たっぷりサイズの円筒形のピッチャー。
すこし小ぶりの、テーパー。
すとんとしたシンプルなかたちのマグカップ。
そして、大きめのマグカップ(ラテ)。
マグカップ(ラテ)は口が広いので、
カップでありながら器のようにも使え、
ポタージュや具がたっぷり入った
ミネストローネなど入れてもいいし、
グラノーラやフルーツ、
ヨーグルトを入れて朝ごはんに‥‥なんてことも。
「私はカフェオレを入れたり、
ホットレモネードを入れたり。
たっぷり入れて両手で抱えて飲んでいます。
このマグカップで温かいものを飲んでいると、
ほっこりした気持になるから不思議。
やさしい口あたりと肌ざわりのおかげなのかな?
なんて思っています」
と、伊藤さん。
ピッチャーやテーパーは、コーヒーを淹れたり、
つめたいのみものを入れて、そのまま食卓へ。
水の切れもばつぐんですよ。
作り手の岡澤悦子さんは、
松本に暮らす、伊藤さんと同世代の陶芸家。
半磁器の素材に、白い釉薬を使い、
いっけんクールな印象なのに、使ってみると独特のあたたかさが。
繊細で、薄手に見えても、持つとしっかりとした重量感があり、
うんとシンプルなのだけれど、
ほかにはない、形のうつくしさをもっています。
いろいろな土を使ってきた(今も使っている)岡澤さんですが、
半磁器をつかうようになったのは、
伊藤まさこさんとの会話がヒントになっているそうです。
土ものの陶器は、使ううちに色がかわり、
ときには渋がついたり、欠けがうまれたり、
それが「味わい」になっていくものですが、
多くの人が、忙しい毎日の生活で使うときには、
そうではない個性というものも、
あっていいんじゃないかな、と。
そこで、硬くて、電子レンジにかけられ、
食洗機もへっちゃらなうつわをめざして、
陶器のやわらかい印象と、
磁器のじょうぶさをかねそなえた
「半磁器」という答えがみつかったのでした。
(とはいえ、やきものはやきもの。
ぶつけたり、落としたりすると欠けますから、
ていねいに、扱ってくださいね。) |