遠い昔にお世話になった上役、
それも、雲の上にいらした方から
教わったことで、唯一覚えていること。
それは、
「氏名を忘れてしまった相手から、
　快く氏名を聞き出す裏技」。
「名前何だっけ？」と、
あくまでも堂々と聞く。
「Ｋ村です」
ちょっとムッとされるかもしれないが、
そこですかさず、
「いやだなあ。わかってるよ。
名字じゃなくて名前の方は何だっけ？」
なるほどぉと感心しましたが、
にやけ顔で話す様子から、
社会人としての知恵というよりも、
お酒の席で役に立つワザとしか
思えませんでした。

上役との距離：
　新入社員と副所長くらい遠かったはず

観察人（漆花）

テプラ上司のお話で思い出しました。
以前勤めていた会社の上司は、
パソコンやワープロの
キーボードがとにかく苦手なうえ、
お世辞にも綺麗な字とは言い難く、
そこで「テプラ！」と
思いついたようでした。
一行ずつカチカチしては
紙に貼り付け、
どんな長い文章も
テプラでまかなっていました。
部下へのちょっとしたメモもカチカチ。
フォーマットのある書類にも
カチカチぺたっ。
カチカチカチカチうるさーい！
勘弁してー！　と思い、
「手で書かれた方が早くていいのでは？」
とやんわりきっぱり直訴したら、
その時点で彼のテプラ速度は
ブラインドタッチになっていて、
手書きスピードとほぼ同じでした。
自費でまかなってたテープ代も
バカにならなかっただろうになあ。

上役との距離：テプラ３行分

観察人（ベル吉）

バイト先の村田さん。
隣の部屋で
皆に何かの場所説明をしていて
村「ほら、そこにハンバーグ屋が
　　あるじゃない」
皆「‥‥？？？？」
村「なんていったっけ
　　あっモスバーガーだ」
‥‥確かにハンバーグ、
はさまってます。

でもハンバーグ屋って‥‥。

今日は皆にコーヒー詰め合わせやら
乾麺セットやらを持ってきてくれたので、
朝から大ジャンケン大会でした。

上役との距離： 東武伊勢崎線ふた駅ぶん

観察人
（埼玉県・ふたごのムーミンママ・33歳）

ふと見ると、
部長が立ったまま
書類に目を通していました。
どうしたのかとたずねたら
昨年末、ご自宅の大掃除をしていて
ギックリ腰になってしまったとのこと。

「さいわい軽いほうらしくてね、
　仕事にはさしつかえないんだけど
　一回座っちゃうと、
　立ち上がるのがたいへんだから
　立ったままでいるんだよ。
　気にしないでくれ」

‥‥って言われても、
狭い社内で一日中立っていられると
気になるし、
こちらもなんだか疲れてしまいます。
寒さで悪化しないよう、
祈っています。

上役との距離： デスクから目の高さまで

観察人（高崎市・敏子・25歳）

スキのない仕事ぶりと
ダンディな身のこなしで
部下からとても慕われている
Ｍ部長が、
お正月にご家族を連れて
実家に帰られた話をしていました。
そこでつい、でちゃった一言が
「おかーちゃん」。

やたら照れていた姿が
また好印象で
さらに人気者になりました。

上役との距離：一段と近づいた

観察人（広島市・こもも）

１月８日は我が社の鏡開きです。
�
本当の鏡開きは11日だそうですが、
８日になりました。
なぜかというと、昨年、
自分の出張中に鏡開きを
行ったことを知った専務が
ハンストして部屋に
閉じこもってしまったからです。

今年はあなたの為に日程を決めました。
腹いっぱい食べてください、専務。

上役との距離： 鏡餅一揃い分

観察人（愛媛県・ありす）

赤坂でＯＬをしていたころのお話です。
年末の仕事納めの近づいたある日、
工場から本社に赴任して間もない、
無口でボクトツな感じの、
隣の課の課長さんが、
せっせと書類の整理をしていました。
そのとき、
「か、かちょーっ！」と女の子の声。
思わずデスクから顔を上げると、
そのシュレッダーの前に立っていた
課長さんが、
顔を真っ赤にして猫背になって、
もがいているではありませんか。
そうなんです、
課長さんは調子に乗りすぎて、
自分のネクタイまでもシュレッダーに
食べさせてしまい、無情にも、
シュレッダーに首を絞められて
しまっていたのです。
女の子が、危機一髪で
シュレッダーのスイッチを止めて、
事なきを得ました。
とはいっても、無残な食いちぎられた
ネクタイの残骸は残りましたけれど。
その後恥ずかしかったのか、
課長さんはしばらく
席に戻ってきませんでした。

上役との距離：ネクタイ10本分

観察人（つくば市・りぼん・36歳）

昨年末のこと。
じぃ〜っと自分の席の後ろにある
テレビに釘付けの局次長。
気になって視線をたどると、
やっていたのは２時間ものの
『ワンちゃん大特集』。

そして年が明けて昨日、
おもむろに他社の新聞紙面を
コピーする局次長。
後ろを通り過ぎざま見ると、
その内容は
「ワンちゃんと一緒に泊まる宿」。
デスクマットには、
「年に１、２回だけ
　ほえる時があるんだよ〜」
と酒の席で嬉しそうに話してくれた
フレンチブルドッグの写真。
局次長のかわいらしい（失礼か）一面です。

上役との距離：
　　電話が来たら地声で呼べるくらい

観察人（中部地方・じゃっしぃ〜・23歳）

「今年、年女なのよね」と先輩が言うので
「あ、わたしもですよ」と答えたら
先輩はくずれおちて
視界から消えてしまいました。

上役との距離：干支ひとまわりぶん

観察人（静岡県・しお・23歳）

営業さんが
上司の担当している会社に
書類を受け取りに行く事になり、
ホワイトボードに地図を描いて
説明する上司。

ビシビシっと強い口調で
周りの建物と社名を伝える上司。

対する営業さんは
「そこらへんなら知ってるけど
　なんか変‥‥」
と首をかしげて、ハッと一言。

「部長、日比谷シャンテって
　反対側じゃないすか？」

部長はちょっとだけ小さくなった声で
「うん、反対側でもいいよ」

つい「ぶふっ」と吹き出してしまいました。
普段怖いけど、
そういうお茶目なところが
ちょっと好きです。

上役との距離：A４用紙１枚分。

観察人（三鷹市・ゆきんこ・25歳）

現場とやり取りする
内線電話に向かって、
上司がしきりに
「びっくり○番を〜」と言っていました。
あとで、
「びっくりってなんのことですか？」
ときいたら、
良く英語をスペルアウトするときに、
口頭で「アメリカのＡ」とか言うのを、
大概は国名なのですが、
彼の場合は
「びっくりのＶ」なんだそうです。
ちなみにＪは
「十三（じゅうそう）Ｊ」なんだそうです。
‥‥社外相手には使えなさそうです。

上役との距離：
　 　なんだか納得できてしまうくらい

観察人（大阪・あひる・24歳）

朝の挨拶をした時、
部長はテプラのシールを
はがそうとしていた。
�
そして10分後、
まだ同じのをはがそうとして
がんばっていたので、
「真ん中に切れ目が
　入ってるので縦に曲げてみると
　いいですよー」
と言って半分はがしてあげた。
�
さらに５分後、
お客さんが来て「どうもどうも」と
部長が席を立って行った後、
部長の机の上には
私が半分はがしたシールが、
未だ残りの半分が
はがせないまま置いてあった。
�
ちょっとー、シールくらい自分で
はがしてよー！　と思いながら
全部はがして貼ってあげた。

上役との距離：お給料の差くらい

観察人（H）

わたしの隣の席の上役は、
よく風邪をひきます。
「みんなにうつすと悪いから」
と言ってマスクをするのですが、
あろうことか、くしゃみをするときに
せっかくしているマスクをはずします。
「課長、それじゃ意味ないですよ〜」
と抗議をしたら
「だって、
　マスクがしめっぽくなるじゃん」。

上役との距離：こころに壁

観察人（横浜市・ゆっきー・25歳）

すごくたのしみにしていた
話題のドラマ、
ビデオに録画したって言ってんのに、
仲良しの先輩が、
それはそれは丁寧に
あらすじを話してくださいました。
「ここでＣＭに入るのよ」まで！

かーんべーんして〜〜！！

上役との距離：ドラマ１時間ぶん

観察人（青森県・たえ・23歳）

年休とかで休んで出てくると、
マウスの動きがおかしくなっている。
マウスの裏を見ると、
ボールの穴のところが隠れるように
ポストイットが貼ってある。
　→　課長のいたずら

いつの間にか背中に
クリップがつけられている。
机の上に積み重ねた資料が、
全部ホッチキスで止められている。
（上からは止められてるところが
　 見えないように工夫されている！）
席を離れると、
パソコン画面のハードコピーを背景にし
アイコンがクリックできない！
と慌てさせる。
　→　協力会社の社長のいたずら

とっても仕事ができる人たちだけど
とってもいたずらの好きな
人たちでもあります。
殺人的に忙しかった時期、
「もー！」って言いながらも
いたずらをみんな楽しんで
いたんじゃないかなぁ。
（私は楽しかった）

上役との距離：
　　 事務用品いっぱい並べた向こう側

観察人（東京・みゅう）

育休中の同僚が、
生後まもないベイビーを連れて、
会社に遊びに来た日のこと。
可愛いベイビーを皆で取り囲む中、
若くしてヒヨコ頭になってしまった上司が
ベイビーに向かって一言。
「いやー、髪の毛フサフサだねえ。
　いっぱいあっていいねえ、
　いいねえ(しみじみ)」
さすがに本人の前では笑えず、
その後、給湯室へダッシュしました。
どんなにうらやましがっても、
分けてはもらえないのだよ(笑)

上役との距離：小筆１本分

観察人（北海道・とまと・28歳）

趣味でバスケットをやっていますが
試合中、監督（50）と
私（37）の意見が
食い違った事がありました。
そのとき私は、絶対に自分が正しい！
と思って譲らなかったのですが
監督の
「俺はオマエが生まれる前から
　バスケをやってるんだ！」
の一言に、
ナニも言い返す事ができませんでした‥‥。

上役との距離：監督は12歳から

観察人（東京都・ヒザ痛）

機械オンチなんだけど、
自分ではそう思っていない私の上司。
最近、携帯を新しくして嬉しそうです。
�
先ほども、
「この携帯はカメラ付きなんだぞ！
　写してやろう」
と言いながら、
アンテナを伸ばしていました。

上役との距離：感度は上がるかも

観察人（中部地方・よこあき）

塾のボス、
社長はだじゃれ好きのおっちゃん。
「願書を先生に書いてもらうのは
　さすがにダメでがんしょ」
この作品で、わたしは
「あの子はみどころがある」
と幹部会で評価されたらしい。

上役との距離：遠からず

観察人（ｎ）

最近、カメラ付き携帯に
買い換えた上司、
初めて与えられたおもちゃのように
いじりまくり、
写真を撮りまくっている。
でも、その携帯に電話が
かかってきたところを
見た者は、社内にひとりもいない。

上役との距離：
　　 番号を登録していないくらい

観察人（広島県・りっきょう・27歳 ）

上司は、 職場で、
かなり年季の入った
サンダルにはきかえます。
あるときとうとう足の甲の部分が
ちぎれてしまいました。
上司いわく
「うわぁ、
　今日はやなこと起きるかもなー」。

‥‥。

いいえ、たぶんたんなる寿命です。

上役との距離：
　　 サンダルよりなじみは浅い

観察人（東京・るり

バイト先の上司、
忙しいのもわかりますし、
勤務中に、飲食はできません。
だけど、代わりに
塩をなめるのはどうかと思います。

上役との距離：遠目

観察人（山梨県・きょうへい・19歳）

私の会社では、毎日昼礼があり、
日替わりで数分間の
スピーチをしています。
今日は、
ちょっと変わった話をします、と
切り出した上役。

＜上役＞
「冬眠中のカエルを２匹、
　起こさないように掘り出し、
　水の入ったビーカーを
　２つ用意します．
　一方は、ガスバーナーで勢いよく、
　もう一方は、アルコールランプで
　ジワジワとあたためます．
　さて、どうなるでしょうか？」

＜私たち＞
「‥‥」

＜上役＞
「ガスバーナーで急激に
　あたためられたカエルは、
　すぐ飛び出し、
　アルコールランプで
　あたためられた方は、
　ずっと寝ているんだね〜」

＜私たち＞
「あぁ、なるほど〜」

＜上役＞
「では、ここから分かる教訓は！？」

＜私たち＞
「えっ！？」

＜上役＞
「ゆるーい環境の変化には
　気がつきにくいということだ。
　明日は、別のカエル話をするから。以上」

‥‥。
えっーーー！！！

上役との距離：明日のお昼が楽しみ♪

観察人（愛知県・あさる）