総武線猿紀行第88回
「海外で特別になった人について」番外速報その2
~~投稿大歓迎!~~
ちゃーす! ちょっと暑さも一段落かな? どうかな~。
でも7月25日以後みたいに、曇りでちょっと涼しくなると、
ホットすると同時に
このまま夏もおわっちゃうんじゃないか?
って恐怖感持ちませんか?(東京の話)
さて、「イチローに負けない世界有名人の旅」ですが
(勝手にタイトル変えるな)
おかげさまで身内にも大変反響があり、
これもいた、あれもいた、と御指導いただくこと多いです。
というか、ようするに、
みんな全貌を掴めていないみたいですね。
これは
「日本人が、自分の仲間の海外での活躍について
興味があまりない」のか
「あまりにも多岐に渡りすぎていて、実体がつかめない、
個人の把握できる状況には限界がある」
のか、どっちか? という気がしてきました。
2~3人の国民的英雄なら、
どんな人でも大事にできるでしょう。
だから小沢征爾とイチローのことなら
日本人ならみんな知ってますが、
もしこのまま海外の有名人をあげていくと、
100人は軽く突破してしまう勢いです。
たとえば、前々回挙げた、
イギリス在住のピアニスト内田光子さんや、
前回投稿のあったマリンバの安倍圭子さん、
そして今回もふれる松居慶子さんは、
それぞれがトップアーティストなのであり、
ちょっとしたソリストとして
海外で活動しているといったレベルとは
訳が違うのです。
そういう状況が常態化してしまってくると、
日本国内では、そんなスゴイ人たちの名前が
有名にならないということも
慣れっこになってしまっていると考えられなくもありません。
スゴイ「慣れっこ」ですが・・・。
う~、やっぱ、そんな報道体制じゃダメかも。
前回書いた山岸潤史さんについて
malaccaさんから報告がありました。
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山岸潤史さんは数週間前、
ワイルド・マグノリアスの一員として来日(?)していました。
ブルーノート東京に見に行ったのですが、
フィーチャリング・ジュン・ヤマギシという感じの
外旋帰国でした。
すっかりバンド(ニューオリンズ・プロジェクト)の
一員というか、
実質的なリーダー格として堂々のステージでした。
バックに回ったときのカッティング、
ソロをとったときの流麗でかつ力強いフレーズ、
タイプは違いますがカルロス・サンタナのようでした。
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ありがとうございます。ワイルド・マグノリアス、
調べましたら、
99年3月「ライフ・イズ・ア・カーニバル」という
アルバムを出していました。
(日本盤出ていますが、例えばCD NOWでも
こんな感じの紹介のされ方で、
山岸さんには触れられておらず、
気付かなかった人も多かっただろうなあ)
http://www.cdnow.co.jp/product.asp?sku=MBJ0158304
タイトルはザ・バンドの名曲で、
しかも、その「ザ・バンド」のギタリスト、
ロビー・ロバートソンがゲストとして参加しているのです。
また、ドクター・ジョン、アラン・トゥーサン、
シリル・ネヴィルといった
ニューオリンズ関係大物も大挙参加。
とにかくスゴイのはプロデューサーに次ぐ
副プロデューサーとして山岸さんが記されていること。
「日本人移住者の山岸は
ニューオリンズのやり方をマスターしている」
との紹介文が出たり、ライナーにも
「ジャパニーズ・ギター・センセーション」
とも紹介されてるそうです。
実質的にサウンド、アレンジ面の
バンマスになっているようで、
これは、ちょっと事件ですね!
ニューオリンズで日本人が名を挙げるというのは
しみじみアメリカ文化の頂点ですなあ。
みんなで山岸さんを応援しよう!
レコード会社やマスコミももっと彼を紹介しよう!(本音)
次のお便りです。
元・総武線沿線住民&現・米国在住のりりまるさんです。
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建築関係:
谷口吉生
(ニューヨーク近代美術館MOMAの拡張計画で選ばれた
建築家です)
作家:
カズオ・イシグロ
(小さい頃に英国へ移住したので、日本人というよりも
日系英国人ですが、1989年に"The Remains of the Day"が
英国で権威のあるブッカー賞を受賞しました。
なお、邦題は「日の名残」です。
これは、93年頃に映画化されアンソニー・ホプキンスや
エマ・トンプソンが出演しました。)
キョウコ・モリ
(こちらは、米国で有名な日本人作家です。
"Shizuko's Daughter"という小説が特に有名です。)
俳優:
工藤夕貴
(英語ではYouki Kudohという名前を使っているようです。
昨年、"Snow Falling on Cedars"というアメリカ映画に
出ていました。邦題は「ヒマラヤ杉に降る雪」です。)
外国で暮らしていると、
日本・日本人関係のニュースに敏感になります。
活躍なさっている方のニュースは、とても嬉しいです。
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とのことですが、ありがとうございます。
建築の谷口吉生さん、
MOMA=ニューヨーク近代美術館で選ばれたっていうのは
モノスゴイですよ。
だって作品が入るだけでもすごいんですから。
そういえばオノ・ヨーコと双璧をなす
現代美術家の草間弥生さんも
海外、特にNYで有名でしたね。
カズオ・イシグロさん、キョウコ・モリさん、
う~ん、村上春樹さんとか吉本ばななさんが
健闘しているというのは良く聞くんですが、
そちらでのみ活動って人になると、まるで無知ですね。
ここのところ、僕が良くライブをやるクラブ
「青い部屋」のオーナーで選挙にも出た戸川昌子ですが、
楽屋でおびただしい英訳本を発見。
江戸川乱歩賞受賞作「大いなる幻影」を始めとする
諸作の英語本がたくさん出ており、
けっこう売れたということです。
こうした海外で出版された日本作家の売り上げ状況って
だれがデータ化してるんでしょうか?
ひょっとして外人まかせ??
米国とヨーロッパの読書傾向も違うでしょうし、
気になるところです。
当連載の第83回「追悼ピチカート・ファイヴ!の巻その3」
でも軽く触れたジム・ジャームッシュの
「ミステリー・トレイン」に出演して
欧米映画デビューしたのが永瀬正敏さんと、
このYouki Kudoh。工藤さんの方は、
本格的に米国での俳優業に挑戦されているようですね。
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The New Yorkerの7月号に
Bermuda Jazz Festival (Sep. 14-15)に
Matsuiさんのプロファイルが載っておりました。
KEEN ON KEIKO
Keyboardist Matsui is currently the best-selling female contemporary
jazz artist in the United States.
すごいキャプションですね。すばらしいと思いました。
またバミューダという場で
本場のジャズを聞くという企画もいいですね。
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KINU KRAUSさん、ありがとうございました。
「米国で最も売れてる女性現代ジャズアーティスト」
確かに、イチローなキャプション!
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フリージャズ~ノイズ系でも、欧米で
活躍する日本人ミュージシャンは数多いですね
(山下洋輔以来の伝統か?)。
そのなかでも重要人物なのが大友良英。
ストック・ハウゼン&ウォークマンやジム・オルーク等、
海外のノイズ系ミュージシャンにも大きな影響を与え、
一年の大半を欧米でのライヴツアーで過ごし、
インディ系香港映画のサントラ作家としても有名。
日本のレコードショップでも、
国内盤より輸入盤のほうを多く見かける、
というのも大友さんならではでしょう。
こうしてみると、海外で名を挙げる日本アーティストには、
ジャズなどインストゥルメンタルのアーティストが
多い様な気がしますが、欧米、とりわけアメリカにおける、
インストゥルメンタル音楽の一般への定着具合だと
思うのです。ぶっちゃけた話、欧米ではインストも、
歌入り音楽同様に商売になるし、
受け入れられてるのではないか、ということ。
と同時に、欧米で成功している日本人ミュージシャンが、
肝腎の日本でいまいち受け入れられてないのも
そのせいではないか、と思うのですね。
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クドウハルヲさん、ありがとうございました。
なるほど、インスト(歌なし)は日本では売れにくいと。
そのため、海外に活路を求めるという事情もあるのですね。
渡辺貞夫さんや山下洋輔さんがかなり初期から
海外進出しているのもその事情を反映しているのかも。
その渡辺貞夫さんはバークレー音楽院という
ボストンの有名なジャズ・ポピュラー系の音楽学校の
日本人として最初の生徒だったそうですが、
ゴールデン・カップス~ゴダイゴのミッキー吉野さんが
渡辺さんの推薦状を携えて、
2番目の入学を果たしたことも忘れられません。
そのバークレーも今や日本人生徒が
半分以上とも言われているのは、
愕然とするほど隔世の感があります。
日本人のパワーってあらゆる意味でスンゴイです。
というわけで、またまた先に行くことになったこの特集。
海外からの生の声を紹介すると、
本当にその温度感の違いにビックリしますね。
日本の島国性って変わってないな、って気がします。
本当は日本でだけ有名な外国人アーティストって特集も
興味深いのですが
諸事情を鑑みてやめときます(笑)
というわけで、次回にすすんじゃいます!
お便り、そろそろこの項終わりますので、急いで募集中!
頂けたら感激です!
HPに来てね! http://run.to/kenchan/
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