はじまりに、古賀史健さんから。まずは、行ってみる。
一通のダイレクトメッセージが、きっかけでした。
いただいた日付は今年の4月16日。
送り主は相馬に住む双子姉妹、ヤマブン姉妹さん。
そこにはちょうど1ヵ月前の
3月16日に福島県を襲った福島県沖地震について、
被害のほどと現状が詳細にわたって記されていました。
2011年の東日本大震災、
2021年の福島県沖地震、
そして今年の福島県沖地震。
再建するたびに壊される暮らしに、
前を向く気力さえ失いかけている相馬市民も少なくないと。
自分たちも決して、その例外ではないのだと。
さらに今回の地震は被害が局所的だったため、
全国的にほとんど報道されていないと。
地震被害そのものでいえば、
2011年の震災以上だったにもかかわらず、
その実情が知られていないと。
ヤマブン姉妹のおふたりとぼくは、
過去に二度だけお会いしたことがあるものの、
それ以外はツイッターやインスタグラムの
「いいね」を押し合うくらいの間柄。
直接にメッセージをいただくのは、はじめてのことでした。
こういう言い方が正しいのかわかりませんが、
「藁にもすがる」ということばが思い起こされる、
切実と混乱の入り混じった文面でした。
自分になにができるだろう。
なんでもない藁であるぼくにできることなど、
そう多くはありません。
とりあえずぼくは自分のnoteに書くことにしました。
「こういうメッセージを受けとった」と、
なるべく飾りや煽りのないよう、淡々と書きました。
その投稿を読んだ元ほぼ日の小池花恵さんから
「わたしもなにかお手伝いがしたい」と連絡が入り、
すぐさまほぼ日の永田泰大さんと
写真家の幡野広志さんに相談を持ちかけ、
「とにかく相馬に行ってみよう」
という話になりました。
今回の相馬市は、
津波の被害があったわけではありません。
銃弾の飛び交う戦場になったわけでもありません。
でも、それだからといって、
そこに暮らす人たちの心が平気なわけじゃない。
心が平気な、わけがない。
長い長いコロナ期間を経たからか、
今回はとにかく「行ってみる」が大事に思われました。
明日、幡野広志さんと永田泰大さんと3人で、
相馬市に行ってきます。