今日のセンセイ
総集編・その10

息子が小学校の時の
担任のYセンセイのことです。

スキー学習のとき、
安全の為に帽子着用が必須!
でも、必ず忘れる子がいるんです。
年何回かのうち初回は足慣らしの為
学校に隣接する公園の丘で授業します。
私は、その公園に隣接する所に
住んでいるので、
スキー学習を窓から見学。

「???? ‥‥金髪の子??」

よぉ〜く見ると
金髪のアフロヘアーではありませんか!!
帰って来た子どもに
そのことを訪ねると
「ああ! あれ! 帽子忘れた奴に
 センセイが貸してくれた!」
ナイス! でも‥‥センセイそのカツラは
なぜ? 所持していて、
なぜ? 学校にあるのでしょうか?
卒業までに聞けなかったのが心残りです。

センセイとの距離:転任先まで

観察人
(センセイの消えつつある
 頭髪を心配している父兄)



高校生のときに
お世話になったアメリカ人の先生。
スミス大学出身で、
成績優秀、とにかく真面目。
日本での教師生活に、
夢と希望を持ってきた‥‥と
私たちは思い込んでいたのですが‥‥。

先生は秋のある日、
友人の結婚式に出るといって
アメリカに帰った後、
二度と日本には帰ってきませんでした。

先生、素晴らしいことを
教えてくれてありがとう。
味噌汁が嫌いな日本人がいるように、
地味で陰気で、
内向的なアメリカ人だっているってことね。

センセイとの距離:
  送った手紙の返事は来ない‥‥

観察人(愛媛県・ありす・30歳)



とある昼休み。
小学校四年生の私は
太った担任(男性)にむかって
「お母さん!」と大きな声で
呼んでしまいました。
するとそのセンセイ、
「はい、お母さんですよ」
と、私を抱っこして、
ほっぺに「チュッ」としてきました。
まわりに友達もいたので、
「うへぇ、気持ち悪い」
と言って逃げたのですが、
本当はすっごく、すっごく
うれしかったのを覚えています。

センセイとの距離:懐かしく思い出す

観察人(千葉県・抹茶入り・24歳)



高校の時。
普段無口な数学の○○先生は
授業中、ちょっとでも目が合うと
「この問題どうです?
 わかりますか? わかりませんか?!
 わかりませんよね!!
 ではこちらの方で補足して
 説明したいと思いますっ
 うふふふ‥‥」と、
かならずこう言って、
嬉しそうに“ながーい”補足と
説明をしていた
(逆に的確な解答をすると、
 ものすごーく落ち込んだ顔をする)。

その先生は僕らの卒業式前日に
亡くなった(本当です‥‥)。

センセイとの距離:いがいと近いかも‥‥

観察人
 (茨城県水戸市・他人の息子・29歳)



高校の時、吉田先生という、
バーコード頭の40代の先生が
いらっしゃいました。
見事なバーコードヘアを
振り乱していた先生が、
ついに結婚することに!
お相手はなんと、
同じ学校の吉田先生という、
20代の女性!
同じ「吉田」で、しかも20歳の
年の差カップルでした。
生徒の間で騒がれたのは当然ですが、
それよりも職員室が
大盛り上がりだったそうです。
「あの(バーコードの)吉田先生が、
 若い美人の吉田先生と!」と。
あのご夫婦は、
今でも仲良くやってらっしゃるかしら。

センセイとの距離:
  バーコードが乱れるたび緊張した

観察人(奈良・ひろこぶた)



小学校のときの担任の先生は、
毎日毎日、緑色に白いライン入りの
ジャージの上下を着ていました。
あるとき、気づいてしまったのです。
その上下の色がそろっていないことに‥‥。
上が下より、やや濃いめの緑。
洗濯の頻度が違ったために
下だけ薄くなってしまったのか、
そもそも「そろい」の上下じゃないのか、
ぼーっと見つめてしまったのを
急に思い出しました。

センセイとの距離:深緑と緑の差くらい

観察人(由美)



高校のとき、スキーの修学旅行で、
私たちのクラスだけ、なぜか、
ニュージーランド人の
インストラクターでした。
ほかのクラスは、
こけ方とか歩き方から日本語で
教えてもらっているのに
私たちのクラスは、日本語が話せない
インストラクターだったので、
いきなり、「カモーン!」と
リフトに乗せられました。
スキー初体験がほとんどを占めていたので、
みな、四方八方に散っていきました。
「オウ!オウ!」と言いながら、
一人一人回収してくれました。
最後まで「カモーン!」しか、
指導らしい指導はうけませんでしたが、
最後はなんとか滑れるようになり、
とても楽しかったです。

センセイとの距離:リフトの上と下

観察人(coco)



修学旅行から戻った息子が
嬉しそうに教えてくれた。
「あのね、オトコ風呂担当の
 ○○センセイは、
 僕達が風呂場に入った時に
 湯船の中で泳いでいたんだよ。
 でもって、カラダを洗っていたら
 センセイの方から僕達にバシャッて
 お湯をかけてきたんだよ」
そのあとはセンセイとコドモたちで
盛大にお湯の掛け合いをしていたそうな。

センセイとの距離:お湯も滴る‥‥

観察人(兵庫県・ぬばたまの・妙齢)



一番前の席の友達から聞いた話。
テストが早く終わって
ぼーっとしていたら、
この間娘さんが生まれたばっかりの
先生(男)が教卓に写真を並べて
にやにやしていたそうな。
「娘さんの写真ですか?」
「うん、可愛いよ、見たい?」
「はい、見たいです」
「だめぇ〜〜」

‥‥でもいい先生なんですよ。

センセイとの距離:教卓から私の机まで

観察人(岩手県・いも・16歳)



高校生だったとき、
友達のミッチャンと
英語の授業の後、職員室に行って
英語担当の田口先生のところに
授業で判らない所を尋ねに行きました。
田口先生が丁寧に教えてくれて、
私とミッチャンが、
「ありがとうございました」と
教室に戻ろうとしたところ、
ミッチャンが田口先生の鉛筆を
持ったまま立ち去ろうとしてた事に
気づいて、田口先生は
「こら、それはお父ちゃんのやがな!」と、
他の先生が居る中、
ミッチャンの握っていた鉛筆を
取り戻したのでした。

田口先生、学校では
「お父ちゃん」ではなくて、
先生で通っているのですよ。

センセイとの距離:大笑い

観察人(バンクーバー・よー子・38歳)



私の通っていた高校は
かなり自由で放任の学校でした。
しかし世間的には
いわゆる「進学校」で、
入学してくるのは
中学から物凄く勉強している子たち。
1年の最初の頃は
アバウトな雰囲気になじめず
戸惑っていました。

そんなある日の現社の授業中。
手を挙げた1人の男の子が
「トイレに行ってきていいですか」
と申し訳なさそうに尋ねました。
するとその現社の先生は
「‥‥トイレも訊かないと行けんのか」
と一言。
一瞬みんながハッとした顔をしました。

私たちが勉強しなかんのは
こういうことだったのか!!

今は私は大学生ですが、
高校の方が遙かに色々なことを
生徒が任されてやっていた気が。
その先生は私たちの卒業前に
定年退職されました。
正直授業よりもその一言が心に残ってます。
授業もちゃんときいておけば良かったなぁ
‥‥と思う今日この頃。

センセイとの距離:教室からトイレ?

観察人(名古屋市・チャコ・18歳)



今年卒業した大学の卒業制作で、
大変お世話になった方が
先日、亡くなられた事を人づてに聞いて、
かなりショックでした。

大学の担当教授よりも、
卒制に対して適切なアドバイスと
惜しみないバッアップのお陰で
卒業できたので、
心からお礼を申しあげたいです。

今でも、大学の教授よりも、
ずっと師だと思って、尊敬してます。

センセイとの距離:こころの師

観察人(Air)



高校の同級生が
某市の市長選に立候補!!
応援演説にかり出された、
世界史のT先生。
「私の教え子には
 ○○大の教授や、
 △△病院の院長もいます。
 そういう人から、T先生〜っ、と
 呼ばれるのは
 大変うれしいものです。
 このたび、彼が見事
 当選されたあかつきには
 市長から『恩師のT先生』と
 呼ばれるかと思うと感無量です」
と、名演説されました。

見事、彼は市長に当選!!!
T先生も応援した甲斐が
あったものと思われます。

センセイとの距離:演説5分

観察人(富山県・農家の嫁・ほぼ40歳)



英語研修で、超初心者コースを
受けていたとき、
アメリカ人の先生に
「漢字にはそれぞれ意味があるんだろ?
 あなたたちの名前は
 どんな意味を持ってるんだい?」
というような意味のことを
聞かれました。

‥‥意味? と生徒一同。
一生懸命考えて出した答えが、
「ベル・ツリー(鈴木)」とか
「スモール・イグジット(小出)」とか。
生徒も動揺、先生も混乱。
苗字には特に意味はないんです、
ということでその話は終わりました。

後日、日本人の
サポートティーチャーにその話をすると、
一言、
「彼が言ったのは、
 ファーストネームのことじゃないかな」。
意味を持った名前は下の名前。
そんな簡単なことにも
気がつけないほど、
英語での会話に
緊張していた私たちでした。

センセイとの距離:動揺と混乱

観察人
(神奈川県・
 わたしはショート・スロープ・27歳)



うちの父は開業医。
(私はそこの看護師)
先日ある新患さん
(初めて来院した患者さん)に

「おめでとうございます!!」

と、机の中から飴玉を
どっさり出して手渡すのです。
患者さんはポカーン。
よーく見ると新しく作った
カルテの番号が‘33333’
大フィーバーだそうです。

センセイとの距離:
   机の引出しから診察台まで

観察人(北海道・バード・28歳)



高校のときの、世界史のセンセイ。
昔から旅行が趣味だったそうで、
授業で自分の旅行した土地に
触れるたびに、
その土地の秘話(主に不平不満)を
楽しそうに話してくれたのだけれど、
なぜかフランスに関しては
いつも渋い顔。理由は、
「ここ、別れたかみさんと
 新婚旅行に行った場所なんだよ」
だそうで。はあ‥‥そうですか。

そんな先生の旅行遍歴で
一番の自慢は、
旧ソ連の崩壊に立ち会い、
ベルリンの壁の一部を
リュックに詰めて、
えっちらおっちら
持ち帰ったことだそうです。

センセイとの距離:日本とソ連くらい?

観察人(神奈川県・望月・20歳)



私の友達は教員2年目で、
小学4年生を受け持っています。
いまだに前時代的な体制の残る
教員の世界や、保護者との軋轢など
いろいろ悩むことも多いそうで
日々戦いなのだそうです。
そんなある日、
また細かいことがいろいろ重なって
ちょっといらいらしながら
仕事をしていたそうですが
「オレがふとした拍子に
 『しまったしまった』って言ったら
 子供らが自然に『島倉千代子☆』って
 返してくれたのが
 せめてもの救いかな」。

根は駄洒落好き子供好き、
エネルギッシュな25歳。
そういうのは子供たちにも
しっかり伝わるんでしょうね。
あなたは教員に向いてるよ、頑張ってね。

センセイとの距離:応援してます

観察人(広島県・serow225)



田舎の高校だったので、
生徒のほとんどが自転車通学でした。
3年の時の担任で、
英語の先生だった佐野氏
(なぜか皆こう呼んでいた)は、
自転車のライトについて、
確かいつもこう強調していました。

「自転車のライトは、
 自己のアイデンティティーを
 示すためにつけるのだ」と。

18年たった今でも、
夜自転車に乗るときには必ず、
「アイデンティティー‥‥」
と思いながら、ライトをつけます。

センセイとの距離:
 自転車のライトが届くところまで

観察人
 (名古屋市・ちゃりんこまま・36歳)



私の懐かしい先生を紹介します。
高校の生物の先生は、わからなくなると
「キャイーン」と叫ぶ先生でした。
そんな先生は、
ある時、食物連鎖の授業で、
「キツネはウサギを食べ、
 ウサギは草を食べる。
 草が減れば、ウサギも減る。
 そしたら、キツネはどうなる?
 ○○さん、答えてみろーぉ」
とある生徒に当てました。
するとその生徒は
聞いていなかったので
「え、キツネですか」
と答えたところ
「そうだ、減るのはキツネだぁ!
 キャイーン、すごいなぁ、
 でもちゃんと聞いてくれぇ、
 俺の授業ぉ!」
と言っておりました。

先生、落ち着いて。
大概において、先生は合っているから。
ひとつくらい漢字を間違えたからって
黒板全部消す必要もないと思うわ。
と今なら言えるなぁ‥‥。

センセイとの距離:1キャイーン

観察人(札幌・んらたあき)



この20年間本当に
素敵な大人ばかりと
触れ合ってきたので一人だなんて
決められないくらいですが、
そのなかでも‥‥一番を投稿します。

中高一貫の進学高校に通っていた
6年間のうちの3年
担任してくれたM先生。
不登校になって、
ひとりで電車に乗ることすら
できなくなった私を体をはって、
心をかけて守ってくれました。
唯一本気で叱ってくれました。

そして毎週一度の全体集会に
出られない私に
「おまえは卒業式だけでなさい。
 それ以外はすべてでなくていい」
と言い切り、フォローしてくれました。

すべてのひとを嫌悪したくなった私を、
多くのひとを愛すべき存在へと
変えてくれました。
この先生と出会ってから、
「ひと」が本当にいとおしくなりました。

そして本当に最後の高校生活、
卒業式だけ出て私は卒業しました。

センセイとの距離:
  親のような人生の師でした

観察人(埼玉・すろう・20歳)



小学校のY先生は、
「絶対」という言葉を使うことを
許しませんでした。
「絶対」の次は「絶命」よ、
「絶対する」って言ったことが
できんかったら命がないんよ!
と言うのがその理由。
子供心になるほどと感心し、
以来「絶対」は使わなくなりました。
最近なつかしくそのことを
思い出しましたが、
先生、これって意味
つながってなくないですか?

センセイとの距離:「絶対」と「絶体」の差

観察人(広島県・匿名のかた)



私が中学校のとき通っていた
塾の先生が変な人でした。
吉本新喜劇をこよなく愛する先生は
授業の開始のときの挨拶は、
チャーリー浜のギャグでした。
先生が、「君たちがいて」と言い、
生徒が「あ、僕がいる」と答える、
というものです。
「あ、」がポイントだそうでした。

また、恐ろしかったのが、
宿題を忘れたときの罰。
なんと、黒板のはしの出ているところに
お尻を押し付けて、
「かいーの〜」
(ハザマカンペイのギャグ)を
しなければならないのです!
これは思春期の女子にはきつかった!
おかげで宿題を忘れる女子は
いませんでした。

変な先生でしたが、教え方も上手で、
人気のある先生でした。

センセイとの距離:「あ」一文字分

観察人(兵庫県・coco)



ウチの両親は教師。
数年前、初めて校長になった父は
「入学式のあいさつ」をはりきって
原稿用紙3枚分ぐらい書いていた。
初めてのことなので、文章に間違いが
あってはいけないと感じた父は、
それを国語教師である母に見せ、
修正をお願い。
が、「長い!」の一言で、
力作は原稿用紙1枚程度に縮小。

「言いたいこと
 いっぱいあるやろーけど、
 誰も聞いてないんだから!
 短い方がいいの!」

ちょっとしょんぼりしながらも、
現場の意見を素直に受け止める校長。

伝えきれなかったことは、
その後の全校集会で小出しにして
いってくれることを
願ってしまいました。

センセイとの距離:
  伝えきれなかった原稿用紙2枚分

観察人(神奈川県・のんぴぃ・24歳)



とても繁盛している、
忙しい整形外科にて
友達が研修していました。
あるとき、おなじみのおばあさんが
受診にきました。

おばあさん
 「先生、ひざのここを押したら
  痛いんです。」
先生
 「押さなかったら?」
おばあさん
 「痛くないです」
先生
 「歩くのは? 立ちあがるのは?」
おばあさん
 「痛くないです。
  押したら痛いんです」
先生
 「‥‥押さんかったらいいやん!」
おばあさん
 「ああそうか、そうですね!」

おばあさんは満足して帰りました。

ある意味、
その先生は名医だと思いました。

センセイとの距離:押したら痛いくらい

観察人(coco)



私の学校の技術の先生は
入院している先生の代理なのですが、
授業がなげやりと評判です。

今日の1時間目がその先生の授業で
授業は相変わらず退屈で、
みんなボケーっとしていると
近くの席からクスクス笑い声が。

どうやら先生が
「え〜」
と、言った数を数えている様子。

確かによく聞いてみると
「え〜」の回数が以上に多くて、
笑いをこらえるのが大変でした。

25分間での「え〜」の回数は
約180回らしいです

センセイとの距離:180えぇ〜

観察人(k)



高校の時の世界史の先生は
授業中に、ベトナム戦争を題材にした
映画をみせてくださった。
でも、高校の1時限では
全部観るのは不可能なわけで、
数十分ずつ、何回かにわけたため、
正直、内容を
まったく理解できなかった。
最後に感想文を書けと言われて
その映画のノベライズを
あわてて読んだのは
わたしだけではなかったと思う。

センセイとの距離:映画と小説の差

観察人(埼玉県・いし・27歳)



先日、大学に向かう途中で、
とっても驚きました。
直接教えていただいている訳では
ないのですが、
バスの中で見かけた先生
(バスの到着地が大学なんですが、
 顔だけ見たことある方です)。
しんとしたバスの中で、
突然『タッチ』の南ちゃんばりの声で

「センセイ、お電話です!」

と色めいた声が。
乗車していたみんなが
「‥‥え??」となっていたところ、
その方が「はいもしもし、私だ」。
携帯電話に出たのでした。
そう、その色っぽい声は
着メロだったんです。

その後、老若男女合わせて終点まで
みんなが肩を震わせていたのは、
言うまでもないです。
せ、センセイ、
ちょっとカッコいいから
好きだったんですけど‥‥。

センセイとの距離:
着メロの声と返事の声の落差くらい

観察人(東京都・machen・21歳)



中学時代の技術のセンセイは、
毎年受け持つクラス全員に

「あのねー、昔センセイの友達がねー、
 電動糸のこで板を切ってたら、
 うっかりして、そのまま中指を
 切っちゃったんだよねー。
 それで、あわてて指を
 元に戻そうとしてくっつけたらねー、
 裏返しにくっつけちゃってねー、
 みんなも気をつけて
 糸のこ使ってねー」

と軽〜い口調で話していました。
きっと毎年みんな同じ感想を
持っていたと思います‥‥。
「結局その人、指裏返して
 生活してんの?!
 手のひら側に爪があるの?!」

センセイとの距離:真偽の間

観察人(匿名のかた)



高校のときの体育教官は
とても厳しい女の先生でした。
制服の襟の形が違うというだけで
職員室掃除の罰を1週間も与えられ、
ピアスなどあけようものなら
みんなの前で
「親御さんからもらったからだに
 自ら傷をつけて!!」
と盛大に怒鳴られたものです。

ある日、ニュースがかけめぐりました。

その先生のお子さんが
「できちゃった婚」をしたらしい、と。
ふだん厳しい先生のこと、
どんな顔をするのかと思いきや、
やけに涼しい顔で

「こどもは授かりものでしょう」。

‥‥。
正論っちゃ正論ですが、
なんとなく釈然としませんでした。
生徒に起きたことなら、
なんて言っただろうって。

センセイとの距離:さらに遠のく!

観察人(ふみふみ)



以前、実家の近くでかかりつけだった
医者はとてもお話好きだった。

30代なかばぐらいでそこそこ格好よく、
大学病院の勤務医から父親の医院を継いだ
二代目であった。
医院には、父親の代にはなかった
医療器具が置かれ、町医者としては
設備が整っていた。

私が風邪をこじらせひどい状態になった時、
診療時間ギリギリに
彼の診察を受けたことがある。

彼はにこやかに私を見つめ、
椅子に座らせると、喉の様子や、
症状を尋ねるといった診察の過程の中に
ちょっとずつ雑談をさしはさんでくるのだ。
そして、その雑談に答えようものなら、
その雑談をふくらませようとする。

例えば
医者:喉見せてね‥‥。
   あぁ、腫れてるなぁ‥‥。
   あ、そうそう、
   学校は文学部なんだっけ?
私 :(口を開けているため、
    目でうなずく)
医者:はい、もういいよ。
   そうかぁ、今は勉強は何をしてるの?
私 :浦島太郎の原文を読んだりしてます。
医者:ははぁ、おもしろい?

というように、彼は
患者との会話のキャッチボールをするのが
大好きなのである。

しかし、彼はひとつ忘れている。
相手は患者なのだ。体を病んでいるのだ。
会話を続けるために使われるエネルギーが
どれだけ惜しいかしれない。
熱のために頭がぼんやりし、
気持ちいいんだか悪いんだか
といった感じだった。

結局、
彼は私の大学の研究について興味を示し、
あたかもゼミの担当教授のように
質問を浴びせた。
解放されたのは都合40分近くも
会話した後だったが、
彼は、診察室を後にしようとした私に
こう言った。

「いやぁ、学生時代、
 僕は本ばかり読んでいてね。
 結局、何年多く大学にいたんだかなぁ。
 だから文学には興味あるよ」

オイ医者。患者に言っていいことと
悪いことがあるだろう。

センセイとの距離:その後、お元気ですか?

観察人(東京都・リリィ・25歳)

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