おいら。
with ほぼ日テレビガイド
〜天海祐希主演『離婚弁護士』を見る夕べ〜
第四話を見て。

永田 はい、お疲れさまでしたー。
西本 第四話を見終えました!
糸井 まず、言いたいことがあるんだけれども、
森三中の真ん中の子と、
松たか子の顔の成分が同じだということは
まえにキミらに説明したじゃないか?
永田 いきなりどういうことですか。
西本 とりあえず聞きましょう。
ええ、その話は聞きました。
永田 わかんない人もいるんですから
ちゃんと説明してくださいよ。
糸井 読者からのメールで知ったんだけど、
森三中の真ん中の太った子と、
松たか子は、じつは顔の成分は同じなんだよ。
つまり、配置のバランスが異なってるだけで、
先祖みたいなところは同じなんだ。
永田 それが『離婚弁護士』と
どう関係するんですか。
糸井 今日、それと同じようなことに
気づいたんだけど、
天海祐希と千秋は先祖が同じじゃないか?
永田 提言の趣旨は理解しましたが、
共感しません。
西本 天海さんのファンから
「違う!」というメールがたくさん来そう。
糸井 あっれーーー? おっかしいなあ。
自信あるんだけどなあ。
永田 冒頭から話をすっ飛ばさないでください。
糸井 もうちょっと聞いてくれ。
永田 いやですよ。
糸井 千秋のダンナであるところの
遠藤章造くんと、
今回の主役っぽかった玉山くんも、
先祖がいっしょじゃないかと思うんだ。
というのは、オレは実際に
ふたりを間違えちゃったことがあるんだよ。
西本 あ、ありましたね!
ロケ地で、遠藤さんだと思って
まちがえて話しかけちゃったんですよね。
糸井 「阪神、調子いいじゃない!」ってね(笑)。
西本 これは事実です(笑)。
糸井 つまり、先祖どうしで、
千秋&遠藤夫婦を思いだしたと。
永田 遠藤さんは巨人の元木に似てませんか。
西本 元木は、にしきのあきらさんに似てるでしょ。
永田 ってことは、玉山くんと
にしきのあきらさんの
先祖が同じってことですか。
糸井 ちゃんとドラマの話をしませんか。
永田 糸井さんがすっ飛ばしたんじゃないですか。
西本 えー、今日の第四話は、
そんな玉山くんが大活躍の回でした。
糸井 さあ、どうでした?
永田 先、行きます。
今回、ぼくダメでしたわ。
正直、いままでいちばんダメでした。
西本 ぼくも同じ意見です。
糸井 いきなりそんなはじまりでいいんですか?
永田 いや、だって、この回よりこの回が
よかったっていう差は
どうしても出てきますからね。
ダメなときもあります。
西本 正直に言うところは言う。
それが「ほぼ日」テレビガイド男子部です。
永田 もちろん、評価とかではなく、
個人的な好みの話ですけれども。
糸井 ぼくは今回、オッケー!
いちばんよかったかも。
ふたり えええええっ!
糸井 途中からね、
「あ、これ、おかしいな」って
思えてきちゃって。
永田 そうそう、糸井さん、途中から突然、
くすくす笑い出しましたよね。
あの、暴力団が出てきたあたりから。
糸井 そう、暴力団が出てきたところで
「ああっ! もういいっ!」って思った(笑)。
永田 「もう、このコメディータッチに
 のってやるのさ!」
って感じになってましたね。
糸井 そうそう、だからたのしめた。
だってさ、あの暴力団、
なんにもしてないんだぜ?
同じアパートに暴力団が住んでるってだけで
話をつくちゃってるのかぁ!
って思った瞬間に、
「よし!」って思いましたね。
永田 たしかに、あの暴力団はなにもしてなかった。
西本 セリフもなかったですよ。
糸井 歩いてただけだよ。
永田 黒い服着てただけでしたね。
西本 悪役商会の八名信夫さんあたりが出てきて
ちょっとにらみを聞かせながら
「何見とんじゃ!」的な
脅しがあったわけでもなく。
糸井 すれ違ってぶつかって
「おらあっ!」があったわけでもなく。
永田 抗争があったわけでもなく。
西本 ガサ入れがあったわけでもなく。
糸井 流れ弾が飛び込んできたわけでもなく。
さんにん な〜んにもないっ!
永田 あれ、ただの市民じゃん。
西本 悪いことと言えば
路上でタバコを吸ってたくらいですよ。
そんなんで怒られるのは千代田区だけですよ。
永田 うまい!
糸井 そのあたりがうまく作用して、
ぼくはコメディータッチを
たのしんだわけですよ。
永田 なるほどなるほど。
それは、よくわかります。
ぼくはそっちに行けなかったから、
「えー、なんもしてないじゃーん」
っていう感じのままで見てました。
西本 ぼくは冒頭で出てきた犬も引っかかりました。
糸井 くぅーちゃんですね?
西本 ええ、くぅーちゃんです。
永田 くぅーちゃんですね?
西本 ええ、くぅーちゃんです。
糸井 今回の話、すべてのきっかけは
くぅーちゃんですからね。
西本 なのに、くぅーちゃん、
頭に出てきて以降、ぜんぜん
かわいがられてないじゃないですか!
永田 とんだかませ犬でしたね。
西本 うまい!
糸井 そのあたりは緩く受け入れると
たのしかったですよ。
今回はそういう見方をすべきでしょう。
永田 なるほど、そうかもしれません。
細かいことに引っかかって
オトナ気なかったかもしれないですね。
熱く語った我が身を反省します。
西本 ‥‥でも、あの津川さんのアメ。
永田 あの、アメさぁっ!
もうちょっとほかのアメないですかっ!
西本 せめてチュッパチャップスくらいに
してほしかったですよね!
糸井 あれじゃ絵ですよね。
牛乳瓶の底のメガネとか、
がまぐちの財布とかと同じで。
西本 でも、あのアメも、もう、糸井さんは
のっかったわけですよね?
糸井 いや、あのアメはおれもさすがに‥‥(笑)。
永田 のるならあのアメものってくださいよ!
西本 そういうところが
ぼくらはダメだったわけですよ!
永田 もう上着脱ぎますわ(上着脱ぐ)。
糸井 じゃあ、ここでひとつ、
ぼくから爆弾発言です。
ふたり お?
糸井 今日、これ、家でひとりで見てたら
ぼくはあの不動産屋のシーンで泣いてますね。
ふたり え〜っ!
糸井 不動産屋に娘がたてつくところで泣いてます。
ほんとうですよ、これ。
もう、みんながいたから泣かなかったけど
あぶなかったですね。
西本 そんなですか。
永田 でも、あの娘、たしかによかったですね。
ダメ〜な感じも、芯のあるところも、
ちゃんと出てたというか。
目つきとか、声の低さなんかも、
妙にリアリティーあったし。
糸井 うん、よかったね。
西本 でも、また細かいこと突っ込むようですけど、
あの娘のこともぼくは引っかかってて。
玉山くんに直接、電話してくるじゃないですか。
それがすっごくわかんない。
だって、娘と玉山くんって
つながりなかったはずじゃないですか。
糸井 ん? そうか? あ、そうか。
永田 それはいいんじゃないですかねえ。
ぼくはそういうところは
解釈してあげる派なので。
お母さんを通じてだとか
いろいろあったんだろうなっていう。
そんな感じで見てましたけど。
西本 だって、お母さんと娘が
あんなに通じあってないのに
お母さんが密に相談している玉山くんのこと
なんて知るよしもないじゃないですか。
なのに、間宮貴子法律事務所に
直接電話をかけたんですよ?!
永田 まあ、あるんだろな。そんなこともな。
西本 いや、あんたそれは優しすぎだよ。
あんた子どもできて
そういうところ変わったよ!
永田 そういう
「ここはカットせずに載せろ」発言、
やめろよ!
糸井 あはははははは。
西本 永田さん、あんた子どもできてから
変わっちまったよ! ひよっちまったよ!
永田 オレは子どもができる前でも娘の電話は許す!
糸井 あははははははは。
永田 ちょっと、ちゃんとした意見、言いますわ。
あのね、そういう細かいところ、
じつは、きちんと筋が通ってれば、
僕はその時点で吹っ飛ばせるんですよ。
だから、ほんとに気になってるのは
べつのところなんですよ、じつは。
西本 いままでのやり取りはなんだったんだ。
永田 いいからいいから、まあ、聞いて。
あのね、前半のそういう、
気になるところだらけの展開も、
間宮貴子がバリッと登場して、
事件をスパッと解決してくれたなら、
爽快感に転じるんですよ。
むしろ「さすが間宮!」ってことで
オッケーになるんですよ。
ところが間宮貴子、
登場はバリッとしてたけど、
「証拠がないわ‥‥」
なんて言い出すじゃないですか。
あれ、娘の撮った写真がなかったら
間宮貴子でもダメだったってことですよね?
そこが今回、最大の不満だったんです。
糸井 そうかそうか。
「子どもはバカだ」っていう
テーマで始まったのにね。
永田 そうなんです。
子ども夫婦と、見習い弁護士のうだうだに、
さっそうとオトナの間宮貴子が現れて、
あの悪徳不動産屋なんかには
間宮はポ〜ンと勝たなきゃいけないんですよ。
糸井 日本刀とピストルのようにね。
永田 そうそうそう‥‥って、なんスかそれ?
西本 見たんだ、『トリビア』。
糸井 あれ、すごかったねー!
あのさ、日本刀とピストルの
どっちが強いかっていうと
日本刀の方が強いんですよ。
永田 うっそ!
糸井 日本刀を固定して、
そこから5メートル離れたところから
照準を固定したコルトガバメントを
撃ち込むんですよ。
そうすると弾丸が真っ二つに。
永田 うっそ!
糸井 割れるんですよ〜。
それを5回やっても5回とも同じ結果で、
日本刀は刃こぼれひとつしなかったんですよ。
つまり、その日本刀にあたるものが、
間宮貴子でなければならなかったわけですね。
永田 なにがなんだかわかりませんが、
そうです、そのとおりです。
写真が決め手になっちゃダメなんですよ。
それじゃピストル対ピストルに
なっちゃうんですよ。
ヒッポリット星人にウルトラ兄弟が
全員ブロンズ像にされちゃって、
どうなるどうなると思ってたところに
ウルトラの父がさっそうと現れたのに、
ウルトラの父でも勝てないってのは
問題あるんじゃないかっていうことなんです。
西本 あんたいったいなに言ってるんだ?
糸井 つられてぼくも
マジメな意見を言っておきましょう。
不動産屋の場面で
泣きそうになった人としては、
あの息子があの娘のために
しいたげられながらもしっかり
働いているようなシーンが欲しかったね。
「オラっ!のろのろしてんじゃねえよ!」
「はい、すみません!」とかやりながらね。
つまり、あの100万円を彼が
「どうやって貯めたと思ってるの?」
っていうセリフの背景を補完してほしかった。
ふたり それはいえてる!
西本 じゃあ、ぼくもひとつ、
しっかり意見を言っておきます。
今回、「オレの店」出てくるの早すぎ。
糸井 あははははは。
永田 油断してた(笑)。
西本 例によって「オレの店」の写真を
お願いしますよ! 今回はこれです!
永田 ‥‥‥‥なんだこりゃ。
糸井 ‥‥‥‥ほっときましょう。
西本 ようこそ「オレの店」へ!
糸井 それはそうと、
あの店のママは人がよすぎますよね。
永田 わりと、サラッとした感じですよね。
糸井 もっとアクのある、
説教くさいマスターかなんかに
してみたらどうですかね。
永田 たとえば誰でしょう?
糸井 大杉漣なんかがいいと思うんだよ。
例え話が全部サッカー、みたいな店主。
西本 ああ、わかります。
「守備はフォワードから始まる」的なことを
言ったりとか。
糸井 そうそう。
西本 厳しいことを言う時は
「オレも心をドゥンガにして
 言わせてもらうが」
みたいなことを言うような。
永田 あんたは例え話に
ドゥンガを出すのが好きだな。
糸井 みなさんはなんか、
希望みたいなものはありますか?
永田 こないだの糸井さんの話じゃないですけど、
法律の話、どんどん出してほしいですよね。
今回の「成年擬制」の話とか、
すごくよかったですよ。
物語の骨格を強めてたし、
純粋に「へー、そうなんだ」って思えたし。
糸井 ああ、そうだね。
「離婚後半年間は結婚できないけど、
 同じ相手とならすぐできる」
っていう話も「へー」と思ったよ。
西本 もっと法律用語とか、
法の抜け道をつかった攻防とか、
見てみたいですよね。
糸井 そういうのが出てくると、
世界観に厚みが増しますからね。
永田 関係ないですけど、今回、
ミムラさんがよかったですね。
あと、あの不動産屋の人もよかった。
糸井 ああ、あの人はよかったね。
永田 名前がスッと出てこないのが
申しわけないですけど。
あの、タウンページの人。
西本 今回、あそこにいい人をもっていきましたね。
つまり、暴力団でギャラを押さえて
そのぶん不動産屋に使った、と。
糸井 よく暴力団の話を覚えてたな(笑)。
永田 最後に、前回の補足をちょっと。
糸井さんが指摘した、ドラマ中の
「ひどく愛していた」というセリフが
「ひどく案じていた」
だったという指摘のメールを
何通かいただきました。
糸井 うん。聞き違えていたみたいです。
ごめんなさい。でも、あそこで
言いたかったことは変わらないです。
つまりぼくが言いたかったのは
「法廷の場で感情論を言う」
ということではなく、
「法廷ではふさわしい言葉を使うべきで、
 そのために津川さんの役の設定が
 あるんじゃないの?」ということだから。
もうすっかり口語に溶け込んでるけど、
本来、「ひどく」とか「とても」は
「〜ない」につながることばだから、
ふだん話すぶんには問題ないけど、
法廷にそれが持ち込まれるのは
個人的に違和感があったと。
永田 ご指摘のメール、ありがとうございました。
西本 また来週!
糸井 またずいぶん長く話しちゃったなあ‥‥。


ほぼ日テレビガイド
〜女子の部〜



りか
あ、やっぱり。ボンクラたち、
玉山くんの演技にちぃとも触れてないね。

あやや
あと、あの息子役の人、双子なんですって!
双子って、なんだか神秘的ですよねー。

りか
あ、そうなんだ。
師匠、知ってました?

あかり師匠
‥‥‥‥ZZZ。

りか
スッテーン!

あやや
また寝てる。

りか
師匠、師匠、起きてください。
終わりましたよ!
そんなとこで寝てたら風邪ひきますよ!

あかり師匠
‥‥‥‥何時や思てけつかんねん。

あやや
「ケツ観念」?

りか
師匠はまたしても怒ってらっしゃるのよ。

あやや
師匠、気を取り直して、
ドラマの話をしましょうよ!
天海さんの服、いつも素敵ですよねー。

りか
私は途中で、ミムラさんが
どんどん誤解していくところが
おかしかったわー。
師匠はどうでした?

あかり師匠
うん。今回は、泣けたわ。
というか、実際、ちょっと泣いてしもたわ。

あやや
えええ? ほんとですか?
糸井さんと同じ意見?

りか
どの場面で泣いたんですか。

あかり師匠
あの、子どもと別れる場面や。

ふたり
‥‥え?

あかり師匠
お父さんが、
別れ際に子どもを抱きしめる場面や。

あやや
し、し、師匠。

りか
そ、それは先週の話では?

あかり師匠
せや。録画や。

ふたり
スッテーン!

あかり師匠
こらこらキミら。
だいたいドラマてそういうもんやろ。
見られへんかったらどんどん録画しといて、
どっかでまとめて見たりするもんやろ。

りか
そういやそうですね。

あやや
見逃しちゃったら、
あらすじだけ誰かに聞いたりしてね。

あかり師匠
せやせや。そういうふうに、
気楽につき合えるのも
ドラマのええところや。
‥‥そ・れ・を!
あのボンクラどもときたらっ!
自分ら、あいつらがどうやって
ドラマ見てるか知ってるか?

あやや
はい。テレビに向かって、
ず〜っと黙ったまま1時間。

りか
3人とも食い入るように
画面を見つめて微動だにせず。

あかり師匠
はっきり言わせてもらうわ。
今日という今日は、
もう黙ってられへんわ。

ふたり
どうぞどうぞ。

あかり師匠
あいつら、異常や。

ふたり
超いえてる!

2004-05-07-FRI


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