鮫島
国家公務員採用I種試験に合格し警察庁に入庁した
「キャリア」のエリートだったが、
ある事件をきっかけに、警視庁の機密を握ってしまう。
その結果、上層部から疎まれ、
警察機構内部におけるアンタッチャブルな存在となり、
新宿警察署生活安全課の警部というポストに
とどめ置かれ、現在にいたる。
新宿、とくに歌舞伎町の裏事情に精通しており、
犯罪者に音もなく忍び寄り、食らいついて離さないところから
「新宿鮫」と呼ばれ、恐れられている。
この『新宿鮫』という物語の、主人公である。
トシミ
「謎の大男」をかくまう「BAR松毬」のママ。
露崎
クスリの売人。新宿駅東口の雑踏が縄張り。
半径50メートル以内に警官がいると
たちどころにその匂いを嗅ぎつける、その道のベテラン。
新宿東口で「謎の大男」に接触。
そのネタを鮫島にもたらし、男の捜索に協力することに。
謎の大男
年齢は60代後半、髪は短くて真っ白。
新宿東口の街頭で
露崎に「チャカが手に入らないか」とたずね、
理由を質されると「お巡りを殺す」と答えた。
危険を感じた露崎が騒ぐと、
ふたたび、新宿の雑踏へと消えていった。
須動会
かつて新宿をシマにしていた暴力団。
10年以上前に解散。
青木晶
鮫島の14歳年下の恋人で、
ロックバンド「Who's Honey」のボーカリスト。
「ロケットおっぱい」の持ち主(鮫島談)。
ママフォース
区役所通りの雑居ビルにある、小さなゲイバー。
鮫島、晶のいきつけの店。ママは男。
仙田(間野総治)
かつて、外国人窃盗団を組織していた人物。
元警官。
鮫島と同期の警視正・香田を殺そうとしたが、
かえって鮫島に3発の三十八口径弾を撃ち込まれ、
射殺される。
香田
鮫島と同期のキャリア警察官僚。
エリート街道を進み、ことあるごとに鮫島と対立。
組織犯罪対策部の警視正まで昇進を重ねるが、
仙田の事件後、退職。
現在は内閣情報調査室の下部機関である
「東亜通商研究会」に所属。
桃井
新宿警察署の生活安全課課長。
鮫島が信頼を寄せる、数少ない警察関係者。
感情を表すことなく、たんたんと仕事をこなすことから
陰で「マンジュウ」(警察のスラングで「死体」)と
呼ばれているが、
本当は、強い使命感の持ち主。
絶体絶命の鮫島の命を救ったこともある。
松沢(吉田)敏夫

元須動会組員。
中国残留孤児二世の妻の伯父に養子入りし、
現在の姓は「吉田」。
須動会解散後、栄勇会へ入って頭角を表し、
十年で若頭補佐にまで異例の出世。
この背景には
海外(中国)との強いコネの存在があるのではと
鮫島は推測している。
また「謎の大男」や犯罪組織「金石」とのあいだに
強いつながりを持っている、とみられる。

栄勇会
関東に縄張りを持つ指定広域暴力団、
関東共栄会の二次団体。
北朝鮮ルート、タイルートから
質の良いクスリを安定的に確保できるなどの理由から
ここ10年で、急激に成長してきた組。
松沢(吉田)を介し、中国本土のクスリ関係の組織と
強力なコネクションを持っているという噂がある。
倉吉
新宿署の組織犯罪対策課、
略して「組対」の暴力団対策係長。
以前は警視庁の組織犯罪対策部に在籍していた
マル暴担当刑事。
生活安全対策課‥‥というより鮫島に敵意を持つ。
田所
倉吉の部下。元機動隊員。
姫川
須動会を解散した二代目組長。
引退後は、房総半島の町に暮らしていたが
妻、四頭の飼い犬とともに
撲殺され、埋められているところを発見される。
馬渕
栄勇会の若い構成員。
新宿駅西口で「白髪の大男」と待ち合わせ、
白いセルシオに乗せたところを
露崎に目撃される。
新宿警察署の鑑識課員。
桃井と同様、鮫島が気を許すことのできる
数少ない同僚。
その鑑識としての腕は優秀で、
とくに弾道検査に関しては警視庁本庁から
引き合いがくるほどの腕を持つ。
ちなみに、
こちら葛飾区亀有公園前派出所の両津勘吉とは
幼なじみの関係。
嶋本
晶のバンド「Who's Honey」の周辺で
薬関係の内偵をすすめる渋谷警察署の組対課長。
陸永昌(ルー・ヨンチャン)
タイとの国境近くのカンボジア・ポイペトで
高級売春宿のビジネスを行う。
日本人との取引には「張」という偽名を使う。
永昌の部下。
大学で経済学を修め、日本留学経験も持つ。
永昌の部下。
元人民解放軍の歩兵で、銃の扱いが上手い。
樫原茂
日本政府の人間を通じ、永昌が行方を探す人物。
金石(ジンシ)

組対の倉吉・田所らがずっと追いかけていた、
残留孤児二世のグループ。
栄勇会の吉田(松沢)が中国やタイとのパイプ役に
使っている組織だと目される。
メンバーの結束がきわめて強い集団で、
相手が極道でも中国マフィアでも、一歩も引かない。
それ以外については、メンバーの人数をはじめ
その実態が何もわかっていない謎の犯罪組織。

奥野
元須動会組長・姫川が住む
千葉の地元署の刑事課長。
大曾根
姫川殺人事件を捜査する千葉県警捜査一課の警部。
姫川殺人事件を捜査する千葉県警捜査一課の警視。
ノンキャリアの叩き上げで、みるからにガンコ。
国枝
謎の犯罪組織「金石」メンバーにつながる情報を持つ、
暴力団・藤野組の構成員。
矢崎
国枝とほぼ同期の藤野組組員で、
自動車をカタに金を貸す「YSオートローン」の経営者。
覚せい剤中毒の客に撃たれて死亡。
尚(シャン)
西川口でデートクラブを経営していた男。
国枝が「金石」と「コネをつけられないか」と
聞いた相手。
田(ティエン)
尚と「女の引き抜き」で揉めたことのある男。
尚によれば「金石に知り合いがいるかも知れない男」。
国枝がさらい、
その場に「金石」のメンバーを呼ばせた。
とじる