DOCTOR
darling人体実験シリーズ。
少林寺気功教室に通う。

舞って!ダーリン

「じゃ、今日は新しいのやりましょうね」
秦先生がそう言ったかと思うと、
お弟子さんが用意したテープから、
不意に音楽が流れ出した。

な、な、なんじゃ、いきなりこの、アジアンなリズムは!?

秦先生はにっこり言いました。
「気功ダンスです」

気功のダンス!?
気功でダンスなんかするものなの?

「女性が多いから、こういうのもたまにはね」

嗚呼・・・やはり婦女子といえばダンスなのですか。
それって、運動会で男子は組み体操、
女子はマスゲームですよ、みたいな
緩やかな訳わかんなさを感じるんですけども。

しかし、おそらくこの「訳分かんなさ」を感じていたのは
私だけではなかったのです。
そう、誰よりも!
一番前の列に居るダーリンが!
ダーリンこそが一番「訳分かんないぜ」
な顔をしていましたとも。

だけど秦先生がやると言ったらやるしかありません。
曲はとっくに始まっているし、
恥ずかしいとか、納得いかないとか、
いや俺はやりたくないとか言っていられなかったのでした。
だって、もう既に速いんだもん、リズムが。
「はい、真似してください!速いですよ!」
おぉぉおっ!?
マジ速えぇ〜!
教室の全員、有無を言わさずアジアンリズムへ
無理矢理乗り込む。



何でしょうね・・・。
何て言ったらいいんでしょう・・・。
そうね・・・。
教室全体が、
初期のパフィーの
早回しビデオみたいになっていたよね。

「はい、右!」
ちゃらりらり〜、
「はい、左!」
ちゃらりらる〜♪
「繰り返してー」
ちゃらりらり〜、ちゃらりらる〜♪

楽曲こそポップなれど、動きはとても大きくて、
ついていくのに必死でした。

そして私の視線の先には、たくさんの生徒さんに混じって
「踊り舞うダーリン」の姿がありました。


今、イトイさんは激しく後悔しているに違いありません。

"なんでサガコを連れてきた今日に限って、
ダンスのメニューなんか組み込んじゃったのよ、秦先生!"

そんな心の声は聞こうれど、
逃げられやしねぇ。止まることもねぇ。
延々と続く、悠久のリズム。
ちゃらりらり〜、ちゃらりらる〜♪
「足上げてー」
ちゃらりらり〜、ちゃらりらる〜♪
「手も上と下でー」
必死で踊りながら、私は私で思っていたのでした。

"ひょっとすっと、
ワシ、すげーもん見ちゃってるのかなぁ・・・"

踊る踊る踊る、糸井重里さん、若干52歳。
貴重だったと思います。
うむ。
希有、希有。



帰り道、ダーリンさん、唇を噛んで、ぼそっと言いました。
「・・・今日に限って・・・」
サガコさん、満面の笑みで答えました。
「書きますけどね、包み隠さず、ダンスであったと!」

ああ、またやりたくなっちゃいました、気功ダンス。
気のおかげなのか、妙にお通じ快調になって、
痔の手術傷がするすると小さくなった今週だったんです。
不思議だけど本当に体が軽いしなぁ。
新陳代謝が活発になってますね、確実に。

さて、消極的な生徒のダーリンさんが
次の原稿をお書きになるのか、
はたまた別のネズアナな人達が拉致されて、
「よろしくぅ」と原稿依頼されることになるのか。
どちらにしてもオススメしちゃいます、
秦先生の少林寺気功。

なんか、おもしろいものに気を込めてもらって
家に持って帰っちゃいたい。
メガネに気を込めたら、眼精疲労が和らいだりして。
マックに気を込めたら、フリーズしなくなったりして。
ブラジャーに気を入れたら、豊胸しちゃったりして!?

はー、バカ言ってないで続けようっと、地道な内気功。

2001-06-20-WED

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