みうら |
(県くじを引く)
これは、わりと丸い県ですね? |
ほぼ日 |
いや、丸くないです、ギザギザしてます。
鹿児島県です。 |
みうら |
‥‥そんなとこまで
にぶってきましたか、ぼくは。 |
ほぼ日 |
いやいや。 |
みうら |
鹿児島県で忘れちゃならないは、
明治維新についての記念館が
あるってことですよ。 |
ほぼ日 |
ええと、「維新ふるさと館」ですね。 |
みうら |
そこは、もう
驚くほどすごい記念館です。
これまでみなさんに、ぼくは
いろんな蝋人形館や記念館に行った自慢を
してきました。
実際、記念館には、しらみつぶしで行ってます。
なぜなら将来的に、
「自分が記念館を建てなきゃなんない」
ということを念頭に置いて生きているからです。
そうするとね、
他人の記念館が
気になってしょうがないんですよ。 |
ほぼ日 |
はははは。 |
みうら |
ふつうに生きていたら、他人の記念館のことは
あんまり気にならないでしょ?
でも、「自分が将来建てるなら」ということを
考えながら巡ってみてくださいよ。
「あ、ここの記念館、よくできてるな!」
「ここ、取り入れていこう!」
と思うようになり、抜群に旅が楽しくなります。 |
ほぼ日 |
なるほど。 |
みうら |
鹿児島県にある、その記念館は
明治維新の偉業についての展示が
ストーリー形式で展開するんですが、
「朝生(あさなま)」みたいな状態の
ステージが出てきます。 |
ほぼ日 |
朝まで生テレビ‥‥? |
みうら |
自分は「朝生」のスタジオにいる、
あの観客のような気持ちになって、
それを見ます。
「それは薩長藩が
まずいでごわす!」
なんていう声が聞こえてきて
壇上のいろんなところから、グゥゥゥーンと、
西郷どんとか、坂本龍馬さんとかが
上がってきます。 |
ほぼ日 |
せり上がってくるんですか。 |
みうら |
そうです。
「それは、
どげんしたとですか!」
などという声とともに、ロボットの人形が
ブゥイイーンと上がってくるんです。
それは驚くほどの論争なわけですよ。
もう田原総一朗さんだって、
仕切れないくらいの論争です。
「それは、薩長藩が
なんとかで!」
‥‥あの、あんまりネタを知らないんで、
うまく伝えられないのが歯がゆいんですが。 |
ほぼ日 |
はははは。 |
みうら |
ほかに誰がいたっけな‥‥、
薩長藩しか知らないんですが、
まぁとにかく
「それは、
どげんしたとですか!」
とか
「これではいかんばい!」
みたいな九州弁で、
いろんな人がいろんなところから上がってきて、
言い終わった人は、沈みます。 |
ほぼ日 |
沈むんですか。 |
みうら |
メインの人がひとりで上がって
ピンスポを浴びるシステムです。
ラストは全員がグィーーーンと上がり、
勢ぞろいされまして、それはもう、
涙が出るくらい、感動します。 |
ほぼ日 |
でも‥‥その、
実際に、そういう論争があった
わけじゃないですよね。 |
みうら |
いやもう、ぼくは「あった」と思ってます。
あのころは、いろんな人が下からせり上がって
会議されてたんじゃないかと思うくらいの
リアルな再現です。 |
ほぼ日 |
そんなに語気荒く。 |
みうら |
そうですよ。
「池田屋、なんとかで
ごわすか!」 |
ほぼ日 |
はははは。 |
みうら |
かなり少ない語彙の中から言ってるだけ、
になっていますが、
ここはもう、おすすめです。
さほど薩長に興味がない方も、
──まぁ、興味というものは、あってもなくても
まずは自分で「興味がある」と
決めればいいんですが、
しかし、それを見れば好きになります、
薩長というものが。 |
ほぼ日 |
薩長が。 |
みうら |
いまは「薩長、すごいよ」という
言い方をしますね。
すごいですよ。 |
ほぼ日 |
‥‥‥‥。 |
みうら |
あとね、奄美大島も、
鹿児島県なんですよ。 |
ほぼ日 |
あ、そうですね。 |
みうら |
奄美大島では、
ハブとマングースのショーが見られます。
ひところぼくは、
「ハブとマングース」と聞けば
せっせと出かけていった人間です。 |
ほぼ日 |
そうなんですか。 |
みうら |
ハブとマングースの闘いについては
ある時期からもう
「ドロー試合だ」ということになり、
どんどん試合数も減っていきました。
彼らはいま、五分五分です。
ハブを駆除するために
外国からマングースを呼んだのに
マングースも繁殖して多くなっちゃって
「もう、こりゃ意味ない」ってことになりました。 |
ほぼ日 |
なるほど。 |
みうら |
しかし、五分五分と決まっても、奄美大島では
ハブとマングースのショーがあります。
透明なステージに下敷きのような仕切りがあって
それがパーンと開くと、闘いがはじまります。
でも、何回もやってるから、彼らも
わかってるわけですよ。
ぼくが見たショーは、朝の回でした。
きっと朝昼夜の「3まわし」を
何年もやってるわけです。
たぶん、出演者もずっと同じ
ハブとマングースでしょう、
きっと楽屋も一緒なんですよ。 |
ほぼ日 |
ははは。 |
みうら |
見てればわかるんです。
楽屋も一緒、四六時中一緒ですよ。
そんなのが透明な下敷き一枚で、
「ファイト」って言われても、やれないですよ。
でも、ここは人も見てるし、
「ちょっとひと噛みいっとくか」
くらいな感じです。
見てればわかるんです、
一応、噛むんですよ。 |
ほぼ日 |
ははは。 |
みうら |
一応噛んで、係の人も
「ファイト」とか言って
一応盛り上げていく。
しかし、マングースの陣地ではもう
ふんが落ちてる始末なんですよ。 |
ほぼ日 |
うはははは。 |
みうら |
闘いの途中にふんなんてしていたら
ふつうはやられるじゃないですか。
それが、悠々としています。
「3まわし」の営業の、
考えた挙句の試合だな、と
非常に感じ入りました。 |
ほぼ日 |
それはプロですね。 |
みうら |
そうそう、鹿児島県には
「白くま」と呼ばれるかき氷がありますよね?
あれのどこをもって「白くま」と呼ぶのか、
ぼくは研究が足らず、わかりません。
これまでお腹をこわすくらい現地で注文して
食べてきたのに、いまだにわからない。
白いのは、わかった。
でも、それじゃ「白」じゃないですか。
「くま」の部分がないんです。 |
ほぼ日 |
はい。 |
みうら |
氷の上に乗っているあずきが鼻ってことかな?
と思ったけど、
それじゃ鼻が多すぎるんだわ。 |
ほぼ日 |
そうですね。 |
みうら |
まぁ、ぼくはこれまで、シロクマの姿を
そんなにじっくりと見たことがないので
なんとも言えないんですけど、
「白くま」たる所以があると思うんです、絶対。 |
ほぼ日 |
白い以外に。 |
みうら |
みなさんが、鹿児島県に行かれて
白くまを注文されて、
「この角度からみたここが白くまに見える」
という報告をお待ちします。 |
ほぼ日 |
お待ちします。 |
|
今回のお話をノーカットでごらんになりたい方は
下の動画でおたのしみください。 |