シリコンの谷は、いま。 雑誌の記事とはずいぶんちがうみたいです。 |
第47回 個人主義の国で、 チームワークはどうなっていますか。 日本的な社会人の習慣としてよく挙げられるのは 会社の帰りに同僚と飲みに行くことでしょう。 アメリカは個人主義の社会だから、 お互いプライベートには干渉せず、 会社の同僚と飲みに行くこともないと、 日本にいる頃、よく聞いた気がします。 確かに、シリコンバレーで、会社の帰りに 同僚と飲みに行くことはあまりありませんが、 僕の同僚たち曰く、 「たまには日本人みたいに、みんなで飲みに行きたいねぇ」 ということなのです。 実際には会社の帰りに飲みに行くというのは ほとんど実現しないわけですが、 その理由は個人主義だからではなく、 クルマ通勤だからなのだと思います。 飲んだら運転できませんからね。 そんなわけで一度、みんなクルマを使わずに 会社にやってきて、会社の帰りに飲みに繰り出したことも ありました。みんな随分楽しんでいたようです。 飲みに行かない、というより、 飲みに行けない代わりに、僕の周りでは チームのメンバー全員でランチに出かけるということを 週に一度やったりしていました。 普段は同僚と2、3人で会社の中の カフェテリアに行く代わりに チームのメンバー全員で、クルマ何台かに分乗して、 近くのレストランに出かけます。 そこで少しゆったりとランチを 食べながら雑談をします。お酒は入りませんが、 普段からそれほど本音・建前の使い分けをするわけでも ありませんから、役割としては、 日本での仕事の後の一杯と同じものがあるように思います。 チームのみんなでランチを食べに行くなどといった イベントを「Team Building Activity」と呼んでいます。 「チーム作りの活動」と、少々大げさですが、 チームワークを良くすることはアメリカの会社でも 大事だと考えられているのでしょう。 この「Team Building Activity」では、他にも、 ボーリング場に行って遊んだり、 カートレース場に行ったりと、 半日から1日かけて遊ぶイベントを チームのみんなでやったこともありました。 しかし、こういったイベントをやらなくても、 今振り返ってみると、 僕の周りではチームのメンバー同士は ずいぶんみんな仲が良かったように思います。 会社の中での上下関係というものは、 組織がフラットなので、あまりありません。 そして、プロジェクトチームは少人数であることにも 原因があるのかもしれません。 子供っぽく聴こえるかもしれませんが、 みんなで楽しく仕事をしているとしか 表現のしようがないのですが、 それでうまく行くなら、 張り詰めた緊張感の中で、眉間に皺を寄せて 仕事をしなくてもいいのかなとも思います。 カリフォルニアの晴天を見上げると、 この土地で、そんなに力むのは、 ちょっと無理なような気がしました。 上田ガク |
2004-06-08-TUE
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