谷川俊太郎質問箱  冬だよ! ツアー質問箱の巻
質問 十一  私には子どもが三人います。 私の兄(長男)夫婦には、子どもがいません。 代々の墓を守るためにも、 うちの次男坊を兄夫婦の養子に、という話を受けました。 次男坊は「別に名前も変わらないし、いいよ」 と言っています。 そこで、ふと、私も考えました。 私は、家から継ぐ墓がなく、 自分で墓をたてることになります。 墓をたてたら、その管理を 自分の長男に押しつけることになります。 無縁仏でもいいのかなぁ、とも考えます。 谷川さんは、お墓に関して どのようなご意見をお持ちですか。  (石川和夫 五十二歳)
谷川俊太郎さんの答え  悩みは同じですねえ。 ぼくは一人っ子ですから父母の墓は守ってきました。 でも子どもたち孫たちに 墓守を継がせるのはあまり気が進まない。 だいたい私には 父母の墓に父母がいるという実感がないんです。 居間に飾ってある写真のほうがずっと身近なんです。 実は自分の墓の予定地は確保してあるんですが、 それをお寺に返そうかと思っています。 私は魂の存在を信じていますから、 死後は地面の下だけに居るんじゃ退屈すると思うんです。 でも墓については自分の一存では決められませんね。 ぼくも子どもたちと一度ちゃんと話し合わなくちゃ。
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2010-01-11-MON
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