5DW メンズショップ イシカワ
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ぼくらが歩きたくなる理由。
[鼎談]

KEEN 中込敦志

VIVOBAREFOOT 小峯秀行

5DW 石川顕
今週、「5DW メンズショップイシカワ」で発売するのは、
ふたつのブランドのシューズです。



アメリカの「KEEN」(キーン)と
イギリスの「VIVOBAREFOOT」(ビボベアフット)。
どちらも、歩くのがびっくりするほど楽しくなる
ウォーキングシューズです。



「KEEN」は、アメリカのオレゴン州ポートランドの
フットウェアブランド。
「つま先のあるサンダル」で有名なKEENが、
意外にもはじめてつくったウォーキングシューズが
「WK400」です。
円弧を描くクッション性抜群のソールシステム
“KEEN.CURVE™ テクノロジー(特許出願中)”を搭載し、
前へ前へと「転がるように」歩けます。



イギリスで7世代続く靴職人の家系である
「クラークス」家のいとこ同士がつくる
「VIVOBAREFOOT」のアクティブシューズが、
「Primus Lite Ⅲ」。
足こそが健康の土台であるという信念に基づき、
軽量かつ、大地をじかに感じる履き心地で、
原始的な裸足気分の足型の靴として開発されました。



“歩くこと”へのアプローチは異なれども、
どちらも、歩きたくなる、歩くのが楽しみになるシューズ。
その個性、秘密、
そして「ぼくらが歩きたくなる理由」を、
「5DW メンズショップイシカワ」の石川顕さんと
「KEEN JAPAN」のマーチャンダイザー中込敦志さん、
「VIVOBAREFOOT JAPAN」の
ディレクター小峯秀行さんが、
シューズブランドの枠を飛び越えて、語ります!
02
どうして歩きたくなるのか?
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石川
積極的に歩きたいなら、
シューズのルックスがいいっていちばん大事。
健康にいいって掲げてしまうのが、
僕には、いちばん不健康。
成果もわかりづらいし、続けづらくなっちゃうんだ。
「効率よく痩せる」とかっていう考え方も同じで、
効率を考えると辛くなる。
そうじゃなくて、楽しいのがいちばん! 
中込
「履きこなす楽しさ」もありますよね。
石川
そう、今なんて1日1万歩くらい歩いているからね(笑)。
iPhoneのヘルスケアってアプリを覗いているだけで、
その日のそれまでの歩数がわかるから、
1駅手前で降りて歩いてたりしていますよ。
履くのが楽しいから、当然歩くのも楽しい。
結果として、健康になった! 痩せた! となったら
それはそれでいいことですからね。
中込
健康という言葉を前に出すのは
ちょっとイヤらしいというか、
抵抗感がありますよね‥‥。
もう少し、見栄は張りたいところではありますね。
石川
そうそう。
健康はあくまでも結果としてね。
楽しく歩くと決めたからには、
ちっちゃいファイティングポーズは見せないといけない。
そのときに、この2足は素直にかっこよくて、
本当によく履いているよ。
最近、僕と会う人は、
このどちらかを履いているのを見かけていると思います。
靴に合わせたファッションにしなくても、
いつもの自分のスタイルで大丈夫。
僕はスウェットパンツが基本だから。
小峯
確かに、2足とも普段着で全然いけますよね。
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石川
普段から僕は白い靴って全然履かないんだけど、
ちょっと履きたい気持ちはあったんです。
ゲンスブール(のバレエシューズ)を
もっとスポーティーにしたかったところもあった。
黒いタートルネックに、白いシューズを履きたい、
って願望もある。
黒いスーツに、裸足で白の「VIVO」が最高じゃん、
というのもある。
まだやってないけど、準備はできてる(笑)。
「クラークス」一家はさすがですよ。
ベアフットだけど完全にファッションの靴ですよね。
中込
ほんとそうですね。
でも「VIVO」は前職のときに
仕入れたことがあったのですが、
実はそのときのイメージと今ではけっこう違っていて。
そこを小峯さんに聞いてみたかったなと。
小峯
僕も当時は携わっていないので聞いた範囲の話ですが、
「VIVOBAREFOOT」ブランドとしてではなく、
他ブランドの1モデルとして日本に入ってきたそうです。
10年前にベアフットランニングというブームがあり、
アウトドアメーカー各社がベアフットシューズを
出していたころに、技術提供をしていたとか。
当時はベアフットの説明もなく、ただ売られていただけで、
なにこれ? 痛いじゃん、って思われブームは去りました。
僕らがまたイチから日本で「VIVO」を始めるにあたり、
イギリス本国のチームに話を聞くと、
「現代の都市社会に生きている自分たちの足は、
筋力がすごく弱っているよ」って言われたんです。
当時、僕自身アウトドアもスポーツもやっていたので
筋力が弱いわけがないと思っていたのですが、
裸足じゃないと鍛えられない部分があるんですよね。
そういうことをちゃんとわからずにいたままで、
自分たちが広く展開するのはよくないと思ったので、
いまは、まずは自分たちの足が、
本来は裸足でも何キロでも何百キロでも歩けるし、
そもそも裸足でも、外を歩くと楽しいんだよ、って
考え方を伝えていくことにしました。
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中込
なるほど、そうだったんですね。
石川
ちゃんとワークショップをやって、
直接お客さんたちに語りかけていますしね。
‘70年代みたいというか、
グラスルーツ(草の根活動)みたいに、
地道でステキだなって思った。
『ムーンライトギア 大阪店』にこっそり行ったときも、
女性のお客さんが多かったのですが、
トレンチコートを着た女性が、
「VIVO」の白いシューズを試着していて、
それがまたコートによく似合っていてかっこよかったこと。
小峯
フェイス・トゥ・フェイスでお客さんと
しっかりコミュニケーションが取れますし、
なんなら、隣のお客さんまで「これいいよ」というのを
後押ししてくれます。
石川
「VIVO」も「KEEN」も
ほぼ日でワークショップをやったら
いいことありそうだね。
ブランドもお客さんも楽しそう。
小峯
ちなみに、「KEEN」の今回のシューズって
走ることにも対応しているんですか?
中込
この「WK400」というモデルは、
まさしくウォーキングシューズで、
ランニング用ではないんです。
だから、これで走るのは推奨していません。
最近のものは汎用性の高さが
売りのシューズが多いかもしれませんが、
このモデルは歩くため「だけ」に作られているんですよね。
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石川
そもそも僕は走りたくない人なので、
それがいいです(笑)。
でも、「KEEN」のこの靴を最初に履いたときは
本当に不思議だったな。
人間って、かかとから歩くんだよな、って
思い出したというか‥‥。
本来の歩行って、かかとから歩くと
とても歩きやすいってのもあらためて教わった気がする。
むしろ、この靴はかかとから歩かないと
つまづいちゃう感覚もある。
中込
なにこれ? って感じてもらえたら嬉しいですね。
違和感も僕らのサプライズのうちですから。
「KEEN」のお店でのご対応でも、
最初からあまり機能を伝え過ぎないようにしていますし、
アキラさんみたいにフィーリングを大事にして
もらいたいなって思っています。
この靴での歩き方とか、筋肉の使われ方とかよりも、
まずは、歩くのが楽しくなりますよ、
って話ができるように。
この「WK400」というのは、創業者の息子が
スキーで怪我をして、リハビリ中に作った1足なんです。
歩くって、人間の基本だというのをあらためて実感して。
気分がよくなるってどんなだろうって考えたら、
それは「歩くこと」だとなったそうです。
体に効くってよりも、
歩いて気分が晴れるよね、ってところが
この靴のミソですね。
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石川
歩くのがいいのではなくて、
歩くのが楽しい。
いかに楽しく歩けるのか? ってことだね。
お医者さんにも、
歩いても、カロリーが消費するわけでも、
血糖値が下がるわけでもないから、
そんなに歩いて効率がいいってことはないですけど、
やるかやらないかだけなんですよ、って言われてさ。
だったら、やるでしょうと。
だから、ほんと、いいタイミングで、
この2足と出合えたなって思います。
中込
世代的にはウォーキングシューズを買うのって
ちょっとまだ恥ずかしいですよね。
でも、普段から違和感なく履けるなら
全然問題ないですし、むしろかっこいいですよね。
石川
トレンチコートに「VIVO」だよね。
中込
うわ、悔しい(笑)。
うちのお店でもぜひ見てみたいですね。
小峯
男性目線だと、どうしても機能のうんちくに
向かいがちですが、
女性視点は、おしゃれかどうかというのが
大事ですから、嬉しいですね。
石川
ちゃんとスラックスを穿きたいときは「VIVO」。
逆にフレアデニムとかで外したいときは「KEEN」。
セルジュ・ゲンスブール(VIVO)と
デヴィッド・ボウイ(KEEN)がイメージです(笑)。
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2023-06-30-FRI
(おわります)
「KEEN WK400」、

「VIVOBAREFOOT Primus Lite Ⅲ」、

5DW WEBショップにて販売中。