第3回
「百円ショップへGO」
百円ショップ、その低級な響きにケゲンな表情をするのは、
僕も例外でなかった。普通の反応だと思う。
し・い・い・か・し、前回の[電気カミソリ刃洗浄剤]で、
その百円ショップのパワーに引かれた僕は、
更なる探検を試みたのである。
そこで発見したものは、期待を
うわまわる収穫物の数々であった。
わかりやすいブツからいこう。
まずビニ傘。
これはだれもが、納得の一品。さすがに100円はヤスイ!
しかし、普通のビニ傘とちょっと違い、
柄が丸く、ゴテっとした変なデザインだが、
持っててカッコ悪いというほどの品物ではない。
事務所などの置き傘にど〜〜〜だろう。
10本買っても1050円である。
そして、ビニガッパ。
これもスゴイ。ここで100個ほど買い占めておいて、
雨の日比谷野外音楽堂で売れば、
1個500円で売れるから、4万円のもうけである。
品物は通常品と遜色なし。
ちなみに傘は人気商品で、しばらくしたら売り切れた。
はネットワークがあったり、
また、地域によって流通に特色があるので、
けっこう品ぞろえに差があると思うが、
総武線市川近辺のショップに共通しておいてあって
役にたつのは、ミニオーディオ製品用のソフトケース。
これは、ウォークマンなどを入れるための
ソフトケースなのだが、
買った製品に付属してくるポーチなどよりも弾力があって、
機器を保護するようにできているスグレもの。
電気屋にはあまり置いてないし、置いてあったとしても、
100円ショップのほうが値段がはるかに安いはず。
キャラクター商品では、なぜか、
キティやディズニーのライセンス品も堂々とおいてある。
さすがにこれらは激安とはいかないが、
そこそこガキをだますには十分、安い。
そして、ハウスの練り辛子、
わさびといったチューブ食品もなぜか、ある。
東京のある区のショップには
なんと野菜が登場したらしい。
百円ショップで野菜とはちと気持ち悪いが、
産地との直結企画を謳い文句に、差別化を試み、
好評らしい。
「マスマスレモン」のようなインチキ品もなきゃあ!
とおっしゃる、往年の激安ショップファンには、
あります、あります、
「アロンアルファ」の類似品、「ツリノンアルファ」だ!
なぜ「ツリノン」?? どういう意味? と思うが不明。
ちゃんとゼリー状も用意されている。その一方で、
セロテープは薄手のシナシナ感が出てる
B級品だったりする。
このように百円ショップは、
とにかく「百円」という切り口で
どんなものでも置いてしまう、オモシロコンセプトなのだ。
これは、普通の社会では、物の「種類」や「分類」で
店や売り場が決まるという当たり前の世の習いを
90度くつがえした、全く異次元のショップなのである。
野菜の隣にセメダインがあってもいいじゃないか?
ただしルールは100円だ!
コンビニの登場により、
ますます大手資本の寡占状態となった「物流」に、
水木しげるの妖怪よろしく、
怪しげに無鉄砲な抵抗を試みる[百円ショップ]。
ルートは持たないが、アイデアだけはある!
という零細企業のおやじの心意気が伝わる品が
増えてきているのが現状である。
21世紀にはますます飛躍せざるを得ないはずだ。
ちなみに、今のところ一番気に入ってる買い物は、
タコトンカチ。
いわゆる「いいかげんにしなさい!ピン!」トンカチだが、
ハンマー部が赤いクレクレタコラ状になっており、
タコの頭がへこんで「チュウ」と音がする優れ物。
(図参照)