糸井 |
ああ、これねー。
ちょっとイヤだな、っていうところも含めて、
けっこうおもしろいんですよねー。 |
永田 |
なんですかこれは? |
糸井 |
昔、エレキギターを弾いてた人たちが
バンドを組んで集うわけですよ。 |
永田 |
また、オヤジ向けロック番組ですか。 |
西本 |
明らかに今年の傾向のひとつですね。
審査員に、萩原健太さん、近田春夫さん。 |
永田 |
萩原健太さん、引っ張りだこだ。 |
西本 |
でもね、これはね、つい観ちゃいますよ。
こないだもやってたんですけど、
最優秀賞じゃなくて
優秀賞ぐらいだったバンドの歌で
『還暦60』っていうのがあって、それの
「還暦、還暦、還暦、ろくじゅ〜う♪」
っていうフレーズがいまだに頭から離れない。 |
糸井 |
ああ、やってたやってた(笑)。
しかし、大晦日にこれを観るのもどうかなぁ。 |
永田 |
『京都 もうひとつの歴史』っていうのが
テレビ東京の昼0時30分からありますよ。 |
糸井 |
こういう京都もので、
おもしろかったことってあまりないんですよ。
「Rimpa」と「若冲」かぁ。
しかし、なんだって
「Rimpa」はローマ字なんだ?
尾形光琳の「琳派」のことだろう? |
永田 |
世界的な評価を集めてるから? |
糸井 |
「じゃぱ〜ん!」みたいなことですかね。 |
西本 |
また郷ひろみさんですか。 |
永田 |
ほんとに郷ひろみさんが好きですね。 |
糸井 |
宇宙人で、くりんくりんだったからさ。 |
西本 |
短縮バージョンだ。 |
永田 |
なんてぞんざいな。 |
糸井 |
しかし、こうして見てみると、
午後は『オヤジバトル』に
勝てるものがないぞ。 |
永田 |
もう、持ちネタのように
例年と同じことを言いますが、
『全国おもしろニュースグランプリ』は
けっこうおもしろいはずですよ。 |
西本 |
ああ、地方局のおかしなニュースを
まとめて放送するやつですね。
ぼくも、嫌いじゃないです。 |
糸井 |
とんでもないのとかあるからな。
あのさ、オレが覚えてるやつがさ、
地方局の朝の番組かなんかで、
朝の公園を歩いている
和服の品のいいおじいさんにレポーターが
「おじいちゃん、おはようございます!」
って取材するやつがあってね。
「おじいちゃんが
いちばんお好きなことは、なんですか?」
って、レポーターが訊いたら、
おじいちゃんが、
「しぇっくす!」って答えるんだよ。 |
ふたり |
わはははははは。 |
糸井 |
そういうのには、かなわないよなぁ。 |
永田 |
あと、大蛇のニュースが
あったじゃないですか。 |
糸井 |
ああ、あれね(笑)。
あのね、田んぼのあぜ道かなんかに
でっかい蛇が出たっていう
地方ニュースなんだよ。
で、目撃者が取材されているんだけど、
「ふと見たら、でっかい蛇が、
こう、口をぱくぱくして!」
って言いながら、
その人が自分の
二つ折りの携帯電話を取り出して
カパカパ開け閉めするの。 |
西本 |
わははははははは! |
永田 |
この話、いいよなぁ。大好き(笑)。 |
糸井 |
たまんないよね(笑)。 |
永田 |
その手の話でぼくが好きなのはね、
川下りの遊覧船かなんかのニュースで、
その船の船頭さんが
インタビューされるんですよ。
「この季節の見どころはどこですか?」とか。
で、船頭さんにマイクが向けられるんだけど、
その船頭さんが、「それはですね」って、
全部、船内用のハンドマイクで答えちゃうの。 |
ふたり |
わはははははは! |
永田 |
あの、バスガイドさんが持つようなマイクで。
レポーターさんに質問されるときは
ちゃんと手をおろしてるんだけど、
「それはですね」って答えるときに
自然とマイクを持つ手が
口もとに来ちゃうのよ。
「いえ、こちらのマイクに‥‥」
「ああ、すいません!」っていう
やり取りが延々と続くの。 |
西本 |
あとは、女性レポーターが
干潟に自転車で落ちたりとか。 |
永田 |
そうそう。泥リンピック。ガタリンピック。 |
糸井 |
やれ、犬がしゃべったとかね。 |
西本 |
やれ、でっかいお汁粉をつくったら
鍋が割れたとかね。 |
|
永田 |
やれ、アナウンサーの寝グセがひどいとかね。 |
糸井 |
そういう絵がつぎつぎと浮かんできますね。 |
西本 |
かといって、絶対観るべきかというと。 |
糸井 |
そんなこたぁないですね。 |
永田 |
ま、いちおう、困ったらこれもあるぞ、と。 |
糸井 |
NHKの大河ドラマ総集編はどうですかね。
今年の『風林火山』には
まったく触れてきませんでしたけど、
ちゃんと観てたらおもしろかったんでしょうね。 |
糸井 |
今年は行きません。 |
永田 |
よく知らないんですけど、なんか今年は、
「K-1」と「PRIDE」をいっしょにやる、
みたいなことなんでしたっけ? |
糸井 |
そんなような感じもするんだけど、
よくわかんないんだよね。 |
西本 |
まぁ、とにかく、お祭りだぞと。 |
永田 |
いつだったかの年末に
「もう『K-1』と『PRIDE』を
いっしょにやっちゃえばいいのに」って
ぼくが言ったら
「子どもみたいなことを言うな」って
一喝されたことがあるんですけど、
ほんとにそうなっちゃいましたよ。 |
糸井 |
なにがどうなるかわかんないぞ、
ということですね。 |
西本 |
で、正直、今年はピンと来ませんね。 |
永田 |
あ、やっぱりそう?
なんか、門外漢ながらも、
「どっちが勝つんだろ?」って
思える試合がないんですよね。 |
糸井 |
メインはどの試合になるの? |
西本 |
ええと、資料によれば、船木VS桜庭、
ボブ・サップVSボビー・オロゴン、
あと、魔裟斗VSチェ・ヨンス、
キッドVSハニ・ヤヒーラとありますが。 |
糸井 |
ということは、船木VS桜庭戦ですかね。 |
西本 |
田口くんですね。 |
糸井 |
そうです。
うちのデザイナーの田口くんは
船木選手に似てるんです。 |
西本 |
しかし、本人にその自覚はまったくない。 |
糸井 |
だから、この『Dynamite!!』は
うちの田口くんと船木選手が
どれだけ似てるのかということを
チェックすればよし、
ということじゃないですか。
もう、このあたりに
田口くんの顔写真も載せてさ。 |
西本 |
自分がそう言われていることに自覚がない
田口くん本人もご確認くださいと。 |
永田 |
じゃあ、のちほど載せることにします。
うちの田口くんはこういう人です。ドン!
|
糸井 |
ほかの番組はどうですかね? |
永田 |
『オールスター社交ダンスフェスティバル
シャル・ウィ・ダンス?』は、
去年、糸井さんにオファーが来てましたけど、
今年は来なかったですね。 |
西本 |
今年はとくに触れづらいですね。
例年はひとりくらい
目玉がいたじゃないですか。
中島みゆきさんが出たりとか。 |
糸井 |
「すぎもとまさと」さんが
いるじゃないですか。 |
永田 |
そういうふうな言い方は
子どもっぽいからやめようぜと
言ったじゃないですか。 |
西本 |
「中村中」っていう
回文みたいな人もいますよ。 |
永田 |
ていうか、今回の出場者の名前には
「中」っていう字が多いですね。 |
糸井 |
どうしてそう、
子どもっぽいことばかり言うんだ。 |
西本 |
意外に視聴率的な目玉は
しょこたんかもしれませんよ。 |
糸井 |
リア・ディゾンが出るのも
ニュースといえばニュースですね。 |
永田 |
え? 歌手として出るんですか? |
西本 |
そうなんですよ。 |
糸井 |
あと、「AKB48」も出ますよ。
キミたちは知ってますか、「AKB48」を。
知らないでしょう? 「AKB48」を。 |
永田 |
ほぼ日のコンテンツには
ルビ(読み仮名)がないのをいいことに
わざと連呼していますね。 |
|
西本 |
永田さん、編集するときに、
いまの糸井さんの発言の「AKB48」を
ひらがなで表記してやってください。 |
永田 |
心得ました。 |
糸井 |
わ、よせ、やめろ。 |
西本 |
ただいまの糸井の発言は、
正確に言うとこうでした。 |
糸井 |
あと、「あかぶよんじゅうはち」も出ますよ。
キミたちは知ってますか、
「あかぶよんじゅうはち」を。
知らないでしょう?
「あかぶよんじゅうはち」を。 |
永田 |
絶対「あかぶ」じゃないですね。 |
西本 |
「よんじゅうはち」もあやしいですよ。 |
糸井 |
じゃあ、正しくはなんて読むんだよ。 |
西本 |
それを訊かれるとつらいところです。 |
永田 |
たしか「ヨメナ語」で出てきたんだけどなあ。 |
糸井 |
じゃあ、まあ、暫定的に
「あかぶよんじゅうはち」でいいじゃないか。 |
西本 |
わかりました。暫定的にそうしましょう。 |
永田 |
あくまでも暫定的にですよ。 |
糸井 |
でね、それはそれとしてね、
キミらはひとつ忘れてることが
あるんじゃないか。 |
永田 |
なんでしたっけ? |
西本 |
なんでしたっけ? |
糸井 |
じゃあ、もう、答え、言っちゃうよ! |
永田 |
あ、わかった。クイズだ。
紅白に、出演者と司会と審査員と
応援団長の立場で出たことのある人は
誰でしょう?
っていうやつだ。 |
西本 |
すいません、完全に忘れてましたわ。 |
糸井 |
知りたくないなら別にいいよ!
もう、言わない! |
永田 |
いやいやいやいや。 |
西本 |
読者的には、すでに1日、
待たされている形になってますから。 |
糸井 |
じゃあ‥‥当てろよ。 |
永田 |
ええと‥‥ええと‥‥
ほら、にしもっちゃん。 |
西本 |
ま、松坂慶子! |
糸井 |
なんて適当な! 腹立たしい! |
永田 |
わー、すいません、すいません。 |
西本 |
なくはないでしょ? なくはないでしょ? |
糸井 |
真剣に考えないなら、さらに引っ張るぞ!
越年も辞さない! |
永田 |
面倒くさいからさっさと言ってくださいよ。 |
西本 |
そうそう。このまま行くと、
糸井さんも引っ込みがつかなくなりますよ。 |
糸井 |
それもそうだね。
じゃあ、発表します! ドラムロール! |
永田 |
‥‥‥‥。 |
西本 |
ほら、永田さん。 |
永田 |
え? オレ? |
糸井 |
ドラムロール! |
永田 |
ド、ドロロロロロロロロ‥‥タン! |
糸井 |
「♪もしもぉ〜ピアノがぁ〜、
ひぃけぇたぁならぁ〜、
おもいのォ〜すべてを〜、
うぅぅたァにしてぇ〜」 |
|
永田 |
あーーーー。 |
西本 |
西田敏行さんだ。なるほど。 |
糸井 |
「♪キミにぃ〜きかせる〜
こぉとぉだぁろぉおぅ〜」 |
西本 |
たしかに、ヒット曲もあるし司会もできる。 |
永田 |
審査員席にいてもおかしくないね。 |
糸井 |
「♪あめがぁ〜ふるひはぁ〜
あぁぁめぇのよにぃ〜
かぜふくぅ〜よるにはぁ〜
かぁぁぁあぜぇえのよにぃ〜」 |
永田 |
うるさい、うるさい。 |
西本 |
もういい、もういい。 |
糸井 |
「♪はれたぁ〜あさにはぁ〜
ふ〜ふん〜ふんふふん〜」 |
永田 |
うろおぼえ! |
西本 |
うろおぼえ! |
永田 |
あ、視聴率よかったんですね、去年のやつは。 |
西本 |
大健闘でした。 |
永田 |
おもしろいに決まってるもんなぁ。 |
糸井 |
でもね、おもしろいに決まってるけどね、
あれが大晦日の一般家庭でウケたというのは
ぼくはちょっと驚きましたよ。
つまり、オレは大好きだけど、
うちの親は観ないだろうな、というかさ。 |
永田 |
ああ、なるほど。 |
糸井 |
このへん、ふつうの人は痛いかもな、
っていう時間が山ほどあるじゃないですか。 |
西本 |
あります、あります。 |
糸井 |
それがまったく平気だったわけだからね。 |
西本 |
しかも、年またぎの番組といえば、
生放送でカウントダウン、
というのが定番のなか、
この番組は、いってみれば録画ですからね。 |
永田 |
でも、みんな、絶対おもしろいぞと思って
ふつうに観たわけですね。 |
糸井 |
今年の「病院」も、すでにおもしろいもんね。
出演者の顔ぶれや見出しを見るだけでも
十分、おもしろい(笑)。 |
西本 |
糸井さん、もう笑ってる(笑)。 |
永田 |
着いたところに
プロデューサーの看板とかが
あるんだろうなぁ(笑)。 |
西本 |
ああ、菅さんの(笑)。 |
永田 |
ダメだ、もうおもしろい(笑)。 |
糸井 |
あはははははは。 |
西本 |
うわ、もう見出しだけでひどいですよ。
「無免許医師・板尾創路が院内に出没」(笑)。 |
永田 |
あはははははは! |
糸井 |
あはははははは! |
永田 |
板東英二さんがどう出てくるのかなあ。 |
西本 |
諸星さんあたりは、
やっぱりローラースケートですかね。 |
糸井 |
「そこにおるのは誰や!」って言うと、
まったく笑わずに出てきたりね(笑)。 |
永田 |
あと、まったくウケない役として
出てくる人もいるじゃないですか。
車のウインドーが下がると森進一、とか。 |
糸井 |
あははははは、そうそう。 |
西本 |
あれは、おもしろくないのが
おもしろいという話ですからね。 |
糸井 |
だからさ、それを大晦日に
ものすごく大勢が楽しんだっていうのは
かなり痛快な話なわけでさ。 |
永田 |
お葬式の板尾さんの挨拶なんて
ときどき「浜やん」って言うだけですからね。 |
西本 |
わははははははは。 |
糸井 |
わははははははは。
「ライク・ア・バージン」思い出しちゃったよ。 |
永田 |
わははははははは。 |
糸井 |
松本人志さんが言ってたんですけどね、
あれはまずスタッフがすごいんだと。
たとえば、大物ゲストを、
「これこれこういう役で出てください」と
きちんと説得して出てもらってるわけだから。
番組の意図をわかってもらったうえで
野口五郎さんとかにまじめに演じてもらう、
スタッフがかなりすごいと。 |
西本 |
なるほど、なるほど。 |
永田 |
だって、あれ、出演者はほとんど
「仕掛けられる立場」だから、
ネタを考えているのは裏方の人たちだもんね。 |
糸井 |
そういうことだね。
たいしたもんだね。 |
西本 |
で、そのスタッフと出演者をつないで
全体を回しているのが
素人の藤原兄さんですよ。 |
永田 |
「松本さんの優しさは
ホンマ、天井知らずや」って言う人ね。 |
西本 |
ええ、そうです。
「浜田ー! アウトー!」の人です。
ぼくの吉本興業時代の先輩でもある藤原さんは、
あれ、台本をすべて覚えて
現場に入るらしいですよ。 |
糸井 |
ああ、そうか。
あの人は24時間出ずっぱりだもんね。
で、つぎはここへ行け、みたいなことは
ぜんぶ、あの人が伝えていくわけで。 |
永田 |
総合司会だ。 |
糸井 |
うんうん、総合司会者なんだね。じつは。 |
西本 |
そういうあたりのチームワークを
ときどき想像しながらげらげら笑うというのが
乙な楽しみ方かもしれません。 |