2012年の夏の「やさしいタオル」以来、
好評をいただいている「ボタニカル・ダイ」。
まっしろに織り上げたタオルを、
植物由来の染料で染め、
やわらかく仕上げるこの手法も、
おかげさまで7シーズン目をむかえました。
今季のボタニカル・ダイは、
淡いブルーと、淡いピンクの2色、
バス、フェイス、ハンドの3サイズ展開です。
ブルーは「マロウ」という植物で色をつけています。
マロウ(ウスベニアオイ)は、
ピンクがかった紫色の花をつけますが、
乾燥させると濃いブルーに変化。
その花はのどに良いハーブ・ティーとして、
また、花・葉・根を煎じた液は
うがいぐすりやせき止めとして
ローマ時代から用いられてきた、薬用植物です。
マロウからとった染料で「やさしいタオル」を染めたところ、
パイル面は、水や氷が、
深いところでどんどん青みがかっていく、あの印象に。
影が少し紫がかるのが、ほんとうにきれいです。
いっぽう、ピンクは「ハイビスカス」の染料から。
風にあおられても、つよい雨に打たれても
鮮やかな赤い花を咲かせるハイビスカスは、
ハワイでは幸福を運ぶといわれています。
また、ふるくはクレオパトラもこのお茶を愛飲したとか。
女性にとっても男性にとっても、
美しさと幸福のおまもりのように考えられているんです。
ハイビスカス由来の染料を使ったタオルは、
あざやかな、うすべにいろに染まりました。
“やさしいタオル”と呼ぶにふさわしい、やさしい色です。
それぞれ単色に見えますが、
じつは、いずれも、ひとの目で見える幅をこえた、
200種もの色素が含まれています。
ひとの耳の可聴範囲を越えた音が、
音楽の深みや味わいになるのと同じで、
ボタニカル・ダイの製品から、ひとの目は、
独特の奥行きと深さを感じるのですね。