読みなおす土曜。
2003/08/02
今週の一言

今週は、「経験から来る話」という
切り口で、3つのコーナーをご紹介だよ!

【「がんばれ」は、言っていいの?】

どんなに強い人でも、
ほんとうに孤独に戦うというのは
力を発揮しにくいものなのだ。
大きな恨みとか、復讐とか、
人には言えない目的とかを
持っている場合は別なのかもしれないが、
やっぱり、
自分の必死になってやっていることが、
みんなのよろこぶことなんだと知ると、
エネルギーが
全面的に出し尽くせるんだと思う。
ほら、いまだったら、
甲子園での阪神の応援が
どれだけ選手たちを活気づけているか
という例があるから、わかりやすいだろう。

よく、
「がんばってくださいとは言いませんが」
というような但し書きのついた
応援メールをいただくのですが、
ぼくらに関しては、何も考えずに
「がんばってください」はウエルカムです。
どんどん、言ってください。
「がんばらなくていいのよ」と言われて
ラクになるほど
追いつめられていないと思うので、
安心して、
がんばってくださいと言ってください。
ぼくも、これからは、もっと遠慮せずに、
平気で「がんばってください」を使います。
何をどうがんばればいいのかについては、
知りませんが、がんばってください。

(※すごい反響だった「ダーリンコラム」から、
 「がんばれ」という言葉についてを抜粋! )


【老人の役割ってなんだろう?】

「現代の子どもというのは、
 自分の親や祖父母が
 亡くなる瞬間というのに
 居合わせることが
 非常に少なくなってきてるんです。
 人の死の瞬間というのは
 とても荘厳なもので、
 たいへん印象に残るものなんです。
 いままで生きていた
 おじいちゃんやおばあちゃんが
 亡くなってしまうというのは
 4歳の子どもは4歳の子どもなりに、
 中学生の子どもは中学生の子どもなりに、
 やはり、なにかしら
 深い感銘を受けるんです。
 死んでいく姿を見せるということは
 親が最後に果たす役割、
 なのかもしれませんね。
 朽ちていく姿を見せていくというのも
 長老の役割といえば
 そうなのかもしれません」

(※来週8月9日、チケットぴあで前売券が
 発売になる「300歳で300分」イベントの
 お知らせのページより。大反響でしたよー )


【なぜ、予約をすることが必要か?】

ボクはコーヒーを注ぎなおしてくれる
お店の人にこう言いました。
「素晴らしいテーブルをいただけて、
 今日はうれしい!」
すると彼は声を潜めてこう答えました。

「ミスターサカキ、
 私どものテラスにはテーブルが14個、
 その中でダイアモンドヘッドが
 正面に見えるテーブルは6つあります。
 幾つかのテーブルの横に、ほら、
 ごらんいただくとわかるでしょう?
 木が何本か植わっております。
 季節によって、
 太陽の位置によって、
 そしてその日の気候によって、
 これらの木が落とす
 影の位置が微妙に変わり、
 日差しが心地よく感じる
 テーブルが決まるのです。
 今日の午前中は、まさにこのテーブルが
 素晴らしい日差しと、
 素晴らしいダイアモンドヘッドを
 同時に楽しむことの出来る、
 唯一のテーブルなんです。
 ご予約いただいて、
 本当にありがとうございました。
 ミスターサカキ」

客席を確保するだけならば
必要のなかった予約です。
でも予約するというほんの小さな行為が、
完璧なるタイミングと
完璧なるおもてなしに守られた、
完璧なテーブルを
ボクにくれたと言うコトです。

予約とはそういうものなんです。

面倒臭がらずに予約をしましょう。
そしてその予約は全身全霊を傾けて、
細心の注意と最高の朗らかさをもって、
頑張りましょう。

(※金曜の「おいしい店とのつきあい方」で、
 みなさんに大好評だった今回の文章より。
 読んでいない方、すべて読むとたのしいよ! )



今週のこぼれ話

担当編集者からのこぼれ話や
裏話をお伝えいたしまーす。

【大貫妙子さんのこと】

「続・大村憲司を知ってるかい?」
今週は宮沢和史さんと高橋幸宏さんが
登場してくださいました。
来週にはいよいよ、
大貫妙子さんのインタビューを掲載します。

今回の取材は、憲司さんの息子の真司くんが
対談をするというかたちで、
ぼく(シェフ)もずっと同行し、
横で見てきたのですが
みなさんの、
真司くんを見る目のあたたかいこと!
その「あたたかさ」は、時に
「遠慮のないきびしさ」として
おもてに現れることもあります。
来週の大貫妙子さんのインタビューは、
それが顕著に出た例で、
親戚のおねえさんが、
年若いいとこの男の子に
「しょーがないなー、もう!」
という感じで接するみたいな、
そんなやりとりがありました。
みなさんにも、そんな「愛情」を
たくさん感じていただけるといいな、
と思いながら
いま、編集作業をしています。

インタビュー原稿というのは、
必ずご本人に事前にお送りして、
チェックをしてもらうのですが
この対談原稿に、
大貫さんは、丁寧に
「前文」を書いてくださいました。
フライングですが、
こんどの月曜に掲載する、
その前文を、ここに載せちゃいますね。
では、どうぞ。

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真司くんと初めて会ったのは、
憲司さんが真司くんをまだ、
膝に抱っこできるくらい、前のことです。
どこかのライブハウスでのことでした。
まだ、ファミコンの時代で、
わたしはドラクエ2を真司くんにあげました。
あの頃は、楽屋をいつも
小さな子供が走りまわっていて
保育園のようでした。
ステージに共に上がる
ミュージシャン同士というのは
ほんとの家族以上に、
また別な家族な関係になる。
と。。。わたしは感じています。
ですから、真司くんもわたしにとっては、
家族のようなものです。
そして、ある日、六本木のピットインで
すっかり、かっこいい青年になった
真司くんに会ったときは、
タケノコが雨あがりに、
みるみるしなやかな竹になって、
その成長の早さに目をみはるっていうのは
こういうこと?!!
と、ほんとにびっくりしました。
この対談で、わたしは真司くんには
ずいぶんストレートな質問をしていますが、
それは、それまでの歴史
(ちょっと大袈裟ですが・・)
があったうえでのこと。
と、言外にとめおいて読んでいただけたら
さいわいです。

 大貫妙子
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本文の掲載は、月・火です。お楽しみに!
さて、6日からは、大村憲司さんの遺した
4枚のCDを販売します。
この4枚のCDがどのようなものなのかも
くわしく、おしらせしますので
ぜひ、読んでくださいね!
(担当者 シェフ武井)

【京都で「どす」は禁句です】

火曜日からはじまったコンテンツ、
“京都に「知りあいの宿」をつくろう。”
ごらんくださいましたか?
京都のある旅館を
「ほぼ日」の「知りあい」に
してしまおうと、はじまったのですが、
お申し込みがたっくさん入っているのです!
(じつは本日も、ほぼ日スタッフ
 お調子者代表が「銀閣」に宿泊し、
 京都見物しております。)

来週からは、ガイドブックに載っていない
京都の見どころや、
「ここはまちがうと、あぶないぞ!」
という、京都のいろんな常識についても
連載していきますよ。
というのも、じつは担当者のワタクシ、
京都出身なのですが、
「よく京都に旅行に行く」
と言ってくださる方のなかにも
「もしかして、
 あまりよくわかっていないかも?」
と思うことが多くあります。

京都と聞くと「すみませんどす」
「そうどす」と、
語尾を「どす」に変換なさる方!
さらにそれを京都の人の前で披露した方!
無事に京から帰る保障はいたしかねます。
それから、大文字(五山送り火)を
「大文字焼き」と呼ぶ方!
京都の人はこぞって、
「それは、どこのまんじゅうですか?
 (内心は100パーわかっている)」
と切り返すにちがいありません。
そんな憂き目に遭わないためにも、
ぜひ「知りあいの宿」を
つくろうではありませんか。
でもしかし、
フォローするわけではありませんが、
京都の人びとは京都を愛すとともに、
旅人であるみなさんのことを、
ほんとうに愛しています。これほんと!
来週からの連載もぜひ、
たのしんでくださいね。
(担当者 スガノ)


【「お母さんの写真」トーク&
 ミニライブは盛り上がりました!】


上條恒彦さん、
鈴木敏夫さん(スタジオジブリ)、
darlingによるトーク&ミニライブは
笑いがあふれる時間でした。
ちょっとだけですが、
3人の話をお届けしますね。

鈴木:ミヤさん(宮崎駿さんの愛称)は
   ゼンゼンオトナじゃないです。
   でも真剣に
   「このアルバムはいい!売れるっ!」
   って思ってつくっているんです。
糸井:本気だからすごいですよ。
   だから、
   こんなアルバムできちゃうんですよ。
上條:実はぼくまだできあがったアルバムを
   聞いてないんです(笑)。
鈴木:ジブリではミヤさんが大音量で
   朝の10時から
   夜の11時までかけっぱなしです。
   若いアニメーターたちが
   みんな巻き添えになっています(笑)。
糸井:上條さんは、
   優等生にみられがちだけど、
   ほんとは悪いことを
   いろいろとしてきてますよね。
   歌声を聴いてわかりました(笑)

「おとなが歌える歌を探して」作った
アルバム『お母さんの写真』ですが、
つくっていたおとなたちの中には
コドモの遊び心が満載だったんでしょうね。

当日は小雨が降っていたので
「人が来てくれるかな〜」と
心配をしていたのですが、
会場は立ち見が出るほどの大盛況でした。
イベントにお越しいただいた
「ほぼ日」読者のみなさま、
BSTやどせいさんTシャツを着て
お越しいただいたみなさま、
足を運んでいただきまして
どうもありがとうございました!
(担当者 アロハ・トミタ)

2003-08-02-SAT


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