第十回 「気ラーメン座礁する!」
ほぼにちは。高田馬場サガコです。
12月中はなんとなく不定期な更新が続き、
今になって立て続けに連載しているこの企画。
滞っていた間には、大きな1つの事件が起こっていました。
今日は、そのご報告です。
読みたくもない?
そう言わないでください。
私だって、書くのがつらいんですから。
(「葬送行進曲」などをBGMに、どうぞ)
■ご報告
「ほぼ日公式ラーメン」を開発しようということで、
ミーティングを重ねに重ねて、
ようやく辿り着いた「気ラーメン」企画でしたが、
この度、「気ラーメン」は開発中止となりました。
えええええーーーーーーーーーーーっ!
……はい。
本当に、私たちの気持ちも、
そう叫びたいくらいの状態であります。
ですが、たくさんの検討を重ねた上で、
この様な結論に至りました。
■企画凍結の理由について
「気ラーメン」はスープも具も決まって、
パッケージのデザインも終了し、
後は工場での生産を待つばかりという、
本当に発売間近のところまで来ていました。
秦先生には、ある地方にある工場に行っていただいて、
そこにある「おサルのナルト」に、
気を入れていただいて、仕上げという段取りでありました。
以前、「ほぼ日」主催で行った
「蝶の舌」試写会で、サンプル版として
ご来場の方々にお配りして、
味についてのご意見をうかがったりしました。
あの時のものが、サンプル版の
「気ラーメン」だったのです。
味に対しての皆さんの評判も、とてもとてもよくて、
あとは、微調整を残すだけという段階まで来ていました。
だったら、どうしてそんなクオリティまで来ておいて、
「気ラーメン」は発売されないのか。
それは、私たちが注目した「気功」について、
未だ明確な科学的実証がなく、
ひとつの商品として世に送り出すには疑問が残る、との
ご意見を一部の方からいただいたからです。
私たち「ほぼ日」スタッフにとっては
気功はとっても身近なモノ。
しかし、必ずしもそれが一般的な常識になっているか、
と言われると、疑問が残るのは確かでした。
もともと、『信じようと信じまいと』という
フラットなスタンスで商品化していこうと、
話しあっていたので、
法律的な問題があるとか、何かリスクが生じるとか、
そういうことではなかったのですが、
「効くと思いこんで買った人が、
効かないぞ、と抗議してきたとき」に、
そのあたりのユーモアや、余裕での答えは困難そうです。
私たち「ほぼ日」と日清食品は悩みました。
とてもとても悩みました。
秦先生にも相談をしたりして、
「気ラーメン」を発売する方法を模索しました。
しかし、最善手は見当たりませんでした。
最終的に、私たちはこの企画を凍結しようという
結論に至りました。
残念ですし、無念でした。
ここまで一生懸命作り上げてきたことを、
途中で諦めなくちゃいけない。
悔しい気持ちでいっぱいでした。
一度発表してしまったこと、連載してきたことについて、
どうやって収拾をつければいいんだろう、という責任にも
圧し潰されそうになりました。
けれども、最終的には、
「ここは覚悟を決めたほうがいい」と
darlingが言いました。
中途半端に疑問の残る商品を出すよりも、
一回諦めて、みんなの納得がいくラーメンを
もう一度考えることができるなら、
それはもう、とてもとても大変かもしれないけど、
その方がいいんじゃないか、と。
私も、スタッフの皆も、
悔しいながらに、darlingと同じ思いへと辿り着きました。
かなり長い時間がかかりましたが。
日清食品の方々は、私たちを励ますように
「これに懲りず、また、一から始めましょうよ」
とおっしゃいました。
darlingも
「もっとおもしろいラーメンを作ろう。
そう思って、前を向こう」
と言いました。
だから、残念だけど「気ラーメン」の連載は、
ここでおしまいなんです。
期待して待っててくださった皆さん、
最終的にお届けできなくて、本当にごめんなさい。
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しかぁし!!
ここで引き下がるような、ワタクシ達ではなくってよ!
「気ラーメン」の凍結が決まるやいなや、
私たちは、すぐに(ってのはウソですが)、
次なるアイデアに向かって動き始めましたとも。
来年は、またゼロからのスタートです!
だけど、積み上げてきたモノは確かにあるし、
私たちと日清食品さんのチーム感は、
今回の一件でもっと強固になりました。
いっしょに戦場にいる仲間、って感じ?
気持ちの温度は、急上昇。
100度の熱湯さ。あとは3分間待つだけ・・・・・??
ぜーーーってぇ、もっといいラーメンを作ってみせるぞ!
「ほぼ日」と日清食品のチームプレイに、
どうぞ来年も期待してください。
必ず「ほぼ日公式ラーメン」は出来上がります!
それだけは皆様に約束します!
今までどうもありがとうございました。
また来年、新しい展開でお会いしましょう。
とは言っても、
連載復活はすぐの予定!
(もう次の企画が、すっかり進行し始めてますからね!)
ああ、言いたくてたまらない。わきわき。
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