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生きていくには、
まともになったほうが便利だったりします。 |
みうら |
岡本さんみたいに、恵まれた環境ならいいけど、
まっとうな人って、
ツッコまれて大きくなるからね。
勉強はしなきゃなんないとか
言われ出すから
だんだんまともになっていくけど、
「出」は、この人なのよ、みんな |
── |
みんなが。 |
みうら |
みんな、岡本太郎さんですよ、「出」は。
俺、雑誌の「小学五年生」で
「らくがお」っていうのを
やってたことがあるの。
タレントさんの顔の写真なんかをもらって、
上から落書きするんだけど、
めっちゃうまいんですよ、みんな。
大人って、落書きのルールがあるでしょ。
歯を黒くするとか、鼻毛出すとか。
それが、子どもたちのは、
絶対大人ではやらないような
ぜんぜん違うとこから
毛がはえてたりするんだ! |
── |
(笑)そうなんですか!
見てみたいです。 |
みうら |
そのあと同じ企画を
「小学六年生」でもやったんだ。
でも「小学六年生」に
応募された「らくがお」は、
だんだんつまんなくなってきて、
中学生になると、もう、あざといんだよ。
賞品もらえることがわかってるから、
発想がそっち狙いで、
だんだんだめになってきて。
またそこで、お母さんとかが
「教科書に落書きしたらだめだ」とか
言うじゃない? |
── |
いろんな要素が、
つまりツッコミが入ってきて、
それまでの自由さはなくなっていくんですね。 |
みうら |
うん。それでね、5年生の女の子で
「らくがお」として、
すっげーうまい子がいたの。
すごく、「芸術」だったんですよ。
で、それに対して、俺は賞状あげて、
小学館からプレゼントあげたら、
お母さんが、すんげぇ喜んでね。
「いままで学校の図工の成績は
“1”に近い子だったんだけど、
このことで、ちょっと価値観が変わった、
クラスでも人気者になったりしている」
って言うんだ。
価値観を変えれば1位になることって、
簡単なんだよ。
だけど、それは大人が認めないから
だめだ、ってことになってるんだよね。
もしも、岡本さんとこに
タレントの顔写真持ってって
「らくがお」してもらったら、たぶん、
もんのすごいことやると思うよ、この人は! |
── |
吹田市で子どもたちが
町のシンボルを描くと、
だいたい「太陽の塔」を描くらしいんですよ。
その絵を見たことがあるんですが、
自由で、すごくいいんです!
昔は、自分も
あんな絵が描けたんだろうなぁと思います。 |
みうら |
やっぱり先生や親が
ツッコむからなんだよ。
「こうなってるでしょ、マルは!」
「四角はこうでしょ!」
って言っちゃうからだよね。
それをダマテンしとけば、
芸術家になってたのに、全員。
なんにも言わないで
ほっとけばいいのにね。
考えてみれば、
みんながみんな、専門家に
なるわけじゃないじゃん?
絵なんて、「1」でいいのにね。 |
── |
そのとおりですね。 |
みうら |
俺は、美大に通ってたんだけど、
同級生が美術の先生になるわけよ。
まじめなやつばっかりが、
教師になっていく。
絵の先生なんて、ほんとはいなくていい。
もったいないよね、
第二の岡本さんが、いっぱいいるのに。
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── |
では、みうらさん、1階の
TAROのアトリエだったところに
移動しましょうか。 |
みうら |
あーここ、写真で見たことあるわ。
あ、あれだあれだ! 太郎さんの蝋人形。
あれ、「燃えよドラゴン」に出てくる
ハンって人に似てんだよね。
右に立っているのが、TAROの蝋人形。
こんな顔をしています。 |
── |
ははははは。 |
みうら |
スッゲー似てる。 |
── |
あの人形は、生きていらっしゃるときに
実際に型をとったそうなんですよ。 |
みうら |
知ってます知ってます。
やられたな、と思ったもん。
ちゃー、蝋人形つくったか!って。
でも俺、まだちっちゃかったから
どうすることもできなかったんだけどさ(笑)。
(あさってに、つづきます!)
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