ジョージ |
ラブレター書くと、も、精根尽き果てるからね。
あのさ、この人、もー、
最終兵器を繰り出してきたわけよ。
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ノリスケ |
なんなの? それー。
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ジョージ |
ラブレターでね。
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つねさん |
ソネット書いて送ったんだよ。
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ノリスケ |
14行詩!?
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つねさん |
そうそうそう、そんなやつを送ったら・・・
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ジョージ |
添削して返したの。
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ノリスケ |
ハッハッハッハッハ!
せっかく愛の詩を書いたのに。
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つねさん |
で、その添削がね、上手いの!
ほんっとに、やなくらい(笑)。
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ジョージ |
そういうのって、書きながら、
これもらったらやだろーなー、
僕がその立場だったらやだろうなー、
と思いながら、ま、イイヤ〜、
いじめっ子! みたいな感じで(笑)。
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ノリスケ |
送っちゃったわけねー。
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つねさん |
でも俺、逆にそれが良かったよ。僕は(笑)。
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ノリスケ |
恋をするときさ、男女の関係みたく、
お前と一生いくぞ、みたいなさ、
これで最後だみたいなことを、
考えたりとかするじゃない?
そういうのっていうのは、
ラブレターに、書いた?
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ジョージ |
手紙は約束するものじゃないと思うよ。
手紙っていうのは、
ものすごく“わたくし”なものでしょ?
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
約束っていうのは、
おおやけのものなんだよね。
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ノリスケ |
でも、一対一だって約束じゃない。
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ジョージ |
うん、でも、たとえば、
口頭で相対でする約束っていうのは、
相手の目を見て確認しながら
約束ができるわけでしょ?
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
手紙は一方的だもん。
「今度結婚しよう」
約束でしょう?
それは、会ってから言えばいい話なんだよね。
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ノリスケ |
今度言えばいいことを、
うっかり書いちゃうかも知れないじゃん。
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ジョージ |
むしろ書くんであれば、
「ほんとうに結婚をしたいんだ。
ところで君は結婚について、
どういうふうに思っているのかなぁ。
僕は、結婚というのは
こうこうこういうもんだと思うよ。
今度会ったときに、君の意見が聞きたいな」
っていうのが、結婚に対して、
手紙が得意なことだよ。
手紙で何でも書けるけど、
手紙が得意のことと、
電話が得意なことと、
メールが得意なことと、
実際に会って話をすることが
得意なことがあるんだよね。
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ノリスケ |
そうか、違うよね。
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ジョージ |
で、これだけいっぱい
伝達の手段を持ってるんだから、
得意な手段を駆使するようにしないと、
損だよね。
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ノリスケ |
そうだね、それも。
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ジョージ |
それこそ、広告媒体で
テレビとラジオと新聞と雑誌が違うように。
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ノリスケ |
そうだな(笑)。
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つねさん |
たしかにそうだね。
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ジョージ |
うん、僕たちの中に、
たとえばラジオのような電話があって・・・
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つねさん |
テレビのような一緒の時間があって。
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ジョージ |
うん、あって。で、雑誌のような・・・
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ノリスケ |
メールがあって。
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ノリスケ |
新聞のような・・・
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つねさん |
手紙が・・・
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ジョージ |
あるんでしょ?
だから、それは正しく使わないと。
で、電話ということが、得意なのは、
即座に伝えること。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
で、自分の相手に対する
レスポンスの速さを確認しあう。
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つねさん |
あとやっぱり、言葉の調子とかでわかるしね。
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ノリスケ |
ニュアンスっていうのあるよね。
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ジョージ |
で、逆に手紙が得意なことっていうのは、
想像力をかき立てること。
想像力に任せること。
あるいは、お互いの間に
何かの緩衝材を置くこと。
携帯メールが、たまにね、
電話でケンカした後に、
すぐ、さっきはゴメンね、
とかって入れることができるでしょ?
これって、ものすごくいい
媒体を使いあえたんだよね、お互いにね。
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ノリスケ |
あって良かったね、携帯メールがね。
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ジョージ |
そう。ぴぴぴって鳴って、
あっ、入った、とかって。
ちょっと傷つけちゃったかも、とかって。
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ノリスケ |
なかったら、僕もひきずって、
次に電話するまで、うじうじしてたんだよね。
で、フォローの電話もしやすいんだよね。
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ジョージ |
そんなようなもののひとつとして、
手紙があるんだろうね。
一緒にいても、
照れ臭くて伝えられないこともあるしね。
あるいは、いつも思ってるんだけども、
とりたてて言うことじゃないことって、あるんだよ。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
たとえば、うんと、も何年も付き合ってて、
まあ、ウチの夫婦キ××イみたいだから、
平気で・・・
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つねさん |
言ってっけど(笑)。
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ジョージ |
しゅきっ、とか、アイシテル、とかって(笑)、
言うけど、普通の夫婦がね、
あるいは恋人同士がね・・・
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ノリスケ |
言わないでしょう。
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ジョージ |
言わないでしょー?
それが、寝るときに布団に入って、
2人横になったら、
愛してる? ちゅきー、とかって言わないと、
寝ないんだよ?
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ノリスケ |
それはとっても素敵な、バカだと思うわ。
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つねさん |
あと、寝る前キスしてねぇ?
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ジョージ |
そう、するんだけど。
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ノリスケ |
もうなにもないうちも、あると思うが(笑)。
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ジョージ |
だから、そういうのが
何にもなくなったカップルだったら、
出張に行った先から、絵はがきで、
未だにやっぱり好きだな、
とかっていうのを書いて送るのよ。
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ノリスケ |
ああ、それは素敵だね。
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ジョージ |
これって、電話でね、
ねえねえねえ、なんとなく僕、
今でも好きだな、っつったら、
バカって言われちゃうんだよね。
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ノリスケ |
なに言ってやがんだ(笑)。
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つねさん |
この人、出張先から、絵はがきよこすのね。
「いま僕は夕焼け見てるんだけど、
この夕焼けを、君にも見せてあげたくて、
どうのこうの……」
とか書いてきたりするわけよ。
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ジョージ |
そそそそ。
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ノリスケ |
お上手。
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つねさん |
姑息よぉ〜。好きだけど(笑)。
そういうところが。
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ノリスケ |
はいはい。
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ジョージ |
そういうふうに手紙を使うといいよ。
ほんっとに。人ってね、
何気なくってどうでもいいことを、
簡単な手段で伝えようとするの。
そうすると、伝わらないの。
電話で好きだよっていうことを
伝えようとするんだけど、
どうでもいいことだからこそ、
自分の手の中にある、
一番めんどくさい手法でやるの。
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ノリスケ |
うん、うん。
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ジョージ |
たとえば、これもハリウッド的で
こっぱずかしいけど、
んもー好きで仕方がない女の人に、
部屋一面のバラの花を敷きつめてね、
なんにも言わずに、見せる。
それ、やりすぎなんだよね。
でも、それと同じような効果を、
手紙っていうのは発揮することが
できるんだと思うよ。
だから、たとえば、プレゼントをあげるときの、
カード1枚とかね。
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つねさん |
プレゼントとかって、包装紙とか残さないけど、
そのカードとか手紙とかって、
けっこう残したりとかするからね。
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ジョージ |
この前は、ウチの人に買ってもらったものを、
ポラロイドで撮って。
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つねさん |
で、僕が返してもらった。
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ジョージ |
何月何日、買ってもらいましたーっていうの、
書いて渡したの。
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つねさん |
で、僕、それを手帳に貼って(笑)。
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ジョージ |
なんて日々がこんなに盛り上がってるんだろう?
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ノリスケ |
素敵なことしてる!(笑)
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ジョージ |
手紙とかね、封筒でくるんでしまったものは、
何でも書けちゃうの。封筒ものはね、
泣き言いっぱい書いちゃうの。
あなただけに見て欲しいと思うから。
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つねさん |
親書なわけね。
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ジョージ |
そう。裸になっちゃうんだよ。
ハガキだと誰かが読むんだよね。
一番いいのはね、片方が絵ハガキになってると、
書くの半分で済むんだよ。
だけど、郵便配達夫さんが読むかもしれない。
読まないだろうけど、そのスペースで、
誰が読んでも恥ずかしくないように、
自分の気持ちをまとめるの。
それで、しかも伝えないといけないんだよ。
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ノリスケ |
それはいいね。
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ジョージ |
たとえば、男名前で、男に対して、
「最近冷たくって、ゴメンね。
もっともっと君のことを、
これからも好きになるように努力するよ」
ってこういう手紙もらいたくないでしょ?
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
ハガキにはそう書けないんだよ。
ハガキだったらどう書くかっていうと、
「いつも君には迷惑をかけています。
これからひとりの人間として、
僕も君に負けないように
一生懸命がんばっていこうと思うので、
これからもよろしくお願いします」
って書くんだよね。
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つねさん |
あ〜。
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ジョージ |
で、それは・・・
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つねさん |
誰が見ても・・・
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ジョージ |
そう、誰が見てもおかしくないの。
ああ、これは、男同士で、
仕事の関係なのか、昔からの友だちなのか、
ちょっとしたわだかまりがあって、
それを解くために書いたんだな、って思うの。
で、もらった方は、恋人同士でなくって、
一個の人間として、
彼は、僕に申し訳ないと思ってる、
許してやろう、と思うんだよ。
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ノリスケ |
そうだよね。
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ジョージ |
盛り上がるときにはね、
幸せな恋人同士でいいんだけど、
なんか問題が起こったときには、
ぜったい人間同士としての問題を解決をしないと、
恋人同士の問題は解決できないの。
たとえば、最近、最近あんた
生活態度が悪いんじゃない? と。
もっと家事を手伝ってよー。
恋人同士のケンカでしょう?
だけど、掘り下げていくと、もしかしたら、
彼には、生活上のだらしなさがあったり、
あるいは人間として計画が立てられない
とかっていう部分があって、
その部分をふたりで改善しないと、
恋人の部分の問題も解決できない。
それはね、大切にしないといけないと思う。
で、そういうのの、問題提起には、
ハガキはすごくいいのよ。
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(このテーマはこれにて終了。また次回をお楽しみに!)