ジョージ |
僕についてる、男勝りの秘書がいるでしょ?
んで、あれも一時期、
女である自分が嫌で仕方がなくて、
男になりたい時期があったんだって。 |
ノリスケ |
あー。 |
ジョージ |
んで、男っぽい言葉を使ったり、
あるいは、できません、って言わないんだよ。 |
つねさん |
うん。 |
ジョージ |
あと、ごめんなさいって
言わなかったりとかするんだよね。 |
ノリスケ |
かたくなに。 |
ジョージ |
そう。んで、そんときはね、
「僕はね、男だけどね、中身女でね、
ごめんなさぁ〜い! って言いたいのに、
言えないのよっ?
言ったら、バカッて言われるんだよ?」 |
ノリスケ |
アハハ。 |
ジョージ |
「オカマって言われるんだよ?」 |
つねさん |
アッハッハ。 |
ジョージ |
「で、おまえは、できませーん、って言ったら、
あーっ、かわいいな、ごめんねーって。
女の子にそんな難しいこと
やらしちゃったかなー? って、
一緒にやろうねっ? って
言ってくれるんだから」 |
ノリスケ |
言ってもらえるんだから! |
ジョージ |
って言ったら、
「いや、甘えるのは嫌ですから」
って言うんだよ。そんときにこう言ったの。
違うよ、って。女は甘え上手じゃないの。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
男の方が、甘え上手で、
男の方が甘えんぼさんなんだよ、って。
だって、女が子供を産むときには、
絶対他人を頼りにできないんだから、
神様は生まれながらに
女を他人に甘えないで生きていくように
強くつくったの、と。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
ね? で、男は他人に甘えないと
生きて行けないのに、女が甘えなかったら、
男は甘えることができないのよ、と。
女の子が最初に甘えてごらんなさい、って。
男の人の好意にあえて甘えたら、
男はそれ以上に甘えるから。 |
ノリスケ |
ん〜。 |
つねさん |
あ〜。 |
ジョージ |
そしたら、女は、
もっともっと仕事がしやすくなるんだよ、
って言ったの。したらね、その頃からね、
その子はね、人にものを頼むのが上手になった。 |
ノリスケ |
は〜。 |
ジョージ |
私はこれはできないから、とかって
絶対言わないんだよ。やっぱり勝ち気だから。
だけど、彼女は、
「女の私が言うよりも、
男のあなたから言っていただいた方が、
説得力があると思うから、
よろしくお願いします」
って言うんだよね。 |
ノリスケ |
うん、うん。 |
ジョージ |
「でも、直接それを言いっぱなしにすると、
その後でいろいろ問題が起きるでしょうから、
起きた問題は私が全部フォローしますから、
どうぞ言って下さい」
って言いに来るの。 |
ノリスケ |
うぉ〜!! |
ジョージ |
そしたらね、
男バカだから、おだてられるとね、
も、嫌なことでもやってくれちゃうの。 |
つねさん |
やんなきゃーって? |
ジョージ |
オレが言ってやるからなーっ! って。
んで、言った後でね、やっぱりね、
あの言い方はなんだ、とかね、
どうとかこうとかって言い始めるんだよ。男はね。
そうすると彼女はね、
自分の手下の女性の社員に、
あの人は、本心はそうじゃなくって、
私たちがほんとは言わなきゃいけないことを
言ってくれたのよ、と。 |
ノリスケ |
へぇーっ。 |
ジョージ |
だから、みんな、あの人をフォローしましょうね、
カバーしましょうね、っていって、
女がバーッて散っていって、
そういうことを言うの。
「そうじゃないんです、そうじゃないんです」。 |
つねさん |
へぇー。 |
ジョージ |
そうすっとね、男は男が上がるんだよ。 |
ノリスケ |
おおーっ! |
ジョージ |
でね、女は女で、いや、ウチの女の子たちって、
気が利くよね、っていうことになるんだよ。 |
つねさん |
すごいね。 |
ジョージ |
で、これってさ、ある意味、
職場におけるフェロモンでしょ? |
ノリスケ |
フェロモンだね。上手な使い方だよね。 |
ジョージ |
で、それを言わせてもらった男の上司は、
男らしいッフェロモンを出しちゃうんだよ。 |
ノリスケ |
出したんだね。 |
ジョージ |
んで、女が男をフォローするという
女らしいフェロモンを出してるの。 |
ノリスケ |
はぁ〜。 |
ジョージ |
色っぽい仕事って、したいもんね。 |
ノリスケ |
したい! 「色っぽい」は大事。
色気じゃなくって、色っぽいっていうの、
すごい大事。 |
つねさん |
そうだね。 |
ジョージ |
だからトレーニングだよ、やっぱり。ね。 |
つねさん |
でも、そういう理解のある上司とか、ねー?
いたらいいよね。 |
ジョージ |
あ、でも、上司は基本的に理解のないものだよ。
というかね、あのー、人の上に立てば立つほど、
感受性を失っていくんだと思うんだ。 |
ノリスケ |
ん〜。 |
ジョージ |
だってー、あまり細やかで
繊細なことに感動をしていると、
10人20人の人に命令は出せないわけじゃない。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
だから、感受性を徐々に損なっていくの。
で、それをね、ほとんどの人は、
強くなったっていうふうに、
勘違いするんだけどね。 |
ノリスケ |
うん、うん。 |
ジョージ |
だけど、それは、逆に悲しいことでね。
だから、どんどんどんどん出世する人見たら、
ああ、かわいそうだな、って思うのも、
いいことだよ。 |
つねさん |
へぇー。 |
ノリスケ |
ふーん。…男のフェロモンは? |
ジョージ |
男のフェロモンは、情けなさと紙一重だね。 |
ノリスケ |
情けないところのある人、好きなの、僕(笑)。 |
ジョージ |
女のフェロモンは、滑稽と紙一重、裏表だけど。 |
ノリスケ |
情けなくなっちゃうのかー(笑)。 |
つねさん |
でも、情けなくなっちゃったらダメなんでしょ? |
ジョージ |
んー、あのね、たとえば、
銀座のクラブでいちばんもてる人っていうのは、
男前じゃないんだよ。 |
ノリスケ |
見た目が。 |
ジョージ |
うん、それから、色気のある人でもないんだよ。
だって、50、60になって、男の色気ってさー、
役者かオカマかどっちかだもん。 |
ノリスケ |
ハハハハハハハハハハハハ!
音楽家も色っぽいけど。 |
ジョージ |
それ以外の人は色気はもう、なくなってるんだよ。
でもね、もてる人はもてるの。
うちの父とかもそうだけど、
もてる人はもてるんだよ。 |
(つづきます。)