おしえたい人 スガノ

飛騨高山のお豆腐屋さんで、
女将は確信に満ちていた。

陣屋とうふ「あげづけ」

飛騨高山にあるお豆腐屋さんの、あげづけです。
醤油ベースのたれを絡ませた、味つきの油揚げです。

私は朝市が好きで、朝市を軸にして
旅を組み立てるのが大好きなんです。
朝市といえば飛騨高山。
そんなわけで少し前、飛騨に行ったわけです。

朝市も好きなんですが、もうひとつ。
旅先で豆乳を飲むのも好きなんです。
台湾とか金沢、いろんなところの豆腐屋さんで飲むと、
土地土地で味が違ってて。
旅行中はちょっと食べ過ぎて体調不良になるから、
朝に豆乳を飲むと、すごく調子がよくなるんです。
ですので、飛騨高山に行ったときも、
まずは豆乳を目当てに、ここのお店に行きました。
ネットで「豆乳がおいしい」と書いてあったから。

「豆乳ください」って言ったら、
お店の女将さんが入れてくださいました。
その場で「おいしいおいしい」とぐびぐび飲んでいたら、
「これもいかがですか」と、おすすめくださいました。

「これ、なんですか?」
「あげづけと言って、味つきのお揚げです」

最初は「‥‥はぁ」と思ったんですよ。
豆乳を飲みに来たのに、朝市の開く朝っぱらから、
お揚げの焼いたやつをおすすめくださるのか、と。

でも、女将さんの顔が、
なにかの確信に満ちてたんです。
そこで、あげづけというものを、
ひとつお願いすることにしました。
女将さんはその場であぶってくださいました。
ほっかほかで、こうばしくて、
ほどよい厚みで、豆の味もして、
まぁとにかく、めちゃ最高でした。
おそらくここで、あげづけを一枚味わった人は、
100パーセント買うのでしょう。
女将さんのお顔は、
それをすでに物語っていたわけです。
私も「ははぁー!」と顔が輝いて、
思わずおっきい袋を2袋、
買って帰ったというのが最初の出会いです。

その後、自分で食べるのはもちろん、
家に人が来ると、出すようにしています。
人を招いたとき、すぐに料理を出すのが難しい場合に
これをさっと焼いて出すと、100パーセント
「えっ、なにこれ? なにこれ! 食べたことのないもの!」
と、騒ぎになります。
その反応のよさに、
「もしかしてこれ、私だけじゃなくて
みんなが好きかも」と思って、
このたびおすすめさせていただくことにしました。
ちょっとしょっぱいので、
まずはお酒のおつまみに最適です。
しかし、私は普通にメインディッシュで食べます。
そうめんやサラダに乗っけたりもします。
キムチやジャコとあわせてどんぶりにもします。
お弁当で「なんか足りないな」ってときにも、
ぎゅっと詰めとけば、
これで無限にごはんを食べられますから。
あげづけ、ごはん、あげづけ、ごはん‥‥って。

あと、すっごく安いんです。
1パックが214円とかで、通販すると、
送料のほうが高くなっちゃう。
だからこれは「10人で集まって買う」など、
していただくといいと思います。
お店の方はぜったい推奨してないと思いますが、
私はいつも多めに買って、冷凍します。
凍ったままトースターでそのまま焼けば
こんがりふっくらしておいしくなります。
合わせておすすめしたいのが、
ぜんぜん関係ないけど、この鉄板です。
奥州の及源の鉄器ですけど、取っ手がとれるので、
魚焼きグリルやトースターに入れられます。
あげづけ、これで焼くといいですよ。
もちろんフライパンで焼いてもいいんですけど、
わたしはいつも凍らせたまま焼くので、
表面しか火が入らないとちょっと不安だから、
トースターで焼いちゃいます。
鉄器を持ってない方は、
アルミホイルでいいと思います。

いくつかアレンジもやってみましたけど、
「ただ焼くだけ」が一番おすすめです。
大根おろしやシソをのせるのも好きですけど、
ちょっと面倒です。
陣屋とうふ屋さんは、
さっきも言いましたが、豆乳もおいしいんですよ。
あげづけと一緒に買えたらいいんですが、
賞味期限が短いから通販してないんです。
ですから、飛騨高山に行かれる方は、
ぜひあげづけと一緒に、
お店で豆乳を飲まれるといいと思います。

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