山下

今回から
「しきぶとん」について考えていきます。
いちにち24時間のうち、
1/3から1/4は肌が触れていると考えれば、
とてもだいじな眠りのアイテムですよね。

稲村

はい。

清水

だいじだと思います。

山下

ほんじつは、
ねむくま顧問の三橋さんのおすすめで、
「ムアツスリープラボ」にお邪魔しています。

清水

ここはどんなスペースなんでしょう？

山下

老舗寝具メーカーの昭和西川株式会社さんが
ムアツふとんを発売したのは
1971年のことでした。
昨年2021年で50周年です。
それを記念して去年の４月に、
ここ、東京の日本橋浜町に
オープンしたのが、
この「ムアツスリープラボ」という
カウンセリングショールームです。
ここではムアツプラスの全ての製品を体験したり、
「睡眠改善カウンセリング」を
受けることができます。
ショールームであり、
カウンセリングの場でもある。

‥‥という説明で、西川さん、
合っていますでしょうか？

西川ユカコさん（以下、西川）

はい（笑）、
ありがとうございます｡

山下

昭和西川株式会社の副社長で、
「ムアツスリープラボ」の
所長でいらっしゃる、
西川ユカコさんです。

一同

よろしくおねがいします。

西川

よろしくお願いいたします。

いま睡眠の悩みを抱えていらっしゃる方が
とても多くなっているんですよね。
睡眠の質が下がっている方も
多いと思います。

山下

はい。
ぼくらは完全にそっち側の人たちです。

西川

これからは寝具を提供するだけでなく、
ご自分で快眠を作れる方を
増やしていくことが大切だと
考えています。

山下

ああ、ありがたいことです。

西川

どんなにいい寝具で寝ても、
眠れる身体になっていなければ、
充実した快眠ができませんので。

３人

はい！

西川

「ムアツスリープラボ」では
スリープスタイリストが
「快眠アドバイス」という
カウンセリングや寝具の提案を行っています。
何時に起きていますか？　
何時に寝ていますか？　
睡眠状況はどうですか？　
というようなヒアリングをしながら、
悩みを３つ書いていただきます。

稲村

３つのお悩みを。

西川

その３つを解決する方法を
お伝えしていきます。

山下

３つなら解決できそうな‥‥。

西川

それがなかなか。
たとえば
「寝る直前のスマホがやめられない」
というお悩みなどは、
ほとんどの人がやめられません。

山下

そ、そうですね。
ぼくもできてないです（笑）。

西川

できないことはありますよね。
カウンセリングでは、
私の著書『最強の睡眠』の内容を
ひとりひとりに
パーソナライズして、お伝えします。
本はみなさんに向けて書いているので、
数多くのアドバイスが含まれていますが、
ぜんぶはできないじゃないですか。
なので、相談をしながら、効果的なことや
できそうなことだけをお伝えして、
まず、眠れる身体を作っていただく。

山下

なるほど、できそうなことから。

西川

ひとつでも改善できれば、
すこし「眠れる身体」に近づきます。
できるだけ「眠れる身体」になって、
眠れるマットレスで寝たら最強ですよね。
ここはその両軸から
快眠にたどり着いていただくための
ラボです。

山下

「ひとつでも」ということばに
勇気をもらえます。
ぜんぶをやろうと思うと、
それがストレスになってしまいそうで。

西川

そうなんです。
お風呂が有効な人もいるし、
太陽の光を浴びるのが有効な人もいます。
ひとりひとり効果的なことが違うんですね。
本に書かれていること
ぜんぶをやらなければいけないわけではなく、
まずはその人にとって重要な
２つか３つのことをお伝えします。

山下

カウンセリングや
様々な測定をしてもらうのは、
個人で予約をすればいいのですか？

西川

はい。
ムアツプラスのウェブサイトや
電話でご予約できます。
スリープスタイリストが担当させていただく
「快眠アドバイス」は無料で、
45分、60分、90分のコースがあります。
私がカウンセリングをさせていただく
「西川ユカコ個人カウンセリング」という
有料のコースもあります。

山下

なるほど‥‥。
今日はほぼ日のスタッフのなかでも、
眠りに不安を抱える３人で来ました。

西川

ここにぴったりの方々ですね（笑）。
「快眠アドバイス」の手順は
①生活習慣と睡眠環境についてヒアリング
②快眠のためのカウンセリング
③計測システムを活用した寝具のご提案
④眠りのサポートツールのご提案
という感じです。

それでは、みなさんの眠りについて
お話を聞かせてください。

山下

ぼくは寝つきが悪く、
眠りが浅い状態が長年続いてます。
不規則な睡眠時間を自覚しながら、
なかなか睡眠の優等生になれずにいました。
昨年秋から、
寝る前のリラクゼーションなどを試して、
すこしは改善してきていますが、
寝る前のスマホは
どうしてもやめられず‥‥。

西川

やめればいいとわかっていても、
できないことがあるんですよね。
できないことをやろうと思うと、
自分はできなくてだめと、
自己肯定感が下がったりするんですよ。

山下

そうなります。

西川

それはかえってよくないので、
できることを選んで
ひとつずつ積み上げていく感じです。
寝具はどんなものを使っていますか？

山下

それが実は、しきぶとんは、
この十数年ムアツふとんなんです。

西川

そうなんですね。

山下

それなのに睡眠が‥‥という（笑）。
いや、ぼくの場合は生活習慣とか、
ほかの多くの要素がよくないんです。
ムアツふとんには
だいぶ助けられているというか‥‥。
途中でほかのマットレスを
試した時期もあったんですが、
それがまったくだめでした。
８年くらい前に
ムアツふとんに戻って今に至ります。

西川

なるほど。
ここでは測定を行って
身体に合ったムアツプラスを
みつけられますので、
さらに眠りやすくなると思いますよ。

清水

私は、日によって寝る時間と
起きる時間が不規則で、
ぐっすり眠れた日と
眠りが浅い日の差が大きいです。
ほんとは毎日ぐっすり寝たいのに、
不完全燃焼みたいな感じで
起きることが多いです。
あとは、力が入っちゃうようで
歯ぎしりがすごい。
マウスピースをずっと持ってます。
寝ている間、力を抜きたいです。

西川

なんらかのストレスの
可能性が高いですよね。
普段のマットレスは硬めですか？　
柔らかめですか？

清水

硬めです。
親が買ってくれたものを
学生だったときから使ってます。

西川

ご自分の身体に対してマットレスが硬いと、
それが原因で就寝中に身体が緊張したり、
緊張が抜けなくなることもあるんですよ。

清水

硬いマットレスで、
身体が緊張したままに‥‥？

西川

マットレスが硬いと、
腰の位置が高めに浮いたり、
背中とお尻で体勢を保つ
寝姿勢になってしまうので、
身体の力が抜けにくいんです。
逆に柔らかいマットレスだと、
身体の力がフワっと抜けやすい。
ただ柔らかすぎると、
お尻が沈み込みすぎて
腰が痛くなったりします。
ちょうどいい硬さを
見つけることが大事ですね。
硬いマットレスが
歯ぎしりを助長しているかもしれません。
マットレスを変えただけで
歯ぎしりがなくなるかというと、
それはちょっと難しいんですけど。
でも、眠りの質はよくなると思います。

清水

私のマットレスは硬すぎる‥‥。

稲村

私は幼稚園生のときから、
眠り方がわからないという
悩みがありまして（笑）。

西川

眠り方がわからない‥‥。
寝つけないということですか？

稲村

目を閉じても眠れないんです。
子どものころから深夜番組をみて、
思考が止まらなくなって
寝つけないタイプでした。
平日の朝は起きられないし、
休みの日は12時間ぐらい寝ちゃう。
月曜日から調子がイマイチで、
日中眠くなる。
めちゃくちゃ夜型で、
夜にいろんなことができます。

西川

夜型の人は、学校や会社が
始まる時刻に合わせるのが
つらいですよね。
そもそも、同じ人でも、
若い時代は夜型で、
歳をとるほど朝型になっていくんです。

山下

ああ、その実感があります。

西川

夜型の人が普通の人と
同じ生活時間帯で動こうすると、
夜眠れないし、朝も起きれない。
平日は睡眠時間が短くなってしまうので、
「睡眠負債」がたまっていきます。

稲村

睡眠負債！

清水

負債はいやですね。

山下

返済したいです（笑）。

稲村

「よく寝てすっきりした！」感が
まったくないんです。
起きた瞬間、
身体バキバキっていうか。

西川

バキバキ？　
今はどんなマットレスで寝ていますか？

稲村

けっこう奮発していいのを買ったんです。
７～８年前に、10万円くらいしました。
夫と子どもと川の字で寝ています。

西川

柔らかめですか？　硬め？

稲村

硬めです。
ばくぜんと柔らかいのはよくないと思って。

西川

わかりました。

それでは、機械を使って
身体の測定をしてみましょう。
スリッパに履き替えてくださいね。

一同

はいっ！！（起立）

（つづきます）