ちいさなレシピ、 8つ目はビスコッティです。
ビスコッティは
「二度焼いた」という意味を持つイタリアの郷土菓子。
オーブンでじっくり水分を飛ばして焼き上げるので、
しっかり堅めのクッキーという感じでしょうか。
じんわり味わいのあるお菓子です。
イタリアではコーヒーやワインに浸して食べることもあるそうで、
とにかく堅いというイメージがありますが、
わたしが作るビスコッティは、もうすこし食べやすく、
日本風？　にアレンジしたもの。
生地に油をちょっぴり入れて、
ベーキングパウダーではなく卵で膨らませることで、
適度に堅く、だけどざくっと食べやすい食感に仕上ります。
今回は「なまこ型」という表現に、
思った以上に反響がありびっくりしましたが、
パンやお菓子を作る人たちの間では、
よく使うことばなんですよ。
今回はあえてサイズを書かなかったので、
いろんなサイズのビスコッティができあがるのが、
楽しいなあと思いました。
作り方のポイントは、きれいななまこを作ること。
具材がたっぷりの生地でまとめにくいですが、
表面をなめらかに整えると、カットした時も崩れにくく、
きれいに焼き上がります。
日持ちしますので、お茶の時間に、旅のおともに、
たくさん作ってみてくださいね。

【材料】
　薄力粉　100g
　砂糖　50g
　卵　１個
　油　大さじ１
　ナッツ　80g
　チョコレート　50g

【材料や道具のこと】
・薄力粉は日清「フラワー」、
　砂糖はきび砂糖、卵はMサイズ、
　油は太白ごま油です。
・ナッツは油や塩がついていない好みのものを選びます。
　生の場合はフライパンで香ばしくなるまで乾煎りするか、
　150度のオーブンで10分ローストします。
・チョコレートは明治「BLACK」を使いました。
　生地にも甘みがあるので、ビター系の方が合います。
・ヘラ、カードを用意します。

【準備】
・オーブンは180度に予熱して、
　天板にオーブンシートをしきます。
・ナッツ、チョコレートは粗く刻みます。
　細かくしすぎない方が、
　食感もよく切るときもくずれにくいです。
　ざくざく感が感じられるよう、大ぶりに。
・卵は溶いておきます。

【作り方】

1.ボウルに薄力粉と砂糖を合わせてふるい入れます。
　真ん中に溶き卵と油を加え、
　ヘラで切るように、粉っぽさがほぼなくなるまで混ぜます。
　混ぜすぎると生地がべたべたしてくるので、
　粉気がほぼなくなればOK。
　混ぜすぎません。
　ここにナッツとチョコレートを一度に加え、
　手とカードを使って、手早く具を生地に混ぜ込みます。
　ヘラよりも手を使った方が
　やさしくきれいに具を混ぜ込むことができます。
　ここでも長く触っていると、
　どんどん生地がべたべたしてくるので、
　大きく具材を混ぜ込むように、３〜４回折り畳む程度でOK。
　完璧に混ざらなくても、成形の時、
　自然にまとまるので大丈夫です。
　生地をカードでオーブンシートの上にあけます。
　一度手をきれいに洗い、両手に水を少々つけ、
　生地をなまこ形に成形します
　（なまこがよくわからなければ、かまぼこでもいいです）。
　端っこが細いと焦げやすくなるので、
　厚さ、太さはできるだけ均等に。
　この時、表面がでこぼこしないようなめらかになでつけるのが
　ポイントです（もう一度水を少々つけても）。
　表面がなめらかになると後で切る時に崩れにくくなります。
　
2.180度に予熱したオーブンに入れ20分焼き、
　網の上で粗熱を取ります。
　この段階では表面にほんのり焼き色がつく程度です。
　粗熱が取れたら1cm幅にスライスします。
　包丁で下に押し切ると崩れやすいので、
　のこぎりで切るよう前後に押し引きして切ります。
　1cm以上の厚さになると火が通りにくくなり、
　薄いと逆に焦げやすくなるので、
　ぜひ最初だけ1cmの厚みをはかってみてください。
　これを切り口を上にして再度天板に並べ、
　150度のオーブンで30分焼きます。
　真ん中を押した時、
　しっかり堅くなっているのが焼き上がりの目安です。
　色はあまりつかなくてOK。
　こんがり焼けてしまう場合は、温度を下げましょう。
　オーブンから取り出して、天板に乗せたまま冷まします。
　こうすることで水分が抜けてカリっと焼き上がります。
　
　保存は乾燥剤などを入れた密閉容器で1週間〜10日ほど。
　水分の多い素材を入れると湿気やすくなり、日持ちしません。