黄昏 た そ が れ  日光・東北編       南伸坊さんと、糸井重里。昔なじみのふたりが、始終しゃべりながら小旅行。前回は鎌倉の名所をめぐりましたが、今回は日光、松島、花巻あたりを回ります。ゆっくと変わる風景と、めくるめく無駄話。いったいいつまで続くのかな‥‥? そしてこの不思議な企画は、なんとすべてをまとめて本になるのです。いえ、ほんとの話です。
第12回 レム睡眠の発見。
糸井 セミの幼虫って、
子どものころは貴重な存在だったよね。
南 そうだね。
セミと、セミの抜け殻はたくさん見たけど。
糸井 地面を這うセミの幼虫は
ものすごく貴重に思えるんだよね。
その心がいまだに残ってるもんだから、
つい夜中に見に行ったりしちゃうんだよ、オレ。
そうすると、けっこう簡単に見つかって、
がっかりしたりもするんだけど。
南 そういうもんかもしれないね。
まぁ、セミの幼虫は
昔からたくさんいたんだろうけど、
子どもは懐中電灯持って
夜中に出かけたりできないから、
貴重なわけで。
糸井 まさにそういうことなんだよ。
実体は、ふつうにあるんだけど、
見つけるほうの都合で貴重品になるという。
南 そういうことでいうとさ、
あの、レム睡眠って、あるじゃない?
浅い眠りのときに、眼球がグルグル動くっていう。
糸井 体が眠ってるのに、脳が起きてる、
みたいな状態だよね。
南 そうそう。
そのレム睡眠ってね、
存在が明らかにされたのは
わりと最近のことらしいんだ。
昔はあんまり研究する人もいなかった。
糸井 へー。
南 で、なぜ、研究が遅れたかというと、
オレが思うにね、
科学者も夜は寝るからじゃないかと。
糸井 ふ、はははは。
南 言われてみると納得でしょ?
みんな寝てるからさ、わかんなかったんだよ、
浅い眠りのときに
目がキョロキョロするっていうようなこともさ。
糸井 「オレも寝てたんだよ」と。
「わりぃわりぃ、見てなかった」と。
南 そうそうそう(笑)。
「なんで目がキョロキョロしてるんだ?」
って疑問に思うやつもいなかったということだよ。
だって、夜は寝てるから。
糸井 すばらしいね。理路整然としてるね。
南 そうでしょう?
だから、たぶん、あの、
レム睡眠の発見っていうのはね、
たまたま、その科学者のそばで
昼寝してたやつが目をキョロキョロさせた
っていうことなんじゃないかな。
で、「目がキョロキョロしているぞ」と。
糸井 「なんだこれは!」と。
南 「大発見だ!」と。
糸井 ふははははは。
南 そういうことなんじゃないかな。
糸井 幼稚園で昼寝の時間に起きてる子、
みたいな科学者が発見したわけだね。
南 はははははは。
あ、そうそう、幼稚園で
昼寝の時間に起きてる子といえばさ。
糸井 え、その共通項でつなげられるの?
(幼稚園でなにが? 驚愕の次回につづきます)

2009-10-13-TUE

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