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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

When I'm sixty-four その5
ライフタイム・パートナー。


ノリスケ 婚姻届、それは、なんで、なんで、なんで?
すごい不思議。
つねさん ゲイ同士の結婚できない云々って、
あったじゃない? 
なんか、自分の中でひとつねー、
なんか、かたちが欲しかった。
ノリスケ それは、浮気症なあなたを、
自分でいましめるために、みたいな話?(笑)
つねさん ううん、ぜんぜんっ!
だって、そのとき付き合ってたやついたし。
ああ、まあ、別れる直前だったけど。
ノリスケ でしょ? ひとりにしようと思ったんでしょ?
つねさん えっ?
ノリスケ ひとりに絞ろうと思ったんでしょ?
つねさん んー、ま、そうなんだろうね。
ノリスケ 指輪はジョージさんの提案?
ジョージ ん、でも、僕は最初に指輪を持ってて、
で、この人におねだりされたの。
指輪がほしい〜。
つねさん ん、で僕も買ってあげるって、
交換したの。
ノリスケ ほんと?
ジョージ そそそそ。
つねさん 僕、純情だったの、昔は(笑)。
ノリスケ この人ね、冷めてるように見えるんだよ、
外から見ると。
つねさん ええー?(笑)そお?
ノリスケ う〜ん。言われないの? そういうことは。
ジョージ すっごーい、すっごい甘えん坊さんよ。
つねさん ヘへへっ。
ノリスケ 他の友だちってね、聞いて、聞いて、聞いて、
っていうね、のろけも愚痴も言ってくるじゃない?
でも、言わないんだなあ、つねさんは。
ジョージ いや、たまに、たまに置いてかれるときが
あるぐらいに、すごいことがあるよ(笑)。
つねさん そうお?
ジョージ かと思うと、なんか、こっちが色々、
喜ばせてやろうと思って準備することを、
ことごとく、ハイハイッ、ハイハイッ、
とかって、軽ーく流していったりとか、
っていうこともあるの。
これは仕方がないんじゃないの?
つねさん それは、お互いだよ。
ノリスケ その、婚姻届にしても指輪にしても、
ずっと一緒にいようねっていう、
ライフタイム・パートナーシップを考えるのって、
今までの恋愛で、あった?
つねさん あった。
ジョージ 僕、いつもそうだよ。
ノリスケ そっか、いつもそうっちゃ、そうだな(笑)。
つねさん あるけど、結局、ふっと消えちゃうわけでね。
ノリスケ 繰り返しだよね。
つねさん そう(笑)。
ジョージ ただ、一緒にいたい、いたいって思ってるうちは、
たいてい失敗するわけであって。
一緒にいられるといいな、
っていうふうに思わないと駄目だよね。
つねさん そうだね。
ジョージ 一緒に、いつまでも一緒にいられないのが
当たり前なんだけど、
一緒にいれたらいいな、と思わないと。
つねさん うん。
ノリスケ それはね、毎日のように思うね。
ジョージ 今まで、今まで付き合ったなかで、
いちばん厄介だったのが、
これだけ僕はあなたのことが好きなんだから、
一生一緒にいてくれて当然でしょ?
っていうようなのがあるんだよ。
つねさん いたんだ。
ジョージ んー。
ノリスケ アハハハハハ。そんなの、いやん(笑)。
ジョージ 「もうだめ、嫌いになった」
て言って、
「何で嫌いになるの?」
って言われたことがあるんだよ!
つねさん あ〜。
ジョージ で、それは、人間っていうのは、
嫌いになるのが簡単で、
嫌いになるのが当然であって、
好きであり続けることの方が異常なんだよ、
っていうのがわかんないからなんだよね。
ノリスケ んー、うん。
つねさん あ〜、難しいよね。
ぜんぶ自分の都合を押し付けてるわけじゃない?
ジョージ でもあれだよ、僕は人前でオナラをするのは、
すごく抵抗があったんですけどー。
ノリスケ ハイ??
ジョージ 最近すごいもん。
ノリスケ 平気になっちゃったの?
ジョージ もう、出る出る。この人だけよ。
そりゃね、みんなの前ではしないけどね。
なんかねー、お腹が張って仕方がないときに、
この人の家に行ったとたんに、
すっごく気持ちよ〜く。
ノリスケ アハハハハハハハハ。
ジョージ そゆのって、幸せじゃない?
ノリスケ 幸せだね、それは(笑)。
恋愛の先にあるものよね。
されても別に、失望なんかしないしね(笑)。
ジョージ で、飼ってるペットが
嫌がって逃げたりとかするの。
ノリスケ (笑)二人で一緒に思い描いてる老後は、あるの?
ジョージ ない、まだ相談して…あー、でも、してるね。
つねさん ちょっとね。
ジョージ ちょっとね。
ノリスケ それは、教えてはくれない?
つねさん そーんな、でも、具体的なもんでも…
ジョージ あんねー、そういうことになると、
ぼくたち、娘っ子だからね。
ノリスケ ハッハッハッハ!
なに? なに?(笑)
ジョージ ん、やっぱりほら、あーの…
ノリスケ お家?
ジョージ ま、お家というか、
子供が作れないから
子供のようなペットに囲まれた生活というかね。
ノリスケ おお。
つねさん 僕が欲しいのはフェレットで、
彼が欲しいのはブルドックで、
そゆのに囲まれて暮らしたいね、みたいな話は。
ノリスケ ふーん。
ジョージ で、そういう話はするんだけど、
それじゃあ、それをやろうと思ったら
一戸建で庭がないとダメで。
ノリスケ そうだねー。
つねさん んー。
ジョージ で、マンションでそれをしようと思ったら、
どえらい高いマンションじゃないとダメなのよ、
って、いうのことを、まだね、
考えてない人がひとりいるの。
つねさん そーね。いや、俺、わかってるよ(笑)。
ノリスケ ねえ、これはあんまり
言いにくいかも知れないけど、
経済力に差があるじゃない?
つねさん あるね。どうしようね。
ノリスケ で、そういうことってさ、
人から見たら羨ましいってことかも知れないけど、
逆に障害になることってある?
ジョージ ううん。ない。
ノリスケ それは別に、それはそれ? 平気?
ジョージ だって、ぜんぜん僕、我慢してないもん。
(つづきます)

2002-01-07-MON
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