みねさんの編み物基礎講座 その1
はじめの一歩。
ほぼ日のみなさん、はじめまして。みねといいます。
編み物と手芸の出版社に勤めている、
高森共子先生の百何番目かの弟子、です。
いつも「読む」ことで参加していたほぼ日に、
いろんな偶然が重なって顔を出すことになりました。
今回、このあみぐるみのページでは、
イトイさんがデザインしたものを、樋口可南子さんと
高森先生が形にしていくことになっています。
それに、イトイさんも編むみたい……!?
だったら、「編み物なんてしたことなーい!」
という人(イトイさん含む)にも、
いっしょに苦労したり喜んだりしてもらえるように、
「ちょっと知っておくといいこと」
をご紹介しようと思います。
編み物には大きく分けて、
●棒針編み(ぼうばりあみ)
●かぎ針編み(かぎばりあみ)
この2つがあります。
「棒針編み」は菜ばしのような針を2本動かして
つくりますが、「かぎ針編み」は文字どおりかぎ状になった
針1本でつくります。
高森先生のあみぐるみは「かぎ針編み」。
そう、1本の針で、つくることができるんです。
楽に立体がつくれて、しかも目がしっかりしているのが
特徴です。まさにあみぐるみ向きのテクニック!
そして高森先生のあみぐるみをつくるのに必要なのは、
かぎ針あみの中でもいちばん簡単な「細編み(こまあみ)」
のみです。先生自身も「私は細編みしかできないの」と
おっしゃいます。
いちばんシンプルな細編みで、途中で増やしたり減らしたり
しながらぐるぐる編んでいけば、形になっていくわけです。
ね、簡単そうでしょ?
あみぐるみをつくるのに必要なもの
あみぐるみは、とりあえずかぎ針と糸があれば
とりかかることができます。
おうちにミシンやお裁縫箱があるなら、
かぎ針の1本くらい入っているかもしれません。
「おかあさーん、かぎ針ある?」
と聞いてみてください。ない方は、手芸屋さんで
お買い求めいただくことになります。
かぎ針って、太さはいろいろあるのですが、
新しく買うなら「5/0号」を。
それで「からこちゃん」もつくれます。
これが、かぎ針です。
初心者向けに、持ち手の部分がちょっと太くなってる
タイプです。
それから糸。毛糸です。
初めての人には並太(ナミブトと読みます)くらいの
まっすぐな毛糸が編みやすいと思います。
おうちにあるものを使ってもいいし、
手芸屋さんで好きな色の糸を探すのも楽しいですよ。
ちなみに今回使うのは、パピーというメーカーの
「クイーンアニー」というウール100%の毛糸。
太さは「50グラム/97メートル」というふうに
表示されています。
今回はウールですが、今の季節だと、もう、
ウールはお店にないかもしれませ(春先に、コットンの糸に
入れ替わっちゃうんです)。でも、太さが同じくらいなら、
コットンでもぜんぜんかまいませんよ。
細編みをやってみましょう
これはスキーでいうところのボーゲンみたいなものです。
スキーだって、ほんっとに初めての人には「板のはき方」
「ストックの持ち方」から始めるでしょ?
たいしたことではありませんので、おびえないで。
◆◆糸のかけ方と針の持ち方◆◆
1)左手に糸をかけます。こんなふうに。
手のひら側に糸の短い方がきます。
2)糸端を親指と中指で持って、人さし指を立てると
糸がピンとなります。
3)右手にはかぎ針を…。親指と人さし指で持って
中指でささえます。これが両手の基本のポーズです。
◆◆ぐるぐる編むための最初の
目をつくりましょう◆◆
1)左手の人さし指にくるくると糸を2回巻きます。
巻いた糸を形を崩さないように指から抜きます。
2)左手に糸をかけ、わっかが崩れないように
中指と親指でおさえます。
針を輪に入れて糸をかけて引き出します。
3)もう一度糸をかけて引き出します。
4)これが最初の目になります。
ここまでを「輪のつくり目」といいます。
◆◆さあ、細編みですよ◆◆
1)輪のつくり目をしたら、針に糸をかけて引き出します。
これが鎖1目。
2)さらに輪の中に針を入れ、
3)糸をかけて引き出します。
4)今度は輪の中に針を入れずに、そのまま糸をかけて
2つのループを一度に引き抜きます。これで、細編み1目が
できています。2〜4の動作で1目、です。
5)1段めが終わったら(5〜6目編んだら)短い糸端を
ちょっとだけ引っ張ってみましょう。
6)縮んだ方の輪の糸をきゅきゅっと引っ張ると
まんなかの穴が小さくなります。
7)こんどは糸端を惹くとたるんだ糸がきれいになります。
8)2段めからは1段めの頭の「ハの字」になっている
ところ2本に針を入れて細編みします。
さて、今日はここまで。これができれば、
明日は、この細編みの目を「増やす」「減らす」の巻です。
あとはほんとうにカンタン。がんばりましょう!!
図版提供:日本ヴォーグ社(基礎シリーズ「新かぎ針編み」より)
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