
渡辺「がんばるだけじゃダメだろう!」
(提供者:MAMAMA)
■浜崎「いかがでしょうか?」
渡辺「う〜ん……企画の意図が見えてこないな。
部分的には、いいんだけどね……。
こう、遊びが足りないというか。
ひとことで言うと、弱い。
もっと、軸になるものがないと。」
浜崎「そう思ってがんばってみたんですが……」
渡辺「がんばるだけじゃダメだろう!」
浜崎「はあ……」
渡辺「もっと、こう、若い人の感覚で」
(提供者:ジャンルカ)
■浜崎「いかがでしょうか?」
渡辺「う〜ん……企画の意図が見えてこないな。
部分的には、いいんだけどね……。
こう、遊びが足りないというか。
ひとことで言うと、弱い。
もっと、軸になるものがないと。」
浜崎「そう思ってがんばってみたんですが……」
渡辺「がんばるだけじゃダメだろう!」
浜崎「はあ……」
渡辺「もっと、こう、若い人の感覚で」
浜崎「具体的に、どうすれば……?」
渡辺「そのへん、どうやったらできるか考えてみてよ」
浜崎「…………」
(提供者:彩)
■浜崎「……はあ」
小早川「あ、浜崎クン、どうだった?」
浜崎「……ばっさりでした」
(提供者:くろ耳、サラ)
■「セキはセキを外しております」に続く第2弾。
それは「オクサマ」!
ワイフなのか? ミスター奥なのか?
「オクサマからお電話です」
「オクサマがいらっしゃいました」
いや、まあ、考えればわかるんだろうけど。
本日はこのあたりで失礼させていただきます。
たくさんのメールをありがとうございます。
なお、予告ではありますが、
来週月曜日より、「オトナ語の謎」は
新章へ突入したいと考えております。
また、みなさまのお力をお貸しくださいませ。
それでは、月曜日にお会いしましょう! |