永田 |
第35回を観おわりました! |
西本 |
お疲れさまでした! |
糸井 |
お疲れさまでした。 |
永田 |
まず、ドラマとは違った部分で
言いたいことがあります。 |
ふたり |
どうぞどうぞ。 |
永田 |
ええと、ニュース速報。 |
西本 |
ああーー、あれはキツかったですね。 |
糸井 |
「テレビガイド」ですからね、
テレビを観てる側としては
触れざるをえないですね。 |
永田 |
選挙とか地震とか、いや、
もちろん大切な情報だとは思いますが、
映像にかぶりまくりでした。 |
西本 |
観づらいっすね。
知事問題と津波でしたね。 |
永田 |
あの、画面がせばまって、
上と横のスペースが別画面になってからは
意外にふつうに観られたんですが、
序盤の、文字や地図が
もろにかぶさってくるところは
キツかったですね。 |
糸井 |
いっそ、早くあの画面に
切り替えてほしかったですね。
ちなみにぼくはハイビジョンのほうを観たので
まったく問題なかったんですけど。 |
西本 |
いま3人で観たやつは
日曜8時の放送を録画したやつでしたからね。 |
永田 |
大切な情報でしょうから、
「ドラマのジャマをしないでくれ」
なんてことは言いません。
ただ、思うのは、
これが『友の死』じゃなくてよかったなあと。 |
糸井 |
『友の死』だった場合には、NHK局内でも、
いちおう論争になるんじゃないですかね。 |
西本 |
「地震テロップを流せ!」
と指示する上司に向かって技術者が
「今日はやめましょうよ!」と抗議したり。 |
永田 |
「山南さんの額に
文字かぶせちゃだめだろ!」とかね。 |
糸井 |
そうかんがえると地震は
起きてほしくないですね。 |
永田 |
この時間帯には。 |
糸井 |
‥‥なにを言ってるんですか。
全般的に起きてほしくないでしょう。 |
永田 |
これは失礼いたしました。不謹慎でした。
どの時間帯でも、起きてほしくないです。 |
糸井 |
そうですよ。不謹慎ですよ。
そういうことはあなたも
きちんと「地殻」してほしいですね。 |
永田 |
ありゃあ。 |
西本 |
言っちゃいましたね。 |
糸井 |
いや、ね、ダジャレはね、最近ぼくは
「もういいや」と思ってるんですよ。 |
永田 |
え、いままでは違ったんですか? |
糸井 |
うん。いままでは抑えてた。 |
ふたり |
わはははははははは! |
糸井 |
ちょっと笑いすぎですよ。 |
永田 |
これはたいへん失礼いたしました。 |
西本 |
じつは今日、テレビの収録があったんですよ。
『スーパーテレビ情報最前線特別版
前田知洋の最新マジック大公開!』
という番組で、
糸井さんをはじめとするゲストの人たちが、
ものすごいテーブルマジックを観て驚く、
というものだったんですけど。 |
永田 |
はいはいはい。 |
西本 |
うちの局長、タキシード着た状態で
ダジャレを連発してました。 |
永田 |
な、なるほど。 |
糸井 |
うん、それはもう、いいんです。
そういうことなんです。 |
西本 |
そして! さらなる脱線を許されるならば!
この番組にはダジャレのほかに
もうひとつ、観どころがあります! |
永田 |
ほう! |
西本 |
ややマニアックな指摘になりますが
ご容赦ください。
この番組は、糸井さんをはじめとする
4人がテーブルを囲み、
間近でマジックを観るわけなんですが、
当然、「すごいなあ!」と
みんなが驚きますよね。
すると、マジシャンの前田さんは、
「いえいえ、お客さんがすばらしいからです」
ということをおっしゃるわけです。
いわば、お決まりの文句なわけです、それは。 |
永田 |
ふむふむ。 |
西本 |
ところが、そのことばが出るたびに、
糸井さんが本気で照れるんですよ。 |
永田 |
あははははははは。 |
西本 |
「お客さんがすばらしいからです」と言うと、
「いやぁ、そんなことないですよぉ」と、
いちいち、本気で照れてるんです。
これは‥‥気づくと、おもしろいですよ? |
永田 |
やっばい、それ、目に浮かぶ(笑)。 |
糸井 |
言われてみると、思い当たるんだよねえ。
そういや、そういう反応してた。
いちいち。本気で。 |
西本 |
オンエアの際は、
ぜひそこに注目してください。
番組が何倍にもたのしめます。 |
永田 |
いいとこに気づいたなあ、それ。
でも、このニュアンス、
読んでる人に伝わるかしら(笑)。 |
糸井 |
ま、大きくいうと、そういう視点こそが
この「ほぼ日テレビガイド」のテーマですよね。
最前列でいいところを探すというのは。
‥‥でもなあ、照れてたなあ、そういや。 |
永田 |
しかし、西本さんは、
「テレビのなかの糸井重里」
を語らせると天下一品ですね。
さすがです。 |
西本 |
ありがとうございます。
でもこれはオンエア前にぜひ知ってほしくて。
なんせ、ひとりだけ「素」なんですよ。
著名人がマジックを観て驚いているという、
ある種、お約束の流れのなかで、
ひとりだけ、マジシャンのお世辞に
本気で照れてる人がいる、という‥‥。 |
糸井 |
もういいよ、その話は。 |
西本 |
最後のほうは共演の和田アキ子さんも
気づいてあきれてましたからね。
「あれは、いつも言ってることなんだから
本気で照れなくていいんですよ」って、
楽屋で説明までしてましたよ。 |
永田 |
あははははははは、
まさに「糸井マジック」! |
西本 |
「素」以外できない「糸井マジック」! |
糸井 |
もういいって言ってるだろう! |
永田 |
けど、逆にあれですね。
台本に「ここで糸井、照れる」
とか書いてあると──。 |
糸井 |
ああ、それはできない!
絶対無理! 照れられるわけがない! |
西本 |
というかね、ほんとうに、
すべての「段取り」が基本的に無理なんですよ。
その番組、本編の収録が終わってから
オープニングを撮ったんですけどね。
まあ、タキシード姿で高級クラブ風のところに
歩いて入っていく絵を撮るだけなんです。
‥‥歩くだけなんですよ?
ところが、それがもうできない!
歩くだけなのにやり直し! 撮り直し! |
永田 |
(爆笑) |
糸井 |
(苦笑) |
西本 |
スタッフの人が気を遣って
「ちょっと歩くのが速かったようですね」
とか言ってくれたんだけど、違いますよ。
明らかに糸井さんが
歩く方向を間違ったんですよ! |
糸井 |
(苦笑) |
永田 |
ちょっと待ってください。
そんな人が大河ドラマを観ながら
「この役がオレに回ってきたら‥‥」
とか言っているわけですか! |
西本 |
無理無理無理!
もう、大河なんて、ドラマなんて、
無理無理無理! |
永田 |
わははははははは。 |
糸井 |
さっさと『新選組!』の話をしろ! |
西本 |
それでは不肖西本、
恒例のやつをやらせていただきます。 |
永田 |
おっ、今日はノってますね。 |
糸井 |
‥‥恒例のやつ? |
永田 |
また誰かに会ったっていう‥‥
あ、そうか、ラジオの収録で、
山南さんに会ったんだ。 |
西本 |
と、思うでしょ? |
永田 |
‥‥えええ?! |
糸井 |
ほかにも、会ったの? |
西本 |
ええ。自分で自分が怖いです。 |
糸井 |
それさあ、ほんとに偶然会ってるの? |
西本 |
失敬な! |
永田 |
いえてるいえてる。
言ってるだけってこともあるし。 |
西本 |
今回は証人もいますよ。
リカさんといっしょにいるときでしたからね。
ウソだと思ったらリカさんに訊いてください。 |
糸井 |
で、誰に会ったのよ? |
西本 |
さあ、そこです。
先日、堺雅人さんがゲスト出演する
「ザ☆チャノミバ」収録現場に立ち会うために
堺さんファンのリカさんと二人で
南北線にのってTBSに向かっていたんですよ。 |
永田 |
ふんふんふん。 |
西本 |
で、まあ、溜池山王の駅で
千代田線に乗り換えるじゃないですか。
電車が溜池山王に着くじゃないですか。
じゃあってんで、降りたところ‥‥。 |
永田 |
ちょ、ちょ、ちょっと待って!
TBSのラジオ局で会ったんじゃないの? |
西本 |
と思うでしょ? 違うんですよ。
溜池山王の駅で降りようとして
「プシュー」と扉が開いたら
目の前になんと、沢口靖子! |
ふたり |
うそーーーー! |
西本 |
もうびっくり! |
糸井 |
ほんとに? |
永田 |
ほんとに? |
西本 |
ほんとなんですって!
通り過ぎたあと、リカさんとふたりで
「いまの‥‥」
「だよねえ‥‥」って。 |
永田 |
‥‥それはすごいわ。 |
糸井 |
イチローの連続安打か
西本の連続遭遇か、というくらい。 |
西本 |
我ながら恐ろしいです。
‥‥もしかしたら、オレが逆に
『新選組!』の演者に
マークされているということなのかも? |
糸井 |
それはない! |
永田 |
マークのしようがない! |
西本 |
というわけで、今週の
「西本『新選組!』遭遇レポート」を
終わらせていただきます。 |
永田 |
ありがとうございます。
おもしろかったですが、
ちっとも話が進みません。
どなたか、きちんとドラマの話を
してくださる方はいらっしゃいませんか? |
糸井 |
それでは、私が一発。 |
ふたり |
よろしくお願いいたします。 |
糸井 |
ご存じのように、ぼくは
『新選組!』というドラマを
ぜんぶ観ているわけではないんですけど、
どうやらこのドラマには
「道の回」と「駅の回」があると思うんですよ。 |
永田 |
「道の怪」と‥‥。 |
西本 |
「駅の怪」? |
糸井 |
「怪」じゃないよ、「回」!
「道の回」と「駅の回」!
(※編集者注:この部分は、実際には
「『かい』は怪人の『怪』ですか?」
「違いますよ、『一回二回の回』ですよ」
というやり取りがあったのですが、
おもしろそうだったので
上のようにアレンジいたしました) |
ふたり |
ほうほうほう。 |
糸井 |
今回は「道の回」なんです。
こういうふうなことで、
どこに行きますやら‥‥というのは
「道の回」なんですよ。
一方、「駅の回」というのは
そこにすたっと止まってやるんですよ。
「池田屋」のエピソードなんかそうですよね。
「寺田屋大騒動」は「道の回」なんですよ。 |
ふたり |
はあはあはあ。 |
糸井 |
つまり、大きくいうと、
『新選組!』というドラマの構造は、
「道の回」がしばらくあって、
「駅の回」がガツンと来る、
というふうになっているんです。
まあ、わかりやすくいうと、
こういうようなことがわーっとありまして
なんやなんやなんやかんやずどん!
という感じで続くわけですよ。 |
永田 |
最後の説明がいちばんわかりにくかったですね。 |
西本 |
「こういうようなことがわーっとありまして
なんやかんやなんやかんやずどん!」 |
糸井 |
だいたいわかるだろう! |
ふたり |
だいたいわかります。 |
糸井 |
つまり、山南さんの切腹という
「駅の回」のあとに、
「道」「道」とつないできたわけですね。
そのあたり、大きな構成力を感じました。 |
永田 |
なるほどなるほど。
山南さんの「駅」が強烈でしたから、
あえて「道」「道」と。 |
糸井 |
ええ。正しいと思います。
一回一回、全てを「駅」にすると
演者も制作者も持たないでしょうから。 |
永田 |
観てる側もそうかもしれませんね。
ていうか、なんでもそうかもしれないなあ。
いくら肉が好きでも、
肉ばっか食いたいわけじゃない。 |
西本 |
これまでの感じでいうと、
5回くらいのスパンで
1回大きく刈り取る動きがあって、
2〜3回に1回ずつ
小さく刈り取る動きがあるんですね。 |
糸井 |
『友の死』のような回は、
大きな「駅の回」ですよね。
ああやってひとところに止めて
切腹だけで一本成立させる。
大デコレーションケーキなわけです。
と、まあ、大きな話になりましたけど、
ぼくはそういう感想を持ちましたね。 |
永田 |
ありがとうございます。
余談が延々と続いてたのに、
いきなり本質的なところに
着地した感じですね。 |
糸井 |
中間のものが欲しいですね。
じゃあ、あの、オダギリジョーの
「‥‥できる!」っていうあたりを
突っついてみましょうか。 |
永田 |
オダギリファンとしてはどうですか? |
西本 |
いや、よかったですよ。 |
永田 |
でも、あのまま、おもしろキャラに
なってしまうのも困るんじゃないですか? |
西本 |
ま、そうともいえますけど、
今回の「‥‥できる!」に関しては
剣の腕がたつ人間が言わないと
成立しない場面ですからね。 |
永田 |
なるほど、必然性があると。 |
西本 |
ええ。オダギリか沖田かってなると、
いまの沖田にあれをやらせるわけには
いかないですからね。 |
糸井 |
あの場面、読者の方が以前に指摘した
「捨助の謎」がいっそう
現実味を増してきましたね。 |
西本 |
はい、間違いないと思います。 |
永田 |
あれは、まだ記事には
しないほうがいいですよね? |
糸井 |
ええ。宙ぶらりんな感じを
たのしみにしていましょう。
あとは‥‥なにがありますかね。
あるといえばたくさんありましたね。 |
西本 |
永田さんは、
観ててうれしい場面があったでしょ。 |
永田 |
え? なんでしたっけ? |
西本 |
沖田ですよ。 |
永田 |
ああ、「沖田&ひで」ですね。
はいはい、今回もよかったです。 |
糸井 |
あなたはあのふたりが好きですね。 |
永田 |
ええ、好きです。
「よっ、待ってました!」って感じです。 |
西本 |
永田さんがあのふたりを語るというだけで
まるまる一回やってもいいくらいですよ。
過去のこのコンテンツを読んでもらうと
わかると思うんですが、
ひでと沖田のシーンがあるたびに
「あのふたりはいいですね」と言ってますよ。 |
永田 |
あ、そうかもしれませんね。 |
西本 |
ぼくらはまあ、永田さんのつき合いで
相づちうってるくらいのもんですから。 |
永田 |
えっ、そうなんですか! |
西本 |
ま、そうです。そんなに言うなら、
その店、寄って行こうかという感じで。 |
糸井 |
あ、そうかもしれませんね。 |
永田 |
つき合いだったんですか! |
西本 |
ええ。今日ははっきり言えてよかったです。
つき合いで、「照明がよかったですね」とか、
「平助のおにぎりがよかったね」とか。 |
糸井 |
「うぐいすが泣いてたね」とか。 |
永田 |
がーーん。まじっすか? |
糸井 |
まあ、ウソ言ってたわけじゃないですけどね。
どう言ったらいいかな。
たとえば高校生の新人ピッチャーが
出てきたんだけど負けちゃったというときに、
新人についてものすごく語る人と、
今日は負けちゃったなあという人と
いると思うんですけど、
永田くんは甲子園の話を盛んにしたがるんだね。
なにかあるんでしょうね。
初々しいのが好きなんですかね。 |
永田 |
なんでしょうね?
純粋に、あのふたりがふたりとも
「キレイな顔をしていて演技が上手い」
というのは大きいと思いますけどね。
「初々しい」とかいう設定ではなく。 |
糸井 |
AB型はそういうのが好きなんですかね。 |
永田 |
「いつも考えています」。 |
糸井 |
そうだよな、「初々しい」という意味では、
近藤とおゆきのほうが
よっぽど「初々しい」ですからね。 |
西本 |
あ、そうですね。
あのふたり、今回は、ますます
プラトニックな感じになってました。 |
糸井 |
プラトニックですよ。
いわば愛人と会っているのに
背筋をまっすぐにして、
酒をちびりちびりと飲んで──。 |
ふたり |
「心が安まるのだ」! |
糸井 |
そうそう(笑)。 |
永田 |
「心が安まるのだ」って
あのふたりを見事に表現してるなあ(笑)。 |
西本 |
たしかに、近藤たちのやり取りにくらべれば
「沖田&ひで」のほうが心に響きますね。 |
永田 |
でしょう? |
糸井 |
というか、近藤たちが清らかすぎるんだよ。
様式のなかにいるんだよね。
あれ、一発、きっついラブシーン
入れてほしいですね。 |
西本 |
無理でしょう(笑)。 |
永田 |
今回はいろんな男女が出てきたんで
思ったんですけど、
「くちづけする」というのは
時代劇ではどうなんですか?
ぼくはあまり時代劇を観ないので
わからないんですけど、
「ここ、現代劇ならチューするな」
っていうところがあるじゃないですか。 |
糸井 |
や、時代劇でもふつうにあるでしょ。
「口吸い」ということばもありますからね。
ほかの時代劇でもそういう表現は
さんざんしてますよ。 |
永田 |
あ、そうなんですね。 |
糸井 |
このドラマでいうと、
「背後から男が女に抱きつく」
みたいなことですよね。 |
永田 |
ああ、そうですね。
それが最上級の恋愛表現かもしれない。 |
糸井 |
それに関しては沖田とひででさえ
やっているんだけど
近藤のところはなにもやってないんですよ。 |
永田 |
背後からいってないどころか、
接触さえ少ないですよね。 |
糸井 |
ちょっと弱っちゃうんですよね、
あのふたりに関してはね。 |
西本 |
今回でもう、すっかり一線を飛び越えて、
ふつうに嫁の位置に行っちゃいましたしね。 |
糸井 |
これ、この連載で初めて
ドラマに疑問を呈するところかもしれませんね。
近藤の妻のつねが、愛人のおゆきに向かって、
「(近藤は)あなたをいとしいと思っているから」
というセリフはあるんだけど、
その気配がないんですよー。 |
永田 |
でも、かといって突然、
口吸いされても困るでしょう。 |
糸井 |
突然しとねを映すわけにもいかないなあ。
先週も言ったけど、
そのへんはむつかしいし、
むしろ見事にかわしてるんですよ。
前回の風呂の場面もそうだし、
今回は「この家は風通しがいい」という
見事なセリフがあったじゃないですか。
うまいことやるなあと思ったんですね。
ふたりの新居を「開けっ放し」にすることで
清潔感を出してるんだよね。 |
永田 |
ふたりっきりで過ごすんじゃなくて、
いきなりバタバタいろんな人が
訪ねてきますしね。 |
西本 |
「もうみんな知ってるぜ?」っていう
表現が頻繁にあったりとか。 |
糸井 |
うーん‥‥だから、
いやらしくしろとはいわないけど
もうちょっと‥‥粘ってほしいですよね。 |
西本 |
なにかあった気配でもいいんですよね。
ひざまくらとかね。 |
永田 |
「ひざまくら」! |
西本 |
いや、なんでもいいんですけどね。 |
糸井 |
でも、佐藤浩市くらいだよね、
色気があったのは。 |
永田 |
鴨には、ありましたねえ! |
糸井 |
鈴木京香っていう悪い女もいてね。
あの片りんくらい、近藤たちにあればね。
「近藤もすっかりオトナになったな」
くらいのことがほしいですよね。 |
西本 |
やっぱり、突き詰めると、
「いっしょに寝てない感じ」なんですよね。 |
永田 |
んん? でも、近藤とつねには
いちおう色気がありますよね? |
ふたり |
あるあるある。 |
永田 |
そうかそうか、わかってきました。
つまり、純粋に色気がないんじゃなくて、
バランスが悪くなってるんですよ。
当時、側室を持つことが
当たり前のことだったとはいえ、
つねが本妻で、おゆきは妾なわけでしょう?
だとすると、少なくとも、
おゆきと近藤のあいだには、
つねと近藤以上の色気というか
そっちのにおいがしてなくっちゃいけない。
ところが、つねよりも
キレイな感じになってしまっているから、
観る側が違和感を持つんですよ。 |
糸井 |
おっ、それは説得力があるね。 |
永田 |
つまり、あのふたりがああだと、
色っぽさに対しての
全体のバランスが崩れちゃうんですよ。 |
西本 |
ふられつづけている左之助のほうが
うまくいっているように見えるもんなあ。
けっきょく、いちばん割くっているのが
近藤なんでしょうか。 |
糸井 |
濁りが見えないというのは
男として小さくみえますよね。 |
西本 |
振れ幅がデカイほど、
決断していくシーンが
引き立つはずなんですけどね。 |
糸井 |
土方なんかは、特定のラブはないんだけど、
ラブを感じさせますよね。
多摩時代のナンパな過去というのもあるけれど。
今回でいうと、ひでに対して土方が
「楽しくなっちゃ困るんだ」
という言いかたをしているじゃないですか。
あれによって逆に
「楽しくなっちゃうようなラブな部分」を
土方がわかっていることが表現されてますよね。 |
永田 |
永倉の色気はどうですか?
今回、近藤に紹介してましたけど。 |
西本 |
あそこはほんとにやってそうな気がしますよ。
こう、めちゃくちゃ美人という
人じゃないだけにこう、
リアルさが増しますよね。
だいたい、友だちの恋人ですからね、もとは。 |
糸井 |
紹介されて、ちょっと照れてたりしてね。
‥‥どうも今回ぼくらはラブに敏感ですね。 |
西本 |
色気ですよね。 |
永田 |
今週は、色気がテーマ! |
糸井 |
男子部、おおいに色を語る! |
西本 |
芹沢鴨の暗殺も山南さんの時も
色はついてきてましたよね。 |
永田 |
いまにして思えば、
ぼくらが観はじめた芹沢鴨暗殺のあたりが
もっとも色気があったんじゃないですかね。
斬る側の沖田とお梅のやり取りもあったし。 |
糸井 |
だって、寝室で殺し合いですからね。
近藤にしても、あのころのほうが
まだ色気があったような気がするなあ。 |
西本 |
おゆきとの関係ができて
色気がなくなるというのは
わからなくはないですけどね。
結婚して色気がなくなるというか。 |
糸井 |
うん。とくにいまは妾じゃなくて、
嫁扱いになってるからね。
なにしろあの家は
風通しがいいからねえ。
つまり、風通しがよすぎると、
色が飛んじゃうわけさ。 |
ふたり |
うまい! |
糸井 |
つまり、風通しがよすぎると、
色が飛んじゃうわけさ。 |
ふたり |
2回言うな! |