『新選組!』
with
ほぼ日テレビガイド
第44回 「局長襲撃」を観て


永田 第44回を観おわりましたが‥‥。
糸井 観おわったけどね‥‥。
西本 いやあ‥‥。
永田 やっぱ、あの予告編が!
糸井 本編よりも先に
予告編を語るってのも、なんだけど。
西本 でも、読者の方からのメールも
圧倒的に予告編に対してのものが
多かったですよ。
永田 予告編を観て号泣する人多数!
糸井 そんなドラマあっていいのか。
西本 たいへんなドラマです。
糸井 というか、次回、なにも
あんなタイトルつけなくてもいいだろ。
ふつう、『源三郎、死す』だろ。せめて。
もう、おもちゃにされとるぞ、わしらは。
永田 視聴者がいちばんストレートに
感情移入しやすいタイトルですよねえ。
西本 だっていままでは、
『ある隊士の切腹』とか匿名扱いですからね。
『友の死』とかね。
永田 それが完全に名指しですからね。
うーん、ってことは、そうなんだろうなあ。
先の展開を知るのが嫌いな僕としても、
これはさすがに受け入れざるをえない。
糸井 あなたはまだそんなことを言ってるんですか。
西本 こないだ、「あと何話で終わりですかね?」
って何気なく聞いたら、
それだけで怒られましたよ。
永田 っていうか、これ、
本気でちょっと心配するんですけど、
来週から観るのをやめる人って
いるんじゃないでしょうか?
こう、途中でやめるというよりも、
「もう十分観た」という感じで。
西本 あるかもしれませんねえ。
糸井 これ以上はもう、エピローグなんですよね。
いわば、舞台裏の楽屋の話なんです。
みんなが観ている表舞台は
あの、背広着ている人たちの話なんです。
永田 あ、薩長の軍隊!
ついに洋服が出ちゃいましたねえ。
外国から調達したんでしょうかね。
糸井 あの背広はねえ、なんともね、参ったね。
西本 新しいビジネスツールみたいなもんですかね。
糸井 ライブドアにとっての
「Tシャツ」みたいなものですかね。
永田 あれじゃないですか。
名刺にメールアドレスが入り出したころって
あったじゃないですか。
ふたり あああ(笑)。
永田 「じゃあ、メールで送りますね」
「いや、うち、メールないんですわ」
みたいな時期。
西本 「社内にメールできる人間がひとりいますから
 そいつに送ってください」みたいな。
永田 「ファックスじゃダメですか?」みたいな。
そういう、統一されてない時期。
糸井 統一されてないよねえ。
時代に取り残される新選組を表すために
わざと背広を登場させて、
道で鉢合わせさせたりしてるんですよね。
今回は、ああいう、「見た目」について
いろんなことを思ったなあ。
永田 たとえば?
糸井 たとえば、沖田ね。
着流し姿が痛々しかったじゃないですか。
西本 昔から袴が似合っていた人だけに。
糸井 そうそう。袴をはいててくれよ、っていうね。
永田 沖田ってある意味「勝利」の象徴というか、
出れば負けねえみたいなところがあるから
余計にツラいですよね。
糸井 着流しじゃ「出られない」んだよね。
今回はそういう、「ファッション」が
気になったんですよ。
永田 これまでにない切り口です。
西本 京都御所前で聞きました。
重ちゃんのファッションチェック!
糸井 たとえば小森サマの鎧兜ね。
「いままでツラくあたってきたが‥‥」
なんてことしみじみ言ってたけど、
「おまえ、五月人形か!」
という格好をしてましたよね。
永田 「久月」!
西本 「顔が命」!
糸井 旧幕府側の人たちは見事に
「久月」化してましたよね。
だってさ、二条城の守備を固めて
なんてことにしてもさ、
まだ攻めてきてもないのに
ガッチャンガッチャンした
格好してたじゃないですか。
西本 一方、新選組は機能的な武装で、
くぐってきた修羅場の数を感じさせました。
糸井 「汚れ具合」みたいなものが
ぜんぜん違うよね。
永田 ファッションチェックということであれば、
ひとこと言わせてください。
ふたり どうぞどうぞ。
永田 とある人物を、今回の
ベストドレッサーに推薦させていただきます。
糸井 それは?
西本 それは?
永田 カマキリ将軍です!
大阪に下るときのかぶり物はもちろん、
注目していただきたいのは
お布団にごろりとお休みあそばされる場面。
絹をあしらった敷き布団の文様と
掛け布団の文様と白装束の文様の
豪華特注三点セット!
糸井 わははははははは。
西本 ぜんぶ、同じものであつらえてましたねえ。
うつ伏せで寝てたら
文様の跡が顔に残りそうなやつ。
糸井 「カマショー」ね。
永田 カ、カマショーですか。
糸井 カマキリ将軍ことカマショー。
西本 発音は限りなく「浜省」っぽく。
永田 カマショー、今日はまた、
輪を掛けて適当なこと言ってましたね。
西本 もはや、あれは「上司」です。
永田 「上司」のわがままに振り回される
「現場」が新選組で。
糸井 いやあ、しかし、
今日またあらためて思ったけど、
新選組に人がいないねえ。
永田 今日の軍議も、スッカスカでしたね。
へなちょこ軍議でしたよ。
尾形くんがいちばんまともなことを言ってたり。
西本 左之助が「『みことのり』ってなんだ?」って
聞くあたりが、もはや笑えないですよね。
糸井 痛いわぁ。いちばんメインが島田だったりね。
あとは土方の穏やかさが寂しいね。
「そうはさせねえ」
なんてことを言うんだけど、
根拠がひとつもないんです。
あえて言うなら、多勢に無勢ということで、
この時点ではこっちが多勢なんですよ。
けど、土方はそんなあやふやな
「多勢」にすがって、
「そうはさせねえ」って
言うような人じゃないよね。
西本 ええ、そうですよね。
それまでの幕府の混乱ぶりをみて
空気を読んでいるはずですから。
糸井 いろんな奥の手をつかって、
無勢なのに戦略で勝ってきたのが土方だからね。
多勢といっても、こっちの兵は、
五月人形ばっかりだとわかってるだろうし。
永田 佐々木サマですら、
ビンテージの五月人形たちを
数に入れて計算してますよね。
糸井 単なる人間の数でしかないのにね。
ぼくは史実として知っているんですけど
裏切りに合うんですよ。
多勢だった旧幕府軍が、ブロック単位で、
どっかんどっかん裏切るんですよ。
もうね、要するに、
朝敵になるかならないかなんですよ。
旗が出たでしょ。あの錦の旗が。
つまり、どの武器でもなく
あの旗が最後のウエポンなんですよ。
西本 なるほど。久坂玄瑞が
「我らは朝廷の敵になってしまったのか!」
と叫んで愕然とするシーンを思い出します
糸井 あの旗に対して弓を引いたら
朝敵になるということだからね。
あっ、だから、今日、ぼくが
ファッションチェックから始めたのも、
そういうことだったんですよ!
永田 錦の御旗というデザインこそが、
古い時代の武器を凌駕する
究極のファッションだと。
糸井 そうです、そうです。
デザインやイコンについて、
私は考えさせられたというわけです。
見事な展開ですいません!
西本 あとづけっスね。
永田 あとづけに決まってんじゃん。
糸井 デザインやイコンについて、
私は考えさせられたというわけですよ。
いや、ほんとに。
永田 ところで、朝敵うんぬん、
というところで思ったんですけど、
幕末、明治維新のいちばんの功労者は、
龍馬でも西郷でも大久保でもなく、
孝明天皇を暗殺した人なんじゃないですかね。
糸井 孝明天皇を殺したのは
岩倉卿だと言われてますよね。
永田 ええ。もしも、
暗殺が事実ならということですが。
孝明天皇がいれば薩長同盟があっても
錦の御旗はあんなに簡単に
あっちにいかないですよね。
糸井 あれが暗殺、殺人だとすれば、
推理小説のセオリーとして、
「得するやつが犯人だ」
ということになりますね。
つまり、将来、
五百円札に描かれる、あの男‥‥。
永田 パントマイムの上手い、あの男‥‥。
西本 『えいごリアン』
ユージ役でお馴染みの、あの男‥‥。
糸井 ところで佐藤B作さんですけどね。
永田 ずいぶん唐突な展開ですね。
糸井 ひじょうに細かい指摘で恐縮ですが、
2回観て、2回とも気になったので
言わせていただきます。
ふたり どうぞどうぞ。
糸井 あの、「‥‥ってか?」っていう語尾は
どうなんですかね。
永田 あ、あれ、気になった(笑)。
西本 「ってか?」は鶴太郎さんの十八番ですよ。
永田 「新選組に戻す‥‥ってか?」
糸井 そうそう。あれは方言ですか。
アドリブですか。台本にあったんですか。
永田 うーん、もっと軽いセリフとして
書かれていたものが、
意外に重々しく言われてしまったとみました。
糸井 あの永井サマという人は、
正式な通達をするときには正座して、
くだけたことをいうときは
雰囲気をがらりと変えるという
性質がありますよね。
だから、「‥‥ってか?」も、
その表現の一環ということもできますよね。
永田 なるほど。
にしもっちゃんはどうですか?
西本 ぼくは、どうでもいいですね!
ふたり そりゃまあそうなんだけどさ。
西本 B作さんで思ったのは、
オープニングの筆文字ですね。
「B作」という縦書きは
すごく違和感があったなあ。
永田 ちょっとないよね、アルファベットは。
糸井 ほかにアルファベットが
入っている人っていますか?
西本 どうでしょう。
ヒュースケンでさえ「川平慈英」と
ぜんぶ漢字ですからね。
永田 「藤子F不二雄」とかですかね。
西本 『まんが道』とかが大河になったら
ありえますかね。ないか。
糸井 いや、わかりませんよ。
すべてのものは、大河ドラマ化される
可能性をもっているのです。
永田 こう、青空にロゴがドーンと、
『まんが道!』 ダダダダ〜ン!
西本 『トキワ荘!』
チャラララ〜チャララチャラララ〜!
ちょっとおもしろそう。
ぼくらが50歳くらいになったら
やってほしいですよ。
糸井 あり得ますよ。だから、
西本さんの一生だって、
大河になる可能性はゼロじゃないんですよ。
永田 青空をバックに
『西本武司!』 チャラララ〜。
西本 うん。悪くないですね。
永田 そうなると、やはり、糸井さんなんかも
登場するわけですね。
糸井 それは解釈によりますよ。
西本武司の一生のなかで、
糸井事務所で過ごした期間を重要視するなら
たくさん登場しますけど、
意外にさらっと扱われるかもしれないし。
永田 脚本家しだいだと。
糸井 脚本家しだい、脚本家しだい(笑)。
西本 ホンがあんまりユニークだと、
「史実と違う」と怒られたりしてね。
永田 西本ファンが怒るわけだ。
糸井 「西本武司とキアヌ・リーブスが
 北九州で友だちだったなんてあり得ない!」
とかね。
永田 そりゃあり得ない(笑)。
糸井 わかんないですよ。
西本 糸井さんの役は誰がやるんですかね?
糸井 そりゃ‥‥うーんと‥‥桂歌丸とか?
永田 ‥‥‥‥ものすんごい、
中途半端なことを言いますね。
西本 一気に冷めましたわ。
糸井 も、申しわけない。
永田 もうちょっと遊べると思ったのにな。
西本 話題を変えましょう。
糸井 申しわけない。
永田 あの、ここのところ強く感じるんですが、
ぼくは『風雲児たち』を読んでいて
ほんとうによかったですよ。
西本 あ、それは思いますね。
糸井 ああ、そうですね。
幕末の全体像がつかめてますからね。
永田 ええ。たとえばB作さんが
「薩摩はどこまでわしらを苦しめれば
 気が済むんだ!」なんてことを
言ってましたけど、
『風雲児たち』を読んでいると
関ヶ原以降、幕府がさんざん薩摩に
イヤがらせをしてきたって
わかるじゃないですか。
糸井 木曽川治水工事ね。
西本 あれはツラい話だった。
永田 やっぱり関ヶ原以降の流れが
ずーっと続いてるんですよね。
で、今回、幕府がなくなるというときに
あらためて思ったのは
家康がつくった
「徳川がついえないようにする仕組み」
というのがほんとうにすごいんだなぁと
いうことなんですよ。
糸井 なるほど。
永田 やっぱり、全国を統一しても、
すぐにこうやって反対勢力がでてくるのが
ふつうだと思うんです。
ところがそうさせないために、
人質を江戸に住まわせたり、
参勤交代をさせたり、城の修理を禁じたり、
船のマストの数だって
勝手に増やしちゃダメだとか
言ってたわけですよね。
だから、家光あたりまでの3代にわたって
作りあげた「仕組み」というのがすごいなと。
糸井 その「仕組み」が300年もったとも
いえるわけだよね。
だから、徳川幕府の300年は、
「繁栄の300年」というよりも
「延命の300年」といえるわけだ。
西本 だから、終わるときには早いんですよね。
永田 300年かけて、
「仕組み」を食い尽くしてきたわけだから。
糸井 抑えきれなくなった地方の勢力が
外国の軍事力と結びつくんだからね。
そりゃコロッといっちゃうよ。
永田 長州も薩摩も背広だけ
買ってたわけじゃないでしょうし。
糸井 実際、ものすごい分量の武器を
長州はもっているんですよ。
それはいわば龍馬が買わせたものですよね。
だからさ、もう、完全に
歴史の表舞台に立ってるのは
薩長と諸外国なんだよ。
ぼくらはいま、なるたけ
それを見ないようにして、
ドラマを観てるけど、
幕府と新選組は完全に舞台の裏っかわに
きちゃってるんだよ。
西本 裏の舞台ですねえ。
でも、近藤や新選組にしてみれば、
ようやく表舞台に上がった気分なんでしょうね。
新選組ができて5年ですよね。
籠が通るのを遠目に見ることしか
できなかった近藤が、5年後には将軍に
「頼むぞ」と肩を叩かれるわけですよね。
えらい出世ですよ。
永田 うんうん。あの、
将軍の前で佐々木サマと議論して
「御前であるぞ!」って
怒られるところ、あったじゃないですか。
糸井 あそこ、よかったねえ。
永田 すごい成長だと思うんですよ。
多摩編では、象山先生のところに行って、
「なにを話しているのか
 さっぱりわからなかった」
とか言ってた近藤ですからね。それが
「僭越ながら、いま戦を
 すべきではないと思います」
とか上様に進言しているわけですから。
西本 多摩の人たちにとっては衝撃でしょうね。
つねさんへの手紙に書いたら
えらいことになりますよ。野際さん号泣です。
永田 そしてあの、水戸藩の人へ
言い放った強いことば。
西本 「お手前方」ですね。
永田 「お手前方」です!
糸井 言葉で人を倒したのは初めてじゃないかね。
逆らえないどころか、
がっくりと膝を突いちゃいましたからね。
あんな力っていままでの近藤にはなかったよね。
西本 なかったですねえ。
糸井 あそこでは近藤は勝てるんですよね。
つまり、舞台裏では
まだまだすごく強いんですよ。
でも、水戸藩の人を言い負かしたところで、
歴史の表舞台には
まったく影響がないんですよね。
西本 なるほど。視聴者としては
溜飲が下がりましたけど、
歴史を動かしたかというと、
そうではないわけですね。
糸井 そういうことです。
永田 しかし、近藤はまったく幕府を疑わないですね。
幕府というか、容保公への忠義なのかな。
あれだけ冷静な目を持ちながら、
なんでああも信じているんですかね。
糸井 国という概念が、
近藤は徳川家で止まるんですよ。
それがイコールだった時代が
イコールじゃなくなったというのが
幕末という時代ですから。
永田 なるほど。
糸井 昔は徳川のことを考えていれば
国のことを考えていることになったんだけど、
そうじゃなくなったとき、
徳川のことを考えないわけには
いかないということなんですよね。
永田 多摩という場所が土地柄として
平和だったというのもあるんですかね。
あれが東北みたいに、何年かに一度、
飢饉があったような
厳しい環境だったら違うんでしょうか。
糸井 上様のことをお恨み申すようなことが
何度かある場所だったら違うだろうね。
一方で、佐々木サマの
「なにがあっても揺らがない感じ」
というのもすごいですよね。
あれはどういう人なんですかね。
中学のときに言われたことを
守り続けるような人なんですかね。
西本 うーん、とりあえず佐々木サマは
エリート街道を駆け上がってきた人ですよね。
永田 頭が固いわけじゃないけど、
超保守派みたいな感じで。
西本 テストはできそうですね。
永田 新郎友人代表スピーチも
そつなくこなしそうです。
糸井 あ、佐々木サマ、
この間、『笑っていいとも!』に
出てましたけど、関西弁でしたよ。
永田 マジですか!
西本 佐々木様が関西弁なんですか!
これは永田さん、ショックでしょ。
永田 いや、びっくりしました。
あの、洋服とか着てましたか?
糸井 着てましたよ。どちらかというと
桑名正博みたいなしゃべりかたでしたよ。
永田 セクシャルな?
糸井 バイオレットですよ。
永田 意外!
糸井 さあ、それで、来週は
いよいよ鳥羽伏見ですよ。
ついに鳥羽伏見ですよ。
永田 ああああああ。
もう、来週は、休みましょうか?
西本 おふたりは、必ず日曜日に
一度観てきてくださいよ。
ぐじゅぐじゅの人と話すのイヤですから。
永田 失敬な!
糸井 泣かないかもしれないじゃないか!
西本 絶対、泣く。
ふたり 泣くな。
西本 しかし、ほんとうに
終わっちゃいますねえ。
糸井 そうだねえ。だって、新選組のメンバー、
あれだけしかいないのに
鳥羽伏見ですからね。
しかも近藤もいないわけですから。
西本 え? 近藤抜きで戦うんですか?
永田 あーーー、あーーー、
先のことは知りません!
糸井 土方が指揮を執るんですよ。
そこで裏切りに遭うんですよ。
永田 あーーー、あーーー、
先のことは知りません!
糸井 錦の御旗を見ちゃったら
「休ませてくれ!」って言って
門をしめちゃうからね。もうたいへんですよ。
昔の任天堂があったあたりですよ。
永田 今週、戦に備えて準備してるあたりで、
すでに「大丈夫か?」って感じですもんね。
「弾薬を詰め終わりました!」って
新選組の隊士が言ってても
ぜんぜん、説得力がない。
西本 ええ。永倉がチェックしてましたしね。
本来ならばあれは山南さんの仕事ですよ。
永田 なにしろ人がいないからね。
適材適所が成り立たない。
糸井 みんな刀の人たちだからなぁ。
あの、袴のない侍こと、沖田のところに、
みんなが人参もって行くじゃないですか。
いちばん先が短いと思われている人のところへ
みんながホッと、やすまりに行くんだよね。
あれは、せつないよね。
ある意味、沖田に未来を託してるんですよ。
いちばん、命が短いはずの人に
明日をみているんですよ。
永田 ああ、なるほど。
糸井 あと、あの場面の藤原くんの
命が消えそうな感じっていうのは
すごかったね。
西本 真っ白で、目のまわりなんかは
黒ずんでて。
糸井 そうそう。
永田 沖田も近藤もいないままで、
鳥羽伏見なのかあ‥‥。
糸井 近藤が「戦で負けたことはない」って
言ってたけど、ある意味あれは、
浮かれたセリフだよね。
だって戦なんてしてねえじゃん。
西本 本当の戦ってやってないですからね。
池田屋くらいかな。
糸井 池田屋にしても戦じゃないですよ。
兵が大勢いるなかで、いちばん下っ端までが
戦うのが戦ですから。池田屋の場合は、
一部の代表が戦ってるだけだから、
たんなる斬り合いですよね。
永田 鳥羽伏見は戦だもんなあ。
糸井 だいたい、ああやって局長が
撃たれてるってことも、
相手の流れになってるってことですよね。
だって、近藤は
サイコロの目で勝ってきた人なのに、
サイコロの目が悪いほうに出たってことだから。
永田 なるほどなるほど。
糸井 しかも向こうは鉄砲だしな。
土方も、「土のうを積んで」だとか
そのくらいのことは
考えるようになっているんだろうけど、
所詮付け焼き刃ですよね。
伊東甲子太郎みたいな参謀もいないし。
西本 せめて観柳斎でもいれば!
永田 メガネノオカッパ、いまいろよ!
糸井 この武器をかしたろう!
ふたり そういうのはいいです。


ほぼ日テレビガイド
〜女子の部〜



モギコ
我らがご公儀のために尽くしたこの5年、
お手前方はなにをした!

ナカバヤシ
しびれました、しびれました。

ゆーないと
お手前方」ってかっこいいですよね。
ぜひ日常でつかっていきたい。

モギコ
お手前方は、
昼食は食べたのですか!

ナカバヤシ
お手前方
打ち合わせしましょう!

ゆーないと
お手前方
どんな動物が好き?

モギコ
なにがなんだかわからん。

ナカバヤシ
話は変わって、徳川慶喜が
大阪に下るとき頭にかぶってたやつ。
めっちゃフサフサ
してましたね。

モギコ
目立ってたよねー。

ゆーないと
あたしゃけっこう好みです。
薩長のとんがり帽子
嫌いじゃない。

ナカバヤシ
副長が洋装になる場面はあるのかな。

モギコ
おっ、そりゃ観てみたいね。

ゆーないと
1コ、気になったんですけど、いいスか?

ふたり
どうぞどうぞ。

ゆーないと
二条城のところで、
新選組一同がズラーッと並んでる場面。

ナカバヤシ
ああ、あそこ!

モギコ
かっこいいよねー。

ゆーないと
あれ、絵?

ふたり
は?

ゆーないと
絵っていうか、
写真?

ふたり
は?

ゆーないと
なんか、誰も動かないんだもん。
あれ、絵? 写真?

モギコ
いや、動画でしょ。

ナカバヤシ
「動画」っていうのも
おかしな言いかたですね。

ゆーないと
むーーー。

モギコ
それはそうと、お手前方。

ふたり
なんですかなんですか。

モギコ
来週は‥‥。

ふたり
来週の話はするな!

モギコ
かっふん。


ほぼ日テレビガイド
〜美術部〜



ほぼ日テレビガイド
〜読者の部〜

(印象的なメールを毎週何通か紹介します!)

=
近藤勇が二条城で水戸藩の人に言ったセリフが、
迫力があってグッときました。
京都に来てから、本当に色んなことがあった、
中身の濃すぎる5年だったから言える、
重みのあるセリフだなぁ、としみじみ感じました。
そのセリフの中で出て来た「御手前方」という言葉。
気になったので「御手前」という言葉を調べたら
「主に、武士が同じ身分同士で使う言葉
(相手を呼ぶ時の言葉)」だそうで。
「ああそうか、近藤勇が水戸藩の武士と
 対等に渡り合える位置にまで登りつめたから
 言える言葉だったんだなぁ」と思えました。
(神奈川県・うし)

=
今回は、「かぶっちゃった朝鮮人参」。
注目は、「それぞれの包装」です。
あれは、各人の「プレゼントのしかた」
ではないでしょうか!
斎藤‥‥それが何なのかもわからずに、
    しかも油紙で包んで渡す。
近藤‥‥とりあえず沢山、篭に入れてあげちゃう。
    摘み草状態。
土方‥‥ちゃんと1つだけ立派な箱に入れて、
    高そうに見せる。(もしくは一点
    豪華主義で結構高いものをあげる)
それぞれの、特に「女性へのプレゼントのしかた」
と見ても面白い違いです。
(高野正宗)

=
近藤さんが朝鮮人参を贈るときに使ったかご!
次の、お孝がお買い物に行くシーンで使ってました。
今ではレジ袋にとって代わられた、買い物かご。
こーゆー、「モノを大切にするっぽい姿」って、
男の人は好きなんだろうなーと思い、
スタッフのみなさんの
何か「願望」を垣間見た気がしました。
(まこ)

=
私は薩摩出身、いや、鹿児島出身なので、
思いは複雑です。鹿児島県民にとって、
西郷はもちろん大久保はヒーローです。
その大久保が、何とも嫌らしい人物に描かれています。
それに、今真剣に応援している
新選組の敵が薩摩とは‥‥!!
幕末に関しては、薩摩と長州は手を結んで
徳川幕府という封建社会を倒し、新しい時代を開いた、
というポジティブな概念だけを覚えていました。
倒される側のことには思い至りませんでした。
「新しい時代を築くんだー!」と拳を振り上げ
意気盛んに勢いに乗って行く方は良いけれど、
武士達にとっては、
今まで命まで投げ出さんと信じて忠誠を尽くしてきた
ボスにあっさりと見捨てられ、
地位も名誉も給料も消えてなくなり
明日もわからぬ荒海に投げ出され‥‥。
それでもなお、昔の地位を振りかざして
威張り散らす者もいて‥‥。
本当に、災難以上の何者でもない
大変な時代だったんですね。
(TOSHIKO)

=
友人が見た『新選組!』の夢が
おもしろかったので送付させて頂きます。
池田屋討ち入り前‥‥
武装した隊士が集まり緊迫している。
新選組隊士である友人は、円座の中に座り、
軍議に参加(ずうずうしい‥‥)
近藤局長(香取慎吾)
「よし、四条通りの方面はお前達に任せる。
 それと‥‥」
ピルピルピルピル‥‥突然鳴り出す携帯電話。
(やばいっ‥‥!! 切り忘れた‥‥!!)
しかし、これだけの隊士がいれば
誰だかは気づかれまいとたかをくくり、
目線をそらしうつむく友人。
すると、スッと局長が立ち上がり、
どんどんどんと音を鳴らしながら
円座を横切ってくる。
友人はどんどん大きくなる足音に、背中に冷や汗をかく。
そして、ピタリと自分の前で止まる局長。
「殺されるっっ!!!」
恐る恐る顔を上げると、そこには鬼の形相の局長が。
その瞬間に、胸ぐらを掴まれ。
近藤局長
「軍議の最中に、携帯を鳴らすとは何事だっ!!」
バッキー!!
グーで殴られて飛ぶ友人。
あわてて起きあがり居住まいを正しながら、
浅葱色の胸元に手を突っ込み、
「申し訳ありません」
と周りにも謝りながら携帯の電源を切ったそうです。
「どうせ殴られるなら副長に殴られたかった」
などと友人が言うので、
「局長が殴ったから、
 副長に切腹させられずにすんだのだ」
と私は力説しました。
(マキ・なお・シホ)

postman@1101.comまで、ぜひ感想をくださいね!
このページを友だちに知らせる。
 

2004-11-12-FRI

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