ノリスケ |
ね、バレンタインにかこつけて
聞きたいことがあるの。
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つねさん |
なに?
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ノリスケ |
2人のラブレターを聞きたいと思うんだな、僕は。
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つねさん |
ありゃっ。ラブレター?
ラブレターは、メールだったね、ずっと。
出会ってというか、ネットで出会ったの。
実際会うまでに、半月ぐらい、
ずっとやりとりしてたんだよね、メールの。
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ジョージ |
そう。
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ノリスケ |
その間に、ま、当然画像交換したりとか。
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つねさん |
画像交換は、した、よね。
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ノリスケ |
するでしょう。
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ジョージ |
この人ね、昔の、
そんなに太ってないときの写真送ってきたの!
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ノリスケ |
ハッハッハッハッハ。わかる、わかる。
だって、相手がどれくらいの容量が好きなのか
……容量ってナンだけど、
はっきりしないときって、
今の自分じゃだめかも、って思うのよね。
太ってるのが好きと言われても限度あるし。
そうすると、ちょっと違う自分を送ってみて
「だめ」っていわれたら、
「いまはもっと太ってるよ」って言えるもんね。
逆だったら、会うまでの時間を引き伸ばして
必死のダイエットよね。
それで、良かったの? ま、良かったんだよね。
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ジョージ |
別に僕、スペックでこの人を
好きになったわけじゃないからいいんだけどぉ。
(テレテレ)
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ノリスケ |
どこが良かったの?
あ、静かになっちゃった(笑)。
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ジョージ |
どこが良かったのか、
今になってもわからないの。
何が、ここまでお互いを
深く結びつけたのかとかって、わかんないよ。
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ノリスケ |
あー・・・
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ジョージ |
それでね、あのね、あの、
付き合ってからっていうのは、
この人を喜ばせるのには、
何を言って何をすればいいのかわかるんだよ。
だけど、つき合い始めというか、
まだ付き合うかどうかわかんない時って、
何を言えばこの人は喜ぶのか
全然わかんなかったんだよね。
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ノリスケ |
探るからねー。
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ジョージ |
そんで、一応ぼくも仕事のこととか、
さしさわりのない範囲で教えて。
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つねさん |
なんかいっぱい言ってたね。
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ジョージ |
そ、僕の考え方だとかそういうのを・・・
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つねさん |
ガーッて書いてよこしてた。
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ジョージ |
そう、言葉をよく、送るんだけど、
でもね、なんかね、
伝わってるのか伝わってないのか
わかんないんだよ。
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ノリスケ |
どんな返事を書いたの?
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つねさん |
返事なんか、よこしゃしないんだよ!
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ノリスケ |
ハハハハハハ。
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つねさん |
そーんなことなかったじゃーん(甘)。
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ジョージ |
ほとんどなしのつぶてに近いよ。
僕が40行送ったら、
こいつ1行みたいな感じだよ。
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つねさん |
いやっ・・・3行ぐらいはお返ししたよ。
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ノリスケ |
ハハハハハハハハハ。
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ジョージ |
それもなんか、
すいません、返事が遅れて、
最近忙しいので、みたいな感じ。
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つねさん |
え、忙しかったんだよ、ずっと。
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ノリスケ |
メールぐらい書けるでしょう(笑)。
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つねさん |
いや、おれ、だからボク無精なんですよ。
手紙とかメール、ダメなんで。
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ノリスケ |
そうだね、業務連絡も返事来ないよね。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
そのころってね、あ、ほんとに忙しいんだな、
フリーの仕事だから忙しいんだなって
思ってたんだけど、今になってみたら、
ぜったい忙しかったハズはないんだよ。
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ノリスケ |
忙しくったって、できるんだよね。
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つねさん |
そりゃそうなんだけどさー。
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ノリスケ |
ま、筆無精。
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つねさん |
無精は無精だね。
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ジョージ |
それでね、何回目かに、
もう書くことがないの。
で、送る画像もないの。
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ノリスケ |
毎日書いてたんでしょ?
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ジョージ |
うん。
それでね、僕、部屋の窓からね、
空撮った写真送ったんだよ。
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つねさん |
うん、来た来た。
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ノリスケ |
空?
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ジョージ |
も、そのぐらいしかないんだよ。
今日はこんなに天気が良かったですって。
ウチの部屋からこんなにキレイに見えました、
っていうのを送ったんだよ。
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ノリスケ |
まぁ〜。同じ東京の空なのに。
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つねさん |
でも、けっこうそれがね。
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ジョージ |
それが良かったんでしょ?
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つねさん |
それ良かったね、僕(笑)。
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ノリスケ |
万策尽きたあとに(笑)。
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つねさん |
だって、すっごい、送ってくる写真がさ、
ぜんぶトリミングしたりとかさ、
なんか、あの、
私かわいいでしょ? っていう(笑)。
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ジョージ |
かわいいんだから仕方がないじゃない。
っちゅうか、かわいくしか撮れないんだもの!
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つねさん |
イヤワッハッハッハ! ヒヒヒヒヒヒ!
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ジョージ |
かわいくない写真は消しちゃうのっ!!
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つねさん |
ハッハッハッハッハッハ!!
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ジョージ |
あんたバカ言うんじゃないわよ、ほんとに。
失礼しちゃうっ。
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つねさん |
いや、この人たぶん、
すごい自分がかわいいんだろうな、って
思ってるんだろうなって(笑)。
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ノリスケ |
ま、返事もろくにせずにいたところに、
万策尽きたジョージさんが、
空の写真を送ってきたと。
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つねさん |
そうね。
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ジョージ |
僕的にもね、ぜったいね、
この人は引くはずはないだろうし、
ぜったい僕のものになるだろうとは、
思っては・・・
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つねさん |
いたの?
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ジョージ |
いつつ。でも、それにしても、
こいつはおかしいぞ、と。
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つねさん |
ハッハッハ。そうだったの?
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ジョージ |
なにもの? いったい。
レスポンス悪すぎます。
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つねさん |
ああ、逆にそれが良かったのね。
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ジョージ |
あ、僕的には良かったよ。
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つねさん |
いつものと違うぞ、と(笑)。食いつきが。
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ジョージ |
そそそそ。
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つねさん |
すぐ会わないし、って?(笑)
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ジョージ |
すぐ会う会わないは別としてね、なんかね・・・
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ノリスケ |
そういえば、
東京にいるのに会わなかったんだよね。
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ジョージ |
そう、会わなかったの。
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つねさん |
全くね。
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ジョージ |
そうよ。
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ノリスケ |
その気持ちは、どんな気持ちなの?
すぐ会わないっていうの。
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つねさん |
いやっ、ほんとにあのころ、
たしかに忙しかっただけで。
物理的な理由。
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ノリスケ |
あ、そう?
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ジョージ |
でね、初めて会ったときにね、雨の暗やみで、
この人がタクシーから降りてきたんだよ。
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ノリスケ |
雨の暗やみでタクシーから降りてきた(笑)。
エクソシストみたいな話だ(笑)。
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ジョージ |
そんな感じ!
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つねさん |
いやー、あーれはですね、
僕、仕事の納品が終わって、
前の日に電話もらってて。
そろそろ会えそうだっていう時期で。
仕事がすんで、電話かけてみたら、
今からだったら大丈夫だよ、って言われたんで、
雨降ってたけど、じゃ行こうかな、
って思って場所聞いて。
そしたらなんか、ね?
傘さして待っててくれたのね。
バス停のところで。
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ジョージ |
そうそうそう。
で、ちょっと遠くで降りたと思ったの。この人は。
目の前でなくて。
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つねさん |
ふーん。
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ジョージ |
もんのすごい遠くで降りたような感じがしたの。
でも、違ったの。ただ、ちっちゃかったのよ!
こっちがわ歩いてくるんだけど、
大きくなんないんだよ。
ありゃ? チビだったんだ、こいつ・・・
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つねさん |
身長教えてありましたってば。
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ジョージ |
んなん忘れてるもん、数字なんか。
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ノリスケ |
忘れるなよ(笑)。
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(脱線したまま続きます)