高森共子さんと、あみぐるみ。

高森先生が「天使くん」の編み方を
教えてくれることになったよ!!!


こんにちは、ほぼ日あみぐるみ番の、あややです。
先週発表しました“あみぐるみコンテスト”、
ほぼ日読者のみなさんだけでなく、
いろいろなところから応募をいただきたいと思い、
日本ヴォーグ社のみねさんや、
高森先生とチームを組んで、
いろんな雑誌や“あみもの業界”
(というのがあるのです、この広い世の中には)
の会社のかたがたを通じて、
宣伝活動を始めたところでもあります。
これから、チラシもつくる予定。
全国の毛糸屋さんにおいてもらったり、
手芸部が活躍している高校や専門学校などにもお知らせして
面白い作品がたくさん集まるように鋭意努力中なのです。
がんばりますよ〜!

それはそうとして、私も「天使」つくってみなくちゃね。
と思い立ったあみぐるみ初心者のあややは
ここで気がつきました。
私、あみぐるみ、まったくやったことがない!
ていうか、編み物もやったことない!!
(おいおい、そんなやつ担当にするなよ!
 というツッコミ禁止ですからねっ)
私いったいどうすればいいんでしょう?
そんなあややにシェフ武井が一言。
「えっ? 編み物できないの???
 そんじゃあ、
 ……まずは高森先生に弟子入りしなさい!!」

そう言えば、「ほぼ日」では
すっかりおなじみの高森先生だけど、
あややは先生に
まだ一度もお会いしたことなかったんだ!!
(高森先生との連絡は、すべてメールとお電話で
 行っていたのです)
これは行かねば! と単細胞生物あややは
さっそく高森先生のお家に
半分押しかけ状態でとんで行きました。


↑高森先生のお部屋にて!!

「いらしゃいませ〜〜」
白地に花柄のワンピースに
パステルカラーのカーディガンをはおり先生ご登場。
年下のあややが言うのも何ですが、
「かわいい!!!」
ほんとに雰囲気すべてがキュートで、
顔中にひろがる満面の笑み、
さらに、先生手作りのマロンケーキと紅茶を前に
あややはすっかりくつろぎモード、
世間話に花が咲きました……あっいかんいかん!
世間話をしに来たんじゃない! と体勢を立て直し、
まずは課題の“天使くん”について
お聞きしてみました。

今回の“天使くん”なんですが、
基本的にはどんなふうに編んでもいいことになっています。
でも、私のような全くの初心者には
どうしていいのかわかりません。
先生だったらどうつくられるのか、
ぜひポイントを教えてください!!!

「なるべく簡単に作れる方がいいですよね。
 私のあみぐるみは
 (各部位を)バラバラに編んでいくので、
 たとえば頭だったらてっぺんから編んでいくのか
 下から編んでいくのか、というのがありますよね。
 そのことについて、ちょっと考え中なんですが、
 上からと下から両方編んでみて、
 かわいい方にしようかしら。
 あとは、なるべく簡単な形にして、
 羽も編んでつけるようにしましょう」


頭のてっぺんから編んでいくのと
下から編んでいくのとでは
できあがる作品に違いが出てくるのですか?

「ちょっとだけ変わるんですよ。
 というのは、編んでいくうちに
 どんどん先をつぼめていきますから、
 下から編んでいくと、上のほうにいくにつれて
 無理やりつぼめていく感じになるんです。
 なので顔の表情も微妙につりあがるというか。
 あと、たとえば頭ができあがったとき、
 最後をとじますよね。
 その始末の仕方にまた上手い下手があったりして、
 それぞれに作る人の特徴が出て
 そこがまた面白いんです」


天使くんは頭のさきっぽの部分が特徴的ですよね。
そのことも、上から編んでいくのと
下から編んでいくのと、
どちらから編んでいくのか考える上で
影響がありますか。
 
「それはそうですね。
 “天使くん”は頭のさきっぽも、
 チャームポイントのひとつなので、
 そこをポイントに
 とにかくまずは上から編むバージョンと
 下から編みあげるバージョン両方を作ってみて
 かわいい方にしますね!」


ほかに「この部分はこのようにしよう」
と考えているところはありますか?

「目なんですが、
 いつもは“カットアイ”という
 プラスチックのような素材を使っているんですけど、
 それをやめて今回はフェルトで目を作るつもりです。
 フェルトならどこでも手に入りやすいですからね。
 『目に使う素材が入手困難だ』
 って言う人が多いんです。
 あっでも、見本の目はフェルトで作りますけど、
 別にボタンでもなんでも
 みなさんのお好きな素材で作ってくださいね」


ところで今回の“天使くん”は
動きがバラエティにとんでいますが、
たとえば「うんちくん」も
先生はお作りになるんですか?(笑)

「そうですねー(笑)。
 私は基本形をひとつ作りますから、
 とんでいたり、寝ていたり、うんちをしていたり、
 そういう動きのバラエティは
 みなさんにお任せします。
 たとえば、うんちをしている天使くんでも、
 場面を作ってくれてもいいと思うんですよね。
 電信柱でうんちをしていてもいいし、
 トイレで、でももいいし(笑)」


(笑)もちろん、その場合は
電信柱も便器もあみぐるみですよね?

「もちろん!(笑)」

会った瞬間から薄々は感じていましたが、
私たちの会話は本題からそれやすい……。
どうも私たちは同じ星の住人のようです。
止める人がいないというこのおそろしい状況の中、
先生と私の会話は
気がつくとあらぬ方向へと進んでいきました。

「えー、でも天使ってごはん食べないのに
 うんちするんですかね?」


(笑)たしかに天使がごはん食べてるところ
あまり見たことないですよねー。
ていうか、天使見たことないですけど。
天使の体って消化器系あるんですかね?

「どうなんだろう?
 あっ、それよりすごいことに気付いてしまった!!」


な、なんですか!?

「キューピーって天使?」

え・・・。
キューピーはああいう「キャラ」じゃないんですか。

「でも天使だよ、キューピッドって言うもん。
 あれ? キューピッドって天使?
 うん、そういうことにしましょう!
 だから、天使くんをつくるのに
 キューピーを参考にするのは、ありね」


(あとでシェフ武井に訊きましたらば、
 キューピッドはローマ神話の恋の神だそうです。
 神の使い、ではなく神様そのものなのね、
 赤ちゃんなのにー)

そしてまたおもむろに話が元に戻ります。

「でも、これはほんとに
 なるべく簡単にした方がいいですよね。
 リアルにするよりは“かわいらしく”をモットーに」


リアルな天使ってなにかしら。
あ、いや、それはさておき、
先生のご自分の作品と、
今回のように誰かに作ってもらう作品とで
特に異なる点はありますか?

「そうですね。
 ふだん自分で作るときは、作りやすさとかより
 できあがってかわいいと思うものが第一ですから。
 でも、今回のように
 みなさんに作ってもらうようなときは
 何よりも作りやすいっていうことが
 一番だと思うので。
 別に両手や両足の太さが
 違うくらいの感じでいいでしょう。
 上級者の方はご自分でもっと
 このデザインに近づけてもいいですしね」


ところで“色”はどうしたらいいですか?

「色かー。色も自由にしましょうか。
 その方がいろんなものができて面白いと思うし。
 オリジナルっぽくした方が楽しいでしょう」


オリジナルですか・・・。
私はあみぐるみはおろか、
編物というものをいままで一度もやったことない
ど素人なのですが、
課題の中にもオリジナリティって出せますか?

「たとえば、毛糸の色を少し変えてみるとか、
 糸の太さを変えてみるとか、
 そういったちょっとした工夫で
 すごくオリジナリティが出るんです。
 あと毛糸の種類もいろいろあって、
 モコモコしてかわいい毛糸を使えば
 ごまかせちゃうよ(笑)。
 あとね、“できない〜”って思っていると
 ほんとにできないよ」


思ってます!(笑)

「でもね、できないと思い込んでいる人でも
 実はできる人ってたくさんいるんですよ。
 自信を持って!!」


よし! 根拠はないけど、がぜん自信がわいてきたぞ。
天使作っちゃうよー!!!
だから、先生、私のような初心者のために、
ぜひとも「天使くん」の作り方を御指導ください!

「わかりました。
 初心者のかたがこのコンテストに応募できるように
 これからこのページで解説をしていきましょう!」


わぁ、うれしい、先生ありがとうございます!
それじゃあ私は未来のうちの子のために
場面設定なんかも考えねばっ。(気が早い?)
高森先生による編み方の指導は、
次回からこのページで連載します。
楽しみにお待ちくださいね!

あややでしたっ。

あみぐるみコンテストの応募要項は、
 こちらをごらんください。

2000-12-17-SUN

BACK
戻る