つねさん |
じゃあさ、恋人へのプレゼントを選ぶのに、
彼や彼女の読んでる雑誌を読めばいいの? |
ノリスケ |
でもそれが苦しい努力でしかないんだったら、
そんなことしないほうがいいよね。
ねえね、欧米の男はどうしてるの? |
ジョージ |
んーとね、話し合う。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
あのね、何が欲しいっていう
話し合いではなくって、
今、何にいちばん関心を持っていて、
たとえば、たとえば今ごろの時期になると、
来年どうしようか、
来年旅行に行くとしたら、どうする? とか。
自分が住んでいる部屋をどういうふうにしよう?
とか、テレビを買い替えたいんだとか、
そういう話を、すっごくするの。
で、たとえば、男の方もね、
「車、買い替えようかと思うんだ」
とかって言うの。そうすっとね、
そっから先、女の人は、
すーごい想像力を働かせるんだよね。
“あ、車を買うんだ。車を新しくするって
いうことは、彼にとって、来年の、
ものすごく大きな目標なんだ”って。
で、その、新しい車に、
何か似合うものを何か買ってあげようかな、
と思うんだよ。 |
ノリスケ |
そっかあ。 |
ジョージ |
一時期、向こうの雑誌でね、
車を買い替えようと思う男の人に、
何を買うと喜ぶか、とかっていう
特集があったりとかしたのよ。 |
つねさん |
ああ、面白いねー。 |
ジョージ |
何が一番だったと思う?
これね、意外だよ、すっごい意外だけど、
男は喜ぶだろうなー、って思う。 |
つねさん |
掃除用具? |
ノリスケ |
グローブ? |
ジョージ |
おっ。 |
ノリスケ |
当たり? |
ジョージ |
そう、グローブ。 |
ノリスケ |
やったー!(笑) |
つねさん |
すごーい。 |
ジョージ |
あなたの新しい車の新しいハンドルを、
私がプレゼントして、新しいグローブで握って。
そのたびに私のことを思い出してね、っていう、
すっごいメッセージなんだよ。 |
ノリスケ |
それ、いい女よねえ。 |
ジョージ |
そう、いい女。すごい、いい女だよ。
ね。で、男は、たとえば、女の人が、
「来年は絶対ハワイに一緒に行きましょうよ」
って言ったら、男はそっから一生懸命、
じゃあ、彼女がハワイに行くっていうのは、
どういうことなんだろう? って考えるの。
“ハワイ旅行に行くときに、
彼女の傍らにある物が、
なんかひとつあるといいかも知れないなー”
そしたら、そんとき初めて、
ビーチ・サンダル買ってやろうか?
と思うんだよね。で、ビーチ・サンダルでも、
やっぱりダイクマ(ホームセンター)に
行っちゃいけないわけであって。 |
ノリスケ |
そりゃ、そうだ(笑)。 |
ジョージ |
じゃあ、プラダのビーチ・サンダルとか
ルイ・ヴィトンのビーチ・サンダルとか、
喜ぶかな? って想像するの。
で、贈るときにね、
「これ、いっしょに来年行こうと思ってる
ハワイのときに使って」
って贈ればいいんだよ。 |
ノリスケ |
かぁー、かっこいい……
すてきぃ。惚れた。 |
つねさん |
いいねー。 |
ジョージ |
話し合う、っていうのは、そういうことなの。
会話の中にヒントがあるの。 |
ノリスケ |
そっかー。 |
ジョージ |
日本のカップルって話し合わないじゃん。
それこそ、この女を釣り上げてやろうって、
思うときは一生懸命プレゼントするのに。
まだ相手のこと、よく知らないわけだから、
だれもが喜ぶであろう、
どこそこのカバンであったり、
どこそこのスカーフであったり?
をプレゼントするんだけど、
それがプレゼントだって思い込んでるから、
せっかくお付合い始めても、
そういうプレゼントしか贈らないんだよね。 |
つねさん |
うん。 |
ジョージ |
で、それがあれだよ、結婚してしまったら、
プレゼントなんか、
あげなくてもいいと思ってた、っていうのは。 |
ノリスケ |
あ、そっか。 |
ジョージ |
いっしょ! |
ノリスケ |
いっしょかー。 |
ジョージ |
だって、僕は君のことを、
こんなに大切にいつも観察して、
君のことを理解しようと努力してるんだよ、
っていうことを伝えるのがプレゼントだから。
ここでやっぱり、男の育て方だよね。 |
ノリスケ |
口紅なんか、買わしちゃダメなんじゃないの?
自分で買うべきだよね、そんなものはね。 |
ジョージ |
そうですっ。口紅は自分で買うべきですっ。
口紅を買ってもらうことがあるとするならば、
まだキスも交わしたことのない2人が、
この口紅を塗った君の唇を奪いたいって
男に言わせるんであれば、あれだが。 |
ノリスケ |
意思表示。それは、高等テクニック。 |
つねさん |
そこまではできないよ。 |
ジョージ |
それに……何をおっしゃいますやら。
今、そんなことを言う前に
キスをしちまうんだから。 |
つねさん |
あ、そうだ。 |
ノリスケ |
急にオジサンになってるわよ。 |
ジョージ |
(笑)僕の知り合いで、奥さんの誕生日に、
毎年下着を買うっていう男の人、いるよ。 |
つねさん |
あ、こないだThe Simpsonsでやってた。 |
ジョージ |
それも、けっこう際どいランジェリー。 |
つねさん |
エロエロエッチ系?
で、これ着て、今日は……って? |
ジョージ |
そうそうそうそう。
で、そういう話をすると、
ほとんどの結婚してるノンケのオジサンたちは、
おまえは変態なんじゃないのか?
って言うんだよね。
で、なんでかっていうとね、
彼らはセックスは自宅でやるもんじゃない、
って思ってるから。
エロチックな下着を身に付けている
自分の妻なんか、想像したくもないんだよね。
でも、そういう亭主を育ててるのも、
日本の女だったりするんだよ。 |
つねさん |
ああ、そっかー。 |
ジョージ |
ね、エッチな下着をプレゼントで貰ったら、
どうする? |
ノリスケ |
貰ったことないからなー(笑)。 |
ジョージ |
もし貰ったら。
これ読んでる女の人たちも、
もし自分が彼氏から
エッチな下着貰ったらどう思うかな? |
ノリスケ |
ええと…頭の中が女性用の下着になっちゃった。
そうではないのよね。(考える)
好いたらしいお方から、貰ったら。
……それは付けます。 |
ジョージ |
付けるってことは、
その場合、エッチするってことだよね。 |
ノリスケ |
もちろんですっ(鼻息)。 |
ジョージ |
しかも、いつもと違った
ゴージャスなエッチじゃないとダメなんだよね。 |
ノリスケ |
そうだよ、期待しますよ、
ちゃんとセッティングしてね。 |
ジョージ |
できれば、パークハイアットかなんかの
コーナー・スィートであって欲しいわけよね。
もんのすごい覚悟がいることだぞ。 |
ノリスケ |
ましてや、普段、縁遠いからね(笑)。 |
つねさん |
だから、そういうプレゼントするにしても、
先のことを考えてしないといけないよね。 |
ジョージ |
渡したプレゼントに対して
相手がどういうことを思ってくれて、
その次に何のアクションが起きて、
どうなってこうなってああなってっていう…… |
つねさん |
っていうのを考えなきゃいけない。 |
ノリスケ |
その先に想像が広がることが、いいのね。
|
(つづきます)