毎日22個ほどの新メニューが掲載される
「ほぼ日」ですから、
「つい見逃した!」と思う人も多いかも…?
今週は、土曜日に読むにぴったりの
ふだんと違う世界をのぞいている連載を
3つ、それぞれ、ちょっと長めに紹介です!
【注文する前に、ある質問を?】
「お料理は作る人そのものである。
ボクはそう考えるようにしています。
もっと正確に言うと、
『作った人の人柄が
正しく伝わる料理が良い料理である』
と言いうコトになるかな。
だから誰が作ろうが同じ料理と言って
はばからないような店の料理は
あまり尊敬に値しない料理だ、
と思っています。
つまり、そんな料理はわざわざ
今までのような
面倒くさい手順を踏まなくても、
食べたい時にふらっと行って、
大した期待もせずに味わった方が良い、
というコトになりますね。
良い店の良い料理というモノ、基本的に
『作った人が美味しいと思う料理』
に尽きると思うのです。
自分が今日食べたくて仕方ないものを
お客様のために作る。
コレが一番美味しい。
だって家庭で料理を作っていても
そうでしょう?
自分の苦手な料理は幾ら作っても
上達しないし、仮にその料理を
食べた人に褒められても嬉しくはない。
やっぱり自分が美味しいと思うものを
作って褒められたいでしょう?
だから
『厨房の中で
どんな人が料理を作っているのか』
ということは、
『何を頼めばいいのか?』の、
非常に重要なヒントとなるんです。
ただ、全ての客席から厨房が見えるような
構造にはなっていませんよネ。
それどころか厨房が頑丈な壁で仕切られて
テーブルに案内される途中でだって、
トイレに向かう途中にだって、
シェフの姿を盗み見する
場所が用意されていない、
まあ高級レストランには
こうしたまるで要塞のような
キッチンが多いのだけれど、
そんなことも、かなりあります。
ボクはそうした店でも、一生懸命、
どんな人がボクの料理を
作ってくれるんだろう、
と、そのヒントを
探り出そうと努力します。
最近では雑誌の
レストランの特集なんかで、
シェフの顔写真が出てることが
あったりしますよネ。
ボクはそうした雑誌を見つけると、
その記事の中に同じく掲載されている
その店のインテリアや料理の写真より、
シェフの顔を頭の中に焼き付けるように
努力しています。
この人はどんな料理を作るんだろうか?
ってイメージしながら。
店に向かう時だって、
あのシェフに会いに行くんだ、
と思いながら行きます。
残念ながら、
そうした手がかりが事前に一切無く、
しかもシェフの覗き見も許されない、
そんなレストランでは
こう聞くことにしています。
『このお店のシェフって
どんな方なんですか?』
‥‥不躾な質問だと思いますか?
そんなことはないんです。
だってレストランにとって
最大の商品は
『シェフ』そのものであって、
誰だって商品の特徴を知らずに
モノを買いはしないでしょう?
だから大丈夫。
サービススタッフの目を見てハキハキと。
叩けよ、されば開かれん!の心意気」
(※「おいしい店とのつきあい方」連載では、
お店を訪れる前から食べ終わる瞬間まで、
順に追って説明がすすむこともあり、
参考になる、と女性に大人気なんです!)
【シリコンバレーの経営者の姿】
「自信に溢れた姿を実際に見た時、
経営者とはこういうものなのかと
強い印象を受けました。
僕が感じたCEOの役割は
大きく3つあります。
1)決断を下すこと
2)責任を取ること
3)社員をやる気にさせること
このエピソードに挙げたCEOに限らず、
どのCEOも会社が進むべき方向を
明確に示します。
その方針は、CEO本人が考えたものでは
ないかもしれませんが、
その方針を自分のことのように
すらすらと話します。
つまり、会社の進むべき方向について、
人々の意見を聞いた上で、
CEO自身が納得をした上で
決断を下したということです。
そして、その方針に従って
会社が突き進んでいった
結果についての責任はCEOが負います。
会社が期待された結果を出すことが
できなかった場合に、
「それは経済状況のせいだ」とか
「ある部門の業績が悪かった」
という言い訳をすることができますが、
「経済状況の悪い中
なんとかできなかった責任」や
「ある部門が
業績を上げられなかった責任」は
CEOが取らなければいけません。
CEOは会社が期待する結果を出すことが
できなければ
クビにされてしまうのです。
それは、彼らは雇われ社長だからです。
ある程度大きくなった
シリコンバレーの企業のCEOは、
ほとんどみんな雇われ社長です。
といっても、決断のできない
雇われ社長という意味ではなく、
CEOを仕事とする
プロの人たちという意味でです。
シリコンバレーのCEOたちは社内での
出世競争に勝ち残ってきた者というよりは、
外からやってくる
プロの仕事人の場合が多く、
彼らは別の会社でCEOや会社の幹部として
実績を挙げてきた人ばかりです。
ですから、自分がCEOをやっている間、
何事も起こらなければ良いという考えで
会社を経営するわけにはいきません。
成果を出せなければ
プロのCEOとしては失格です。
オーナー社長ではありませんから、
成果が出せなければ駄目なのです。
CEOは自分の方針を
幹部に伝えるだけでなく、
社員一人一人に
誰が会社を動かしているのかを見せ、
会社を自分の思うように
動かさなくてはなりません。
「私がCEOだ。
今日から私の命令をきき給え」
という態度を取るわけではなく、
CEOは事あるごとに、
一般社員の前に登場し、
自分のメッセージを社員に
語りかけます。
社員たちに自分の方針を伝え、
社員たちをやる気に
させなくてはなりませんから、
CEOたちはスポーツチームの
チームのキャプテンのような
振る舞いをします。
CEOもチームの一員であり、
みんなで頑張って
目標を達成していこうということを
わかりやすい言葉で社員に伝えます。
共感を得るためには、
時には笑いも取らなければなりません。
社員をうまく使おうと思ったら、
それなりのコツがいるのです」
(※「シリコンの谷は、いま」という連載は、
アメリカでエンジニアとして活躍の方の
経験から導いた「仕事論」「会社論」を
毎週2回、火曜と金曜に紹介しています)
【伊サッカー・ドーピング疑惑の嵐】
「イタリア・サッカー界では短期間のうちに、
まったく同じ光景が3回くり返されるという
なんともあきれた事件が起きました。
どういう光景か?
まず、ドーピング検査で
陽性と出た選手にその事が告げられます。
すると、その選手が泣き出します。そして
「ミネラル・ウォーターしか
飲んでいないのに!」
などと訴えたかと思うと、
同じ選手が同じ口から奇怪としか
言い様のないとんでもない言い訳を
ひねりだし始めるのです。
3人の尿から、大量に検出されたのは
「ナンドロロン」という筋肉を増強し、
疲れを感じにくくする化学物質です。
イタリアの大きなチームは、
ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグに
参加していますが、
前回ほどの結果は
今のところ出せていません。
昨年度のヨーロッパ・チャンピオンである
ミランは、トヨタ・カップの
準備に入っていますが、
キャプテンのパオロ・マルディーニが
負傷しており、
その回復に望みをかけている始末です。
これらの不調にかぶさるように、
ドーピングでひっかかる選手が
相次いでいるのですから、
イタリア・サッカー界は、
まさに嵐で転覆するような危険に
さらされているも同然です。
審判が下されるまで
出場停止処分になった3選手は、
3人とも、前述したような、
まったく同じような言い訳をしています。
最初のひとりは、パルマのブラージ選手でした。
尿から薬物が発見されました。
それを知らされた彼は、
まず泣いて、何も使っていないと誓い、
それから、実は髪の毛のために特殊な石鹸を
何度も使った、と言い始めました。
誰が信じますか、
髪の毛のための石鹸で
ドーピング検査にひっかかったなんて?
はい、次の選手。
何とイタリアの人気チーム、
インテルのモハメド・カロンです。
アフリカの象牙海岸から来た選手です。
彼も泣きました。
何も使っていないと誓いました。
彼は特殊な石鹸は使いませんでした。
でも「特殊なクリーム」を使ったようです。
なんでも肌の黒さを少なくする
クリームだそうです。
ポップ・スターの
マイケル・ジャクソンがやっているのと
同じようなことだ、と彼は言ってます。
もちろん誰も信じません。
インテルはカロンを、
そのまま出場停止処分にしました。
こんなふうですから、
ヨーロッパ内でのイタリア・サッカーは
下降状態と言わざるを得ません。
イタリア・ナショナル・チームのアズーリも
当初の予想ほどに輝いてはいません。
チームを支える組織の多くは
借財にあっぷあっぷしています。
そこへもってきての
ドーピング・スキャンダルの嵐です。
ああ、可哀想なイタリア・サッカー‥‥
なんと落ちぶれてしまったことか!!!」
(※「フランコさんのイタリア通信」は、
イタリアでの現役サッカー記者ならではの
地域の雰囲気も伝えてくれるような連載で。
サッカーを通して、政治や経済も見える?) |
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