谷川俊太郎さんの答え  あなたはちっともおかしくありません。 ぼくも中高生のころ あなたと同じだったから、 あなたの気持ちは分かりすぎるほどよく分かります。 そんなぼくの性質を離群性と呼んだ人がいます。 人類はもともと群生動物ですが、 群れの中での個の自由を認めることが出来る 知的な動物でもあります。 集団行動が苦手だと 群れの中で孤立しがちですが、 しっかりした自分をもつことが出来れば 孤立は自立につながると思います。 友だちだって数が多ければいいというものじゃない、 一人の本当に深くつきあえる友だちは、 十人の浅いつきあいの友だちより大切だし、 あなたを成長させてくれます。 ただこれからあなたが世間に出ていって、 たとえば会社という集団の中で 自分を生かす途があるのかどうか、 そこのところは今からよく考えて 進む方向を決めるほうがいいと思います。 質問 十  私は集団行動が嫌でたまりません。 「勉強」は好きなのですが、「学校」は嫌いです。 「部活」は大好きですが、「クラス」は大嫌いです。 父や母は「そんなことを言うな」と言います。 でも、クラスの中にいると、 どうしても疲れてしまうんです。 一人きりでゆったりすごす時間のほうが私は好きです。 クラスの子は、みんなでグループを作って 楽しくすごしています。 でも、私はどうしてもなじめません。 こんな私は、おかしいのでしょうか。 一人きり、もしくは本当に気の合う相手とだけ せまいつきあいを続けていくことについて、 どう思いますか。  (T橋 十四歳) 読者のみなさんからいただいた質問に、 詩人の谷川俊太郎さんから 答えが届きました。 「春休み」の期間中、全11回、連載します。 平日毎日ひとつずつ おたのしみください。