24年春、日本の繊維産地をめぐるプロジェクト、 「/縫う/織る/編む/」がスタートした際に、 最初に訪れたのが、 静岡県西部に位置する、綿織物の産地・遠州でした。 遠州織物は昔ながらのシャトル織機を使い、 通常の20～30倍の時間をかけて 極細の糸をゆっくりと織った高密度な生地が特長です。

遠州織物をふんだんにつかった 産地発アパレルブランドのHUIS.（ハウス）さんに、 国産コーデュロイ生地の素晴らしさを、 教えていただいたのです。

静岡県西部を南北に流れる、一級河川の天竜川。 その川の東側にコーデュロイの産地、 天龍社（てんりゅうしゃ）があります。 国内で流通する日本産のコーデュロイは1%未満。 そのうちの実に95%以上が、 天龍社産地で作られています。

明治中期、天龍社産地の人たちは 日本に入ってきたコーデュロイの生地を、 見よう見まねで作りはじめました。 そして、長い年月を経て、 よりやわらかく、よりしなやかに、 よりふっくらと、色あざやかに、 独自の進化をとげたのが、 MADE IN JAPANのコーデュロイです。

あっけにとられるほど過激な 水で、炎で、風で、 くたくたになるまで揉み込まれた生地は コーデュロイなのにやわらかく、 落ち感がある特別な生地だから、 いろんな体型の方に、やさしくなじみます。

やわらかく、しなやかで、何年たっても美しい、 希少な国産のコーデュロイを使って、 HUIS.さんがジャケット、ワンピース、 テーパードパンツをつくりました。