ちいさなレシピ、11個目はクラフティです。
正式には、タルトにさくらんぼを敷き詰め、
プリンに似たアパレイユ（液状の生地）を流し込んで焼いた
フランスの郷土菓子ですが、
今回はこの生地部分だけ楽しんでもらおうと、
少しアレンジしてご紹介しました。
材料を見てわかる通り、プリンによく似ていますが、
違う点は「粉」が入ることでしょうか。
薄力粉を少量加えて焼くことで、
独特のむっちりした食感が生まれ、
くだものと一緒に焼くことで
果汁が生地にたっぷりしみこみます。
わたしは昔働いていたレストランのデザートで
よく作っていたのですが、
季節のくだものを使って一年中楽しめる
クラフティはとても人気があり、
中でもいちじくのクラフティは個人的にも大好きで、
繰り返し作っていた思い出があります。

今回もどんどん混ぜていくだけのレシピなので、
難しいポイントはありませんが、
「湯煎焼き」という天板にお湯を張って蒸し焼きする方法で、
火の当たりがやわらかくなり、なめらかな食感になります。
表面にはおいしいそうな焼き色がつき、
中はなめらかに焼き上がれば大成功！
生クリームと牛乳の配合も、お好みで変えることで、
濃厚にも軽めにもなります。
選ぶくだものによっていろんな楽しみ方が出来るので、
ぜひ繰り返し、作ってみてくださいね。

【材料】

　卵　２個
　砂糖　60g
　薄力粉　20g
　生クリーム、牛乳　好みの割合で合わせて200ml
　果物　150g

【材料や道具のこと】
・耐熱皿はこの分量なら長さ15~20cm位のサイズのものを。
　琺瑯のバットやタッパー、土鍋など、
　オーブンで使えるものなら何でもOKです。
　サイズが極端に違う場合は、適宜焼く時間を加減してください。
・卵はMサイズ、砂糖はきび砂糖、薄力粉は日清フラワーを使いました。
・生クリームと牛乳は半量ずつにしました。
　クリームが多いと濃厚に、牛乳が多いとよりプリンに近い味になります。
・果物は缶詰の黄桃を使いました。他にはバナナ、ベリー、煮りんご、
　さっと煮たかぼちゃなどもよく合います。
　固いものは軽く火を通してから使います。

【準備】
・湯煎焼きの準備をします。オーブンは160度に予熱して、
　お湯を用意しておきます。
・器に油を薄く塗っておくとくっつきにくいです。
・果物は一口大に切り、水気をよくとります。

【作り方】

1.耐熱皿に果物をならべます。
　後からクラフティ液を流すので、
　きれいに並べなくてもだいじょうぶ。
　ボウルに卵と砂糖を入れ、
　泡立て器で砂糖を馴染ませるようによく混ぜます。
　気泡が残るので泡立てません。
　ここにふるった薄力粉20gを入れ、ダマが残らないよう、
　少し力を入れてていねいに混ぜます。
　粉のかたまりがほぼなくなればOK。
　生クリームと牛乳を加えて混ぜたら、器に濾し入れます。
　ざるに粉や卵のかたまりを残さないようにていねいに。

2.天板に器を乗せてオーブンに入れたら、少しだけ天板を引き出して、
　お湯を少しずつそっと注ぎ、天板半分くらいの高さまで入れます。
　火傷には注意してくださいね。
　160度のオーブンで40分、上にはほんのり焼き色がつき、
　竹串を真ん中に刺したとき、
　どろっとした液が溢れ出してこなければ焼き上がり。
　お湯に気をつけて器を出します。
　熱々でも、しっかり冷やしても、
　好みのタイミングで召し上がってみてください。