大賞の栄冠は誰の手に!5年で5枚「わたしの定点写真」コンテストの結果発表3人の審査員がおしゃべりしながら決めました!

去年の暮れに募集を開始した、
5年で5枚「わたしの定点写真」コンテスト。
ぷぷっと吹き出してしまう写真から、
胸が熱くなるような写真まで、
見応えたっぷりな作品が勢そろいしました!
世代も感性もことなる審査員3人による、
おしゃべりいっぱいの審査会の様子を、
結果発表をかねて全5回でお届けいたします。
世界初ではないと思いますが、
なかなかユニークなコンテストになりましたよ。
はたして、栄えある大賞は誰の手に!

株式会社ゆかい主宰。国内外での個展・グループ展多数。フィンランドサウナクラブ会員、水草レイアウターなど。近年の活動としてはTOBICHI(東京)での「あかるい写真館」、スパイラル(東京)での池田晶紀展「SUN」、十和田市現代美術館(青森)でのワークショップ「ようこそ美術館へ」など。

YUKAI 公式サイト

1994年生まれ。多摩美術大学在籍。女優/モデル活動からイラストレーター、アートディレクションも務める現役女子美大生。女子校で厳しく育てられるも、上京によるカルチャーショックで美しさと図々しさが開花。インスタグラムでは自身の写真に画像の落書き加工を施したもの、通称“しゃかコラ”を投稿し話題に。

1948年群馬県生まれ。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。1971年にコピーライターとしてデビュー。「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名に。 作詞やエッセイ執筆、ゲーム制作など、幅広いジャンルで活躍。1998年6月に毎日更新のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは、同サイトでの活動に全力を傾けている。

第4回作品賞と大賞をすべて発表!

(大賞の選考に入って数十分後‥‥)

糸井
俺もこれがいいと思うな‥‥。
池田
そうですよね。
じゃあ、これで決まりですかね。
はましゃか
はい、いいと思います!
池田
(スタッフに向かって)
すべての賞が決まりましたよー。
──
みなさん、おつかれさまでした! 
最後はけっこう
悩まれていたようでしたが‥‥。
池田
入賞作からいくつか作品をしぼって、
最後の最後は多数決で決めました。
──
では、さっそくですが、
まずは作品賞から発表して
いただけますでしょうか。



作品賞は3つありますので、
審査員賞のように
「自分はこれが好き」というものを、
ひとり1つずつ選んでいただきました。
池田
じゃあ、まずは‥‥。
糸井
じゃあ、ぼくから発表します。糸井賞から。
──
はい、よろしくお願いします。
糸井
ええ、では、発表しますね。
糸井賞は‥‥「朝の新聞タイム」です!
糸井
これは、同じ犬がうちにいて、
同じように添い寝をしてたので、
もう共感せざるをえない。
なんだか、自分をみてるようでした。
──
コメントを読みますね。



「ソファに座る私から見える朝の風景。
今年78歳の母と13歳の愛犬。
見た感じでは、
成長も老いもさほど分かりませんが、
確実に老いてきてる1人と1匹。
この風景がずーっと、
見られることを心から願ってます」
池田
お母さんへのくっつきかたが、
いつも同じなんですよねー。
糸井
犬って、お尻とお尻を
くっつけたがるからね。
はましゃか
へぇー、安心するのかな?
糸井
そうなんだろうね。
ぼくにはこのお尻の感触が、
丸ごと伝わってくるんです。
池田
お母さんの新聞を読む角度もいい(笑)。
はましゃか
はい、安定感があります(笑)。
──
文句なしの糸井賞だと思います!
受賞されたりんごさん、
おめでとうございます!
一同
パチパチパチパチ(拍手)。
はましゃか
じゃあ、次は私から!
──
はい、よろしくお願いします。
はましゃか
では、発表します! 
はましゃか賞は、
彼氏の朝食風景をとりつづけた
「朝食彼氏」です!
はましゃか
写真の彼の変化していく感じが、
なんかいいんですよね。
写真も彼女目線というのが、
ちょっとキュンキュンします。
糸井
ちょっとつくった感じも、
ちょうどいいバランスだよね。
この彼だって、
写真とられてるって知ってて、
この顔してるわけだから。
はましゃか
それに彼女目線でみると
「今日は朝ごはんつくったから、
写真にとっておこう」とか、
そういう気持ちも見えてきて、
なんかいいなーって。
池田
昔と比べて、
彼の顔もけっこう変わったよねー。
糸井
(コメントを読みながら)
はじめて会ったのが19歳で、
今年で31歳‥‥。
ふーん、そうかぁ‥‥って、
せっかくなので読みます!
はましゃか
はい、お願いします(笑)。
糸井
出会って10年、
付き合って9年の彼氏の
朝食中の姿の定点写真です‥‥。
池田
糸井さん、いい声で読むなぁ(笑)。
糸井
彼のポートレートは、
私がカメラを買った
2010年頃から2017年の今日に至るまで、
たくさんとっていますが、
その中でも特に朝食中の写真が好きなので、
集めてみました。



初めて会った時、
19歳だった彼も今年で31歳。
その間1年ほど、遠距離になったり、
彼が病気をして、また復活したりなど、
書ききれないくらい、
いろいろなことがありました。
今日も一緒に朝ご飯を食べられることを、
本当にうれしく思っています。



自分で読みながら泣けてきたよ、俺(笑)。
池田
糸井さん、感情込めすぎです(笑)。
はましゃか
(笑)。
糸井
やっぱりいっしょに朝ご飯食べるって、
幸せなことなんだよね。
オジさんたちが選びにくい作品だから、
はましゃかさんがいてくれてよかった。
──
まさにはましゃか賞! 
受賞された木村さん、
おめでとうございます!
一同
おめでとうございます(拍手)!
──
最後は池田さん、よろしくお願いします。
池田
はい、発表させていただきます。
池田賞はこれです。
「子どもとシーソー」の写真!
──
これを池田賞に選んだポイントは?
池田
これ、シーソーでしょ。
つまりは、重くなるんですよ。
──
重くなる?
はましゃか
そうなんですよね。シーソーだから。
──
‥‥あ、なるほど!
お母さんもシーソーに乗ってるから?
池田
そうそう。この構図だと、
カメラをとるほうも
けっこう大変だと思うんです。
シーソーに乗りながら
とってるわけですから。
はましゃか
子どもが小さいときは、
なおさらヒヤヒヤするし。
池田
構図がすべて同じなのに、
風景だけが変わっていくというのも、
おもしろいなと思いました。
──
はぁー、なるほど! 
受賞された人生のふろくさん、
池田賞おめでとうございます!
一同
パチパチパチパチ(拍手)。
──
ということで、残すところは‥‥。
はましゃか
あとひとつ‥‥。
池田
大賞の発表だけです。
糸井
大賞作品は、
この場のみんなが、
いちばん沸いた作品でした。
この3人で選ぶとしたら、
やっぱりこれになるんでしょうね。



ここはもったいぶらずに、
サッと紹介しちゃいましょうか。
はましゃか
そうですね。まずは見ないことには‥‥。
池田
ひっぱるような作品でもない(笑)。
──
では、糸井さん、
大賞の発表をお願いします!
糸井
はい、発表します。
最優秀作品賞は、
「切り株と子ども」に決まりました。
糸井
大賞になった理由は、
なんといっても1枚目ですよね。
池田
というか、1枚目がすべて(笑)。
「なぜそこで?!」っていう。
──
たしかに(笑)。
糸井
2枚目以降を見ると、
けっこうちゃんとした格好で、
記念みたいなこともしてますよね。
だから、普段はていねいに
暮らしてる人たちだと思うんです。
池田
そうなんでしょうね。本当は。
糸井
なのに、1枚目は雑すぎる!
一同
(笑)。
はましゃか
これ、はじめて見たとき、
赤ちゃんに気づかなかったです。
風景に溶け込みすぎてて。
糸井
わかんない。お荷物かと思う。
池田
赤ちゃんのサイズ感が、
ちょうど切り株とピッタリだしね。
はましゃか
色味も似てる(笑)。
──
コメントには
「寝ているのをいいことに、
『ここであなたを拾った』ことにしようと、
悪ノリした大人たちが、
切り株に子どもを寝かせたところ、
なんともファンタジーな仕上がりに」と。
はましゃか
ファンタジー感あります(笑)。
池田
これ1枚目だけだと、
きっと物足りないんでしょうね。
何枚かあるうちの最初の1枚目だから、
余計におもしろく感じる。
なんど見てもたのしめます(笑)。
──
ということで、
審査員の3人がいちばん沸いた、
こちらの「切り株」が大賞ということで、
みなさんよろしいでしょうか?
糸井
もちろんです。
池田
すばらしいと思います。
はましゃか
まさに定点写真だし、いいと思います!
──
はい、決定いたしました! 
第1回「わたしの定点写真」コンテストの
大賞作品は、ゆきえさんの
「切り株と子ども」に決まりました! 
おめでとうございます!
一同
おめでとうございます(拍手)!
──
そして、
最優秀作品賞の賞品として、
池田さんがゆきえさんのところまで、
写真を直接とりにうかがいます!
池田
はい、ぜひ行かせてください!
糸井
これは、うれしいな~。
はましゃか
うん、うらやましい!

(あすは最終回!)

2018-03-15-THU