テーマは「猫」。
日本と同じく、
イギリスにも古くから愛猫家がたくさんいます。
以前こちらでご紹介したように
猫をモチーフにした
アンティーク・ジュエリーも数知れず。
アール・ヌーヴォーにいたっては
猫の曲線の美しさに目をつけたデザイナーたちが
シルエットを強調した
ネックレスやブローチをデザインする、
といったこともありました。
今回発売する3種類のジュエリーは、
主にヴィクトリア時代に描かれた
数百枚の猫の絵を参考にデザインをした品々です。
猫はいつの時代も猫、ですが
首に結ばれた特徴的な大きなリボンやポージングなど、
当時好まれたスタイルをとらえ
原型師にこまかく手作業で
蝋に彫り込んでもらい、制作をしました。
制作時に一番気をつかったのは、猫の表情です。
猫というモチーフは、ともすると
甘くフェミニンなイメージになりがちです。
あまり人工的な可愛さを乗せると、
使いにくいジュエリーになってしまう、
と私は考えました。
逆に、写実的になりすぎても
見た目がちょっと怖くなってしまい
ジュエリーとしての魅力が失われる場合があります。
小さなアイテムであっても
顔の造形をできるだけナチュラルに
猫という生きものが本来持っている
可愛らしさ、あどけなさを
再現するようにつとめました。
そのあたりの絶妙なさじ加減が
制作に携わってくれた職人たちの
高い技術のおかげで発揮できたと思っています。
ぜひ、手にとってご覧ください。
2016.4 イセキアヤコ