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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

ビッチな女。その2
いい女は、毒を平気で呑むの。


ジョージ 要領良く生きてる、奇麗なだけの女を見ると、
ムカっぱらがたつの。
『ブリジット・ジョーンズの日記』は観た?
ノリスケ 観てない。
つねさん もう、途中でなんか、ダメよ、もう……ね?
ジョージ ちょっとね、ついてけない。
あのね、自分の情けない部分が、
好きでしかたがない女の子なの。
ノリスケ あ、やだ〜。
つねさん で、やっぱり、そこらへんに
共感してるんだと思うよ。女の子って。
あー、あたしもこういうとこあるわ、って。
ノリスケ 安心して見てる?
つねさん ブスなワタシに、
すごい美形の上司が寄ってきて、
最初はセックス・フレンドなわけよ。
それが自分からふってみたら、
逆になびきだして……
ジョージ なくてはならない存在になっちゃうの。
へぇー? って思っちゃうよね。
男って、そんなに甘いもんじゃないよ、
って思うよ。
オカマから言われても、仕方がないけどっ。
つねさん まあ(笑)。
ジョージ あー、オカマの場合には、あれだよね、
オカマの存在そのものが情けないから……
つねさん だから、強いものに憧れるの?
ジョージ んー、そういうわけでもないよなー。
だって、強さ必要としてないもん。
性格は強いし。
何度も言うように、女は性格は強い。
オカマは女の次に強い。
男がいちばん弱いの。
ノリスケ うん。
ジョージ だから、本来、
ものすごく強く生まれてきてる女の子が、
私、弱いの〜〜ん、いやぁ〜ん、
とかって言うと……
つねさん ロケット・パンチなわけね。
ジョージ 塩かけてやろうかと思うよ。ナメクジよ。
どぉお? 自分のまわりに、こいつは、
カッコイイところがあるぞ、
っていう女の子とか、いる?
ノリスケ 僕のともだちは、みんなカッコイイよ。
すべてが、じゃないのよ、
カッコイイところがある。
ジョージ 僕の周りにも、けっこういるよ。
つねさん うん。
ジョージ あのね、あの、メチャクチャ大きい会社でない、
オーナー企業の、
社長秘書をやってる女の子って、
カッコイイのが多いんだよ。
ノリスケ あ、わかる!
ジョージ すっごいカッコイイの!
でね、彼女らに共通してるのはね、
ものすごく自信があってカッコイイんだけど、
抜けてる部分がちょっとあるのね。
つねさん あ〜。
ノリスケ トホホな部分があるんでしょう。
ジョージ ていうか、かわいい部分があるんだよね。
ノリスケ そうだよね。
ジョージ んで、あとね、平気で毒を食らうの。
ノリスケ 自分で? どゆこと?
ジョージ 僕がね、なんかね、イヤなこと言うじゃん?
「どうしたの? 久しぶりに会わなかったら、
 急にソバカス増えて!」
とかって言うと、
「でしょ〜う?」
とかって平気で言える女なの。
ノリスケ ハハハ。カッコイイね。
ジョージ で、言った後で、即座に、
「ジョージさん、
 ズボンきついんじゃないですかぁ〜ん?」
とかって言い返すような女、いるんだよね。
で、並の女っていうのは、
「どうしたの? ソバカス増えた?」
って言うと、
「やなこと言わないで下さいよー」
で終わるの。
ノリスケ あ、そっか。
ジョージ いい女っていうのは、
終わるんじゃなくて、一回受け止めるのね。
だって、ソバカスなんか
気にしてないわけだから。
ソバカスなんか増えたっていいじゃない。
で、受けて毒を飲んで、
それより大っきい毒を吐くんだよ。
いいよ〜。も、一生ついていきます、
って思うもんね。
つねさん 男気があるよね。
ノリスケ 毒を吐かないまでもね、
なんでも平気で受け止めるのはカッコイイよね。
ぼくも、そういう女が
徹夜明けの顔で会社に来ると、
「すっごいクマ! 目の下真っ黒!」
って言うんだけど、平気よ。
「でしょ〜う? 寝てないからねー。アハハ」
って、明るく答えて終わり(笑)。
ジョージ 少々のことでは壊れない自分があるのね。
ノリスケ あるね、ある。
ジョージ しかも、その自分の壊れない部分っていうのは、
他から色んな刺激を受けることによって、
もっと強く、もっと大きく
強固なものになるっていうのを
知ってるんだよね。
だから、あえて汚いものとか毒とっていうのを、
一回飲み込んじゃうの。
かわいいなー、と思うよ。
ノリスケ 平気なんだよね。
ジョージ ん、でもね、曲がったことは大嫌いなの。
ノリスケ ねばるよね。物事に対して。
つねさん サバサバしてるよね。
ノリスケ あきらめも早いけど。
つねさん 切り替えも早い。
ノリスケ 判断が早い。
つねさん ちゃんと考える。
ノリスケ 人任せにしない。
ジョージ 初めて行ったお客さんのところでね、
そういう女を見るとね、
そういう女のいるとこは、
安心して仕事ができる。
ノリスケ ハハハハハ。
そこから押さえにかかるんでしょう?
ジョージ そうなの。こーれを押さえればいいんだ、
こーの女だー、っていうのが、いるの。
つねさん それ、得意でしょ?
ジョージ もぉ、得意〜。それで、逆に、
向こうも、もう……
つねさん わかってるの?
ジョージ ん〜、あんたはね〜、みたいな感じで
わかりあえるから。
つねさん お互いが。
ジョージ そう。で、そういう女の子たちっていうのはね、
男からも好かれるし、
女からも好かれるんだよね〜。
ノリスケ そうだよね。ほんとそう。人気者だよね。
ジョージ そう、得だと思う。
ノリスケ だから、自分のチームがちゃんとあるんだよね。
何かの時に助けてくれるチームがあって。
あのね、ある有名作家の秘書がカッコイイの。
けっこうおばさんなんだけど、
すっごいサバサバした人で、
も、雑なぐらいなの。電話すると、
「あ、いいよ、わかった。オッケー、じゃっ」
みたいな(笑)。でも雑じゃなくて、
内実はとにかくキッチリしてる。
「この人にはこういう対応で」
というのが、瞬時にわかるらしいの。
で、かっこいいのは、それを、仕事だけじゃなく
そうじゃないときのつきあいにも、応用するの。
あのね、僕、たまたまお昼時に、
そのひとにバッタリ会ったんだ。そしたら、
「あそこの蕎麦屋おいしいわよ」
って教えてくれたのね。
「あ、今、僕、ダイエット中なんで、
 蕎麦も食えないんですよー」
って言ったら、下からざっと見て、
「デブ? デブ! おほほ。じゃあねっ」
カッコイイ! 惚れたっ! みたいな(笑)。
ついてきますっ、て感じ。
つねさん いいね(笑)。
ジョージ んーと、そういう女に似てるんだけど、
違うタダのバカな女っていうの……
ノリスケ も、いる、も、いる。
ジョージ そのー、相手の、どゆんかな? 
この部分は言ってもOKだけど、
この部分を言っちゃダメ、
っていうのをわかんない女っていうのが
いるんだな。
つねさん ああ、垂れ流し。
ジョージ ノリスケ君に対して、
デブって言ってもいいんだよ。
ノリスケ 意地悪言われて嬉しい(笑)。そう。
ジョージ ありがとう、だけど、ホモ、って言ったら、
これは違う出来事なんだよね。
ノリスケ そうなんだよ〜。
ジョージ あ〜んた、オカマでしょう? っていうのは、
絶対言っちゃいけないの。
だけど言っちゃう女がいるんだよ。
ノリスケさんって、ホモなんですか?
って言ってしまう女、いるんだよね。
ノリスケ うわ〜。
ジョージ で、そういうことを、言える自分が、
いいでしょう? かわいいでしょう? 
わかってるでしょう? 
って思ってるようなのがいるの。
で、そういう女は、そこらじゅうで
地雷を踏むんだよ。
(つづきます)

★おしらせ★
『婦人公論』にジョージさんが!


12月7日(金)発売の『婦人公論』
(12/22・1/7合併号。中央公論社)に
ジョージさんが登場します。
darlingが司会をつとめる
「婦人公論井戸端会議」のゲストに
呼ばれたとのこと。
テーマは“ゲイを生きる”で、
もうひとりのゲストは南伸坊さん。
ぜひ、お読みくださいね〜!

2001-12-07-FRI
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