仕事場をたたみ、自宅と統合した。
一つ屋根の下で漫画家が二人、
それぞれの仕事をするわけで、
今後どういう具合にストレスがたまっていくか
想像もつかないが、
子育てのために協力しあわなければならず、
そういう形にしたのである。

寂しさはもちろんある。
仕事場とはいうものの、数年間は私の一人暮らしの場、
住居でもあったのだ。
様々な思い出があり、感慨がある。
外食もしたが、ほぼ毎日何かを作り、
空腹を満たしたり酒のつまみにしたりしていた。
「逃避めし」の原型ともいえる駄料理の数々は、
そういう形で生まれてきたのだった。

この料理は、2005年の夏の盛りに作ったもの。
最初は料理の写真など撮っていなかったが、
ネットに画像をアップする喜びを覚え、
それで撮ったものである。
「逃避めしプロトタイプ」の一つとして、
紹介しておきたい。

【材料】
・豆乳(大豆丸ごとをうたった、無調整の濃いやつ)
・野菜ジュース
・ヨーグルト
・塩、胡椒

軽く二日酔い気味の朝だったようだ。
横にいなり寿司が見えるので、食欲はあったようで、
なんとかシャッキリ目を醒まして仕事をしないと、
という空気がただよっている。

本来のガスパチョはスペイン、ポルトガルの冷製スープで、
野菜やパンがたくさん入った質実剛健な食べものだ。
しかしこの「のようなもの」もなかなかうまく、
夏の二日酔い男汁としてはすぐれたものであった、
といわせていただこう。

さらば、仕事場。

2010-05-20-THU
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