ノリスケ |
バレンタインをきっかけに告白する、
なんてこと、とうの昔に忘れたな〜。
「確認」だもんな。
ていうかさ、じっさいは、「確認してから」
ラブレターって始まったりしない?
それまでは「自己紹介」みたいなもので。
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ジョージ |
たしかに、
恋に落ちてからがラブレターだよね。
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つねさん |
会って次の次の日くらいからだよね、
ラブレターに変わったのが、中身が。
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ジョージ |
運命を感じたのよ。
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つねさん |
いや、話しててねー、微妙にあったのね、
ちょっとした勘違いと、
それを埋めることの、楽しさみたいのが。
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ジョージ |
この人のことを、もっと知ってみたいと思うよね。
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つねさん |
僕もそれはあった。
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ノリスケ |
と同時に、この人のこと全部わかるなー
とかっていうのも、あるのかな?
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ジョージ |
全部わかってみたいとは思うけど、
わからなくてもいいかな、とかね。
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ノリスケ |
ねえね、そのときはもう、
2人いっしょに恋に落ちてたの?
それとも、こう・・・
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ジョージ |
2人はいっつも一緒に恋に落ちるのだ。
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ノリスケ |
あっそう。
決め台詞ってあったの?
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ジョージ |
あのね、いちおうオカマはオカマだけど、
決めるときは男よ。
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ノリスケ |
男か。男セリフか。
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ジョージ |
そうよ、男セリフだよ。
あのー、ものすごく柔らかい男セリフだよ。
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つねさん |
うん、うん。
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ノリスケ |
なあに? なあに?
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ジョージ |
たとえば、基本的に、基本的に、
ひとりで生きていけるの。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
ひとりでも楽しいの、とっても。
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ノリスケ |
うん、うん。
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ジョージ |
で、たとえば、いま僕がひとりになっても、
首をくくるほど悲しくはない。ね。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
だけど、そんなに幸せで楽しい人生が
僕を待っているんだったら、
それをひとりで楽しむよりも
ふたりで楽しんだほうがいいな、
と思うのが僕の、好きになった人に対する、
気持ちなの。
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ノリスケ |
ふんふんふんふん。
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ジョージ |
たとえば、んーとね、
逆に僕がいろいろ口説かれて、
苦手だったのが、
僕にないものをあなたは持っているから、
それを埋めて欲しい、だとか、
君がいない人生は考えられない、とか、
よく言う言い回しでしょう?
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ノリスケ |
うん、うん。
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ジョージ |
で、僕、こういうふうに言う男は
ぜったい信用しちゃいけないと思うんだよね。
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つねさん |
うんうん。
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ジョージ |
だって、だって、
他人がいないと成立しないような
人生を送る勇気しかないような人だったらば、
それは、ただ相手が欲しいだけであって、
僕を欲しいわけじゃないわけじゃない。
まあ、女の人的に、
男を信用しちゃいけないときは、男が、
そういう言葉を吐くときだと思うんだよね。
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ノリスケ |
うんうんうん。
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ジョージ |
で、彼は“誰か”が必要なのであって、
自分を必要としているわけではない。
で、基本的に僕は、誰も必要としていないの。
だけど、せっかくなら・・・
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つねさん |
分かち合える。
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ジョージ |
そう、分かち合える人と
楽しくなったほうがいいから。
で、んーと、支え合う相手ではなくて、
一緒にいることの方が、
ひとりでいることよりも楽しい相手っていうのは、
そんなにいっぱいいないんだよね。
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ノリスケ |
あー。
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ジョージ |
で、この人は、たぶん一緒にいると、
ずっと僕は楽しいんだろうな、って。
たまにイライラさせられることは
あるだろうけれど。
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つねさん |
(笑)ま、それは人間だからね。
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ジョージ |
まあ、そんなことはオナラをするようなことで、
大丈夫であってね。
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ノリスケ |
たし算になるのね。
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ジョージ |
そう。だって、そう、たし算なんだよね。
1+1が、最低でも2になんなきゃいけないのに、
ほとんどの人が1+1が1になっちゃうんだよ。
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ノリスケ |
そうだよね。欠けた半分だ、みたいな。
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ジョージ |
それをね、
平気で殺し文句に使う男がいるでしょう?
なんか、ねーっ? とくにあの、
飲み屋で口説くオヤジ?
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つねさん |
あ〜。
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ジョージ |
ベロベロんなって、
オレはダメな男なんだー、
とかって言い始めたら、
ほんっとにダメよね、って言うしかないよね。
賛成いたします、そのダメっていうのには。
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ノリスケ |
ハッハッハッハ。
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つねさん |
そうそう。
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ジョージ |
で、あなたと一緒にいると、
私もダメになるから、どうかね、
もう二度と誘わないで下さい。と思うよ。
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ノリスケ |
マイナスとマイナスになっちゃう(笑)。
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ジョージ |
で、世の中で、
自分から不幸せを選んでく女っているでしょ?
オカマにもいるでしょー。
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つねさん |
いーっぱいいるね!
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ジョージ |
すごく不幸せ癖のついたオカマ。
で、そいつらの話を聞くと、
不幸せが好きなんだよ。
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つねさん |
そういう不幸せなアタシが好き、ってやつ?
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ジョージ |
しかも不幸せにしてくれる相手が好きだから、
もう、マイナスがマイナスで
マイナスマイナスなんだよね。
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つねさん |
あ〜。そうね〜。
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ジョージ |
かければプラスになるんだろうけど(笑)、
どんどんたしていくから
マイナスがかさんでいくの。
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つねさん |
ああ、そうね。そうそうそう、
乗算じゃないんだよね、たし算。あれは。
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ノリスケ |
打ち消しあえばいいのにね。
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つねさん |
いや、でも、あれはね、
よくできたもんだと思うよ。
なんでこんなマイナスな人には
マイナスな奴しか来ないんだ、とか。
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ジョージ |
で、そういう意味で、
ラブレター書くときは、まず泣き言は言わない。
ポイントね。
ただ、自分の弱いことは平気で言える。
なぜならば、さっきの話じゃないけど、
自分の欠点まで含めて僕は自分が好きだから。
で、あとはね、これを読んだ人がね、
勇気づけられるような手紙を書こうと思うよね。
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ノリスケ |
とても、よく、わかる。
僕は、好きな人が弱みを……泣き言じゃなくて、
さらけだしてくれたら、とても嬉しいよ。
ただいっしょになって落ち込むと、だめだよね。
そういうときこそ僕は元気でいようと思う。
一緒に落ち込みかけたとき、言われたよ。
「君がそんなんじゃ、ダメでしょ?」って。
それも、嬉しかったな。
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つねさん |
でも、俺は、暗いメールは書かなかったよね。
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ジョージ |
あっ、僕、あるかも知んない・・・
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つねさん |
なに? なに?
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(つづきます)