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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

ビッチな女。その3
イイ女の陰にはイイ男あり。


ジョージ 地雷の例をだすとね、
たとえば、自分では絶対ハゲてるって
思ってないハゲのオヤジがいるんだよね。
で、そのオヤジは出っ歯で、デブで、
足が臭くって、鼻毛が出てるの。
で、その残り全ての部分は、
どんなに言われても構わないんだよ。
社長、鼻毛見えてますよ、って言われたら、
そうだろう? ってブチッとかって、
嬉しそうにやるんだよね。
で、やり続けて調子に乗って、
ハゲ! って言った瞬間に、
取引が切られちゃう。
で、そういうのがわかんない女もいるんだよ。
つねさん あ〜。
ノリスケ 親しさを履き違えるんだよね〜。
ジョージ あのね、それもやっぱりね、
観察が少ないからなの。
つねさん あ〜。
ジョージ だって、ハゲてるんだけど、
髪の毛を短く刈り込んで、
いつもシャンプー洗いざらしの髪の毛の人は、
ハゲって言われても気にしないんだよ。
で、ハゲてるのに、髪の毛伸ばして、
ポマードでテカテカになってる人は、
自分はハゲてないと思ってるんだもん。
つねさん 言われたくないし、みたいな。
ジョージ そう。
つねさん 隠すのね。
ジョージ で、そういうのがわかんない。
だから、自由奔放にいじめっ子魂を
大切にしながら、男気のあるイイ女だよって
いわれ続けるためには、どうゆうのかな? 
人並み以上の、観察眼を持って……
ノリスケ そうだね〜。
つねさん あと、思いやり、って言ったら、
あれかも知れないけど。
ノリスケ 思いやりと思い切りだよ。
ジョージ ああ、いいねー、思いやりと思い切り。
つねさん やっぱりさ、あの、そういう判断できる、
クレバーさ?
ジョージ んー、あとやっぱ、経験だろうね。
その、イイ女秘書がいるところの
社長っていうのはね、
ああ、この人は、その、性別だとか年齢だとか、
という社会的な色んなことにこだわらず、
こいつを育ててやろうと思う人間には、
全権を与えて自由にやらせて、
のびのびと人を育てることが
できる人なんだな、って思うよ。
ノリスケ うん。その自由さも、わかってる自由さでね。
ただ野放図なわけじゃないはずよ。
ジョージ で、その人ひとりを見ることによって、
その会社全体が、のびのびしてるのかな?
っていうのは思うからね。
つねさん ああ、そうだね。
ジョージ で、そういうとこの社長に限って、
自分の部下である秘書から、
「バカじゃないの? 黙っといて下さい」
とかって平気で言われるんだよね。
つねさん (笑)自分とこの?
ジョージ そう。ま、ウチもそう。
で、言われると、
すっごい嬉しそうな顔をするのね。
もう、僕が怖いのは、
女房とこの人だけですから、
とかって平気で言えちゃうの。
つねさん それも信頼関係だよね。
ノリスケ 思い当たるフシがある。
ジョージ こういうふうにあんまり言うと、
短絡的に聞かれると誤解を生むのかも
知れないけれど、
イイ女の陰にはイイ男あり、なんだよね。
あと、男と女って、磨きあって育っていくから。
情けなくなるのが、
女は女の道を行けばいいから、
男の力も何にも借りないで
自分だけでいっしょうけんめい頑張りますよ、
っていう女がいるの。
これはもう、息苦しいだけでもって、
見てて不快なの。
んで、自分が苦手なところを男に平気で投げて、
男の人に育ててもらおうって思ってる女の子って
いうのは、ほんとは男に育ててもらわなくても
育つんだろうけども、
自分一人で育つ100倍のスピードで
育つんだよね。だから、どゆんかな? 
イイ女になろうと思ったら、
どんなに情けない男でもいいから、
自分の上司を、こいつをイイ男にしてやろう、
って思う気持ちも必要かな? って思うよ。
つねさん ああ。
ノリスケ んんー(しみじみ)。
ジョージ 男一人育て上げて女一人前、みたいな。
ノリスケ カッコイイねー(笑)。
普通の女の子で言ったら、彼を?
つねさん でも、彼じゃなくって、
どっちかといったら仕事の方が。
ノリスケ 上司? そっか。
つねさん 上司か同僚とか、部下とかね。
だから、どうしようもない上司を育てても
仕方がないでしょう?
見込みがあるのを見つけて。
ジョージ そう。楽しいと思うなー。
僕が女だったら、するね。
ノリスケ そういう女になりたいね。
ジョージ んでー、しばらく付き合ってダメだったら、
すぐ捨てるの。
ダメ、あの男、ダメ。
で、その、男を捨てた時が
会社を捨てる時なのよ。
ノリスケ そっか。カッコイイ!
つねさん うーん、男イコール会社。
ノリスケ 映画的ねえ。
ジョージ あのさ、イイ女の捨てぜりふっていうのを、
いっぱい考えるといいよね。
ノリスケ キャー。
ジョージ たとえば、女がさ、会社辞めるときに、
「この会社最低です、
 私の能力伸ばしてくれないから、
 私のやりたいことやらせてくれないから」
っていう女がいっぱいいるの!!
つねさん へ〜。勘違い?
ジョージ でね、ウチの会社でもね、
「辞めたいんです」
「なんで?」
「私の能力伸ばしてくれないから」
っていう女には、
「辞めなさい、あなたのそんな能力、
 ウチは必要としてないから辞めて下さい」
って言うのね。
で、どうせ辞めるんだったら、
こう言うの。
「この会社には私が育てていいと思うような
 男性の社員が1人もいないから
 辞めさせていただきます、
 私の働きがいがございません」
って言ったら、僕はもう、もう、
他の男クビにしてもいいから、その女残すね。
「ちょっと待って。誰が育てがいがなかった?」
って、聞くもん。それはもう、
女っちゃ、そういうもんだよ。
ノリスケ おおおおお。
ジョージ あのね、離婚するのもおんなじでさ、
「ウチの亭主は私のやりたいこと
 わかってくれなかった、
 やらせてくれなかった」
って別れたらバカでしょう? 
そんなん、バカでしょう? それを、
「私はあの人のことをいっしょうけんめい
 イイ男にしてやろうと思ったのに、
 あのていたらく。
 期待通りの男じゃないから私が捨てます、
 やめてしまいます」
って言ったら、
あー! イイ女だなーと思うよ。
その瞬間に、亭主がバカだもん。
つねさん そうだよね。
ノリスケ The Simpsons見てたら、
女の子が男の子をふるときのセリフが
まさしくそうだったよ。
私が思ってた男じゃ、あなたないわね、って、
さよなら、ってパーンと切るのよね、
普通の女の子が(笑)!
ジョージ それがイイ女だと思うよ。
その、私の実力の発揮のしどころっていうのが、
自分のために実力の発揮じゃなくって、
自分の上司のために実力の発揮のしどころが
なかったって、いうのがホントだよね。
ノリスケ うん。
つねさん そういう人に限って、履き違えてるもんね。
自分の力とか。
ジョージ ほんと。じゃあ、その仕事がダメだったら、
この仕事やりますか?
やらせたら、それもできない。
じゃ、これにしますか? みんなできない。
できないんじゃない、って言ったら……
つねさん じゃ使えないじゃん。
ジョージ そう。
つねさん 私したいの、こんなんじゃないんです、って?
ジョージ そうそうそう。じゃ、何がしたいの?
ん〜、って、したいことがないんだったら、
バイバーイって。
ノリスケ けっこういた?
ジョージ いたね。でも、そういうオカマも多いからね。
ノリスケ オカマもそうだけど、男も多いしね。
ジョージ 最近ね、どんどんどんどんね、男もオカマもね、
その、女の悪い部分に近づいていくのよね……。
女の中にあるって言っちゃいけないかな。
責任を取るのは自分じゃないっていうことなんだけど。
その、転嫁する先もないのに、
責任っていったい何なの? っていう。
なんで責任取らなきゃいけないんですか?
って言われたら、どうしようかって思うもん。
(つづきます)

★おしらせ★
『婦人公論』にジョージさんが!


12月7日(金)発売の『婦人公論』
(12/22・1/7合併号。中央公論社)に
ジョージさんが登場します。
darlingが司会をつとめる
「婦人公論井戸端会議」のゲストに
呼ばれたとのこと。
テーマは“ゲイを生きる”で、
もうひとりのゲストは南伸坊さん。
ぜひ、お読みくださいね〜!

2001-12-09-SUN
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