岡本太郎という芸術家は、
日本の各世代の、いろんな職業の人びとの心に
いろんなものを残しているようです。
あちこちで息づく太郎の遺伝子を、
このコーナーでは、ご紹介していきます。
4人めの遺伝子は、
ゆーないとさんです。

ゆーないとさんプロフィール





「ほぼ日」の大人気連載「ぼーっとした青春。」
の著者、ゆーないとさんは、
美大4年生の22歳。
'70年の万博は遠い歴史のかなたにあり、
TAROの芸術活動を現役でみていたわけでもない。
しかし、TAROの言葉や絵は
心に痛烈に響いている。
そんなゆーないとさんが「ウァチョーヮ!」と叫びつつ、
川崎市岡本太郎美術館
突撃っと、行ってきましたよ!


第1回
スゲッ! 原色の代表選手を唱えてるよ。

「芸術は爆発だ!!!」
わたしがまだ小さい頃、親に
「『ゲイジュツハバクハツダ!』って
 こうやって言ってごらん」
と、一生懸命鼻の穴を広げて、
両手を外国人が「ワ〜オ」「オーマイゴッド」って
するみたいに広げて、
口を一生懸命横に広げて、下唇だけを下にのばしながら、
指導されたものです。
あの岡本太郎さんのモノマネが
わたしにとっての「ファーストモノマネ」
だったかもしれないです。
その後、浦辺粂子さん、千昌夫、島倉千代子と、
続いていったわけです。わたしのモノマネの歴史は。

そんなことはさておき。かなりどうでもよかったね。
とにもかくにも、わたしと太郎さんの「出会い」は
その「モノマネ」始まりだったのです。

その当時、太郎さんに「なろう」とはしてたけど、
それ以来、太郎さんについて「知ろう」、
としたことは1度もなかったのですよ。
そんなわたしが、このコーナーに登場して、
果たして許されるのでしょうか?
わかりましぇん!!
とりあえず、これから少しの間、
お付きあいくださいましぇ!


川崎市岡本太郎美術館に行ってきた!

ある1月のこもれびな日。
えっちらおっちら行って参りましたよ、
川崎市岡本太郎美術館!!
はじめに、岡本太郎美術館もある、
生田緑地公園っていう公園に足を踏み入れるやいなや。
おおあったあった!



赤で囲いました、白いニョキっとなってるやつが、
まさしく、「母の塔」さんです!!!
母の父さん!!!あ、塔塔。
こんな所にあるんだねーびっくり。
もろ、
インザフォレストMORO!!
しかも公式サイトに書いてあった通り
(「階段は約200段、
 生田緑地公園のハイキングコースですので、
 健脚の方向けです。」)、
なかなか厳しい道のりだったわ。
若干ですが、息がきれました。

おっとお??
母の塔の前に、カラフルな何やらが燦爛してるぞ!
あれれれ?なんだあれ?
もしや、子どもたちではなかろうか?ふむふむ。
今日は社会科見学か何かなのかな?
こりゃあ、是非あのチルドレンたちとからみたい!
子どもと犬を見ると、すぐにからみたくなっちゃう症でさ。
がんばっていくぜい!!


「母の塔」前にいる子どもたち。
 *ちなみに、子どもたちが館内を見学中は、
  荷物だけが、ここにポツツンと放置されておりました

 
さてさて。では、わたくし
チルドレンたちよりもひと足先に中に入ります。
まず、暗くて赤い洞窟風の通路をスルーして、
中へ。
その通路はまるで、
お母さんのお腹の中
いるみたいな気分になる。
そしてその通路を抜けたら
じゃじゃじゃーん。
早速太郎さんの絵があるじゃありませんか!
当たり前だ!

前に元・太郎さん家である
青山の岡本太郎記念館に行った時も思ったんだけど、
すごくやんちゃで子どもっぽいよねー。
それが絵の率直な感想。
子どもっぽいんだけども、
色使いはダークで必ずと言っていいほど
を使ってるってコトに気づいたよ。
「原色ドーーーーン!!!」っていうイメージは
もともとあったけど、黒は気付かなかったわ〜。
そこが、ちょっぴりアダルトで、
子どもと違うところかなあ。
で、今回川崎市岡本太郎美術館に行って知ったんだけど、
「原色の呪文」っていう本をお書きになってるのね、彼。
流石。「原色の魔術師」(わたし命名)だ、もはや。
こんなあたしに言われたくないだろうけどさ。
そんな「原色の魔術師」っぷりを物語ってる出来事が、
あたしのすぐ横で起こったのを、
わたしは見逃さなかったのよ!!!
近くにいた親子連れの子どもが、
「赤!青!赤!黄色!青!」
って太郎さんの絵を見ながら大声で唱えてんの。
信号にもなってる原色の代表選手をさ。
それもすごいよなー。びっっくり。

そんなコトを思いながら、作品をじっくり見ていたらば、
おっとぉ???
ぞろぞろと見学の子どもたちがやってきたよ〜。


子どもたちぞろぞろの図

なかなか静かに、学芸員さんの説明聞いてる様子。
偉いじゃん。
「作品のタイトルで、漢字が読めないのがあったら、
 先生や、わたしに気軽に聞いてくださいねー。
 意味がわからないものも、わたしに聞いてください」
そっか。あいつらは、
タイトルの漢字が読めないかもしんないんだ。
カタカナのタイトルで意味がわからないものは、
わたしもあったなあ。と思ってたら、
「これは、フランス語で、『気象』。
 お天気の『気象』という意味なんですよ」
へ〜こりゃあ、この子たちと一緒にこっそり回れば、
お得かもだわ!!!
ダメ、でもあたしそんな図々しいことできないもの!
んじゃ、お先に!
子どもたちの団体と離れて、
わたしはわたしの道を行くことにするわ!

しっかし、太郎さんの作品「タイトル」の
わかりやすいことわかりやすいこと。
すごい説得力。
見ると、『女』。
「ああ、ホントだ『女』だわー」
とか、『駄々っ子』。
「おお、駄々っ子だわ〜。すんごい駄々こねてるわ」
とか、すごくわかりますのね。
超ストレートな変化球って感じ?ありゃあいいわー。
すごい好き。やんちゃの空気かもしだしてるよね。

おっと、こんなところで、太郎さんの映像が流れてるわ!
どれどれ。
おっとぉ!!!
わたしにとって、初・絵描いてるところ映像だわ。
なんか、ものすごい!!
てんやわんや大あわてな感じで、
キャンパスの前を前進後退の繰り返し。
ものすごいパワーと、真剣さがメラメラですわ。
見てるこっちまで、息止めちゃうくらいの緊張感。
これ、撮影スタッフは窒息死寸前なんだろうなー。
ビデオ越しに見ただけでも、頭に血がのぼるよ。
めらめらめらめら〜〜〜〜〜〜〜!
あ、あれ?あーあーあーはいはいはい。
わかったわ。気づいちゃったよ、すごい発見。
あのね、あのね、
太郎さんって、ビートたけしさんに似てるわ!
顔が。
ああ、似てるわー少しだけどね。
うんうん、似てる。
似てるわー。

(つづきます!)

2004-01-27-TUE

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