ノリスケ |
貯金、できなーい。 |
ジョージ |
いや、月25万っていうのは、
極端な話であってね。
目標はね、月収の1割をね、
絶えず絶えず、ずーっと、
なかったものと思って、貯金することね。 |
つねさん |
俺、預けよっかな? ジョージ銀行に。
運用してもらうの。
でもイヤだよね。なんか、そのうち、
ふっと消えそうな気がする。 |
ジョージ |
んー、違う違う。
あのね、お金、お金を扱う
鉄則っていうのがあって、
「貧乏人の金は預かるな」っていうの。 |
ノリスケ |
ハハハハハ! |
つねさん |
あ〜ん(苦)。わかりました……。 |
ジョージ |
貧乏な人からお金を預かると、
それを増やしてあげなきゃいけないと思って、
増やしてあげなきゃいけないと思うと
ゼロになっちゃうんだよ。
で、金持ちの人から金を預かると、
なくなっても大丈夫と思うから、
それは倍になるんだよ。 |
つねさん |
わかるけどね。 |
ジョージ |
そうなんだよ。
だから、例えば、んと、年収400万の人が、
1年に1割残すっていうことは
40万残すわけでしょ?
だけど、年収の1割残すのは、
けっこうキツイんだよ。
税金であるとかっていうのが、
実はそこから引かれてるはずだから、
1割残すのは厳しいの。
でも、毎年40万円残ったら、
10年でとりあえず400万でしょ? |
ノリスケ |
うんうん。 |
ジョージ |
そうすると、1千万という単位が、
近いものになるの。で、どゆんかな?
今日明日の楽しみではなくって、
ある程度計画をもって
何かをしようと思ったときの、
最小の単位は1千万なの。 |
ノリスケ |
ふーん。 |
ジョージ |
だから、まず1千万。 |
ノリスケ |
目標? |
ジョージ |
目標だね。
1千万あったらマンションが買えるんだよ。
頭金になって。4、5百万の頭金では、
バカみたいなマンションしか買えないんだよ。 |
つねさん |
(ノリスケさんに)いくらある? |
ノリスケ |
(小声で)ゼロ。使い切り。 |
ジョージ |
僕、お金はいっぱい持ってるけど、
ほとんど会社の株だとか、
設備投資だとかに消えてるから。 |
つねさん |
ふ〜ん。 |
ジョージ |
貯金そのものは、
3千万ぐらいしかないんじゃないかな? |
ノリスケ |
終わりにしましょう(笑)。 |
ジョージ |
3千万じゃ、僕とつねさん2人は、
5年ぐらいしか生きてけないんだよ。
5年、くらいしか、生きてけないんだよ? |
つねさん |
3千万って、現実的すぎるお金だね。
そう言われてみると。 |
ノリスケ |
そうだねー。 |
つねさん |
僕、180ぐらい(笑)。知らないけど。 |
ノリスケ |
あるだけ偉い。だって、
いつでも使えるようにして、ま、50万とかさ。 |
ジョージ |
で、ウチの妹がね、結婚するときにね、
やっぱり財産分与とか
色んなことがあるでしょ? |
ノリスケ |
あー。 |
ジョージ |
で、どうしようか? って
ウチのおふくろに聞かれたときに、
「私たちはいいの」って。
「女の子で、良い教育をつけてくれて、
良いところにお嫁に出してくれれば、
それが一番の財産分与だって思うから、
あんまり考えなくていいです」と。 |
ノリスケ |
うんうん。 |
ジョージ |
「でも、お兄ちゃんは、あの通りでしょ?」
あの通りって、よくわかんないんだけどさ、
そのまんま、言葉、お伝えしますね。
「あの通り派手好きで、負けん気が強くって、
計画性が無くって、衝動買いが大好きで、
おそらく一生結婚しないだろうし、
もう、ほっといたら、
裏路地でのたれ死にして
死んでもおかしくないような
だらしのない人だから、家も貯金も、
ぜんぶお兄さんの名義で残してあげて」
って言われたの。そういうふうに言われた僕って、
すごい幸せなんだか不幸せなんだか、
わかんなーい。 |
つねさん |
ワハハハハハハハ!! …すごいね、なんかね。 |
ノリスケ |
その、親が残してくれるはず、ていうのって、
計算に入れといていいの? |
ジョージ |
入れちゃダメ。 |
ノリスケ |
ダメだよね。
親が病気したら終わりだからねー。 |
ジョージ |
そう。これが自分のものになるんだって
思った瞬間にね、例えば、例えば、ノリスケ君が、
自分の親の家がもらえると思ったら、
そん次から家に帰った瞬間に、
あんな柱に釘打ってとか。 |
つねさん |
あ〜。 |
ノリスケ |
ハハハハハ。 |
ジョージ |
で、この台所は使い勝手が悪いから、
こうこうこういうふうに改装してやろうか?
っていうふうにしか見えなくなってくるんだよ。 |
つねさん |
うん。 |
ノリスケ |
僕はもし親が病気して、
どうしようもなくなったら
家を売るしかないだろうな、と思ってる。
親が全部使い切っちゃうぶんには、
ぜーんぜん構わないと思うの。 |
ジョージ |
うん、そうだよ。 |
ノリスケ |
親も、あんたに残せるものはないって
言ってるしね。 |
つねさん |
僕だって、一時期やっぱり
オヤジが弱ってるときに、財産どうしよっか、
ってことになって。田舎なんだけど、ウチ、
持ち家なのね。で、土地もちょっとあるんだよ。
でも、俺、ほとんど放棄してるの。
例えば、どっちか倒れたとき、実家に戻って
親の面倒見なくちゃいけない、っていうのが、
カミング・アウトしてないから
辛かったりとかするじゃない? そしたら、
ちょうど、妹の方がやるとかって言ってくれたの。
じゃあ、それやるんだったら、
ぼくは財産分与はいらないよ、
ってことになってる。
知り合いで、結局ほら、財産分与で?
親が残した会社がどうのとかで、
遺産がどうのとかっていう話聞くけど、
なんか、そんなんで、いがみ合うのって、
すごい、辛いよなー。 |
ノリスケ |
ウチのパートナー、それで放棄したよ。
1億円くらい放棄した。 |
つねさん |
あと、ウチの親が1回、それ放棄して、
後で、ブリブリ言ってたの見てるからね。 |
ジョージ |
そういう面は、すっごく無関心であって
いいんだと思うんだよ。
親がいくら持ってるんだろうとか、
いくら貯えてるんだろうとかね。 |
ノリスケ |
うん、知りゃしない。 |
つねさん |
知らない知らない。 |
ジョージ |
逆に、その、いま付き合ってるこいつが、
いくら貯えてるんだろう? とかっていうのは、
関心を持たないで済むのが幸せじゃない?
|
(おわり)