岩山のミカン栽培で、 試行錯誤をくり返すうちに 永田青年は、九州大学の 福島栄二教授と出会いました。 当時、砂栽培を研究していた福島教授は 天草の岩山でミカンを栽培する 永田青年に興味をもち、 当時、開発されたばかりの 「窒素」「リン酸」「カリウム」という 野菜が必要とする三要素からなる 液体肥料の存在を 永田先生に知らせました。 「岩山栽培と液体肥料」という 組み合わせで始まった栽培方法。 改善を重ねていくうちに さらに甘いミカンが それまでの3倍のスピードで 成長することになったのです。
こうして生まれた栽培方法を他の野菜にも応用して完成したのが永田農法です。
岩山でいろんな果物や野菜の栽培をつづけるうち、 たまたまめくった週刊誌のグラビア特集を見て、 永田さんは、とても驚きました。 そこには、原産地のアンデスで、 岩だらけの乾いた土地で育つトマトの写真が載っていたのです。 岩山での栽培は、知らず知らずのうちに 原産地の環境をつくりあげて育てることにつながっていました。 このことから、永田農法は、「ルーツ農法」とも呼ばれることになったのです。