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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

フェロモン出したい。その4
女と男と仕事とフェロモン。


ジョージ 僕についてる、男勝りの秘書がいるでしょ?
んで、あれも一時期、
女である自分が嫌で仕方がなくて、
男になりたい時期があったんだって。
ノリスケ あー。
ジョージ んで、男っぽい言葉を使ったり、
あるいは、できません、って言わないんだよ。
つねさん うん。
ジョージ あと、ごめんなさいって
言わなかったりとかするんだよね。
ノリスケ かたくなに。
ジョージ そう。んで、そんときはね、
「僕はね、男だけどね、中身女でね、
 ごめんなさぁ〜い! って言いたいのに、
 言えないのよっ?
 言ったら、バカッて言われるんだよ?」
ノリスケ アハハ。
ジョージ 「オカマって言われるんだよ?」
つねさん アッハッハ。
ジョージ 「で、おまえは、できませーん、って言ったら、
 あーっ、かわいいな、ごめんねーって。
 女の子にそんな難しいこと
 やらしちゃったかなー? って、
 一緒にやろうねっ? って
 言ってくれるんだから」
ノリスケ 言ってもらえるんだから!
ジョージ って言ったら、
「いや、甘えるのは嫌ですから」
って言うんだよ。そんときにこう言ったの。
違うよ、って。女は甘え上手じゃないの。
ノリスケ うん。
ジョージ 男の方が、甘え上手で、
男の方が甘えんぼさんなんだよ、って。
だって、女が子供を産むときには、
絶対他人を頼りにできないんだから、
神様は生まれながらに
女を他人に甘えないで生きていくように
強くつくったの、と。
ノリスケ うん。
ジョージ ね? で、男は他人に甘えないと
生きて行けないのに、女が甘えなかったら、
男は甘えることができないのよ、と。
女の子が最初に甘えてごらんなさい、って。
男の人の好意にあえて甘えたら、
男はそれ以上に甘えるから。
ノリスケ ん〜。
つねさん あ〜。
ジョージ そしたら、女は、
もっともっと仕事がしやすくなるんだよ、
って言ったの。したらね、その頃からね、
その子はね、人にものを頼むのが上手になった。
ノリスケ は〜。
ジョージ 私はこれはできないから、とかって
絶対言わないんだよ。やっぱり勝ち気だから。
だけど、彼女は、
「女の私が言うよりも、
 男のあなたから言っていただいた方が、
 説得力があると思うから、
 よろしくお願いします」
って言うんだよね。
ノリスケ うん、うん。
ジョージ 「でも、直接それを言いっぱなしにすると、
 その後でいろいろ問題が起きるでしょうから、
 起きた問題は私が全部フォローしますから、
 どうぞ言って下さい」
って言いに来るの。
ノリスケ うぉ〜!!
ジョージ そしたらね、
男バカだから、おだてられるとね、
も、嫌なことでもやってくれちゃうの。
つねさん やんなきゃーって?
ジョージ オレが言ってやるからなーっ! って。
んで、言った後でね、やっぱりね、
あの言い方はなんだ、とかね、
どうとかこうとかって言い始めるんだよ。男はね。
そうすると彼女はね、
自分の手下の女性の社員に、
あの人は、本心はそうじゃなくって、
私たちがほんとは言わなきゃいけないことを
言ってくれたのよ、と。
ノリスケ へぇーっ。
ジョージ だから、みんな、あの人をフォローしましょうね、
カバーしましょうね、っていって、
女がバーッて散っていって、
そういうことを言うの。
「そうじゃないんです、そうじゃないんです」。
つねさん へぇー。
ジョージ そうすっとね、男は男が上がるんだよ。
ノリスケ おおーっ!
ジョージ でね、女は女で、いや、ウチの女の子たちって、
気が利くよね、っていうことになるんだよ。
つねさん すごいね。
ジョージ で、これってさ、ある意味、
職場におけるフェロモンでしょ?
ノリスケ フェロモンだね。上手な使い方だよね。
ジョージ で、それを言わせてもらった男の上司は、
男らしいッフェロモンを出しちゃうんだよ。
ノリスケ 出したんだね。
ジョージ んで、女が男をフォローするという
女らしいフェロモンを出してるの。
ノリスケ はぁ〜。
ジョージ 色っぽい仕事って、したいもんね。
ノリスケ したい! 「色っぽい」は大事。
色気じゃなくって、色っぽいっていうの、
すごい大事。
つねさん そうだね。
ジョージ だからトレーニングだよ、やっぱり。ね。
つねさん でも、そういう理解のある上司とか、ねー?
いたらいいよね。
ジョージ あ、でも、上司は基本的に理解のないものだよ。
というかね、あのー、人の上に立てば立つほど、
感受性を失っていくんだと思うんだ。
ノリスケ ん〜。
ジョージ だってー、あまり細やかで
繊細なことに感動をしていると、
10人20人の人に命令は出せないわけじゃない。
ノリスケ うん。
ジョージ だから、感受性を徐々に損なっていくの。
で、それをね、ほとんどの人は、
強くなったっていうふうに、
勘違いするんだけどね。
ノリスケ うん、うん。
ジョージ だけど、それは、逆に悲しいことでね。
だから、どんどんどんどん出世する人見たら、
ああ、かわいそうだな、って思うのも、
いいことだよ。
つねさん へぇー。
ノリスケ ふーん。…男のフェロモンは?
ジョージ 男のフェロモンは、情けなさと紙一重だね。
ノリスケ 情けないところのある人、好きなの、僕(笑)。
ジョージ 女のフェロモンは、滑稽と紙一重、裏表だけど。
ノリスケ 情けなくなっちゃうのかー(笑)。
つねさん でも、情けなくなっちゃったらダメなんでしょ?
ジョージ んー、あのね、たとえば、
銀座のクラブでいちばんもてる人っていうのは、
男前じゃないんだよ。
ノリスケ 見た目が。
ジョージ うん、それから、色気のある人でもないんだよ。
だって、50、60になって、男の色気ってさー、
役者かオカマかどっちかだもん。
ノリスケ ハハハハハハハハハハハハ!
音楽家も色っぽいけど。
ジョージ それ以外の人は色気はもう、なくなってるんだよ。
でもね、もてる人はもてるの。
うちの父とかもそうだけど、
もてる人はもてるんだよ。
(つづきます。)

2002-03-12-TUE

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