|
京都に住んでおります者でごじゃります。
京都という町は桜の樹がとても多く、
自分の目で桜前線を確認することができます!
京都市の南から順々に桜が開花していき、
更に北へと春を運んでいきます。
私たちはここぞとばかりに
桜前線に沿って南から花見をし倒します。
「先週末は円山公園!
今週は二条城! 来週は銀閣寺だ!」
などと浮かれて春に酒盛りを繰り返すのです。
だぁって京都に住んでるんだも〜ん!!
(みのり) |
|
|
ご当地の桜自慢、いろいろあっておもしろいです。
思ったんだけれども、こういう
「地域の桜の話」というのは、
日本人はそうとう昔から
交わしてきたんじゃないだろうか。
それこそ、何百年も昔から。
悠久のときを感じる桜の思い出は
和歌というかたちでいまに残っていますけれど、
当時の人々が交わした「桜の話」というのは
その何千倍もの量だったと思うのです。
おっと、壮大に脱線しました。 |
|
|
長野県松本市に住んでいた頃、
一人で松本城に花見に行きました。
平日の日中ということもあり、
お城の中にはそれほど人がのぼっていません。
それをいいことに、天守閣に人がいないときを見計らい、
ごろりと横になり、ひじ枕をしながら桜を眺めてみました。
好天の下、アルプスをバックに咲き誇る桜は、見事でした。
友人にメールで報告したところ、
「そんなことしたの、殿様以来だと思うよ」と言われました。
(モリノク) |
|
|
あっぱれじゃ。 |
|
|
昨年の4月に結婚して、もうじき1周年になります。
地元のステキなレストランで披露宴をしたのですが、
その前の道路がとてもきれいな桜のトンネルになるんです!
その桜並木が大好きだった私は、
「ここで桜が満開のときに結婚式をしたい!」
と式場と日取りを決めたのですが‥‥。
皆さん覚えておいででしょうか?
昨年の春はとても寒かったのです。
桜の開花は例年より1週間以上遅れ、
なんと3月31日、式の二日前でした。
(ちなみに山口県です)
当然桜はほとんど咲いておらず、
念願だった桜の中での結婚式は叶いませんでした。とほほ。
今となっては、それも間が抜けてておもろいやん、
今から華を咲かせるってことやん、と二人で話しています。
今年の結婚記念日には、
そのレストランでお祝いをしようと思っています。
今年こそは、満開の桜のトンネルが見られるはず!
(りえっち) |
|
|
いわゆるひとつの
チェリーブラッサムブライド?
毎年、結婚記念日のころに桜が咲くなんて、
とってもいいじゃないですか。
一周年、おめでとうございます。 |
|
|
桜といえば思い出すのは、高校のときの通学路。
長い長い緩やかにカーブを描く坂道に沿って
桜とりんごの木が交互に植えられていました。
ピンクの桜が咲き始めた頃、入学式です。
少しずつ周りを見ながら
クラスでのポジションを探している頃、
桜は満開になります。
ゴールデンウィークに
遊びに行く約束ができるようになった頃、
りんごの花が咲きます。
桜並木の下を自転車で走っていたとき、
こんなにもあの桜並木が懐かしく思えるなんて
考えても見なかったです。
少子化を踏まえて、
近所の高校と合併されることになりました。
私の通っていた校舎に
近所の学校の生徒も通うことになりました。
入学した学校がなくなってしまうのは寂しいでしょうが、
どうか、新しく通ってくる生徒さんたちにも
あの桜並木を楽しんでもらいたいと、せつに願うのです。
(ぽち 三十路) |
|
|
「話しかけるようにゆれる柳の下を
通った道さえ今はもう電車から見るだけ」
荒井由実さんの名曲を思い出しました。
素敵なメールをありがとうございます。
書いてたら聴きたくなって、
棚からCDを引っ張り出してきて
iTunesにとりこんじゃいました。
ぼくがDJならすかさず一曲かけるんですけどね。
しょうがないから、脳内で鳴らしてください。
荒井由美さんで、『卒業写真』。1975年の曲です。 |
|
|
ずっと桜の名所で育ってきました。
職場は、桜の名所。
何度か海外に定住しようとしましたが、
どうしてもいろいろな事情でできませんでした。
今住んでいるところ、職場は多少不満はありますが、
なんだかんだで今までで一番問題なく、長くいます。
生活の基本に桜があるからなのかな、とふと思いました。
毎年花見に帰ります。
東北なので、通常GWに咲くのですが、
ここ数年はGWの前の週くらいに開花、
GWには散ってしまうことがほとんど。
だから、桜が咲いた週の金曜日に夜行で帰ります。
目の前に桜の名所があるのに、
それでも桜見たさに帰る理由は「匂いたつ桜」。
同じソメイヨシノでも東京では色も白く、匂いもない。
これはこれでとても美しいですが、
やはり桜はほんのりピンクで匂いのあるもの。
これを感じないと春がきません。
今年も帰省が楽しみ。
(yong☆☆☆tanaka) |
|
|
年々、東京の桜は白くなるような気がしますね。
一枚一枚の花弁は白いものの、
遠ざかると淡いピンク色に見える東京の桜も
それはそれでぼくは好きなのですが。
いずれにせよ、
「これを感じないと春がきません」には強く共感します。 |
|
|
花見の思い出を1つ。
数年前の出来事なのですが、
夜20時頃、父が突然
「これから夜桜を見に行くぞ!」と集合をかけたのです。
でも、近所に桜が咲いている場所はなく、
こんな時間からどこに行くつもりなんだろうと
不思議に思っていたら、
父が今までに建てた家々を巡るような事を話す父。
ようは、仕事をした場所から場所へ移動する間に、
学校やら工場やら公園やら並木道やら‥‥
色々と桜が咲いていると。
軽快に走っていた大人4人が乗った軽自動車は、
桜から桜へと車中から眺めるだけで、
淡々とドライブが続いていたのですが、
父が現場に携わった時の思い出話も続き、
両親は花を咲かせ楽しそうでした。
(可津子) |
|
|
桜の下を駆け抜けていく軽自動車。
ときおり、見とれるように速度をゆるめながら。 |
|
|
桜といえば、私にとってはうちの庭で咲く彼岸桜です。
この彼岸桜、ちょうど十年前になくなった父が
母と出かけた時に鉢植えで買ってきたものです。
その時は、「どうしてソメイヨシノじゃないの!?」と
家族から大ヒンシュクをかった、可哀想な彼岸桜でしたが
少しもめげることなくスクスク成長し、
毎年まだまだ寒い2月頃から
濃いピンクのつぼみをつけます。
このつぼみを見つける度に、
「私もがんばろ!」と張り切る元気が出てきます。
ちなみに、この桜は15年生きた愛猫のお墓でもあります。
見上げる度にいろいろ思い出してしまいます。
(のん) |
|
|
亡くなったお父さんの思い出の桜は
15年生きた猫のお墓でもある。
やはり桜という樹木は
なにか、特別ですね。 |
|
|
桜大好きな私が、こともあろうに
4年間も桜を見られないところに住んでいた。
今年4年ぶりに桜が見られます。
そのことにもう3月の初めから
うきうき、うきうきしてて
でも、どうせなら東京のじゃなくて
地元香川の桜が見たかった。
と、思ったら通勤電車に
「かがやくけん、香川県」
と、地元の桜の写真入りのPRポスターを発見。
両方見れてしまったでないか。なんて幸せもの。
(よしえ) |
|
|
早い時期に桜が咲くためか、
四国の人からの印象的なメールが多いです。
香川県のPRポスターをつくった人も
うれしいでしょうね。 |
|
|
今までで何十回も桜を見てきたんですが、
一つだけ強烈に覚えている思い出があります。
大学生の頃、ものすごく好きな人がいました。
でも会いたいと言う勇気はなく、
その人の家の近くをわざと通り過ぎて、
偶然会えることを祈っていました。
でも会えなくて、自分の家に帰る気にもなれなく、
夜中にウォークマン片手に、大学に忍び込みました。
その日は満月で、すごく明るくて、桜が満開でした。
さぁっと風が吹いて、
満月の夜空に花びらが散っていました。
ものすごく綺麗で、しばらくぼんやりしてしまいました。
そのときちょうどウォークマンに流れていたのは、
松たか子さんの『サクラ・フワリ』です。
今でもその曲が大好きなんですが、
その曲を聴くと、その時の風景と、
大好きだった人のことを思い出して、キュンってします。
大したことない思い出で、すみません!
(こずえ) |
|
|
いえいえ、素敵な思い出です。
いまなら、
iPodに春っぽい曲のプレイリストをつくって
ひとりで夜桜見物の散歩をするのも
風流かもしれません。 |
|
|
「山裾が散り初めの頃に行くと、中腹は満開」
そーなんですよ。うちの近所の山は
頂上まで行くとさくらに囲まれた広場があって
前は瀬戸内海、後ろを向くと中国山地、という
夢のような360度絶景パノラマ、なのですが、
頂上でお花見をしようとすると
時期を見計らうのが大変ムズカシイのです。
ある年、「山裾がいい加減散ったし、今だ!」と
オットと2人、ワインディングロードを
クルマでぎゅんぎゅん攻め上っていくと
上から降りてくるクルマのみなさん、はじける笑顔。
「よっぽどキレイだったんだねー」
と期待に胸ふくらませつつ走ること20分、
やっと頂上にたどり着いたところ。
‥‥一面のつぼみ。
そして根性で「つぼみ見」をしながら
お弁当を食べるヒトビト。
すごすごとUターンして帰りました。
下りの道々、次々とすれ違うお花見客のクルマに
「やーい、まだつぼみだよー!」
「たどり着くとガックリだよー!」
とクルマの中でこっそり叫ぶ我々。思わずはじける笑顔。
ああさっきのみなさんの笑顔はこういうことだったのね。
ここ数年春先はオットが忙しくて
いっしょにお花見に行けてないなぁ。
今年は行けるかなぁ。
(なぼちん) |
|
|
山裾が散り初めの頃に行くと、中腹は満開。
そして、山頂からおりてくる車の
ドライバーが必要以上に笑顔なら、頂上はつぼみ。 |
|
|
私の名前は桜です。
今は随分増えて来たようですが、以前は珍しい名前でした。
会う人会う人に、
4月生まれなの? 素敵なお名前ねぇ。
と言われ続けて、
うれしいような面倒なような想いをして来ました。
高校生の時、当時の彼氏に
「もしいつか別れてしまったとしても、
毎年咲く桜の花見る度に
お前のこと思い出すんだろうな」
と言われたことを思い出します。
あんまり好きじゃなかった自分の名前を、
はじめていい名前だなぁと自分で思えた瞬間でした。
また今年も桜が咲いたら、今まで出会った人たちが、
あいつどうしてるかなぁって思ってくれているとよいな。
(さくら) |
|
|
個人的な話ですが、
中学高校といっしょだった
「さくら」さんがいました。
たしか、同じクラスになったことは
一度もなかったような気がする。
いまごろどうしているのでしょうか。 |
|
|
隣の公園の桜が咲きました。
まず日当たりのいい北側のが咲いて、
2日遅れて南側に植えてある桜が咲きました。
さらに今日は、
東に植えてある桜がチラホラ咲き出しました。
たいして広くもない公園なのに、
桜は毎年、律儀に北、南、東の順に咲きます。
(南行法師) |
|
|
たいして広くもない公園の
北と南と東の桜をチェックしている
あなたの律儀さも、なかなか風流じゃないですか。 |
|
|
いつも楽しく読ませていただいています。
私の花見の思い出です。
昨年、母と一緒に、
京都の哲学の道沿いの桜を見に行きました。
お天気も良く、観光客も多かったのですが、
なぜか、その中に、
おしりを出して颯爽と歩いている女の人がいたのです。
しかも若い女の人でした。
私たちが見かけたのは、後姿のみでしたが、
かなり驚きました。
哲学の道から、南禅寺、平安神宮へと回ったのですが、
その日の会話は、
「桜きれいやなあ」
「でも、さっきのおしりはすごかったなあ」
と、終始こんな感じでした。
桜はもちろんきれいだったのですが、
おしりにすべて、もって行かれてしまいました。
(きょうこ) |
|
|
こっちも、もって行かれたわ。
ええ話でしみじみしてたのに「おしり」か。
あかん。インパクト強すぎる。
「おしりを出して颯爽と歩く若い女の人」?
あかん。インパクト強すぎる。
さっきまで脳内にユーミン流れてたのに、
いまはマンガ日本昔話の終わりの歌や。
おしりを出した子いっとう賞、や。 |
|
|
北九州のお城がある町に住んでいます。
毎年お城の桜が咲くと、花見と花見客を眺めに行きます。
昨年は、アフリカあたりの太鼓の連打をBGMに
火がついたヌンチャクのようなモノを
振り回して踊る花見客に出くわしました。
(ちゅんちゅん丸) |
|
|
ひーー。おしりのつぎはヌンチャク!
しかも、火のついたヌンチャク!
「花見で見かけたスゴいヤツ!」というのも
いろいろと募集してみようかしら。
「おしり」と「ヌンチャク」以外にはもありますか? |
|
|
あれは私が結婚した翌年、
今は中2の長男がまだお腹にいた
妊娠4ヶ月の春でした。
まだまだ新婚気分の私達は、
千鳥ヶ淵にお花見に行くことにしました。
キレイな桜を見ながらゆっくりとお散歩。
「きっと胎教にもいいね」などど語らいながら、
次はお決まりのボートに乗ることに。
女子高出身、どちらかというと「男役」で
来た私は、友人とボートに乗る時は常に漕ぎ手でしたが、
「今日はゆっくり乗れるー」と
少しウキウキしていました。
ところが、ダンナの手際が異常に悪い。
なぜ、漕いでいるのにボートが動かない?
つーか逆に進んでるじゃん!
もともとインドア派な人だから仕方ないと
しばらく耐えるも、ついにブチ切れ、
「どけ! 席かわれ!」と言い放ち、
オールを奪ってお堀へと漕ぎ出したのでした。
(もちろん、お腹にあまり力を入れないように)
千鳥ヶ淵をスイスイと漕ぎまわる妊婦の私。
「男前〜」と言わんばかりの熱い
尊敬のまなざしをおくるダンナ。
今思えば、その後の二人の力関係が決定した
瞬間だったのかもしれません。
(おとみ) |
|
|
わはははははは、
と、笑いながら思い出したのですが、
じつはぼく、千鳥ヶ淵のボート小屋で
アルバイトしてた経験があるのですよ!
しかも、考えてみると、それって、
14年くらい前の話だから、
ひょっとしたら、ドンピシャかも?
あ、でも春はやってなかった気がするなあ。
そういうわけで、手こぎボートの操作には
けっこう自信があります。
前進後進、その場回転、桟橋への完璧な横づけ、
いまもきっと、ばっちりできます。 |
|
|
本日、私の友人がアメリカに引っ越してしまいます。
高校の同級生ですが、
これからアメリカ−日本の距離を離れてしまうかと思うと
なんとも寂しい気持ちがじわりと押し寄せます。
彼女はさくらがとっても好きな人です。
かつての愛猫の名前は「さくら」
結婚式のお手製パンフにもかわいいさくらのモチーフを
使っていました。(そして引き出物にはさくら茶が!)
そんな彼女との心に残る思い出がまた「さくら」なのです。
高校2年の春だったか、ソメイヨシノが満開のころ、
二人学校帰りに大川に花見へと繰り出しました。
春独特の強風と春雨にやられた
はなびらがもうそこら中を埋め尽くしていて、
私たちはどちらともなく、
はなびらをわしとつかんではお互いにかけ合うという
雪合戦ならぬ、はなびら合戦で
きゃいきゃいと盛り上がりました。
(周りの花見客をモノともせず‥‥若い!)
一段落して、さあ帰ろうと歩いていると、
数人で歩いていたおじさんの中の
一人が私たちに声を掛けてきました。
おじさんは細長い藁半紙をくれました。
そこには鉛筆で和歌がしたためられていました。
おじさんが、私たちのはなびら合戦をみて、
詠んでくださったものでした。
内容は残念ながらしっかりとは覚えていないのですが、
「乙女がはなびらを‥‥」みたいなものでした。
そんなステキなものをいただいて、二人ともカンド〜!
そんなことがあったね、覚えてる?
覚えてるよ〜! ってやり取りを昨晩しました。
もう14年前くらいの思い出‥‥。
また、ソメイヨシノが美しい季節がやって来ます。
(大阪/まわる) |
|
|
桜の咲くころ、別れる友と、
昨夜語った、桜の思い出。
それがまた、新たな桜の思い出に。 |
|
|
お舅さんは、とっても桜の好きな人でした。
結婚記念日の4月2日ごろがくると、
お姑さんを誘って、宵夜祭、記念日、後夜祭と、
毎晩のように、夜桜見物。
びっくりするほど仲のよい夫婦で、
「お母さん、行かんか」と、
どこへ行くのも、お姑さんを引っ張って行ってました。
冬に3度目の大手術をして、
春を待てずに逝ってしまったお舅さん。
あれから8回春が過ぎました。
式のときには、誰よりもおお泣きしていたお姑さんも、
今や「ホンマ、一人は気安いわあ」と、
日本中の温泉を制覇中!
でも、お姑さんがいつも持ってる財布の中には、
お舅さんの笑顔の写真が、しっかりはいってるんです。
この春、初めて京都の桜を見に行くお姑さん。
お舅さんが見たがってた円山公園の桜、
お舅さんも一緒に見られるから、楽しみにね。
(あおっぱじ) |
|
|
泣かすなっつーの。
まいったなあ。 |
|
|
素敵な企画が始まりましたねえ。
海外(ブラジル)に住んでいるので
切ないような懐かしいような
じーんとした気持ちで、読みました。
ブラジルに住み始めて何年か経った4月に
新潟の父が桜の写真を
何枚も送ってくれました。
背景に田んぼと雪の山が写っていたり
青空に咲き誇っていたり
父の力作が並んでいましたが、
その中で一番、心をとらえられたのは
桜並木のアスファルト道路と
家や電信柱や、道路の標識や
歩いている女の人の写った
なんでもないような日常の風景の写真でした。
空のうすい水色や淡い光線の感じがなんとも言えず、
「日本ってなんてきれいなんだろう」って感動しました。
桜はブラジルにもありますが、
あまりメジャーではないです。
日本の、あの桜を待ちわびる感じがいいんですよね。
やっぱり日本人にとって特別な花ですよねえ。
(いーりゃ) |
|
|
そう。名所といわれるところの
圧倒的な桜もいいんですけど、
都市のなかで突然雄々しく咲いている
単独の桜も、とってもいいですよね。
たしかに、それは日本的な風景かもしれません。 |
|
|
数年前。東京の桜が咲く直前のこと。
その日、私は仕事で大失敗をしでかし、
事後処理で終電を逃し、
夜中の街をとぼとぼと歩いていました。
どこをどう歩いたのか、
自分でもわからないほど心身ともに疲れ果て、
ぼうぜんと立ち尽くしているところに
1台のタクシーが止まりました。
「こんな時間までお仕事ですか。大変ですね」
その日、始めて聞くやさしい言葉にすがるように、
私はまるで懺悔のように、
その日の出来事を語っていました。
黙って聞いてくれた運転手さんは、
私を降ろす直前、こう言いました。
「お客さんがさっき立っていた場所に、
桜が1本あったでしょ。
あの木はね、
東京でいちばん最初に咲く桜なんですよ」
こんな慰め方もあるんですね。
今でも忘れられない桜の思い出です。
(みずまる) |
|
|
粋な運転手さんですね。
いいお話をどうもありがとうございます。 |
|