『新選組!』
with
ほぼ日テレビガイド
第48回 「流山」を観て


西本 録音準備、できましたが‥‥。
糸井 (号泣中)
永田 (号泣中)
西本 ‥‥‥‥。
糸井 (号泣中)
永田 ‥‥ちょっと時間を(涙声)。
西本 ええ、そうしましょう。
(異例の15分休憩)
永田 ‥‥ふーーーーー。
糸井 ‥‥まいった! 今日はダメだ!
西本 おつかれさまでした。
ぼくは泣いてませんが、泣けましたよ。
永田 ふーーーーー。
糸井 いやあ、まいった。
昨日、さんざん泣いたんだけどな。
永田 ぼくもです。
でも、2回目のほうが‥‥。
糸井 2回目のほうが、すごい!
永田 いや、ほんと、そうです。
1回目よりぜんぜん泣けた。
展開を知ってるほうが染みる。
糸井 ほんとだね。
永田 だから、これ、いきなりおすすめです。
明日、土曜日の再放送。
ぜひ、もう一度観ることをおすすめします。
糸井 うん。2回目は、違う。
永田 こんなことになるとは思いもしなかった。
もう1回観れば、
さすがに落ち着くと思うんですけど。
だから、3回目がいつもの2回目。
今回ばかりは、2回目が特別です。
特別な2回目を味わうことができます。
西本 ぼくは泣いてませんが、泣けましたよ。
糸井 参った!
永田 ホントに参った。
糸井 ‥‥無念じゃのう。
ふたり 無念ですね。
糸井 はーーー。どうしましょうね、今回は。
西本 まだ、語れるような雰囲気じゃないですね。
糸井 とりあえず、
ゆるゆるイントロをはじめましょう。
永田 まず、絶対に言っておかなければ
ならないことがあります。
糸井 なんでしょう。
永田 来週の最終回は、15分長い、
1時間の放送なんですよ。
これ、超ぉぉぉ、重要です!!
いつもどおりに録画予約をしている人は
最後の最後の15分が
観られないということもありえます。
糸井 いちばん大事なところを見逃すことになるんだ。
西本 これはNHKにかわって
注意をうながしたいところですね。
来週の最終回は1時間放送!
視聴者ですが、気分は業務連絡です。
永田 お友だちや兄弟、同僚など、
『新選組!』ファンのみなさんは
周囲に声をかけ合ってほしいところです。
糸井 「来週は1時間番組だから
 予約間違えるなよ」と。
西本 ノーモア録画ミス!
ふたり ノーモア録画ミス!
糸井 今週はまず、いろんな問題を
かたづけておきましょうかね。
永田 そうですね。まずは‥‥。
西本 「古田新太問題」ですかね。
糸井 これは、まあ、結論からいうと、
以前の回に出ていた薩摩の鼓笛隊は、
古田新太さんじゃなかったということですね。
永田 そうです。関係者の証言が得られました。
それらは、最後の読者メールのところに
掲載しておきますので、
のちほどお読みください。
さ、にしもっちゃん。
西本 ワタクシ、うそをついておりましたっ!
永田 お、さんま風。
糸井 ま、決着がついたということで、
よしとしましょう。
それよりも今週、山ほどメールが来たのは‥‥。
ふたり 「女ゴゴロ問題」
糸井 まあ、たっくさん来たよなあ。
永田 解説しましょう。
前回のこのページで、糸井さんが
「土方が女に振られたことは
 意味としてとても大きい」
と発言したところ‥‥。
西本 またしてもあんたらは
女ゴコロがわかってない! と。
「お琴は、土方をまだ好きなんだ。
 5年も待ってた彼女の
 女ゴコロがなぜわからん!」と。
永田 ほとんどのメールが
女性読者の方からでしたね。
糸井 ‥‥ひとこと、言っていいですか。
ふたり どうぞどうぞ。
糸井 そぉぉぉんなことは、わかっているっ!!!
ふたり わははははははは。
糸井 そこまで含めて振られたという話ですよ!
ほんとうは好きだったけど
がまんしていたということを含めて、
お琴は土方にこなかったんですよ。
「人」という字じゃなく
「入」という字で終わったんですよ。
それを踏まえて言っているのに、
「切ない女ゴコロをわかってください」って、
なぁにを言ってるんだぁぁぁぁぁぁ!
永田 暴言(笑)。
西本 暴言(笑)。
糸井 まあ、たしかに、ぼくらは、
「男と女の恋愛模様」に関しては、
中学生レベルだと言いましたけどね。
永田 あれがちょっとツッコミを
あおったかたちになりましたね。
西本 たしかに「この3人わかってないなあ」
と思ってもムリない感じでしたよ。
おかげでたくさんメールがきました。
糸井 つぎつぎに石を投げられている
ような感じでしたよ。
誤解を与えるような発言をして
まずかったなと反省する反面、
「そぉおおじゃあないだろぉ!」
という気持ちでメールを読んでました。
永田 その点、冷静だったのは
甲府在住の読者の方々ですよ。
先週、「甲府は山と葡萄と林真理子」みたいな
乱暴な発言があったため、
「甲府をバカにするな!」という
ヒステリックな反論が来るかもなあ、と
ちょっと心配してたら‥‥。
西本 「たしかに甲府は山ばかりです」と。
糸井 (笑)
永田 「70パーセント以上が山地なんです」と。
西本 「林真理子だけじゃなく、
 中田英寿もいますよ」と。
糸井 わかってるなあ(笑)。
西本 甲府読者、お見事!
永田 山梨読者、あっぱれ!
糸井 これは、フォローするわけじゃなく、
ほんとうにそう思っているんですけど
山、山、山という環境は長い目でみると
大きな財産だと思うんですよ。
永田 それはどういうことですか?
糸井 お金で買えないものが大事だってことですよ。
きれいな海を、いまからは
つくれないのと同じことです。
つまり、「いまから山はつくれない!」
永田 ま、そういう壮大な話はさておき、
ドラマの話に行きましょう。
糸井 あっ、また流す気だな!
これはまじめな話だぞ。
永田 いや、わかってますよ。
ドラマの話もしましょうということです。
糸井 まあ、あえてちっちゃい話から
はじめてみましょうかね。
永田 そうですね。
いきなり泣ける場面については
まだ語りたくない雰囲気ですし。
西本 じゃあ、ちっちゃい話、どうぞ。
糸井 釣り糸。
ふたり は?
糸井 冒頭、勇と土方が釣りをしてましたが、
ぼくが注目したのは釣り糸です。
確認できた限りでは、
「浮き」から上の糸は
ものすごく太かったですね。
気になるのは、「浮き」から下です。
水中のしかけがどうなってるのか、見たかった。
永田 それは、つまり、イチ釣りファンとして、
釣りのしかけが気になる、と?
糸井 そうです。
江戸時代の浮き釣りの糸については
ぼくは前々から興味があるんですけど
ああいう、「投げずに真下へ落とす釣り」で
どのような糸が使われていたのかっていうのは
知りたかったですね。
西本 あの場面で釣り糸を観ていたとは。
永田 変わった観かたをする人だなあ。
糸井 もうひとつ、
釣りファンとして言わせてもらうと、
あの場面では、ふたりとも、
もっと「浮き」を見てほしかったですね。
西本 ああ、なるほど。
永田 でも、あのふたりはさすがに
本気で魚を釣る気が
なかったんじゃないですかね。
糸井 に、してもだよ。
浮き釣りの「浮き」というのは、
釣る気がなかったとしても、
ついつい見つめちゃうものなんだよ。
永田 あ、それはそうかも。
西本 そこに「浮き」がある限り。
糸井 見つめざるを得ないんです。
だから、演出としてね、ちょっとだけ、
「浮き」を見つめながら話してほしかったね。
西本 二人の視点は「浮き」にあるんだけど、
心はそこになくて、
大事な話をしているというシーンに。
糸井 そうです。ちょっと夫婦仲が悪いときに、
テレビを観ながらしゃべるような感じでね。
大事な話からちょっと焦点をはずすように。
ま、いまのぼくらもそうですね。
西本 いまドラマのクライマックスについて話すと、
きっとふたりとも泣いちゃいますからね。
永田 否定できません。
いまこの机の上に「浮き」が欲しいくらいです。
糸井 いまはティッシュの箱くらいしかないですが。
もうちょっと「釣り糸」系の、
ちいさな話を拾っていきましょうか。
西本 細かいところで言いますと、
島田が出してきた地図が
石田散薬の袋に入っていましたね。
永田 そうだったそうだった(笑)。
糸井 あれは隠していたということですね。
西本 そうでしょうね。細かい演出です。
糸井 いいですね。じつは今週は、そういう
気の効いたことがいっぱいありましたよ。
あんなに泣いておいてなんですけれど、
笑えるところもしっかりあった。
宇八郎とかさ。
ふたり 宇八郎!
糸井 あれ、もう、ギャグだよね。
永田 生死がはっきりしていないから、
宇八郎はどこかで出てくるのかなとは
思ってましたけど、まさか
最終回直前まで引っ張るとは思わなかったなあ。
糸井 言えてるね(笑)。
西本 あの、宇八郎が出てきたところの
ぐっさんはいい演技をしてましたよ。
永田 あ、視線?
西本 ええ。足から見上げるあの視線ですね。
「幽霊じゃないな」とベタに確認する永倉。
糸井 そうそう、あの場面では、
また、しるこがないがしろになってましたね。
ぐっさんがガッと食べることになっているけど、
口の中にしるこが入っている感じではない。
西本 あの人たちは、また、しるこを食わなかったと。
糸井 ま、しるこじゃなくてぜんざいでしたけどね。
どっちにしても『新選組!』において、
ぼくが言いたいのはね、
「しるこがないがしろではないか?」
ということですよ。
これはぜひ、小見出しにしてください。
永田 この記事に小見出しはありません。
西本 ちっちゃい話を続けますが、
新選組の銃をつかった調練は
めちゃくちゃでしたね。
永田 「殴れ!」「殴れ!」
西本 ええ。鉄砲の時代になったのに
撃つことはしないんですね。
まあ、弾薬の節約と、
周囲にばれないようにという
狙いからでしょうけど、
銃をつかって殴る動きがメインで、
銃の撃ちかたは教えもしない。
もしかしたら、のび太みたいに
ケンカはからっきしだめだけど、
鉄砲の腕だけはすごいってやつも
出てきたかもしれないのに。
鉄砲を教える人がいないんでしょうね。
糸井 あのあたりは逆に
リアリティーを感じたね。
流山の田舎で、ああいうことを
やっていたんだろうなあ。
あと、あの場所に官軍が
あんなに早くにいたということは、
いかに官軍の勢いがあったかということだね。
もう、あちこちに官軍が
びっしりいたということだろうね。
あの、妙な格好をしながらね。
なんでもあのかぶり物は、
ヤクの毛皮らしいんだけど。
永田 あ、メールが来てましたね。
たいへんためになる内容でしたので
紹介しておきましょう。

=
気になったのが官軍の派手な被り物。
調べてみますと
ヤク(チベットとかにいるやつです)の毛製で
白熊(はぐま)/長州
赤熊(しゃぐま)/土佐
黒熊(こぐま)/薩摩
と藩を表していて、
江戸城収蔵品を再利用
して作られたものとか。
(マリオ)
西本 なるほどなるほど。
糸井 変な格好だけど、
江戸城のものをつかっているというところに
戦利品という意味があるのかもしれない。
西本 でも、決して格好はよくないですよね。
永田 時代の節目だから、みんな、
どういう格好をしていいんだか
よくわからなかったんじゃないですかね。
衣替えの時の「今日、夏服? 冬服?」
みたいな感じで。
西郷も中途半端な格好してましたし。
西本 坊主系の頭だけど、ズボン。
糸井 格好だけじゃなく、江戸城が開城しちゃったら
思想もよくわかんない感じになってるね。
知らないうちに攘夷という
お題目がすっかり消えて、
全員が開国派になっているし。
永田 ちょっとまえまでは、
基本的にどっちも攘夷だったはずですよね。
「佐幕」か「尊王」かの差があるだけで。
糸井 それがあっさり開国になってる印象があるよね。
西本 ウタノマエの、西郷と勝海舟のやり取りも
ずいぶんあっさりしてました。
糸井 あれはもう、
わかり合ってる者どうしの会話ですね。
将棋のうまい人どうしが、
最初の何手かをどんどんさすような感じで。
永田 旧幕府側の投了の早さも、
将棋のうまい人の判断みたいでした。
素人から見ると、
「あれ? もう負け認めちゃうの?」
みたいな。
糸井 あれは、あのふたりだからこそ
説得力が出てるんだよね。
永田 でしょうねえ。
「江戸はやるから、攻めるのやめろ」
「やめます」ですからね。
糸井 見事ですよ。そのあとの勝海舟の
「ま、オレの家じゃないけどよ」
っていうのもよかったなあ。
西本 で、西郷がガッハッハと笑いながら、
障子がピシャリと閉まる。
糸井 あのへんの、障子がパッと閉まって
つぎのシーンへ行くみたいなところは、
舞台のにおいがすごくしたね。
西本 ああ、なるほど。
糸井 「舞台のにおいがする」っていうのは、
『新選組!』全体の大きな特長ですよね。
それを大河ドラマに持ち込んだというのが、
すごく大きなことだと思うんです。
だから、映画にもテレビドラマにも
似ていない感じというのがあるんですよ。
永田 前回の沖田とおみつの会話や、
今回の沖田とお孝のやり取りも
舞台っぽい流れでしたよね。
話しながらテンションがリンクしていって、
どっちかが立ちあがると、
相手も立ちあがって、みたいな。
糸井 それで、一段落したら、
舞台がさーっと変わって
つぎのセットが出てくるみたいな感じでね。
そうそう、先日、
久しぶりに歌舞伎を観てきたんですけど、
『新選組!』って舞台の時代劇の手法を
あえてやってるんだなって再確認できましたね。
西本 一方で、テレビドラマならではの
長所を活かしているのが、
セットの緻密さですよ。
冒頭の釣りの場面で、周平が登場するとき、
バックの木々がちゃんと揺れてるんですよ。
永田 セットでいうと、あそこもすごかったですよ。
古田新太さんと近藤が背中合わせで語るところ。
カメラがふたりを中心に
ぐるーっと回るんですよ。
つまり、ほぼ360度、きっちりセットを組んで、
カメラが回ってもおかしなものが
映らないようにしてるわけですよね。
そういうのもあって、
あのシーンは見応えあったなあ。
糸井 えっ、もうそんな話を
してしまっていいんですか?
永田 あ、踏み込みすぎましたか。
西本 もうボチボチいいんじゃないですかね。
糸井 そうですね。
永田 もうだいぶ冷静になりました。
糸井 じゃあ、話しましょう。
いや、よかったね、古田新太さん!
ふたり よかったですねー。
糸井 あそこの背中合わせのシーンなんて、
ほんっとにカッコよかった。
三船敏郎の映画の「新選組」では、
あの、古田新太さんの役が
萬屋錦之介なんですよ。
「勧進帳」でいえば、「富樫」の役ですから、
なにしろ、あの役はものすごく大事なんです。
『新選組!』の公式ページでも
三谷さんが言ってるけど、
いわば、『新選組!』の最後の重みとして、
いまの舞台俳優の実力者を
あえて持ってきたわけですよね。
西本 知名度に左右されず、役柄を考えて、
きっちりハマる人をもってくるという、
『新選組!』らしいキャスティングですよね。
若い人だと『木更津キャッツアイ』の
オジーの印象が強いでしょうから、
びっくりしたんじゃないですか。
永田 古田新太さん、今回が初登場なのに、
「怖そうな敵かと思いきや
 じつは頼もしい味方」っていう
ひとりどんでん返しを
あの短い時間で成立させてしまっているのが
すごいですよね。
西本 登場シーンのインパクトもすさまじかった。
「チェーーストーーーー!」の絶叫で、
政治的な動きをする官軍のなかで、
唯一の武士であるということを
アピールしていたように思います。
永田 しかも、官軍のなかで、
ちょっと浮いている感じというか、
偉い人たちが扱いに困っているという
雰囲気がすごく伝わってきて。
糸井 いうなれば、あの役どころは
「狂気をはらみつつのまっすぐ」
という系統ですよね。
いや〜、迫力があったなあ。
しかも、あの迫力というか、古田さんの力が
周囲へもいい影響を及ぼしてる。
あれだけ存在感を出すと、
受け取る香取くんのバランスが
どんどん重くなっていくんですよ。
ところが香取くんはそれを受け止めて、
近藤勇という男の大きさを表現している。
あれは、上手だったね。
たぶん、終わっていく『新選組!』に対して
胸がつまるようなことがきっとあって、
それが彼を成長させていってるんでしょう。
近藤勇に対しても、香取慎吾に対しても、
古田さんがうまく作用しているんですよ。
永田 あの短い時間に
お互いがお互いをわかり合って、
信用し合ってるという説得力が
生まれているのがすごいですよね。
「初対面なのにそこまで信用するか」って
観てる側が感じないから。
糸井 やっぱりあの背中合わせのシーンの
説得力ですよ。
いやあ、あそこはよかったねえ。
永田 人間ドラマとして見応えがあっただけでなく、
ちょっとしたサスペンス仕立てにもなってて
手に汗を握る展開でしたね。
捨助の言動にはらはらしたし、
土方がスッと移動して銃を構えてるあたりも
持ち味が出ててよかった。
糸井 あの土方は有馬を狙ってるとみていいんだよね。
捨助を狙ってるわけじゃなくて。
西本 旗を見られてバレると思った瞬間、
土方は有馬に斬りかかろうとしてましたから
この場合は有馬じゃないでしょうか。
糸井 そうですよね。2度観たら、
捨助という観かたもあるなと思ったんですが。
西本 どっちにしろ、撃ってしまったときは、
土方はきっと銃の暴発という理屈を
持ち出したんだろうなと思いました。
「寄せ集めの軍隊だから
 銃の扱いに慣れてなくて
 暴発させてしまった」
というような理屈で。
糸井 なるほどね。
永田 いや、でも、捨助にはやられたなあ。
三谷さんの思うつぼだった。
西本 ええ。出て来た瞬間、隊士同様、
視聴者も「やばい!」と思ったはずですよ。
永田 思った思った(笑)。
このシーンのために、いままでさんざん
余計なことをしてきたんじゃないかと
思えるくらいの見事さでした。
糸井 ホントだよね。
だとしたら、長い前フリだよなあ(笑)。
永田 以前、年末年始のテレビガイドで話題になった
ナインティナインの年越し特番くらい
長い前フリですよ。
糸井 わはははははは。
あの、たのしめる人が限定される年越し番組ね。
永田 あれ、今年もやるんですかね。
糸井 個人的にはぜひやってもらいたいけどね。
西本 ついでですから発表しておきましょう。
昨年大好評でした、
「年末年始のテレビガイド」
今年ももちろんやります!
『新選組!』が終わったからといって
「ほぼ日テレビガイド」が終わるという
わけではございません!
永田 というか、あっちが原点ですからね。
いまは「ほぼ日テレビガイド」の
「『新選組!』編」ですから。
糸井 ま、テレビを通じたおもしろそうなことには
なんでもくっつくのが
「ほぼ日テレビガイド」の売りですからね。
アテネオリンピックのスペシャル
いちおう「ほぼ日テレビガイド」の
スペシャル企画という扱いでしたし。
西本 年末年始の対談は
来週あたりにやりますから
時間空けといてくださいね。
ふたり 早いな!
西本 あなたがたに任せておくと
ちっとも進みませんから、
進行関係はきっちり仕切らせてもらいます。
永田 ひー。
糸井 それはそれとして、
ドラマの話に戻りましょう。
西本 はいはい。
永田 2回目観て思ったんですけど、
そもそも、もういっぺん新選組を作る
というのがすごい話ですよね。
戦に負けた。京を追われた。
刀の時代は終わった。江戸城も開城した。
そのあたり、十分に実感したうえで、
もうひと事業、興すわけですからね。
西本 ええ。みんなが
「俺たちどうする?」と思っているときに、
さらりと一大プランを発表してましたからね。
「新しい隊士を募る」と、ふつうに。
あのあたりは本来の土方っぽいです。
糸井 女たらしにも戻ってたあたりも、
土方復活という感じだったね。
しかし、おもしろいやつだねえ、土方は。
新選組をつくるということが
もう人生なんだろうね。
西本 『筋肉番付』でサスケを
ずっとやり続けている人みたいですよね。
糸井 ‥‥なにを言ってるんですか?
永田 ‥‥意味がわかりません。
西本 「オレにはこれしかない」っていう
土方の新選組に対する入れ込み方には
サスケに入れ込んで
自宅にセットを組んじゃった
元消防士さんみたいなものを感じた
ということですよ。
糸井 はっきりいってその意見には賛成しません。
永田 久々に見事な反面比喩ですね。
西本 恐れ入ります。
永田 ほめてねえって。
糸井 どさくさに紛れてつけ加えると、
色男だと言われている土方は、
系統でいうと川口系ですね。
永田 川口系?
糸井 元広島で、巨人に来た、
左ピッチャーの川口和久ですよ。
永田 ああ、はあ、そうッスか。
糸井 もうちょいわかりやすくいうならば、
「川口、リチャードギア」の流れですね。
西本 ああ、はあ、そうッスか。
糸井 リチャード・ギアと川口は元々似てるからね。
ふたり ああ、はあ、そうッスか。
糸井 もっとましな反応があっても
いいんじゃないですか。
永田 長い前振りを経てようやく
佳境に入ってきたんですから
もっとドラマ本編について語ってくださいよ。
糸井 そんな簡単に振られても困りますよ。
こっちは号泣してたんですから!
永田 ぼくだって号泣してましたよ!
西本 おかしなことを
主張し合わないでください。
永田 じゃあ、ええと、斎藤はどうですか?
糸井 あの人は、よくしゃべるようになりましたね。
なんというか、思想が消えたね。
「いつ死ぬんだ?」というのも
いいセリフだったねー。
西本 あのシーンはよかったですね。
「いつ死ぬんだ?」の問いに
「夏」と答えた沖田。それに対して
「涼しくなる前にまた来る」と返した斎藤。
返しにもセンスがありますよ。
いまの斎藤なら、
ほぼ日スタッフとして欲しいくらいです。
糸井 そんな評価のしかたがあるとは驚きです。
永田 一方、斎藤に本気で怒られた尾形くんは
ちょっとかわいそうだったなあ。
こう胸ぐらをつかまれて
こう床に叩きつけられてましたからね。
西本 古くからいて前線にいた
隊士に言われるのはかまわんが
刀のかわりにそろばんをもってたお前には
言われる筋合いはないってことでしょうか。
永田 にしても、みんなといっしょに
談笑してたつもりだろうから、
突然自分だけ胸ぐらつかまれるとは
思ってなかったでしょ。
西本 むー、となると斎藤くんも、
うちのスタッフとしてはちょっと問題あるな。
永田 もういいって。
糸井 沖田と斎藤のやり取りに戻りますけど、
ぼくが「いつ死ぬんだ?」以上に
興味深いなと思ったのは、
「おまえは戦をしてないから
 わからないだろうけど」という
斎藤のセリフなんですよ。
沖田みたいなすごい刀の使い手に対して
あのセリフは重かったなあ。
何人、人を斬ったって
沖田は道場の中の人なんだよね。
京で不逞浪士を斬るのと
戦はぜんぜん違うからね。
たしか、池田屋とか蛤御門とか
そのあたりだったと思うんですけど
近藤が「これは戦だ!」と
叫ぶ場面がありましたよね。
いまにしてみれば、
ちっとも戦じゃなかったんですよね。
あの時の戦の概念とこの時の戦の概念が
まったく違うってことですよ。
まあ、毎週言ってますけど、
「たった5年の話」ですからね。
西本 先週の「5分の1プラモデル縮尺理論」は
けっこうな反響がありましたね。
糸井 伝わりづらい話かと思ったんですが、
意外に反応がよくて驚きました。
永田 さあ、そして、
今週はやっぱり近藤じゃないですか?
ふたり 近藤ですねえ!
永田 泣かないように話していきましょう。
糸井 今週もまた火の中に飛び込むようなことを
やってましたよね。
あれが近藤の魅力なんですよ。
ずいぶんまえに、三谷さんがメールをくれて、
「『芹沢鴨、爆発』を観ておいてください」
と言っていたことを思い出しますが、
やっぱり、あれが近藤の原点なんです。
まっすぐな博打打ちなんですよね。
永田 今回、そ、いう意味では、
「信念でサイコロの目を変える近藤」が
復活してましたよね。
命がけで話して、甲子太郎の心を変えたように、
有馬と見事に心を通じさせましたから。
糸井 そうだね。ただ、そこで終わりかというと、
そうじゃなかったところが、
やっぱり勢いを失ってるところだね。
永田 出頭せざるをえなくなって‥‥。
糸井 あそこは、土方が久々に
戦術を出して授けているところが
ほんとうに泣けましたね。
かっちゃんのために
戦術を出す役をしている時の土方は
最高にかっこいいね!
西本 で、「うそをつき通してこい」と。
永田 「どんな手を使っても生き残れ」と。
ああ、いかん、泣けるわ‥‥。
糸井 唯一の戦術が
「うそをつきとおす」というだけなんだよなあ。
また、うまくあの名前をもらってたもんだね。
このうそをつくために名前を
もらったようなもんじゃないですか。
‥‥クロネコヤマト。
永田 大久保大和です。
糸井 冷静なツッコミですね。
永田 出かけた涙も引っ込んだわ。
糸井 なんであんな名前をもらったんだろうね。
永田 上様からもらったと言ってましたね。
「甲陽鎮撫隊」と同じじゃないですか。
近藤勇の名前を残しておくと、
人が集まったりしてまずいから、
急ごしらえに名前をつくって
与えたんじゃないでしょうか。
西本 とすれば、勝海舟発案、
カマキリ将軍経由の名前でしょうね。
糸井 それで、まあ‥‥加納くんですよ。
永田 はあーーー。
加納さんは‥‥よかったですねえ‥‥。
セリフなんか、ほとんどないのに、
ずっとよかったですね。
入った時の伏し目がちな視線とか、
いたたまれない感じとか、迷いとか、
いろんなことに誠実な感じとか、
ほんとによかった。
西本 甲子太郎の腹心とも呼ばれた男が
官軍ではただの歩兵ですよ。
どれだけ薩長を中心とした
組織であったかがしのばれましたよ。
糸井 いろいろあったんだろうね。加納もね。
永田 まっすぐな人ですからね。
甲子太郎が近藤を刺すと決意したときも
「卑怯じゃないか」ということを言ってたし、
近藤を撃つ篠原に対しても、
「闇討ちじゃないか」と言ってたし。
糸井 ある意味では、甲子太郎の開国論に
合わせての転身とも言えるんですよね。
迷ったすえ、甲子太郎の教えを
守ったのかもしれないですよね。
永田 障子が開いて加納が入ってきたとき、
それまでとんがり帽子だったのに、
脱いだとたんに、
チョンマゲに白ハチマキっていう、
武士の顔をしてたのが
なんか、泣けましたね。
糸井 ああやって、出で立ちを
すっぱり切り替える余裕もなく、
行軍してきたんだろうね。
西本 ちょっと前後しますけど、
近藤がシラをきりとおしているときに
古田新太が上司にばれない位置で
「オッケーっす、近藤さん!」みたいに、
微妙にうなずいてるのがよかったですね。
永田 あれ、すごいと思った。
はっきりうなずいてるわけじゃないんだけど、
観てる側にはなぜかはっきりと
「オッケーっす!」が伝わるんだよね。
あれって台本にかけないよなあ。
だって立ってるだけだもん。
あからさまにかばうとヤバイことになるから
有馬も我慢してるんだっていう感じも
すごくわかったし。
それで、取り調べが一段落してから、
「もう帰した方がいいんじゃないですか?」
ってさり気なく進言するあたりも、
有馬の「デキる感じ」というのが出てた。
糸井 そこで上手くいったかと思ったときにね‥‥。
永田 ああ、そうですね。最後は、ほんと‥‥。
糸井 近藤勇の役割とか、存在を、
宗教家だということを言うと
「宗教」ということばに過剰反応しちゃって、
「そうじゃないです!」という人がいるけど、
やっぱり近藤勇には、
論だけでは割り切れない、宗教的な面、
宗教家としての魅力があると思うんです。
あの最後の場面でいうと、
今回は加納という人が、近藤の目の前にいる
迷える小羊になったわけじゃないですか。
そのときに、いわばキリストとしての近藤が
正体を明かしてもいいから
加納を抱きしめるわけじゃないですか。
そこにみんなは感動するわけですよね。
以前、吉本隆明さんが、
「イエスの方舟」の千石イエスという人について
語っていたことを思い出すんです。
吉本さんが言うには、千石イエスという人は、
迷っている対象がいると、
その人と、共振し合って、共感し合って、
いっしょになっちゃうんだって。
だから、イエスの箱船にいる女の子が
「死にたい」っていうと
本気でその場で「死のう」って言えるんだって。
そうすると両方が救われるんだって。
つまり、「いっしょに死のう」と
本気で思ってくれる人が目の前に表れたときに
はじめて死なないですむ道ができるんだ、
っていうことを言ってたんですよ。
死ぬのはいけないとか、
そういう話をするんじゃなくて、
「わかった、オレがつき合う」
と言ってあげることで
両方が生きちゃうみたいなことで。
そういうものを持っているのが
宗教家の資質なんだっていう。
それ、ずばり今回の近藤勇じゃないですか。
西本 そうですね。
永田 そういえばあの場面の音楽も
賛美歌みたいだったなあ。
糸井 まあ、キリスト教を描いているというわけでは
まったくありませんけど、
西洋に通じるような描きかたというのを
三谷さんはけっこうやっているような
気がするんだよね。
永田 でも、あの、ラストのシーンの機微というのは、
2回目のほうが味わえましたね。
1回目はどうなるんだろうという不安や
結果がわかったときの驚きがあるから、
どうしてもそっちに持ってかれちゃうんだけど、
2回目はそれがないぶん、
どっぷりはまれました。
糸井 また家に帰ってもう1回観ようかな‥‥。
おれ、近藤が土方と抱き合うところで
この回は終わるんじゃないかと思ったんだよ。
こう、ふたりがアップになったところで‥‥。
永田 「次回予告」と。
糸井 そうそう。それでいいと思ったんだよ。
そしたらさ、あれでしょ。まいったなあ。
近藤と土方の別れもよかったよなあ。
永田 あそこは、ぼく、近藤ではなく、
香取慎吾に泣けたんですよね。
あの場面って、役柄としては、
今生の別れになるとは
わかってないわけですよね。
でも、香取さんの表情から、
「ここが別れになるんだ」っていうことが
なんとなくにじみ出てる気がして。
でも、それが、なぜかうれしいんですよね。
糸井 あの場面、第1回のコルクを
きちんと出してきて片づけるあたりも、
永田くんは好きですよね?
永田 ああ、好きですねえ!
糸井 ぼくはもう、ああいうのは、
すっ飛ばしちゃうね。
つくってて、スタッフに
「コルク入れといたらどうですか?」
って提案されても、
「コルクはもう、いいよ」って言うな。
どんどん行っちゃおうって。
永田 糸井さんのそういうところも
すごくわかりますよ(笑)。
糸井 「コルクのことはみんなが想像するんだよ」
って、永田くんみたいなスタッフに説明してね。
「きっとふたりは最後まで
 コルクを持ってたんでしょうね」って
みんなが語るから、それでいいんだよって。
西本 ぼくの役割で言うと、
コルクをあまりに大事にしすぎるスタッフが
「いっそコルクだけで1本つくりましょう」
みたいなことを言い出したときに
「いやいやいや!」って止めるタイプですね。
糸井 それもわかるわ(笑)。
永田 ぼくがスタッフだったら、
糸井さんが「コルクはナシにしよう」
って決めたあとに、
セットのどこかにさり気なく
コルクが置いてあるとか、
ふたりの胸元からコルクの袋が
ちらっと見えるとかいうふうに準備して、
「糸井さん、これくらいはどうです?」
って言いますね。
糸井 ああ、着替えのシーンとかでね。
で、言われたぼくは、その塩梅をみて、
「いいんじゃない?
 でも、流れ、止めないでね」と。
おれはどんどこ押したいタイプだから。
やっぱり性格が出るんだろうなあ。
でも、今回は、ほんとうによかったですね。
ふたり よかったですねえ。
糸井 今週、なにがおもしろかったかって
史実を知っているのに
「どうなるんだろう?」って
本気で思ったことです。
どの場面が地雷を踏んじゃったんだろう
というようなことや、
ここはうまく行くんだろうかと思うような、
目の前でどっちに振れるか
わからないことが山ほどあった。
だから傑作の回だと思うんですね。
永田 ま、ぼくは、泣くのはめずらしくないんですが、
あれほど泣けたというのは、
別れが悲しいとかそれだけじゃなくて、
そういう、「どうなるんだ?」っていう部分で
感情の根っこが終始揺さぶられてたのが
とっても効いてるように思います。
糸井 そうですね。
あと、本当は次回が死ぬ回だけど
今回のテーマがこそが、「死」ですよね。
一切が死んでいってますよね。
「いつ死ぬんだ?」という沖田へのセリフが
ドラマ全体への呼びかけだね。
西本 なるほど。そしていよいよ来週は最終回です。
永田 予告はほんとにやばかった!
「源さん、死す」の予告もやばかったけど、
衝撃の桁が違った。10秒で泣いた。
糸井 あれはひどいよなー。
ええと、最終話のタイトルってなんだっけ?
西本 「愛しき友よ」。
ふたり うわーーーーーー!
西本 らーらーらーららららー♪
糸井 いよいよだなあ。
永田 いよいよですねえ。
西本 最終回に向けて、どういう心境ですか。
永田 ええと、ぼくは、じつは、
どうせ泣くに決まってるんですけど、
いまは、悲しさよりも
「至福のひとときを迎える」という
喜びのほうが大きいんです。
長くつむがれてきたものが、
最後の最後に着地する瞬間というのは、
娯楽につき合ううえで醍醐味なので。
ゲームが終わる瞬間とか、
本の最後の1ページを読み終えて
パタンと閉じる瞬間とか、
そういうのが好きなんです。
着地に備えてわくわくしているというのが
正直なところです。
糸井 よくさ、つぎの恋人ができるまで
別れられないということがあるじゃないですか。
ぼくは、あれに近いことになってます。
だってさ、この日曜日のこの時間が
これからすっぽりとなくなるんだよ。
「先週までは‥‥」って
きっとなるんだよ思うんだよ。
永田 あああ。
西本 来年の過ごしかたまで影響しそうですね。
「去年のいまごろは池田屋だったなあ」とか。
糸井 その意味では、ずっと思い出す1年になるね。
永田 ずっと思い出す大河ドラマというよりも、
ずっと思い出す1年に。
糸井 うん。
永田 にしもっちゃんは?
西本 ぼくは心構えというよりも、
来週の日曜日をどこで迎えるかという
報告をしておきます。
永田 あ、あれか(笑)。
糸井 なんです?
西本 日曜日の最終回、ぼくは薩摩で観ます!
糸井 なんですか、それは。
西本 来週の日曜日は
FC東京の試合が鹿児島であるんです。
日帰りができないんで鹿児島で
『新選組!』を観ます!
糸井 ばかにうれしそうですね。
永田 いわば、作・演出・主演・西本武司という
自作自演イベントですよ。
西本 アウェー薩摩で『新選組!』を観るんですよ!
糸井 ‥‥別におもしろくない。それ。
永田 ばっさり(笑)。
西本 ちなみに宿は桜島の真ん前です。
永田 最後にもう一度言いますが、
とにかく、最終回は15分長い
1時間の放送ですので、
ほんとうに注意してください。
西本 DVD企画は進行中ですが、
来週の最終回でも具体的な特典などは
発表できないと思います。
どちらにしても発売は来年2月予定ですので、
もうちょっと先の話になります。
きっと、そのころにはみなさん、いまより
『新選組!』熱も冷めていることでしょう。
この熱い気持ちを貯金しておいて
2月に引き出したいという方は
「うっかり防止隊」の方まで
メールアドレスを登録していただければ
おもしろメールで発売や特典について
忘れたころにお知らせをします。
糸井 ま、とりあえず、いよいよです。
ハバァ・ナイス・ウィークエンド!
ふたり ハバァ・ナイス・ウィークエンド!


ほぼ日テレビガイド
〜女子の部〜



モギコ
仕事で社外の人と
電話してて、会話に
『新選組!』という
ことばが出ただけで
涙をためてしまった
モギコでございます!

ナカバヤシ
ゴーゴーと
泣いたことにより、
内容をほとんど
覚えていないという
ことに気づいた
ナカバヤシでございます!

ゆーないと
西郷どんって
茶髪? 
ねえ、茶髪?

ゆーないと、
ゆーないとでございます!

モギコ
あたしゃとにかく泣いたよ。
もー、ひどい。

ナカバヤシ
ほぼ日ストアの趙さん(*)は、
泣きすぎて吐いた
そうです。

*ほぼ日ストアのカスタマー係
「新選組!」はもちろん初回から観ている。

ゆーないと

オガーさん(*)は、
泣きすぎて
脇腹がつった

そうです。

*「声に出して読めない日本語」毎週土曜日
「読めない土曜の女たち。」でおなじみオガーさん。
「新選組!」はもちろん初回から観ていて、
さらに、 DVDに焼いて保存してある。


モギコ
もう、なんか、
関係ない話をしようぜ。

ナカバヤシ
いいですね。じゃあ。
亀の親子で遊ぶ
左之助
は、
自分の子どものことを
思っていたのでしょうか?

モギコ
そう! そういう話題!

ゆーないと
宇八郎は、
こざっぱり
してると変!

無精ヒゲを復活させてほしい。
誰だかわからん。

モギコ
いいねー、泣けない話題。

ナカバヤシ
モギさんもなにか
気楽なネタをおひとつどうぞ。

モギコ
はいはいはい。
じゃあね、ええと‥‥。
‥‥‥‥うーん‥‥
か、加納ーーっ!

ふたり
泣ける話をするなっ!


ほぼ日テレビガイド
〜美術部〜




ほぼ日テレビガイド
〜読者の部〜

(印象的なメールを毎週何通か紹介します!)

=
いつも楽しく拝見しています。
ここのところ話題になっている
古田さんですが、
あの太鼓叩いてたのは古田さんではありません。
あれは宮地良幸さんというかたです。
トラブルモンキーズというバンドご存知ですか?
川平慈英さん(ヒュースケン)
&本間憲一さん(西村兼文)を
メインボーカルに舞台などで活躍する
音楽家さんたちで結成された、
総勢10人程のバンドなのです。
宮地さんはそのバンドのドラムです。
11月22日にライブがあったのですが、
その際、この中に新選組に
出ていたメンバーが3人いるという話になり、
慈英さん本間さん以外に誰?
と騒然となったのですが、
それがなんと宮地さんでした。
ライブハウスで新選組のビデオを
スクリーンで皆で見たんですが、
本当に流れたのは一秒くらいでしたよね。
私もそのとき、古田さんかと思いましたが、
あれは宮地さんです。
ご本人も撮影した時の話をされてました。
(タヌキ)


=
お答えします。
以前登場した、太鼓を叩く官軍兵士ですが、
結論から言えば、古田新太ではありません。
宮地さんといって、
僕の「オケピ!」という
ミュージカルの実際のオケピで、
太鼓を叩いていた専門の太鼓叩きです。
これまで古田に似ていると
思ったことはなかったのですが、
あのシーンでの宮地さんは、
確かによく似ていました。
古田は、次回と最終回に登場する
有馬藤太役です。
古田新太=有馬藤太と、
綺麗に韻を踏んでいますしね。
(三谷幸喜)


=
今日は、見ていて本当にビックリしました。
沖田総司が千駄ヶ谷の植木屋の
世話になりますが、
その植木屋平五郎の役ををむかしむかし
『燃えよ剣』で沖田総司をやっていた
島田順司さんが演じていたからです。
「ああああ!!! 昔の沖田総司が
今の沖田総司と一緒に出てる!!!」
私のオドロキは尋常ではありませんでした。
三谷幸喜と言う人は、
本当にすごい人だなと思いました。
最初の方で、土方歳三の兄だった人の役に、
『燃えよ剣』で土方歳三を演じていた
栗塚旭さんを使ったりもしていました。
『燃えよ剣』は、私が中学生だった時に
テレビで既に再放送していて、
それをみてからすっかり新選組にはまり、
ずっと沖田総司一筋の青春を過ごしました。
島田順司さんは、私にとってとても大切な
思い出の俳優さんなのです。
三谷さん、ありがとう。
私の中で、沖田総司がきちんと完結したような、
しみじみありがとうと言いたいような
気持ちになりました。
『新選組!』本当に、一年間楽しませていただいて、
ありがとうございました。
最後にこんなプレゼントをいただき感謝です。
いよいよ来週は最終回。
きっと泣いちゃうだろうな。
(生駒市 あらじん)


=
冒頭の釣りのシーンにまずやられました!
とってもイイ男だから、
土手に隠れて地元の娘達が
よく覗き見をしてたって逸話のシーンですよね。
もう三谷さんてば、
史実には縛られない! ってフリしながら、
コアなファンのために
ちゃんとサービスしてくれて♪
(ミズキ)


=
冒頭に釣りのシーンがありましたが、
座っている土方@山本耕史くんを見て
「ブーツの長さが写真のイメージに近い?」
と驚きました。
山本耕史さんは足が長いから
ちゃんと採寸して作ったのだろうと思います。
服を作るのはわかりますが
ブーツの細かい部分まで手を抜かないって
NHKさん凄いですね。
「新選組!」では全ての部分に
細かい演出をしてくださり
丁寧に物語を見せてくれたことで
興味の無かったことまで
知りたいと思うようになりました。
お陰でどっぷりと、はまってしまいました。
いよいよ最終回ですね。
タオルを手にしっかりと見届けます。
(セナ)


=
近藤が加納と対面したときに
流れた音楽ありましたよね?
先日、スタジオパークに
音楽担当の服部さんが登場した際
初めて紹介されたんですが、
あの曲はテーマ曲の「やすらぎ」
バージョンだそうです。
今回、近藤と加納が
対面した場面の音楽が
「悲しみ」でも「決意」バージョンでもなく
「やすらぎ」だったのが一番印象的でした。
もう嘘をつき続けるつもりもなく、
これから起こることの
すべてを受け入れてしまったという近藤の思いが、
初めて登場するこの一曲に
詰まっていたように思います。
(ごじごじ)


=
甲州勝沼で誠の旗を手に、
「新選組は終わらない!!」
と雄叫びをあげた斎藤‥‥。
「普段、無口な斎藤さんが
 あんなに熱い男だったとは」
とそのときの様子を振り返る尾形。
尾形のセリフはまさしく
視聴者の心の声そのもの。
だから「あの日の話はするな!!」と
尾形の胸倉をつかんだ斎藤の姿に、
自分の胸倉をつかまれた気がしました。
(大阪府 すいか)


=
今回は何と行っても「加納さん」。
三谷さんが地味な隊士、
加納鷲雄をサブリミナント的に
露出させた意味がこの回を観て理解できた。
試衛館に移籍する平助に餞別をケチった
伊東甲子太郎をたしなめた実直者、
加納のシーンの意味が解けました。
最後に近藤勇の大きさを表現するために
「加納のキャラ作り」を一年かけて
しこしこと仕掛けた三谷さん、あんたは偉い!!
(ken)


=
私も男子部のメンバーのどなたかのように
インナーマッスル(腸腰筋を中心に)を
鍛えている最中でして
テレビの中の人達の骨とか筋肉ばかり
目がいってしまう今日この頃、
48回を涙にくれながらも、
この私の目をしっかり釘付けに
してしまう俳優さんがおりました。
それは、加納さん役の方です。
舞台俳優であるとどこかで読みましたが、
あの、ラスト。局長に深々とおじぎした時の
シルエットの美しかったこと。
後頭部から首、背中まで真直ぐで、
背骨を構成する骨の一本一本まで
彼の意識でコントロールされたその動きは
すばらしいものでした。
まるで、物心ついた頃から何万回も
繰り返したようなその動きは、武士そのものでした。
近藤勇も真の武士なら
有馬藤太も真の武士なら
あんなに美しいおじぎができる
加納鷲雄も真の武士だと
私は思いました。
(かれん)


=
毎週「新選組!」とともに
テレビガイドの更新を楽しみにしております。
トシが大好きで、
トシに生まれ変わりたいくらいの娘(中1)は
今、薩摩がきらいです。
鹿児島産のうなぎ、さつま揚げ‥‥などなど、
鹿児島産のもの、薩摩とつくものは
お弁当にいれないでほしいというリクエスト。
でも、有馬サマの登場で
サツマイモは食べることにしたようです。
夕べの「流山」では、最後の勇の
「加納くん、お久しぶりです」のせりふのあと、
「かっちゃんのばかあああああ!」
と叫んで、号泣していました。
最終回・・・・つらいけど、
みとどけなければと思っています。
(ぺこちゃんのママ)


=
私の住んでいる町は、
もう少しすると合併して新しい名前になります。
幾つかの候補の中から
新しい町名が決まったのですが、
次点が「やまなみ町」だったそうです。
今となっては幻の「やまなみ町」。
こんな素晴らしい作品に出会った
記念すべき2004年に
やまなみ町民になれる
チャンスだったかと思うと、
今更ながら少しだけ未練があります‥‥。
(美咲)


=
私、ほっかほかのこの気持ちを
すぐにメールしようと思い
いそいそとメールを書いておりました。
すると、かのうさんの漢字が分からない。
人の名前ですから、
そんなことではいけないと思い
『新選組!』のHPを訪れると
そこにはもう最終回のあらすじが!
ついつい読んでしまいました。
‥‥読むんじゃなかったー!!
しかも漢字が分からないー!!
(もぎゅ)


=
来週はどうしたらいいのでしょう。
私事ですが、友人達との忘年会と
「新選組!」が重なってしまい、
本気で忘年会をキャンセルしようかと
悩んでいるところです。
もちろん毎回ビデオには撮っているのですが、
忘年会に出ていても
気もそぞろになるのはわかっているので‥‥。
(こたつぶた)


=
今年の大河ドラマって『笑っていいとも』の
現レギュラーメンバーが
5人も出演したんですね。
(香取慎吾、山口智充、はしのえみ、
 草なぎ剛、乙葉)。
これは、いいともの歴史史上でも、
初めてなんじゃないでしょうか。
(神奈川県・うし)


=
あと1回‥‥。初めて初回から
毎回かかさず見る大河ドラマでした。
局長とともにあっという間に
駆け抜けてったような1年でしたが
最終回が近づくにつれ
町でも終わりを告げる景色を見かけ
寂しさがつのります。
住んでいる三鷹市にて。
商店街の街灯に飾っていた
「近藤勇ゆかりの地」の隊旗が外され
クリスマスの飾りつけに替えられてしまった。
紅葉を見に行った深大寺にて。
植物園で「新選組フェスタ」が
行なわれていたのですが
グッズが大幅に値下げされてました。
そんな悲しい気持ちを吹き飛ばすためには
カラオケで熱唱!するしかないです
「新選組!のテーマ」を歌うなら
10万曲サイコー!のUGAがオススメ。
ボイスチェンジャー機能で
ヘビーボイスを選択すると
なんと女子だろうがなんだろうが
誰でもヌッツオに!
感動ものです。ぜひお試しを。
最終回を見終わったら
すぐにボックスにでも行って
三谷さんに1年間ありがとうの
意を込めて熱唱しつつ
余韻にひたりたいと思ってます。
(ゆうさん)


=
「流山」放送日に、
地元の美術館で催されている
「特別展 大名家の宝刀」に行ってきました。
将軍家、御三家、
前田家伊達家細川家島津家など
名だたる大名家の名刀・宝刀の中に、
会津藩主・松平容保の所持刀、
京都守護職に就くにあたっての
祝儀として拝領したものが展示されてました。
そして何よりの私的見所は、近藤勇の所持刀。
池田屋事件の褒美として容保さまから拝領し、
流山で捕まったときも
持っていたと伝えられている
刀を見ることができました。
近藤勇が処刑されて、
土佐藩士・谷千城から土佐藩主山内家に
もたらされたらしいです。
今まさに大河ドラマで新選組を観ているだけに、
刀は美しいけれどその背景を思うと
少し切なくなってきます。
京都守護職に就いた容保さまの苦労やら、
新選組の絶頂から落日までを、
この刀たちは知っているんだなあなんて。
(にし)


=
NHKから出版されている
『ステラ』に三谷さんのインタビュー記事があり、
ものすごい衝撃を受けました。
多摩地区は明治以降、自由民権運動が
もっとも盛んに興った土地であるというのです。
そしてそれには、
近藤勇らの関係者も多数関わっているとか。
これこそ、勇のつくり上げた
新選組の精神そのものだと
三谷さんは語っていました。
「身分や出身地の区別なく、
 誰もが平等に入れる新選組」
この精神が脈々と受け継がれ、
自由民権運動を開花させたのだと。
こういう歴史の見方があるのかと、
しばし呆然としました。
そして、大きな感動がわき上がりました。
流山で、板橋で、そして函館で
終わるわけではないのですね。
彼らの生き様は決して一瞬の花ではなかった。
時代遅れでも、歴史の転換期を読めない
無知なだけの乱暴者でもなかった‥‥。
そんな風に新選組を捉え、
柔らかく歴史を見つめる視点を
教えてくれた三谷さんに、本当に感謝です。
(seiko)


=
私はいま都内の大学に通う女子大生です。
文学部の一年生です。
去年一年間、地元九州で浪人をしていました。
小学生のころ
「るろうに剣心」という漫画で新撰組を知り、
大河ドラマは歴史好きの父の影響で
昔から観ていましたから、
浪人中に三谷新撰組!の話を聞き、
翌年の「新撰組!」を待ち焦がれていました。
浪人中、ひそかに継続的に、
大学生になって、一人暮らしをして、
そして毎週日曜8時から「新撰組!」を
みることばかりを考えていました。
それはとても現実味を帯びた、
実現しそうな「想像」でした。
3月になり、第一希望の大学には落ちましたが、
第二希望の大学には受かりました。
そのころにはもう「大河」は始まっており、
彼らが上洛したあと、私も上京しました。
大学生ですもの、飲み会などで、
日曜8時に見れない回もありました。
ラスト一回を控え、
私は来年の専修選択を済ませました。
一年ももうおわりですね。
あんなに熊本で楽しみにしていた
大河も終わります。一年って早いですね。
本当に三谷幸喜さんにはお礼を言いたい。
楽しい一年でした。東京にも慣れたし。
5年後、私はどうしているのかな。
(珠穂)


=
昨日テレビを見ながら、
恐ろしいことに気付きました。
ここ最近なんだか話の筋が
違う気がするんだけど。
三谷さん流の演出か?
それでもやっぱりなんか違う‥‥
と思っていたら、
やっと気付きましたよ。
「忠臣蔵と新選組は別物‥‥」
がーん、30歳の今まで混同していた。
しかも残すは最終回のみ‥‥。
(けらり)


=

「ほぼ日で『新選組!』、
 ビデオにして売ってくれないかな〜」
と話しかけたら、妹に、
「お姉ちゃん、
 VHSの時代は終わったよ」
と鼻であしらわれました。
まるで「刀の時代は終わった」みたいに‥‥。
(葵)

postman@1101.comまで、ぜひ感想をくださいね!
このページを友だちに知らせる。
 

2004-12-10-FRI

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