総武線猿紀行第61回
「気になる二つの統計」
いよいよ秋ザンスね。シェー!
秋分の日がすみました。
これで日の長さが通年の半分以下になったわけです。
この間まで部屋が暑くなってきたと思ったら
もう寒くなってきたって感じ。
ほんと、年がら年中変化の中を生きてる感じの日本です。
さて、今日は興味深い統計を1日に2つも目にしたので、
そのことについて書きます。
まず、東京新聞の9月27日朝刊三面には
「若者凶悪化は幻想」と題して東大大学院教授の
長谷川寿一先生という人が、昨今の凶悪事件の多発により、
すっかり日本の若者は凶悪になってしまったとの
風評に対して異論を唱えています。
確かにあまりにショックな事件が続き、
もうこの国はどうかしてしまったのか?
と思っておりました。
しかし、そんな時友人が
「1960年頃、浅沼社会党委員長を刺したのも
17歳の少年でしょ? そっちだって充分異常じゃない。
相手は大人の大物なんだし」といいました。
そりゃそうだ(笑)。で、友人が続けて言うに
「統計的にも別にそれほど10代の犯罪が
増えているわけじゃないらしい。ただ、
このところ起こっている事件の内容が
センセーショナルな物が多いのは事実だけど」
というようなことを聞いたのです。
現物の統計を見るまで、自分の認識は保留しておきましたが、
今日見たこの記事には念願のグラフがついています。
「男性殺人率の推移」という恐るべきタイトルのグラフで、
100万人あたりの検挙件数が載っています。
(この記事では、なんと警察には少年の殺人率についての
統計データがないという)
このグラフによれば、日本の殺人件数は、
戦後減少の一途をたどっているのです。
55年から78年までは全体に下がりっぱなしで、
78年から84年までいったん上がりますが、
景気のよくなる84年からまた下がり始め、
95年から50代、40代、そして年中少年(16歳〜17歳)が
増加してしまいますが、
20代前半後半はやはり、減少し続けてます。
年中少年(16歳〜17歳)という表現は
きいたことなかったです。
このグラフでは60年から70年までとぎれてますが、
70年代以前が、今より検挙数が多かったことは明白です。
浅沼委員長の刺殺の年60年は
現在の6〜7倍の勢いだったのです。
逆にいつまでたっても殺人率が下がらないのは
今の60歳プラスマイナス5歳、
終戦前の10年くらい前に生まれた人たちだそう。
「終戦前後に幼少期を過ごした人たちは論理的に考えるより
怒鳴り声が出てしまうような短気でケンカ早い人が多い。
精神障害率も高い」そうで
戦争の傷跡がこんなところにも現れている気がします。
しかし、この年代が今の政治の中核を
握っているわけですから、コワイといえばコワイですよ。
この統計を安易に分析するのは危険かもしれませんが、
やはり経済の問題が大きいのかもしれません。
貧困がヒドイ時代には少年の重篤な犯罪も増えるのかも
しれません。
「情緒的風説避け、冷静な議論を」という意見は
もっともだと思います。
紙面の伝えるように「少年犯罪に厳罰を!」
という説に対しても、もう一考必要かもしれません。
安易にクラい気持ちになるのはヤメましょう。
もうひとつの統計は、テレビでやっていたのを
聞いたものですが、アイモードによる、
着メロのダウンロードサイトが
現在までに600万件の引き落としを達成したと
いうことらしいです。一件300円ということで、
とてつもないビジネスになったということ。
いやあ、IT時代、始まってるじゃないっすか(笑)森首相。
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