BUSINESS
オトナ語の謎。
オレ的にはアグリーできかねるんだよね。

■■■  第37回 オトナ語実践編:その14 ■■■

休み明けの一週間もようやく終わりを迎えるわけで、
全国のオフィスでがんばる諸先輩方も
しだいしだいに勘を取り戻してきたことと思う。
前倒し前倒しにしてきた人は平穏な一週間。
先送り先送りにしてきた人はばたばたした一週間。
オトナといえど、概ね休み明けは後者であろう。

ばたばたしたオフィスには
ちょっとしたトラブルがつきもの。
取り次ぎ中に間違えて電話を切ってしまったなんてことも
けっこう起こったのではないだろうか。

そんなあなたに今回の実践問題。
窮地を脱するとっておきの方法があるのかないのか。
まずは前回の設問を振り返る。


  実践問題その13 

 
クライアントから電話がかかってきました。
 ところが、内線を回すときにミスがあり、
 電話が切れてしまいました。たいへんです。
 慌ててあなたは電話をかけ直します。
 さあ、そこで、ひとこと。
  

さあ、オトナたちはどんな小細工をするのかと思いきや、
ほとんどの方は素直に謝罪する。
謝るべきところは謝るべきなのだ。
違う言いかたをすると、いかに感じよく謝るかが、
今回の実践問題のポイントなのかもしれない。
さまざまな場面に応用が利きそうな
謝罪の表現を学んでいこう。
なお、投稿のなかでは、自分の立場が
「回そうとして切ってしまった人」だったり、
「切られた電話を回してもらうべき人」だったりするので
例によってオトナの解釈で読んでほしい。

野口課長ですか。
お世話になってます。
すみません、課長先ほどこちらにお電話いただきました?
あ、そうですか。やっぱり。
すみませーん。
こっちのミスで切れてしまったようで。
申し訳ないっすー。
内線のつなぎがよくないみたいなんですよね。
IP電話入れたせいですかねー。
はい。それで、お電話いただいたのは例の件ですよね。
はい。いかがでした? 会議の方は。
(提供者:モリタツ)

■ああ、なんというか、感じがいい。
 この人は信用できるという印象がある。
 確認し、謝罪し、ワンクッションおいたうえで
 きちんと仕事の話に戻る。
 それぞれのブロックが長すぎても短すぎてもよくない。

先ほどは途中で切れてしまいまして、
大変申し訳ございません。
小林はちょうど今、席に戻った所です、
このまま、おつなぎいたしますので、
もう少々お待ちください。
(提供者:ちよのすけ)

■ああ、綺麗な謝罪はすがすがしくて心地よいなあ。
 こうあるべきだろう、オトナは。

すみませんー、やっちゃいました!
もう大丈夫です。繋がってますんで。学習しますー。
(提供者:tairita)

■これはこれで、オトナな感じである。
 相手とある程度親しいという設定だろうが、
 後味の悪さというものがまったくない。
 ポジティブでいい感じである。

(相手が「もしもし」というのにかぶせるように)
た、大変しつれいいたしましたーぁ!!
(提供者:satoko)

■うはははは、噴きだす額の汗が見えるようである。
 思わず先方も「まあまあ」と大らかになる。
 むろん「もしもし」と言った相手を
 聞き違えるようなヘマはしない。

大変(たいっへん)、申し訳ございません。
コドモ企画さまでいらっしゃいますか。
オトナ商事、小川と申しますが、キッツ課の
永瀬様お願いできますでしょうか。
あっ!永瀬様。
オトナ商事の小川です。
大変(たいっへん)、申し訳ございません。
本当(ほんっとう)に、もう。
電話をおつなぎする際に、手前どもの手違いで、
切ってしまったようで。
(提供者:みけ)

■たいっへん、恐縮している様子であり、
 ほんっとうに焦っているようだ。
 さらりと「手前ども」が出てくるあたりも
 オトナである。

けっして長瀬さんからの
お電話を恐れて切ったわけではありませんよー。
ははは。
タイアップ企画案の提出ですよね。
はい、ええ、今必死にやっておりまーす。
明日の夕方にはお持ちできるかと…。
(提供者:nat)

■かなり親しい相手には、
 笑って許してもらう方向で。

先程はお電話が切れてしまったようなのですが
ただ今お時間いただいてもよろしいでしょうか。
(提供者:かずみ)

■さっきの時間は電話しても平気だったが、
 かけ直したいまは、相手は多忙かもしれない。
 そういった丁寧な気配りを感じる名回答である。
 トーンが紳士的だからこそ、
 「切れてしまったようなのです」という
 「どっちの電話が原因かわからない」感じで
 進めていても違和感がない。見事。

もしもし、田中様でいらっしゃいますか。
申し訳ございません!先ほどお電話いただいたのに。
私どもの回線の調子が悪かったようで・・・
(提供者:kurikuri)

■ま、まあ、内線のつなげミスも、
 「回線の調子」といえないこともない。

あ、電話切れましたね。
ま、それはいいとして、本題ですけど…
(提供者:イナオ)

■おお! 謝罪なしバージョン!
 とにかく仕事の話でしょう、というコンセプトも
 オトナとしてはありえそうな気がする。
 むろん、先方とは親しいのだろうけれど。

市役所市民課のKと申します。
あ、はい、先ほどの・・・ああ、はい、誠に
申し訳ありません。
はい、何だか電話が切れてしまいましたようで・・・
(提供者:K)

■わああ、これはなんだかダメな感じだ。
 でも、ダメな感じだからこそ、
 「ああ、いいですいいです」と
 早めに許してしまいたくなる。

そんなわけで、意外に堅実な結果となった
実践問題13を終わります。
さあ、つぎの問題はまたおかしなことになってますよ!
難題ですが、楽しみながらお答えいただくと幸いです。


  実践問題その14 

 
あなたは、何人かといっしょに、焼肉を焼いています。
 焼肉を焼きながら交わされるような言葉を、
 あえて、無理矢理に、
 オトナ語を使って表現してみてください。
 例:「このカルビって、俺マター?」
  

わーーー、これは難しい。
というか遊びのセンスが問われる。
どうなることかわかりませんが、
とりあえずやってみましょう。
ぜひ、お気軽にご投稿ください!!

この実践問題の受付は終了いたしました。
 たくさんの投稿、ありがとうございました!


■■■ オトナの基本用語:その31 ■■■

許容範囲
(提供者:ヒロヒロ42)
■それくらいなら許されるだろう、という意味を込めて
 オトナは「許容範囲!」と叫ぶわけだが、
 その範囲がどこからどこまでかは不明である。
 とくに、納期が迫っていて、
 十分な修正が効かないような場合は、
 その範囲は果てしなく広いものとなる。
 「あの、ここ2ミリはみ出しちゃうんですが……」
 「許容範囲!」
 「これ、どう見ても緑色ですねえ……」
 「許容範囲!」
 「ありゃ? センチじゃなくてインチじゃん」
 「許容範囲!」
 「500個じゃなくて、5個でした!」
 「き、許容範囲!」
 「おい、今年2003年だぞ!」
 「き、許容、範囲……」
 許容範囲の旗の下、オトナたちは突き進む。

秘密の番号
(提供者:Sachiko)
■営業時間が終わって連絡がとれなくなっても、
 先方の社内には誰かしらいるはずなのである。
 そこへつながる秘密の電話番号を、
 知っている人は知っているのである。
 「あっ、7時過ぎちゃった。
  シロクマ商事って電話つながらなくなるんだよな」
 「後藤さんが秘密の番号知ってるよ」

聞こえてくる
(提供者:じゅんじ)
■私の意見ではなくて、
 ほかの誰かが言っていることなんだけど、
 というニュアンスを先方へ伝えるときに使う表現。
 「どうも若い人たちには受け入れられない
  という声が聞こえてくるんですよね」
 「最終的に余ってしまうんではないかという意見が
  聞こえてくるもんですからね」
 「ぜひやるべきだという声が聞こえてきましてね」
 お告げでもないし、幻聴でもない。

異業種交流会
(提供者:aya)
■違った業種の人たちが集まって、
 業界の垣根を超えて情報交換する
 会合である場合もあるが、
 合コンである場合もある。

国際交流
(提供者:はなな)
■違った国籍の人たちが集まって、
 国境を超えて文化や情報を交換する
 ことである場合もあるが、
 外国人のおねーちゃんのいるパブで
 飲むことを指す場合もある。

基本用語のほうも、これまでどおり募集します。
あてさきはpostman@1101.comです。
表題は「オトナ語基本」としてください。
「これはもう出てたっけ?」というものでも
気にせず自由に気軽にメールしてください!
ちなみにネタの説明文は
こちらで書き起こしておりますので、
適当に書いていただくだけでかまいません。


■■■ アシスタントより ■■■

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お待ちしております!
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こちらのほうの表題は
ふつうに「オトナ語」でけっこうです。
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2003-08-22-FRI

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